2021年劇団員募集!!!

2021年1月16日 Posted in お知らせ
2021年、新たな劇団員の募集を行います。
唐十郎作品を上演することをメインに、資料収集や整理、分析など、
唐作品研究全般にも力を入れた劇団として活動しています。
不安定な情勢下ではありますが、今年もテント公演をやりたい!
そのための仲間を募集します!!!        代表 中野敦之

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劇団員募集!!!

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世界を創る ゼロから創る
劇団だからできること!

役者、美術、音響、照明、衣装など舞台全般に興味のある方。
唐十郎作品に興味のある方。
テント、野外公演に興味のある方。
経験不問。ノルマなし。

【対象】
16歳以上
※45歳までの方を希望しますが体力に自身のある方は
それ以上の年齢でもご応募ください。

【募集人数】
5名

【募集期間】
2021年3月31日締切

【活動内容】
1、2021年『唐版 風の又三郎』テント公演
2、劇団集合、稽古(公演期間外は週1回程度)
3、唐十郎作品の研究〜資料収集と整理、公開ワークショップ

【活動拠点】神奈川県横浜市 Handilabo
(230-0071 神奈川県横浜市鶴見区駒岡4丁目30ー49)

【お問合せ】
TEL:070−1467−9274

面接日程は相談の上決定します。
まずはお気軽にご連絡ください。
※メールでお問合せの際は、
簡単なプロフィール(名前、年齢、性別、電話番号、メールアドレスなど)
を記載してお送り下さい。
問合せフォームにてもお受付しております。
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1/15(金)ワークショップレポート(中野)

2021年1月16日 Posted in 中野note
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↑佐々木あかりの劇団員デビュー。『唐版 風の又三郎』三幕冒頭の看護婦

いやあ、参りました。
一昨日のワークショップでのことです。

昨日、このゼミログで劇団員の佐々木あかりが書いた通り、
私は彼女をワークショップに参加させました。

一昨日はたまたま男性ばかりの参加。
女性参加者も一人はいらっしゃったんですが、
その方は少し遅刻して入られた。
そこで、佐々木に入るように言いました。

目下取り組んでいる『唐版 滝の白糸』という演目の中で
紅一点のヒロイン・お甲(こう)が登場して2度目に当たる回でしたが、
このお甲を男性がやったのでは感じが出ない。
そこで、佐々木に振ったわけです。

佐々木は、21歳の若者です。
劇団に入ってちょうど一年が経ったところ。
2019年、彼女がまだ桐朋学園の演劇科に在籍していた頃、
唐ゼミ☆の募集に応じて『ジョン・シルバー三部作一挙上演』に
出てくれた。それが面白かったらしく、学校を卒業して
劇団員になりました。
ですから、前回の『唐版 風の又三郎』が団員として過ごした
初めての公演だったわけです。

で、彼女がせりふを読み始めると、内心、私は焦りました。
何箇所か、漢字の読み方におぼつかないところがある。
あと、現代っ子の故からか、それともいきなり振られて緊張しているからか、
イントネーションがちょっと変だ。

(ところで、今の20代は「えもん掛け」「物干し台」と言っても通じません。
「『ハンガー』のことだよ」「『ベランダ』や『バルコニー』のことだよ」と、
写真を見せながら説明する必要がある。
人間って、不思議と実感していないことばを発語すると、実感している人に
とっては変な響きを帯びる。古いことば、硬い物言いもそうですが、
こういった言い慣れなさや実感の無さを克服するのも、俳優の仕事です)

そういうわけで、
台本を読み込むという以前に、漢字の読みなどですから、
これは地道な予習が足りないなと思い、急に振った自分を恨みました。

白状すれば、そこにはつまらない自意識もあり、
そういう佐々木を看過すれば、WSに参加されている皆さんに
「ははん。劇団員なのに唐ゼミ☆はこの程度か!」
と思われるのではないかとも思いました。だから、正さないわけにいかない。

ところが、佐々木も緊張しているから、平常時よりさらに修正が効かない。
すると、こっちも時間を割かざるを得なくなり、
せっかく1,000円を払って参加してくださっている参加者の皆さんを前に
劇団員ばかりがせりふを言って、それを修正している事態になってしまった。
さらに慌てました。

焦っているのがバレてはいけないし、お客さんの前だから、
劇団の稽古みたいに「おい、お前なあ」と口汚くなってもいけない。
「あかりちゃんねえ・・」とかえってソフトに言いたくもありますが、
客人の前でだらしないから、「佐々木さんねえ・・」と私も堅くなる。
私たちは、不自然の渦に飲み込まれて必死になりました。

・・・ところが、終わってみたら、
皆さんにはどうもこれが面白かったらしい。
お客さん相手のワークショップとしては失敗だったはずなのに、
そのあたりも含めて面白かったらしいのです。

ことに、たまりかねた私が、ちょっとキツい口調になりながらも、
お客さんの前なので、無理にオブラートに包もうとしているところまでを
含めて、皆さんは楽しかったようでした。

よく考えてみると、ワークショップで伝えたかったことって、
まさにこういうことなんですね。

私と佐々木あかりの会話は、立ち会っているお客さんに影響されます。
「銀メガネ」による「お甲さん」への対し方は、
「アリダくん」に影響されるし、「アリダくん」への意識なしに成り立たない。
と、こういうところを捉えながら会話のアヤをつくりたかった。
その上で、そういう心の揺らぎが観客に見て取れるように演じると、
単なる会話がとっても面白くなる。

図らずも、私は課題を体現してしまいました。
バレないようにしたつもりが、完全に、すべてバレていた。

「泰然自若」からは程遠い自分の感じ、
度胸の無さや、目下の者に対する日頃のぞんざいさ、
世間体を気にして右往左往する感じまでもが露見してしまったわけですが、
皆さんの優しさに救われました。

申し訳なく、情けなくもありますが、
何だか評判が良いし、佐々木を育てたいので、来週以降も参加させようと思います。
(漢字の読みだけは、予習して来いよ!)

それにしても、例え大勢の人の前でも焦らず、
さりげなく人をフォローできるようになりたいと改めて思いました。
「教えることは学ぶこと」
ここ数日、たまたま読んでいた二代目神田山陽の伝記の一節が痛感せられます。
参加の皆様と、佐々木あかりにも、ただただ感謝です。

1/14(木)ワークショップレポート(佐々木あかり)

2021年1月15日

こんにちは。佐々木あかりです。

本日も13日に行われたワークショップレポートをお送りします!


昨年から読み始めた『唐版 滝の白糸』も物語の中盤。

『唐版 滝の白糸』の登場人物は主に3人。

主人公アリダくんとヒロインのお甲さん、そして"タカリ男"の銀メガネ。

ようやく三人が揃ったシーンに差し掛かり、

お甲さんの本性がチラチラ見えてきます。


今までは二人での対話がメインでしたがここからは三人になり、

一人増える事で当然会話が複雑になります。

その中で『第三者をどう扱うのか』が本日のポイントでした。


例えば、会話に混ざっていない人に対して、

聴こえないようにセリフを言うのか、わざと聞こえるように言うのか。

内緒話なのか、嫌味を言っているのか、

きちんと読み解いていく必要があります。


これ、私も良く間違えて読んでしまうので大変耳が痛かったです。

正しく読むには色々な文章を読む必要がありそうです。

読書量を増やさないと!


また、会話の中になんとも陰険な部分が出てきたのが面白かったです。

アリダ君の持つ10万円を巡って銀メガネとお甲さんはライバル関係にありますが、

お甲さんを責めすぎれば、銀メガネはアリダくんに嫌われてしまう。

これが弱みになって適度にバランスを取るのがおもしろい。



アリダ君に嫌われたくない銀メガネは、ソフトに、ソフトに

お甲さんが水商売の女であり、ふしだらで自己中心的な人間であることを

あらわにし、アリダ君が彼女を嫌うように仕向けます。


お甲さんはお甲さんで、

女性経験の少ないアリダ君の前で泣いて見せることで、

自分が被害者であることを強調します。


こう言う場面のやり取りは、

アリダ君のリアクションが上手くできると

グッと上演に深み出るのだなと思いました。


ところで、

今まではアシスタントとしてワークショップに参加していましたが、

実は今回、初めてせりふを読みました。


とても楽しかったですが、まだまだ未熟だなあと痛感しました。

次回も皆様と一緒に楽しみながら、唐十郎戯曲を読み、学びたいと思います。

暖かく見守って頂ければ幸いです!


『唐版 滝の白糸』のワークショップも残り2回。

三人の会話に小人プロレスラーたちが加わり、

物語はいよいよ終盤へとなだれ込みます。


来週もアシスタント兼参加者の一人として

よろしくお願い致します!


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(ワークショップ中のデスクはこの配置で落ち着きました。

いつも似た写真なので、来週は面白いものを・・!)

1月13日(水)マスクで稽古は大変だった。(米澤)

2021年1月14日

劇団の先輩の麻子さんが出演されている舞台を見に行ってきました。

出演者全員がマスクつけて登場して、

セリフを喋っていました。

しかもセリフ量がたくさんです。

マスクしたまますごいです。

 

だけど観劇中は、マスクに注意が向くことがなかったです。

違和感を感じませんでした。

時代劇なのにマスクをしている、みたいなことであれば違和感ありますが。

 

それにマスクの生活に慣れてしまいました。

映画や舞台の物語の中で、

マスクなしの日常が送られていると逆に違和感を感じることがあるぐらいです。

今回の舞台はマスクをしていることが普通に感じられました。

 

それでもマスクで上演は大変だったと思います。


唐版風の又三郎の稽古中ずっとマスクをしたままで、

長いセリフでは全然息がつづかなかったことを思い出します。

Zoom読み合わせで家でマスクなしでやっている状態と感覚が違ってびっくりしました。


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本番中はマスク外していたわけですが、


テントを建ててからいつもと違ったことは

上演中にテントの横幕を少したくしあげて隙間をつくって

換気されるようにしたことです。

 

ただ開演前の準備中に幕を開けておくと、その隙間から

風にのって大量の落ち葉が入り込んで

一度掃除したはずの客席をもう一回掃除しなければならなくて大変でした。

本番前でピリピリしているときに仕事が増えるのがいやだった!

 

劇団唐組ではいつものテントではなく野外劇仕様になていたので、これも大変だったと思います。

他に自分が見た公演では

休憩を2回入れたり、

換気すること自体が台本の中の一部として組み込まれていたり、

無観客で配信でしか見られなかったり

zoom演劇


それぞれ大変なことはあると思いますが

いろいろあっておもしろいです。


VR演劇というものを噂にききました。

一度みてみたいです。

 

1/12(火)『セールスマンの死』と唐さん

2021年1月12日 Posted in 中野note
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↑滝沢修さん(一番左)のウィリー・ローマン

今日まで、KAAT神奈川芸術劇場では、
アーサー・ミラーの名作『セールスマンの死』が上演されていました。
長塚圭史さんによる演出作の再演です。主演は風間杜夫さん。

『セールスマンの死』は唐さんの好きな演目の一つで、
明治大学の学生だった頃にご覧になったのが初めだそうです。
よく、滝沢修さんが演じた主人公「ウィリー・ローマン」が良かったと
おっしゃていました。(ということは劇団民藝の上演)

唐さんや状況劇場、紅テントは新劇へのアンチだと思われがちですが、
若い頃の唐さんは新劇をよく観ており、滝沢修さんのことは、
「滝沢先生」と呼び、学生時代にはなんと、終演後の
当日パンフレットにサインまでもらったことがあったと伺いました。
後に"唐十郎"として台頭したあと、何かの集まりでご挨拶したら、
滝沢先生はまったく覚えていなかった、とも。

一方で、学生時代、
同じ学生演劇人として新劇団自由劇場(後の「早稲田小劇場」)が
上演した同演目にも衝撃を受けたそうです。
鈴木忠志さん演出で、ウィリー・ローマンに扮したのは小野碩さん。

若くして亡くなった小野さんですが、
その演技は青年でありながら老生しており、
ボソボソと喋るモノローグが異様な吸引力を持っていたとのこと。

大声やシャウトがイメージされがちなテント演劇ですが、
実際の唐さんはたいへんに弱音(じゃくおん)を重視します。
この価値観が育まれた理由の一つに、若き日に観た『セールスマンの死』の
小野碩さんが一役買っている事は間違いありません。

1/11(祝月)本日は劇団集合。あと、新資料について

2021年1月11日 Posted in 中野note
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↑最近、初めて知った清川虹子さんの著作。
取り寄せた古本ですが、サイン本でした!

本日は劇団集合でした。
緊急事態宣言下ということもあり、
Covid-19の動向を占いながら、2021年の公演や活動がどうあるべきか
話し合いました。

ところで、最近、冒頭にあげた本を読みました。
私は芸談を読むのが好きで、特に、仕事が立て込んで
あまり難しい本や、継続的な集中を必要とする長編に頭が耐えきれない時には、
ひたすらこういうものを読んで愉しんでいます。

『人間コク宝』で有名な吉田豪さんは、
芸能人のエッセイについてプロの書評家と称されていますが、
私も、唐さんに関する限りは、1行でも記述があるものには
通暁していたいと思ってきました。

年末年始、なんの気なしにネットサーフィンしていた時
"唐十郎"でヤフオクを検索をかけたところ、
この本の紹介に"唐十郎についての記載あり"とありました。

そこで早速とり寄せたわけです。

清川虹子さんと唐さんの絡みで言えば、
先日、主人公「山手線(やまてせん)」の読み方でご紹介した
1970年代後半の傑作『蛇姫様-わが心の奈蛇』に、
清川さんが出演されたことが有名です。

この本には、唐さんがどのようにして清川さんにオファーを出されたのか、
経緯が記されており、台風に見舞われた福岡県田川市のボタ山での体験が
印象深く書かれています。

ボタ山といえば地盤がユルユルですから、
倒れそうなテントを観客が一緒に支えてくれたとか、
そんな荒天にも負けずに詰めかけた観客の期待に応えて、
夜中に追加公演を行ったことも熱っぽく書かれています。

・・・・。
こんな具合に、自粛を余儀なくされて身動きができない時にも、
唐ゼミ☆的前進を心がけ、私たちは過ごしています。

1/10(日)悪霊退散!/津内口

2021年1月10日 Posted in 劇団員note
突然ですが、私、「盛り塩」を信仰しています。
公演の折にはテントの入口に必ず清め塩を設置。欠かしたことはありません。

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(↑『唐版 風の又三郎』劇場エントランスの盛り塩)

元々は初演の『下谷万年町物語』の際、
大流行したインフルエンザに恐れ慄いた椎野さんが藁にもすがる思いで始めたらしいのですが、
特に宗教に敬虔なわけではない私も、盛り塩だけは信じています。

というのも、苦い経験があるからです。

あれは2012年の『木馬の鼻』のことです。
初めて役をもらった『木馬の鼻』で、劇団員として受付の仕事も任されるようになりました。
椎野さんや禿さんから、チケットの準備やトイレ掃除、靴袋の準備などの制作の仕事を教えてもらっていく中で
「盛り塩を設置。毎朝取り替える」というタスクがありました。
他の公演やお客さんに直接関わる仕事とは明らかに異色ではありましたが、
当時は「ふーん。そういう仕事もあるんだ」程度にしか思っていませんでした。

ある日、前日に設置した盛り塩をどう処理して良いのかわからなかったのですが、
そんな細かいことを、わざわざ確認するのも・・・と思い、
「お葬式や嫌な人が訪ねて来た後、塩ってまくよね...」とその塩をエントランス周辺に撒いたのです。

その日、本番中にとんでもないトラブルが起きました。
停電です。
調べてみたら、照明機材を接続しているプラグの隙間(5mm程度)に、
照明器具のワイヤーが振動で動き、その隙間に挟まって漏電、という奇跡のような機材トラブルでした。

それを聞いた私は突如不安になり調べました。
そう、もちろん、「塩」についてです。


調べてみると、

「盛り塩は悪い気を吸収しているため、汚れをはらう意味できちんと処分したほうが良い」

とあります。


その翌日から、前日のお塩はしっかり封をして処分するようにしています。
そして、旅先でお参りした神社にお清めの塩が売っていると必ず買い求めるようになりました。
初日や楽日など、ここぞという時に使っています。

「今日も怪我なく、事故なく、公演が成功しますように」と
ブツブツ唱えながらお塩を盛るのが私の公演中のルーティーンです。


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(↑普段は「伯方の塩」。お手伝いに来てくれた学生に「この塩でいいんだ...」と言われました。いいんです!処理さえしっかりしていれば...!




津内口

1/9(土)電車と唐さん⑥

2021年1月10日 Posted in 中野note
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↑2010年の『蛇姫様-わが心の奈蛇』公演より、二人のスリが出会う場面

昨晩は、「ジョン・シルバー」が芝居の中で、
山手線のホームを皮切りに海を目指す旅に出かけた話をしました。
(妻・小春の妄想ではありますが)

「山手線」と云えば、
他の芝居でも気になることがあって、
それは、1977年春に紅テントで初演された
『蛇姫様-わが心の奈蛇』について。

唐ゼミ☆でも2010年初夏に上演したあの演目、
主人公の青年の名前が、ずばり「山手線」なのです。
一見すると変な名前ですが、あれは、ヒロインと主人公の青年が
スリ稼業に勤しむ物語です。

スリの皆さんの間には、
往来でふところを狙う者、電車の中をフィールドとする者、
そんな具合に縄張りに応じていくつかジャンルがあるらしく、
青年「山手線」は、もちろん電車の中が活躍の場。
いわば、コードネームというわけです。

問題はこの読み方で、唐さんとしては、
この主人公を「やまてせん」と発声して欲しいとのこと。
私が普段慣れ親しんでいるのは「やまのてせん」なのですが、
この場合は「の」を入れず、「やまてせん」らしい。

気になって調べてみると、
「山手線」は開業の1885年(明治18年)以来、
今と同じように「やまのてせん」と呼ばれてきたのですが、
1945年(昭和20年)から71年(昭和46年)までは「やまてせん」
が正式だったらしいのです。

ちなみにこれは、戦後、GHQに路線名を
「YAMATE LOOPLINE」と申告したのをきっかけに
正式になったらしく、その理由は、
こっちの方が正式だとその機会に定めたとか、
あるいは担当者が間違えたとか、諸説あるようです。
(間違えたなんてあり得るのか!)

いずれにせよ、
私も大好きな『蛇姫様』の主人公は「やまてせん」です。

あれは、朝鮮戦争の記憶を負ったヒロインが活躍し、
その過去が物語を解くキーになる台本です。
相手となる青年の呼び名からも、唐さんが
ある年代を想定して書かれたことが伝わってきます。

1/8(金)電車と唐さん⑤

2021年1月 8日 Posted in 中野note

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↑引用のせりふの場面(2004.4.25)。

唐さんから「山手線」ということばを際立たせるべし、

と指導されたことも。


電車と唐さんにまつわるエピソードの第5弾です。


私の大好きな初期作品『ジョン・シルバー』の中で、

女房・小春が夫・シルバーの家出を語る際、

山手線が重要な役割を果たします。

 

それは、こんなせりふによく表れている。

 

小春 山手線の長い灰色のホームを先へ先へ、

   ずっとむこうへむこうへ、つんのめるようにして行っちゃった。



正確には、小春はシルバーの家出を見たわけではありません。

(目の前で出奔されたら、普通、止めますから)

ですから、これは小春の妄想です。

彼女は、シルバーと山手線を利用するたび、

シルバーが海の方(上野を起点として品川の方角、つまり南)を

見つめていたのが気になって仕方なかった。

だからこそ、きっとこうであったに違いないと決めつけて、

先ほどのせりふを叫ぶ。


芝居本編の中で、小春が九十九里浜にシルバーを

探しにくるくだりがありますから、南方に海ありという

位置関係を裏付ける証拠になります。


ところが、私たちが学生時代にこの『ジョン・シルバー』を上演した際、

これにツッコミを入れた人がいた。

当時の唐十郎教授の同僚で、数学者の根上生也先生です。


根上先生は芝居を観た後、実に数学者らしい正確さで

「唐さん、海を目指すなら山手線でなく京浜東北線ですよ」と仰った。

その後、すっかり酔っぱらった唐さんは帰り道に

「あいつは文学がわかっていない!」と叫ぶ始末。


それでいて、教授時代の唐さんは私たちが公演する時には

いつも、「根上さん、来ないかな?」と気にしていました。

そんな指摘をして勝ち誇る根上先生の幼なごころは

結局は唐さんご自身の世界と一脈通じるところがあり、

ちょっと好きなようでもあったのです。


あるいは、十代のころ、

お父様から医者になることを嘱望されながら、

理数系への苦手意識からそれを断念した唐さんにとって、

"数学者"という存在に、畏敬の念や面白さがあったのかも知れません。


学課の忘年会の時など、親しげに喋ったり、

それでいてやっぱり子供っぽい意地を張り合ったり、

私から見て、お二人はとても仲良く感じられました。

1/7(木)ワークショップレポート(佐々木)

2021年1月 7日 Posted in ワークショップ Posted in 劇団員note

あけましておめでとうございます。

劇団員の佐々木あかりです。

今日はワークショップのレポートです!


今日のワークショップは物語の中盤、4人目の登場人物である

「羊水屋」という男が出てくる所から始まりました。

それでは、ワークショップの見どころを紹介していきます!


まずはカタカナの単語について。

端的にいえば

「カタカナの難しい言葉はなんかすごそうだな」という話です。

実際に羊水屋のセリフで、

『フランチャイズ』『テリトリー』『プレミア』

という単語がまとめて出てくる所があります。

しかしよく読むとこれは特に意味はなく、実は小難しくて凄そうに聞こえるように言っているだけです。

確かにカタカナが羅列していると複雑な事を言っているように感じますね。


そして小人プロレスについて。

『唐版 滝の白糸』では、ヒロインのお甲さんの住むアパートに

小人プロレスのレスラーが7人住んでいて、

お甲さんが彼らの巡業についていくほど仲良く暮らしています。


私は知らなかったのですが、皆様は小人プロレスをご存知でしょうか。

小人プロレスとは、正称がミゼットプロレスと言って、

女子プロレスの前座として行われていた

低身長症の人が試合をするプロレスの事です。

なぜ急にこの作品に小人が出てくるのかと言うと、

『オズの魔法使い』にはマンチキン(小人)という小人が出てきます。

『唐版 滝の白糸』は『オズの魔法使い』からインスピレーションを受けている部分が多数ありますが、

小人の登場も『オズの魔法使い』から繋がっているとは。

新たな発見でした。


そして、ようやく登場するヒロイン。

「お甲」さんのアリダくんへの巧みな感情の揺さぶり。

女性経験の少ないアリダくんに対して

女の涙や愛情を上手く使い

どうにかお金を引き出そうするお甲さん。

何という作戦でしょう。

女として学びたい技術です。


今回のワークショップは比較的ゆっくり進んでいきました。

次週は物語もいよいよ終盤に向かっていき、複数の登場人物が出てくる面白いシーンになっていきます。

来週もよろしくお願い致します!


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