8/13(木)明治38年のバッタンバン

今日も朝から『ベンガルの虎』の稽古。
物語は、昭和の花月園競輪場から、明治38年のバッタンバンに
移動することになりました。どこでもドアとタイムマシンの合わせ技です。
唐十郎作品では、ことば一つでこういうことはよくあり、まさに
唐さんの得意技といえるシーン進行です。

火鉢から灰がたなびくと日蝕が近づき、
日蝕の日だけ、ヒロイン「カンナ」のものに帰ってくる夫「水島」が
やってきます。しかも、なぜかその姿は競輪選手の格好をしている。
唐さんの腕と筆にかかれば、太平洋も東シナ海も自転車で渡って来られる
という寸法です。

で、伝説の車券売り「お市」のたった一言で、明治38年バッタンバンに移行。
ヒロイン「カンナ」が振り回されまくるところを、工夫を重ねて稽古しました。

こう書いていると不思議で不気味なようですが、細かなせりふは
かなり遊んだ感じでもあり、実際にやってみるとけっこうコミカルです。
お婆さんたちが一気に、東南アジアに売られていった「からゆきさん」に
変化するところを、出演者たちはウキウキやっています。

一方で、舞台上では、使い終えた自転車をどう片付けようか?
なんて実務的な進行もしていくのも、おもしろいところです。
熱演のなかに、実務の冷静さがある。

女衒「村岡伊平治」の登場まであと一歩です。

ところで、実際の村岡伊平治は、バッタンバンのあるカンボジア
では商売をしていません。彼が商売をした土地は、現在の中国、
シンガポール、フィリピン、インドネシア、こういった地域です。

でも、『ベンガルの虎』では「バッタンバン」でなければなりません。
「バッタンバン」。響きが良いから!
口に出してみれば、いろんな情景を想起させるからです。

明日はもっと魔界に入るぞ〜