9/22(水)『四角いジャングルで唄う』奇跡の復活!その他

2021年9月22日 Posted in 中野note
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今日のトピックは3つです。

(1)『唐十郎 四角いジャングルで唄う』復刻CDの発売!
ついに!ついに!
発売になりました。奇跡の復刻です。
タワーレコードtower.jp/ec/StoreProcur
ディスクユニオンdiskunion.net/portal/ct/listで買うことができます。
もちろん、Amazonでも。
美しく再生した唐十郎、四谷シモン、李礼仙の歌声、
大久保鷹、不破万作によるコミカルな司会をお楽しみください。
私(中野)がライナーノートを書いています!


(2)稽古の進捗
今日は、2幕中盤から3幕を稽古しました。
全員体制でこの箇所に臨むのは初めて。
広い稽古場で距離や換気をとりつつ、これまで積み上げてきた
ピースを急速に組み上げました。

3幕クライマックスの決闘には特に力が入ります。
その瞬間瞬間に、それぞれの役柄がステージの中心で起こる出来事を
どう受け止めているか。ひとつひとつ検証すると、
世界が生きてきます。時間をかけてやりました。

そして折に触れて稽古を止め、
この芝居がどんな劇かを皆に話します。
自分が出ていない場面がどう自分に関わり、
唐さんが仕込んだテーマがそれぞれのせりふに散らばっているか。
絶対に全員に知って望んで欲しいのです。

まるでDNAのように、身体全体の情報をすべて把握していて、
それでいて、頭になったり、脚になったりしている。
この座組にはそういう風であって欲しい。
これが、「劇団」による表現だと確信しています。

座組の中にはもちろん、他の劇団所属やフリーの俳優もいます。
けれども、9月末までの集中稽古で完全に劇団化させます。
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(3)唐ゼミ☆ワークショップは『唐版 風の又三郎』特集!
『唐版 風の又三郎』を一回一幕に分けて本読み中です。
これを受けると、みなさん大好きなこの演目がどんな物語か、
登場人物はどんなキャラクターかを予習したり、
見どころを知ることができます。

受講生の皆さんで台本を読みながら進めていくWSなので、
役者の気分も味わいながら、観劇がよりたのしめるようサポートします。
唐さんにまつわるエピソードも満載です。
http://karazemi.com/perform/cat24/post-18.html

9/26(日)19:30〜21:30 第2幕
10/4(日)19:30〜21:30 第3幕
※途中参加の方用に、第1幕の内容も補いながら進めます。

9/21(火)唐十郎の世界を継ぐ!〜チケット発売と本日の稽古

2021年9月21日 Posted in 中野note
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大鶴美仁音さんが横浜にやってきたので、
午前中に会いに行きました。

私が唐さんに出会った大学生の頃、彼女はまだ小学生。
それが今や、女優として活躍し、唐組を支えるスタッフの一人でもあり、
宣伝や舞台の美術も手がけています。

短時間でしたが、お互いが取り組んでいる台本や劇団運営など、
すっかり大人の話をしました。私たちは互いに唐さんの世界に惚れ込んでいて、
どうやったらそれを多くの人に、世代を超えた人に伝えられるか、
こればかり考えています。面白かった。

美仁音のおかげで、午後の稽古に向けて弾みがつきました。


それに今日はチケットの売り出し日

みんなで大騒ぎしてSNS発信しながら発売をスタートさせました。

なにせ、今回はコロナの影響から会場の変更があり、
ようやく1ヶ月前になってチラシを入稿することができたのです。
売り出しまでの日々もバタバタで、ちゃんと興味を持って下さっている人に
情報を届けるのに、今も必死です。

劇の中身だけでなく、
今回は宣伝やチケット販売方法の点でも、
私たちはチャレンジをすることにしました。

それにしても、まさか今年の方がコロナが猛威を振るうだなんて。
想像だにしなかった状況下の中で、今まで行っていた受付での
チケット販売をやめて、プレイガイドにお願いすることにしたのです。

本当にしなければならないと思うことを研ぎ澄ませる時勢です。
テント演劇は、一同でお客さんをお迎えし、
前後に人間らしい交流もあって、それが贅沢なのだと自負しています。
けれども、今回は、他の全てを封じてステージから客席に劇を届ける。
こういうシンプルな一点に賭けたいと思っています。

そのために、とにかく劇を磨くしかねえ。

午後からは稽古をして、夜まで過ごしました。
課題は2幕の中盤以降でしたが、舞台上で起こる仕掛けと演技を
同時に完成させていきます。

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3幕に至ってクライマックスが迫ると、どんどん登場人物が増えていく。
物語の進行上、同時間に舞台のあちこちで
起こっているやりとりをひとつひとつ詰めていきました。
そうしていううちに、お互いが何をしているのかを知り、
唐さんの描く巨大な世界の片鱗が見えてきました。
まずは、自分たちが臨もうとしている劇の全貌を実感する段階です。

明日は1幕の通し稽古。

9/20(日)チラシ完成!明日はチケット発売! そして、安保さんを偲ぶ

2021年9月20日 Posted in 中野note
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今日は言いたいことが山ほどあります。

チラシが完成しました!
昨日、印刷されたばかりのチラシが届きました。
私は大喜びでダンボールを開け、これを手に取りました。
去年からのバリエーションにして、今回も自信作です。

コロナにより、チラシの配布は困難になりました。
公演会場の最終決定もコロナによって紆余曲折しました。
演劇人の中には、もうネット上での宣伝に特化しようという人もいます。
けれど、やはりオレたちの表現はチラシから始まるのです!

初演を経て、多くの方々に応援のコメントも頂きました。
これを旗印にして、これから約1ヶ月を走り切ります。
稽古場でみんなに配ったら、やっぱり嬉しそうでした。
これから応援してくださっている皆さんにもお届けしていきます。
楽しみにしていてください。

明日からチケット発売です!
9/21(火)10:00〜売り出しです。
今回は感染予防対策を徹底するべく、カンフェティに絞りました。
劇を観ていただく以外の直接やりとりを、可能な限り減らそうと考えてのことです。
9月末までは早割もあります。
特に土日は争奪戦が予想されますので、お早めにお求めください!

安保由夫さんの御命日
もう残り1時間になってしまいましたが、
今日9/20は安保由夫さんが亡くなった日です。

安保さんは、素晴らしい俳優・歌手・作曲家であるだけでなく、
私たちにとっての生き辞引きであり、いつも励ましを下さる方でした。
他の唐十郎ファミリーの先輩方とは少し違い、
物静かな中に決然と秘められた意志を、私は安保さんから受け取ってきました。

これだ!という劇をつくることができた時に、安保さんに褒められました。
芝居や劇団を続けていくことに心が折れそうな時に、励ましてもらいました。
そして毎日、『唐版 風の又三郎』の劇中歌を通して、
私たちは駆り立てられています。

今はまだハンディラボ。もう少し仕事をしたら、
車の中で安保さんご自身が歌うのを聴きながら帰ろうと思います。
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#唐ゼミ #唐版風の又三郎 #唐十郎戯曲を読む #花やしき

9/19(日) さらにギアが上がる!(椎野)

2021年9月19日 Posted in 劇団員note
9月も後半にさしかかり、朝夕はかなり涼しくなりました。
台風はものすごい雨を降らして、過ぎ去り、
そういえば、2019年の『ジョン・シルバー三部作』のときの
搬入時に台風通過が重なりそうになり、ひやひやしたことを
思い出しました。
唐ゼミはここにきて、夏真っ盛りな熱く燃えたぎる毎日。
装置や小道具にさらに磨きがかかり、チケット販売も9月21日から!

何より、役者の内部的熱が高まっていると!
感染対策のため非常に限られたメンバーで
抜き稽古をしてきたわけですが、
広い稽古場を借りて、全員揃っての集中稽古です。

劇にうねりがでてくるのはまさにこのとき。

役者として「ああ、芝居ってすげー楽しいぜ、ちくしょう!」
と感じられるのは、この通し稽古期間なのであります。
断片的だった感覚が一気につながり、
身体には血がめぐり、相手役とのやりとりが生になり
頭だけでなく身体で物語が理解されるのです。

なおかつ、ググッと進んだ装置づくり、小道具作りで、
自分の扱うものにビリビリと刺激され、
ぐんと演技がかわってきます。

本番までまだ時間があります。
どんな物語になっていくのか、
めっっっちゃくちゃ楽しみです。


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9/18(土)唐ゼミ☆の稽古休みはドリプロの本番

2021年9月18日 Posted in 中野note
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今、車の中にいます。
中華街の路上で、できあがるお弁当を待っているところ。

テント演劇には各種さまざまな申請書類が付き物で、
これにけっこう骨が折れます。
今晩中に目処をつけておかなければこの先が危うい。
そう思った私は助っ人を呼んで作業することにしました。

だから、劇団員にちょっとだけ豪華なお弁当を用意しようと
思ったのです。静かに腹ごしらえをして、手続きを突破するべし。

今日の唐ゼミ☆は稽古休みでした。
と言っても、みんな衣裳や小道具の工夫をしたり、
身体のケアをしているに違いない。

来週になれば怒涛の集中稽古が始まってしまいます。
これまで、部分々々を積み上げてきた稽古を、
一気に合体させて各幕から劇全体へと発展させます。
そのために、呼吸を整える日が今日なのです。

一方、私は明日に、6月から延期になった
ドリームエナジープロジェクトの本番を迎えます。
今日は劇場入り。早朝から杉田劇場に入って、
仕込みからリハーサルを行いました。

この仕事は、ダウン症や自閉症の青年たちによる劇の演出です。
劇の内容はすごくハートフルなので、時に
「唐さんの劇をやっている人がなぜ?」
と言われるのですが、圧倒的個性派が勢揃いしている面白さがあり、
何か共通するのではないかという直感で劇をつくっています。

それに彼らは役者としては自然体そのもので、
心から腑に落ちないと動かないところがいい。
興味が持てない時にはびくともしないこともある。
だから、物語の伝え方や稽古の進行がある意味ほんとうに
合理的でないと揺さぶることができない。
なかなかの演出修行です。

公演は明日、13:30と17:00から2公演のみ!

あ、弁当が来た!!!
書類づくりを倒したら、最後のひと工夫を考えて明日に臨みます。

9/17(金)今日は作業日

2021年9月18日 Posted in 中野note
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昨晩のブログに書きそびれましたが、
昨日はずっとお借りしてきた、かに座での稽古最終日でした。
それで、前夜に書いたように、こちらも最終シーンを稽古していたわけです。

少人数で日常の話なんかも交えながら稽古をしていると、
禿と雄也くん("丸山"さんが今回は二人いるので)の役やせりふに
対する考えから、昨年の上演では至らない点があったことに
気付かされました。

ちょっとしたカッコ書きに注目してみたところ、
ボロボロに傷つけられた主人公たちが互いを励まし合う最後、
ほんの少しだけ元気づくタイミングにズレがあることがわかりました。

ふた言くらいの工夫なのですが、これでまた一段と、
書かれていることと役者の動きがフィットしました。
こうして、わずかな手直しを重ねます。
・・・というようなことをして、かに座を引き上げました。

ここ数年、いつもお世話になってきたこの場所ですが、
自分は来年、日本にいないので、次にここに来るのは
いつになるだろうと思いながら掃除と荷出しをしました。
これが昨日のこと。

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今日は、ハンディラボで作業でした。
去年の公演から役者が入れ替わった役に当てて衣裳を新調したり、
美術をパワーアップさせる作業が急ピッチを行なっています。

『唐版 風の又三郎』の1・2幕は帝國探偵社、
3幕は御茶ノ水の街が舞台となります。大きく分けて2種類の空間。
それをこのハンディラボの中に同時に立てて、あっちこっちと
ビルドアップしていく。作業はここ数日がヤマです。

週明けから、広めの稽古場に移って、集中稽古をします。
蜜を避けられる空間に最小限のセットを立てて、
いよいよ劇全体を組み上げていきます。

これまでバラバラにシーンを組み立ててきた役者たちにとっても、
自分たちがつくっているものの全貌を知ることになります。
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9/16(木)木曜の夜は・・・

2021年9月16日 Posted in 中野note
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チラシ完成間近。今度は浅草で飛びます!

今日はもうヘトヘトです。
朝から晩まで色々なことがありました。

早朝はKAATの仕事や英語の勉強をして、
昼近くに台東区に行ってご挨拶まわりをする。
午後は横浜に戻って人から、頼まれた用事をするためにBanKARTに行き、
それからもちろん、稽古をしました。
主人公ふたりが繰り広げる終盤の芝居を煮詰める。
合い間に、今週末に本番を迎えるドリームエナジープロジェクトの
準備もしました。

それらを経て、クライマックスは夜のミーティング。
来年に研修をするロンドンの劇場の皆さんと顔合わせを行いました。
素晴らしい人たちです!

何より嬉しかったのは、
唐ゼミ☆の面々がハンディラボに残っていてくれたことです。
通訳のアシスタントをしてくれたり。
からかい半分、心配半分。何となしに気にかけていてくれました。
そして、その間も徐々に完成していく
『唐版 風の又三郎』のリニューアルセット。

色んなことを同時にやるのはキツいけど、
色んなことを同時にやっている面白さが炸裂した1日でした。

そういえば今日は木曜日。
学生時代。毎週木曜は唐さんが大学に来て、通し稽古を見せる日でした。
前日は夜中まで稽古。当日はたくさんの緊張。
もう唐さんをお送りした後はヘトヘトでした。そんなことも思い出しました。
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9/15(水)愛と決闘の3幕終盤

2021年9月15日 Posted in 中野note
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今日も朝から稽古。ターゲットは3幕終盤です。
この芝居自体のクライマックスでもあるこの場面は、
全体を通してもっとも多くの登場人物が入り乱れる場面です。

帝國探偵社と自衛隊員たちが一致団結してエリカと織部と
向き合う対峙の果てに、高田三郎の家族を引き連れた夜の男が登場。
いまや高田のエキスを体にとり込んだ織部に決闘を持ちかけます。
そこからはサシでの決闘。人情沙汰。物語は加速度的に悲惨の度を
高めていく、という具合です。舞台上に、15人くらいいる。

けれど、今は緊急事態宣言下。
そのために例え本来は舞台上にいるべきメンバーであっても、
せりふや段取りのないメンバーには我慢してもらいました。
必要最小限の役者たちを揃えて、段取りの確認から入りました。

で、稽古が進むうち、もっとも盛り上がるのはやはり決闘周辺です。
『唐版 風の又三郎』の決闘は、気合い充分にしてどこか情けない。
このあたりのバランスが絶妙なのです。

思えば、唐さんの劇、特に70年代の芝居には、
クライマックスにおいて執拗に決闘シーンが展開します。
唐さんは決闘好き。

そういえば私の学生時代、唐さんはマカロニウエスタンの面白さを
力説されることがありました。
当時の私はサウンドトラックマニアで、いつも映画音楽を聴いていました。
必然、マカロニ〜も聴く。すると、これが実に粒揃いで、
唐さんの前でCDをかけて紹介したこともあります。
自然に話が盛り上がって、唐さんが学生時代に観ていた映画の話になる。

そんなことも思い出しながら稽古しました。
それぞれの登場人物がその時々で何を考え、受け止めているか。
人の数だけ時間がかかりますが、丁寧にやるだけ仕上がりは上々です。

9/14(火)本日の稽古と『四角いジャングル』復活間近!

2021年9月14日 Posted in 中野note
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鳳恵弥さん(真ん中)が稽古場にやってきました。

鳳さんと会うのは8月上旬の『シーボルト父子伝』以来。
この間、お互いに一つずつ舞台を終えてきました。
築地の本番がだいぶ前のようだ、そんな話をしました。

これで桃子・梅子のスケバン姉妹が揃いました。
手前の背中が、妹分役の林麻子です。
私たちはい、ずれも去年の公演でともに『唐版 風の又三郎』を
立ち上げました。だから台本については熟知しています。
けれども、基本的なことを確認しあいながら、一幕からつくり直しました。

この姉妹のおもろしさは、コントのようなキャラクターの濃さ。
それでいて、軽妙なやり取りの中に彼女らの真実の叫びが
かいま見えるところに妙味があります。

まずは軽みが大切なので、あまりマッチョに演じすぎることなく、
遊んでいるような余裕の中で登場し、突如、真率なせりふを吐く。
そう心がけました。

私たちにとって難しいのはこの「遊んでいるような余裕」ですね。
自分で言うのも何ですが、根が真剣なので、真面目にやり過ぎる。
だから、脱力、脱力。けれども、せりふは明晰に。

真剣なのかふざけているのか、簡単には分からない。
こういう境地に立つことが今の目標です。

途中からは高田三郎役の小川哲也もやってきて、彼の長ぜりふも稽古しました。
唐作品といえば、その魅力はやはりあの圧倒的なせりふの長さです。
彼は初体験ですから、思い切り洗礼を浴びています。

ひとり語りの中に登場する複数の人物を演じ分けながら喋る時、
身体を捌くと楽になる。強制的に、キャラクターが入れ替わる。
そういう身ごなしを一緒に探しました。

スケバンをやっては高田。高田をやってはスケバン。

そうそう。
稽古が終わる頃に私のケータイが鳴り、
『四角いジャングル』復刻CDが完成したとの報が入りました。
発売は9/22ですが、ライナーノートを書いた私に
先に渡してくださるという。早速、受け取りに行きました。
たまたまですが、担当の方がかなりご近所さんなのです。

カーステレオで聴いてみて、音のキレイさに惚れ惚れしました。
これまで、レコードのスクラッチノイズとともに聴き慣れてきた
唐さんたちの歌声も素敵なのですが、やはりキレイなのはいい!

それに、鷹さんやシモンさんの物腰に、
真剣さと遊びの絶妙なブレンドを見る思いがしました。
明日の稽古の休憩中に、みんなにも聴かせてやろうと思います。

レコード初版についていたオマケのリサイタル台本も見事に復刻!
担当者の執念を感じる仕事です↓
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9/13(月)ワークショップレポート(佐々木)

2021年9月13日
こんにちは。佐々木あかりです。
本日はワークショップのレポートです。

今週の作品は先週まで取り組んでいたジョン・シルバー四部作の最終作、
『あれからのジョン・シルバー』でした。
『ジョン・シルバー』では戦争を思わせる表現がありましたが
(小男が戦災孤児)
先週までの『ジョン・シルバー(続)』で遠ざかっていました。
しかし、『あれからのジョン・シルバー』は時代が立ち上り、戦後に近づきます。
ヒロイン小春は"春子"という名前に変わり、"金魚館"という
娼婦の館でストリップショーの様な事をするダンサーになりました。
そして、湘南の喫茶店を経営していた紳士も、ぼうふらを売る闇屋に落ちぶれています。
作品冒頭、春子は商売をする前にお風呂に行こうと石鹸箱を開くと、

ほら、これからお風呂に行くと言うのに、この間のオブがこんなにたまっちゃって......
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もう海は石鹸箱に残った昨日の残り湯くらいしかないと淋しくもあり、
こんなところにも海がある、とギョッとします。

そして今作で、春子はシルバーらしき男、花形と出会います。
彼はびっこを引いていて、"春子"という姉を探しています。
"花形"は『巨人の星』の花形満から来ていますが、お姉さんを好きなのは"星飛雄馬"。きっと混じってしまったのでしょう。
幼いころに姉の春子と二人で暮らしていましたが、闇屋(当時はまだ紳士)にかどわかされ、行方知れずになっていました。
(闇屋は小春が振り向いてくれないので、やけになって"春子"と"小春"と名前が似ていたから手を出したのでしょう。)
闇屋と一緒にいて、石鹸箱のお湯をこぼす癖まで一緒の春子(小春)を見て、姉だと勘違いします。

その後春子は花形の経営するダンスホールフロリダで働くようになります。
そこにいよいよ闇屋が登場。腐れ縁となっても未だに追い続けられています。
闇屋は亡霊のようになっていて、切り裂かれてもダメージを受けず、
いつの間にか本体はズボンになっています。(なぜかはわかりません。)

春子は私がジムになればシルバーが帰ってきてくれるのではないか、と
『宝島』の主人公、ジムになることを選びます。
ドレスの中にはジムの服。
春子はピストルで撃たれ、意識もうろうとしている時、
花形が心配で寄ってくる姿がシルバーに見えます。

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ここで一幕は終わり、二幕は花形が春子のことを姉のように好きになっていくというストーリーです。(いつか細かくやりましょう!)
そして三幕は舞台は水族館、春子はなぜか水族館の受付嬢に。闇屋は未だに小春を追い続けています。
春子の背後に虚無僧が立ち上がります。春子の後ろから呼びかける男。
彼は花形の身体を借りた帰ってきたシルバー。彼はこんな事を言います。

体中が借り物なんだよ。高速道路トンネルの中をふらついていたら、鉄道病院につれてかれた。熱にうかされながら、見た夢の中で、私の体のスミズミを喰いちぎっては、持ってゆく人がいた。

つまり、シルバーはもう死んでいた。と春子に告げます。
彼はシルバーであり、花形でもあるので、姉さんへの思いで私に迫ってきているんじゃないかと気にしますが、
それも乗り越えて一緒になろうとします。しかし、春子は死んでいるシルバーとは一緒になれないと拒絶します。
そして春子は自分のことが好きな闇屋の部下、黒犬を騙し、闇屋を殺させます。
また、黒犬のことも騙し、ナイフで刺します。しかし黒犬によって右足を切り取られてしまいます。
黒犬は右足を口に加え去っていきます。
足を切られ、いつの間にやら白いスーツにソフトを被った小春は

ちくしょう。切られた足に夜風がしみるぜ。西瓜をありがとうよ。どこぞの誰かさん。
僕もこれでなかなか忙しい身だ。明日はどこの巷に行ってることやら。
あんたのズボンをはいてこうやって街灯の下に立っていると、今まであった都が、とほうもなく遠い焼け野原。
ほらセミが鳴き、どこかで水道の水がこぼれる。
ああ僕はあんたの分まで生きるんだ。思い出はあんたの義足。
あんたの思い出を蹴上げながら、僕はこの地を横切って行くんだ!

彼女は自分自身がシルバーとなることを選び、一人で生きてゆく覚悟を決めるのでした。

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来週からは公演前特別企画として、先日ついに公演詳細を発表しました『唐版 風の又三郎』を追っていきます!
よろしくお願いします!