9/28(月)『ベンガルの虎』本読みWS 第9回

今日の唐ゼミ☆は荷物の積み込み日。
雨が降って難儀なところもありますが、明日からのテント建てに備えています。

昨晩は、『ベンガルの虎』本読みWSでした。
全篇を読むのに11回かかるうちの第9回目です。
昨日に読んだ箇所、三幕の序盤まで内容を把握してもらって、
あとの2回は、公演終了後にたのしんでもらおうという趣向です。

唐十郎作品において。
三幕ものの三幕序盤は、息抜きの意味合いがあります。
何せ、二幕が盛り上がりますから、緊張と興奮の連続です。
ですから三幕序盤では、ホッと一息ついてもらって、
三幕終盤が二幕以上に盛り上がるための助走をつける役割があります。

人間も物語も、ずっと緊張していては物足りなくなります。
一回、緩めることで、これが弾みになるわけです。
これが、唐作品の三幕ものに共通する構造です。

さて、三幕に入ると。
「銀次」と「カンナ」が少しだけ現れて、「カンナ」は自信喪失
しています。それはそうでしょう。二幕で明らかになった彼女の
出自は、彼女が自分に疑心暗鬼になるのに充分な過酷さを持って
いたわけです。母は南洋で亡くなった「からゆきさん」。
自分も、生み落とされてすぐに死んだ赤ん坊ではないか。
これまで自分をこうと信じてきた、東京の入谷育ち、元家庭科の教師、
すべてが疑わしい。

そうした中で二人が向かうのは、入谷です。
「カンナ」の正体を見極めるために、初夏の風物詩「朝顔市」の日に
二人はここにやってきます。

ここでは、一幕の舞台である錦糸町にいた人たちが、そっくり入谷に
やってきて、町内会を構成しています。(結局、どっちの住人なんだ?
というのは、言いっこなし!)

「お市」は婦人部長的に町内を取り仕切り、
その上には、「馬の骨父子商会」の「俗物隊長」が町内会長として
君臨しています。「君臨」と書きましたが、唐さんのなかで、
たかだか町内会は世界のすべてとなり、「町会長」が果てしなく
「王様」であるところが、面白いところです。
下町の風俗に根ざしながら、戯画的に描いています。

そこで繰り広げられるやり取りは。
「馬の骨父子商会」の面々が先頭でハンコを洗っている、とか。
ついで印肉も洗ってしまっている、実に迷惑、とか。
流しの「左近」「右近」兄弟は、自分たちも同じ穴のムジナである
のに、持ち前の上昇志向から周囲を見下してマスクを常につけている
ために、やたらと滑舌が悪くて何を言っているのか分からない、とか。

そんな他愛もないことばかりです。
一方、やってきた「銀次」「カンナ」は、「カンナ」が地元民に合わす顔が
ないと逡巡し続ける、というユルい場面が展開します。
この後、「水島」が帰ってきて「カンナ」「銀次」との三角関係が
再来すると、物語が急速に動き始めますが、昨晩はその前段まで。

ここからは、実際の唐ゼミ☆公演を観てください。
そして、公演終了後に、実際の上演の話もしながら、
終盤の約40ページを読み解きましょう。

次回は、下記のスケジュールです。
10/19(月)19:30-21:30
10/26(月)19:30-21:30

それでは、青テントでお待ちしています!