7/5(月)ワークショップレポート(佐々木)

2021年7月 5日 Posted in 唐十郎戯曲を読む『ガラスの少尉』
みなさんこんばんは。佐々木です。
本日はワークショップレポートです。
今月からの作品は『ガラスの少尉』
劇団唐ゼミ☆でも2009年に上演しています。
それではレポートしていきます!

この作品は、前半部分が1973年6月8日のNHK・FMで放送された、
40分ほどのラジオドラマ『ギヤマンのオルゴール』。
そのラジオドラマを元にして『ガラスの少尉』が出来上がっています。
どうやって『ギヤマンのオルゴール』から『ガラスの少尉』になっていったのか。
それは『唐版 風の又三郎』が関係しているそうです。

というのも、1974 年8月のパレスチナ巡業に連れて行ってもらえる条件は
"渡航のためのお金を自分で用意すること"で、
そのお金はなんと30万円だったとか!
もちろん全員が用意できたわけではなく、
日本に残していく劇団員達のために
これを練習しておきなさいと『ガラスの少尉』を書き残し、
パレスチナへ向かった唐さん。

しかし、状況劇場では稽古場での発表会はあったものの
この作品が公式に上演される事はありませんでした。
どこかの学生劇団がやったことはあった様ですが、
まともに上演したのは唐ゼミ☆が初めてだったかもしれません。

バリ島に向うジェット旅客機の内部からストーリーが展開します。

ギヤマンの星をかざしてごらん
水道が滝になり
牛が一匹お寺の鐘によじのぼり
この岩からは血がほとばしる
蝮が馬とさかり
高いビルの上では
蛇が禿鷹をズタズタに引き裂く
氷の中に火が燃えて
太陽はカルメ焼となり
目には墜落するジェット
そしてこの木が歩き出す
ギヤマンの星をかざしてみたかい

とても詩的な歌から始まります。

そして、飛行機は喫茶店となり、ガラス工場になっていきます。
唐さんとガラス工場と言うと『少女都市からの呼び声』が思い出されます。
唐さんはガラス工場がお好きなのでしょうね。

読み進めていっても、単純明快で大変読みやすいストーリー!

来週はジャングルにだんだんと向かって行く部分からスタートします!
場所は展開していき、徐々に戦争中の東南アジア、
インドネシア、バリに視点をあてている作品ですが、
比較的わかりやすく、どんどんと読み進めて行きます!

来週もよろしくお願い致します!

ガラスの少尉.png


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