第1回公演 『24時53分「塔の下」行きは竹早町の駄菓子屋の前で待っている』
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『24時53分「塔の下」行きは
竹早町の駄菓子屋の前で待っている』
【公演日程/場所】
2001年
1月 横浜国立大学第一研究棟 唐十郎研究室内小舞台
(全2ステージ)
【あらすじ】
高くそびえる巨大な塔のあるここは、救いの都。またの名を安住の町。
「竹早町にある駄菓子屋の前から都電にのりかえ、
13番線「塔の下」行きの電車に乗るとすぐに来られます。」
区役所の男はそう説明する。
そこでは、人は笑いながら飛び下り、よろこんで死んでいく。
二人の老人は、塔の頂きを目指しながら過去のよかった思い出をくりかえし語り、
自殺志願の息子を背負った老婆は、唄を忘れたカナリヤの唄をうたうことで、
かつて暮した「夕暮れの町」に帰ろうと息子を諭そうとする。
サラリーマンの男は仕事から抜け出し、妹の言う「夕暮れの町」に行くつもりがこの町に辿り着いてしまった。
区役所の男に塔へと案内されたサラリーマンは、塔の階段を登るにつれて過去の記憶を失っていく。
階段を数える声は止み、塔の頂きからひびく笑い声。老人の二重唱のような笑いも長く尾を引く。
区役所の男は、客を見据え、区役所からこの町へ来るための推薦状をもらうよう薦め、
一緒に塔に登ろうと誘いかけるのだった。
※
この作品を上演するために、新たに曲が書き足された。
作:唐十郎
憶えてる おぼろげの
あのオーボエを
おぼろにひびく オーボエ吹けば
誰かがあたしを 思い出す
ここに いるって
いつしか きっと
憶えてる おぼろげの
あのオーボエを
【キャスト/スタッフ】
作・演出=唐十郎
母=宮里保代
息子=林田史子
紳士=志賀謙太
少女=吉田伊都子
浮浪者=佐藤悠介
老人A=志津友紀
老人B=板山大介
青年=岩本慎弥
作曲=サトウユウスケ