5/1(金)第二の戯曲

ここ10日ほどかけて、唐十郎第二作、
『月光町月光丁目三日月番地』を読んでいます。
この劇は、『渦巻は壁の中をゆく』という別タイトルもあり、
誰もいない町で壁に埋まった若い男女の、訥々とした会話を
描くものです。堕胎や医者といったモチーフがすでに出てきます。
何より、「月光町」といえば『唐版 風の又三郎』第一幕の
舞台となる町ですが、かつて目黒区に実際にあったこの町の名前も
すでに登用されています。
まだ笑いはありません。陰々滅々です。
けれど、よく見ていくと、壁に埋まった男女がコミカルに
感じられる瞬間があり、私たちの知る唐十郎までもう一歩、
という感じがします。
……白いカベの向こうにほこりっぽい道がつづき、ダリヤの花が咲いて
というせりふが印象的。
阿部公房さんの影響は、どのくらいあったのか。
ちなみに、この台本は、唐さんの作品が初めて印刷物になった
ものなのではないかと、私はとらえています。
状況劇場の初期メンバーであり、作家の村尾国男さんが
亡くなる前に、私に託していかれた冊子があります。
この中に、この台本と村尾さんの短歌が仲良く入っています。
あと数日かけてこれを精読します。
GWは初期の唐十郎に、深く沈みます。

