5/23(月)『蛇姫様 わが心の奈蛇』本読みWS第4回レポート(中野)

2022年5月23日 Posted in ワークショップ Posted in 唐十郎戯曲を読む『蛇姫様 わが心の奈蛇』

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2010年初夏 唐ゼミ☆『蛇姫様 わが心の奈蛇』より1幕の終わり

(写真:伏見行介)


昨日は本読みワークショップ。

皆さんと一緒に『蛇姫様 わが心の奈蛇』を追いかけています。


前回、主人公の小林青年がヒロインあけびに惚れ込む場面を

やりました。まむしの毒におかされた弟分タチションを危険を

顧みずに救うあけびに、小林は惚れ込む。


一方、自分の右腕にある大アザを気にしていたあけびも、

それをステキだと誉めちぎる小林に絆されます。

ステキな蛇のウロコのようだと絶賛する小林のコメントが

ヒントになり、二人の蛇姫様ごっこが始まる。


少年探偵団のリーダーを自認する小林は、

あけびが母より聞かされた「白菊谷」を目指す冒険に惹かれます。

母の日記に書かれていた「はんにゃか ほんにゃか」という記述を

ヒントに、二人は共通の目的地を見出します。

「はんにゃか ほんにゃか」とは、要するに読み解けない文字である

ということ。これが終幕に向かう伏線として後半に生きてきます。


小児病的な世界が本作は面白い。

スリ崩れの二人、小林はあけびを「姫」と呼び、

あけびはすっかりその気になって自分を「わらわ」と言う。

時代劇を真似して遊ぶ言葉づかいが楽しい。


と、薮野文化が乱入します。劇冒頭に行われていた葬式の後、

亡き兄を火葬にしようとするのを押し留め、水葬にすると言い張る。

これは、彼らの出自に原因があり、朝鮮半島から日本に渡った文化の、

故郷に向かう海に兄を帰したいという思いは切実です。


さらにそこへ、伝次が帰ってくる。

しかも、あけびを母の名である「シノさん」と呼び、

この伝次こそ、母の日記を頼りにあけびが探してきた男だと分かる。

若き日、あけびの母であるシノとともに死体輸送船「白菊丸」に乗り、

半島から日本に渡った密航者だということも明らかになる。


母が語った「白菊谷」が、死体輸送船の名に由来すると知った

あけびは、持病の癲癇(てんかん)の発作を起こします。

舌を噛まぬようスプーンを咥えるあけびに、

小林は「姫!」と叫び続けます。

これで1幕が終了


変わって2幕。銭湯の跡地にあった藪野家の床屋は様変わりし、

今はスリ集団・権八一家の経営するバー箱師になっている。

「箱師」、つまり電車など乗り物専用のスリの名を冠するだけあり、

ここはお客から財布を摺ることで儲けを得る飲み屋。


なぜか、1幕で権八一家にヤキを入れられたタチションは

この店に入店し、一家の中でのし上がろうとしています。

あるいは、小林があけびに執心するのが、寂しいのかもしれない。


一家が営業&スリの稽古に明け暮れていると、

土地を乗っ取られた薮野一家が抗議に現れます。

しかし多勢に無勢、権八たちの勢いに押された薮野文化は

1幕終わりに登場した伝次を呼び出します。腕っぷしの強そうな伝次。

果たして彼は、薮野一家の加勢に現れるのか。


続きはまた来週!

5/16(月)『蛇姫様 わが心の奈蛇』本読みWS第3回レポート(中野)

2022年5月16日 Posted in ワークショップ Posted in 唐十郎戯曲を読む『蛇姫様 わが心の奈蛇』
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↑唐ゼミ☆2010年初夏『蛇姫様 わが心の奈蛇』より(撮影:伏見行介)
この場面を稽古した時のことは自分にとって特別に重要な体験でした。

昨日は『蛇姫様 わが心の奈蛇』本読みWSの第3回でした。

初回で、ヒロイン・あけびが登場。
2回目は、青年主人公の小林(コードネーム:山手線)が登場。
そして今回の主眼は、この二人がどのようにして協力関係を築くか。
小林には弟分として"タチション(※役名です!)"もおり、
正確にいうとこの3人がチームとなるのが昨日やった部分でした。

3人は新米スリです。

あけびは小倉から亡き母の日記を頼りに上京し、
薮野一家を訪ねようとしたところ、その日記を電車の中で盗られる。
それで、それを取り返そうとスリの権八一家に入りました。
蛇の道は蛇、という言葉を思い出すこの設定。
あけびはなかなかの知恵ものです。

他方、小林の動機は不明ですが、
タチションは山梨と長野の県境から来た山だしで、
手っ取り早く都会でブイブイ言わせるために山手線をショバに
置引きをやり、あけびの日記をかっぱらったのもタチション。

ゆえに古参の権八ににらまれ、タチションと小林はヤキを入れられる。
タチションはマムシに噛まれて毒に苦しみ、小林は指を詰められます。
唐さんの世界ですから遊びめいてはいますが、冷静に考えると
なかなかハードな懲罰です。

さすがにその懲罰の残酷さに心を痛めたあけびは権八一家に抵抗、
結果的に身ぐるみ剥がされ、三者三様に散々な状況になる。

そこで男気を発揮したのはヒロインあけびでした。
彼女は小林を励まし、さらに毒が自分の体に回るのも恐れず、
タチションの指から毒を吸い出す。

その姿に見惚れた小林の心が動きます。
身ぐるみ剥がされたあけびを気遣い、権八が落としていった
片袖なしの振袖をあけびにかけてやる。と、あけびの腕に妙なアザを
発見します。初めは見られるのを嫌がったあけびでしたが、
小林はそれを「光るウロコのようだ」と言って褒めます。

自分のコンプレックスをかえって褒められたあけびは励まされ、
思わず調子づいて「蛇姫様」を名乗る。
あけびの献身がきっかけとなり、唐十郎流の蛇姫様が誕生する、
この作品全体の核となるシーンでした。


個人的なことを言えば、今回あたったシーンは相当に思い出深い。
あれは唐ゼミ☆でこの劇の稽古に取り組んだ2010年の春、
この場面を椎野・土岐・重村の三人とつくっていた時に、
自分は「あ、唐さんの劇の作り方がわかった!」と思ったのです。

この場面は、タチションと彼のために身を呈して毒を抜くあけびに
お客さんの視線が向く。けれども、本当に見せるべきは、その姿に
惚れ込む小林の様子なのです。せりふが与えられていない彼をどう
見せるのか、試行錯誤しながら、私は自分の段階が次に進んだことを
実感しました。そして、今ではさらに上の段階があると思う。

そんなことを体験させてくれたので、この『蛇姫様 わが心の奈蛇』と
この場面は私にとって格別の思い入れがあります。

5/9(月)『蛇姫様 わが心の奈蛇』本読みWS第2回レポート(中野)

2022年5月 9日 Posted in ワークショップ Posted in 唐十郎戯曲を読む『蛇姫様 わが心の奈蛇』

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↑前にも紹介したような気がするが、やっぱりこれが象徴的な場面。

2010年初夏 唐ゼミ☆『蛇姫様 わが心の奈蛇』より


『蛇姫様 わが心の奈蛇』WSの2回目でした。

昨日の主眼は、初回から登場したヒロインあけびに対し、

青年の主人公である小林が登場することです。


彼のあだ名は「山手線」。

新米スリの「山手線」と、その弟分である「タチション」が働いた

電車内でのスリ被害者こそ、小倉から上京したてのあけびだったのです。


小倉から亡き母の日記を頼りに父を訪ねて東京にやってきたあけびは、

その日記を取り返すべく、スリ稼業に入ったことも判明。

片や引き金になった「山手線」こと小林も、もとは少年探偵団に

憧れる正義の元少年で、根っからの悪人でないことがわかります。

謎めいた日記を持ち主に返すべく、盗品を返却して回る日々を

送っていたのです。他方、スリの権八一家は彼らの縄張りを

荒らす山手線とタチションを捕まえにかかる。


と、ここまでが昨日の進捗でした。

「小林」というありふれた苗字を根拠に自らを少年探偵団だと

言い張る。タチションのあまりに子供じみたて下品な登場。

それから、小倉出身のあけびの方言がチャーミングな台本だ。


唐さんはけっこう方言を愛して使い切る。

この戯曲では、東京弁と小倉の方言と、原作『蛇姫様』に

あやかった時代劇言葉が入り乱れる。魅力的なので、

皆さんと愉しんでいきたいと思う。


毎度おなじみ女二人組みによる

『黄色いサクランボ』の替え歌『黄色いバスケット』も含め

ウキウキした場面の連続だ。やっぱり70年代後半の中で

随一の作品だと思う。


あけびと山手線が初めて交錯した時のスリ合いによる

紐の交差は、この劇を象徴するビジュアル的な名シーンであり、

それはエンディングにもつながっていく。


来週は、権八組に山手線とタチションが折檻される。

その残酷さと風変わりなおかしみ。結果的に山手線・タチションと

あけびの3人のチームが完成する場面でもある。楽しみ!

5/2(月)『蛇姫様 わが心の奈蛇』本読みWS第1回レポート(中野)

2022年5月 3日 Posted in ワークショップ Posted in 唐十郎戯曲を読む『蛇姫様 わが心の奈蛇』
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↑唐ゼミ☆2010年春公演『蛇姫様 わが心の奈蛇』より(撮影 伏見行介)

新たな演目『蛇姫様 わが心の奈蛇』のWSが始まりました。
今回も大長篇です。7/31まで3ヶ月間、全13回をかけて取り組みます。

毎度のことですが、初回前半は説明に終始します。
執筆当時の唐さんがどうであったか。
特に1974年に『唐版 風の又三郎』を発表して以降、
3年間の様子を追います。

・『夜叉綺想(74)』『腰巻おぼろ 妖鯨篇(75)』などの長編が続く
・間に大久保のロケット工場での『糸姫』も挟まる
・『唐版 滝の白糸(75)』『恋と蒲団(76)』といった外部への仕事
・映画『任侠外伝 玄界灘(76)』は唐さんを燃焼・消耗させたであろう
・『下町ホフマン(76)』で鷹さんが退団したのは痛恨時だっただろう

そして、1977年春の本作。紅テントを初めて10周年ということで、
期するものがあったのではないか。
『腰巻お仙 義理人情いろはにほへと篇』の終幕にこんなシーンがある。
悪役・ドクター袋小路の正体は、病院の裏の竹藪に棲む青大将だった。
これがことが、"蛇"になぞらえられた過酷な出自を持つ人々を描いた
着想の源だったのではないか。
ヒロインの"あけび"が亡くなったお母さんの出自を求めて彷徨うのは、
『腰巻〜』の主人公、母を求める"忠太郎"のアレンジではないか。

という私の類推の他に、
小林薫さんが悪役として伝説的な輝きを放ったこと、
大女優だった清川虹子さんが60歳を過ぎてゲスト出演していたこと、
などを説明しました。

その上で、ぜひ押さえて欲しい作品として下記作品を紹介。

・川口松太郎の小説を原作にした映画『蛇姫様』を
・朝鮮戦争中に小倉で起きた事件と米兵の死体処理施設を描いた
松本清張『黒字の絵』
・アンドレ・ブルトンの『ナジャ』

その上で、本読みに入りました。

床屋の薮野一家の葬儀からスタート。
彼らは戦後に朝鮮半島から渡ってきた人々であることが、
冒頭ト書きとせりふで表現される。ちょっと前まで居候していた男は、
小倉でエンバーミングをしていた過去を持つという話題も。

そこに、スリの親方と修行中のあけびが現れる。
薮野一家をスリ修行のお試し相手にしようとしたために一家は去り、
親方もいなくなって残ったのはあけびだけ。

さらに、薮野家から仕事を終えて出てきた牧師もまた、
実は小倉からやってきたあけびの知り合いであることがわかる。
母の日記を頼りにお母さんの出自を解き明かすために上京した
あけびは言い出しずらそうに、牧師さんに現在の自分がスリ稼業に
勤しんでいることを告げる。

という内容でした。

この劇の登場人物たちや物語の背景はかなり重くて暗いのですが、
にも関わらず、舞台上のやりとりはかなり軽快で明るく、コミカルです。
自分は本作を70年代後半の唐作品の中で随一と感じていますが、
暗さと明るさ、両方に突き抜けたところに唐さんの突出した才気を感じ、
大好きな作品です。

次週は青年主人公の"山手線"が登場。あけびとの出会いを描きます。

4/25(月)『下谷万年町物語』本読みWS最終回レポート(中野)

2022年4月25日 Posted in ワークショップ Posted in 唐十郎戯曲を読む『吸血姫』
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2010年秋、唐ゼミ☆『下谷万年町物語』のカーテンコール(撮影:伏見行介)

昨日は『下谷万年町物語』WSの最終回でした。
2月以来、三ヶ月間をかけて行ってきた第12回目の本読みです。

前回、サフラン座のデビューである軽喜座との合同講演
『娼婦の森 改訂版』初日を待たずに、洋一とお瓢の心は離れてしまった。
これですべては終わりという決定的な離反だったにも関わらず、
文ちゃんのとりなしが、お瓢に最後の希望を与えます。

文ちゃんは、まるで両親のケンカに心を痛める子どものように、
洋一が別れて向かった瓢箪池で、いかにお瓢を思う行動を取ったかを話す。
そして、サフラン座の初回公演が上手く予想や、さらに、
第二回目公演の構想までも、語って聴かせます。

お瓢はこれに勇気づけられ、感心します。
これまで、主演女優のお瓢、演出家の洋一を前に、
二人の応援団にとどまっていた文ちゃんは、ここにきて、
劇作家の才能の片鱗を見せ始めます。主演・演出・作。
こうしてサフラン座の3人の役割が決定。

この部分の会話は飛躍が多くて少しわかりにくいのですが、
『下谷万年町物語』全体の肝となる部分です。
作者である唐さんは、明らかに文ちゃんというキャラクターに自分を
投影しています。文ちゃんにかけるお瓢の言葉を通して、
劇作家というものの大変さや、その大変さに立ち向かう矜持を示します。
重要な場面ですので、かなりの時間を費やし、はっきりと意味が
汲み取れるまで繰り返し読みました。

なけなしの希望を得たお瓢が、二人羽織をして、文ちゃんの元六本指の
手を利用し、再び洋一を演じようとするところは、面白さと無理すじの
哀しさが入り混じる。と、そこへ、オカマ軍団が帰ってきます。
お瓢と文ちゃんの二人羽織、お市の対決がいよいよ昂まったところに、
座長が飛び込んできて、洋一が瓢箪池で殺されたことを告げます。

そして、すべてが終わる。

現場の事情としては、ここから池へのセットチェンジこそ
この演目に取り組む座組みにとっての試練ともいうべき場面転換です。

あとは洋一の死を前にしたお瓢の錯乱、警官によるお瓢の連行が
矢継ぎ早に進み、取り残された文ちゃんのモノローグによって、
この物語は閉じられます。唐さんですから、最後には希望がある。

それがどれほどの希望かというのは、これはもう、上演でやるしかない。

30代前半の疾風怒濤期を経た唐さんが、後半の試行錯誤を経て
40歳に突入した時に書いたこの作は、新たな境地を切り開くための
一里塚でした。ここから『秘密の花園』『ジャガーの眼』
『ビニールの城』へと唐さんは進んでいきます。

2009年と2010年、唐ゼミ☆は二ヵ年にわたってこの演目に取り組みました。
当然ですが、現在ならばさらに上手くはずだし、試すべきアイディアもある。
けれど、これは相当に上演が大変な劇でもあります。

今は、実際に6月にある新宿梁山泊の上演をたのしみにしましょう。
http://s-ryozanpaku.com/

次週以降、取り上げる演目は『蛇姫様 わが心の奈蛇』です。
実はこの演目は、『下谷万年町物語』より長い。
よって次の三か月コースです。終わる頃には7月末。夏です。

4/18(月)『下谷万年町物語』本読みWS第11回レポート(中野)

2022年4月19日 Posted in ワークショップ

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↑お瓢のかき口説きはことごとく裏目に。別れ話のリアル。

唐ゼミ☆2010年秋公演『下谷万年町物語』(撮影:伏見行介)


2月以来つづけてきた『下谷万年町物語』WSの第11回です。


最後から2回目に当たるこの回は、

お市率いるオカマ軍団との対決をしのいだお瓢と洋一の間に、

哀しい亀裂が入るところを読みました。


まずは佳境に入ったお瓢との対決のさなか、

お市の脳裏には映画『大列車作戦』が去来します。

フランスの民衆を苦しめたナチスの将校と、

警視総監の帽子を戴くお瓢が重なり合うからです。


このあたり、一見すると悪役めいたお市たちオカマ軍団の

苦しみや侘しさ、将来に募る不安がかいま見えて、

この物語が正義と悪の二項対立でなく、結局は食い詰めた

者同士の哀しい小競り合いという構造が見えてきます。


また、オカマたちが今日のLGBT的存在とは違い、

仕事にあぶれてやむをえず春をひさぐ元軍人たちであることも、

彼らの様子からよくわかってくる。


洋一への拷問が始まり、六本指だった彼の手は血に染まります。

が、オカマたちを前に機転を効かせたお瓢は、敵方の弱点である

お不動様の少年から移動証明を奪い取り、洋一を伴って脱走、

サフラン座は危機を脱したかに見えます。


しかし、この時のお瓢の行き過ぎた挑発と注射器への固執は、

かえってお瓢から洋一の心を離れさせます。

オカマ軍団と親しく暮らした過去や、血気に流行るお瓢の反感、

元恋人であるSKDの田口洋一への嫉妬が、現在の洋一を苛む。

心を痛める文ちゃんの前で二人はすれ違い、洋一はその場を後に。


立ち上げ公演となるはずだった軽喜座との合同公演

『娼婦の森 改訂版』初日にたどり着くことなく、

サフラン座は分裂の危機を迎えます。


さらに悪いことに、

そこへやってきた白井にお瓢がすげなくしたことで、

白井の中に洋一への逆恨みが芽生えます。

お瓢、洋一、白井。文ちゃんの前でお互いに大切に思っている

者同士が決定的にすれ違う不幸が連続する今回のWSでした。


洋一への拷問や、主人公たちの信頼が瓦解する内容ですから、

どの参加者も真剣に本読みに没頭しましたが、

それだけに終わった後はどんよりとした空気が流れました。


ところどころギャグやコミカルなせりふもあって、

それらも存分に活かしましたが、やはり重くあるべき場面です。

これが報われるのは来週。


準備は整いました。次週、大団円です。

4/11(月)『下谷万年町物語』本読みWS第10回レポート(中野)

2022年4月11日 Posted in ワークショップ
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↑偉い人、恐ろしい人が現れると皆がどう振る舞うのか。
台本を汲み取ったら、自分の経験を総動員して舞台を思い描きます。
(唐ゼミ☆2010年秋公演『下谷万年町物語』 撮影:伏見行介)

ついにお市が登場したところからWSをスタート。
三幕も半ばを過ぎたところで、万年町オカマ軍団の大ボスが現れる。
まずせりふが劇場内に響き、長屋のセットの2階から御輿に乗って
ステージに降り立つ。完全に歌舞伎の世界です。

ここからは、実にヤクザ者の脅しやなだめすかしの世界で、
表向き自制を効かせているお市の中に煮えだぎる怒りを軸に、
オカマ軍団もまた恐々としながら、軽喜座を追い込んでいきます。

以前のNo.2でありながら、お市にいびり倒されるお春。
お春にとって変わったばかりの蘭子は、常にお市の顔色を伺いながら
忖度を働かせ、周囲に辛くあたります。
小野村というオカマは、ちょっと楽屋落ち的な存在で楽しませてくれる。

初演でお市を演じて満座を湧かせた塩島昭彦にまつわるエピソードや
美術家の朝倉摂さんと桑沢デザイン研究所の関わりに至るまで、
丁寧に説明しながら、囚われの洋一が現れ、そこにお瓢が文ちゃんを
連れて乗り込んでくるところまでをやりました。

権力者が君臨するときの集団はどう動くのか、
これは作品読解というより、それに取り組む人の人間感や世界観を
問われるところですが、まずは自分のアイディアを例として示し、
あとは皆さんに考えてもらえたらと思います。

お瓢がわざわざ破れ鏡から登場する意味や、
手前で展開した金杉病院のシーンとの時間軸的な整理も行い、
お市に挑むお瓢が軌道にのったとこで第10回はおしまい。

あと2回で『下谷万年町物語』を終える前段を整えました。
4月いっぱいでこれを終えたら、5月から『蛇姫様 わが心の奈蛇』に
入ります。目下研究中の『黒いチューリップ』もいずれやってみたい。

『下谷万年町物語』を理解すれば、『黒いチューリップ』も必ず
面白くなるはずです。やるとすれば秋以降。
また考えて発表します!

4/4(月)『下谷万年町物語』本読みWS第9回レポート(中野)

2022年4月 4日 Posted in ワークショップ
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2009年秋『下谷万年町物語』上演時の三幕冒頭 金杉病院の場面

幕間から三幕本編へ。これが第9回の主眼でした。

唐さんの三幕ものは二幕が盛り上がる。
一転、最終幕の序盤はアイドリング気味になるのが常です。
一旦クールダウンし、その後の顛末を語り、
ここから最後の盛り上がりに向けて徐々に加速していく。
今回はその入り口に立ちました。

幕間の終わりは、
キティが文ちゃんの励ましを受けて復活する姿を描きます。
洋一がお市たちに囚われたことを受けてサフラン座の危機を察し、
再び浅草に向かいます。ここで、わざわざ破れ鏡を抜けるのがポイント。

まるでどこでもドアのような不思議で、
ともすればちょっとバカバカしい仕掛けではあるのですが、
だからこそ、唐さんがこの作品に込めた構造と思いが端的に現れます。
孤独な人は鏡越しの自分と対話する世界に沈んでいます。
そして、大切な"誰か"はいつもその鏡を突き破って登場するのです。
だから、破れ鏡を抜ける。

さらに、この場のラストには、
乞食のパン助と医者の哀しい遊戯が描かれて、
文ちゃんのせりふが際立ちます。慈しみにあふれた一瞬がふいに訪れる。
唐作品の面白さが詰まっています。

一転、大騒ぎとなる本舞台。
総監の帽子を取り戻すべく、オカマ軍団が軽喜座に殴り込みを
かけている光景。万年町のセットについて、劇本編と劇中劇とで
違いを明示する、舞台装置家の腕の見せどころです。

いよいよ大ボス・お市が登場する寸前のオカマ軍団の描写も面白く。
かつてNo.2であったお春がすっかり凋落し、かわりに上り詰めた蘭子が
権勢をふるいます。そして登場するお市。

いつまで経っても帽子を取り返せないお春への
蘭子やお市の処し方は、組織や権力の本質をあぶり出して楽しい。
そういう話も熱を入れてしました。

唐さんが細部にほどこしたおもしろさを存分に味わって欲しい。
乞食のパン助や軍医、蘭子というキャラクターにこも、
唐十郎が世界に向ける洞察や眼差しが込められています。

3/28(月)『下谷万年町物語』本読みWS第8回レポート(中野)

2022年3月28日 Posted in ワークショップ
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2010年秋公演『下谷万年町物語』二幕より金杉病院でのキティ瓢田
(写真:伏見行介)

いよいよ物語の佳境となる第8回。
二幕終盤、ピロポン中毒の脇役だった国際劇場時代の
キティの姿が明らかになりました。

火事場に飛び込んでしまうほどの錯乱に
過度の中毒症状を見てとったかつての恋人・洋一がキティを
金杉病院に入院させるくだりには、実際に起こったことと、
洋一がキティをなだめるためについた「これも俳優修行」という
嘘と願いが入り混じります。

皆さんには、ひとつの言葉が複数の意味と感情をはらむ難しいシーンに
挑戦してもらいました。

キティは『赤と黒』の主人公ジュリアン・ソレルに扮して
牢獄に囚われたシーンに挑んでいたのだと嬉しげに語りますが、
彼女が前向きであればあるほど、薬物中毒の辛さが際立ちます。
偽りの俳優修行を見守りながら国際劇場の洋一が涙する場面も良い。

文ちゃんに白井から受け取った思い出の注射器は
このように様々な波紋を呼びますが、同時に、六本指の現在の洋一を
演じるための小道具、キティの六本目の指ともなるところが
唐さんの卓抜なところです。

俳優に必要な資質はマゾヒズムだと、唐さんから教わったことがあります。
辛酸を嬉々として味わうところに役者の才能と妙味がある。
今回の場面はそれを地でいっています。

そして、軽喜座との合同はキティの過去が露見して破断になる。
軽喜座員たちが鏡を持ってキティに迫る場面は、
明らかにミュージカル『ラ・マンチャの男』の「鏡の騎士」のシーンの
影響を受けています。当時の蜷川さんと縁の深かった松本白鸚さん
(当時は市川染五郎さん)のライフワークです。

このシーンがヒントになって、二幕終幕、
元六本指の文ちゃんと、キティ+注射器=劇中劇の中の六本指の洋一
という鏡合わせが成立します。

『下谷万年町物語』全編を通じて、もっとも読み解くのが難しく
しかし、その難解さを乗り越えれば他にはない感動を味わえる場面です。

今回は欲張って三幕にも侵入し、
キティが金杉病院を訪ねる場面も読み合わせしました。

この企画が持つ""女優は一人""キティのみ紅一点"という原則の例外として
つくられた「乞食のパンスケ」という役柄がいかに大切か。
物言わぬ彼女に多くを語らせることはこの芝居の成功の秘訣であり、
ここにも、キティを映す鏡が表現されています。

次週は三幕本編に突入。大ボス「お市」の登場が迫っています。

3/21(月)『下谷万年町物語』本読みWS第7回レポート(中野)

2022年3月21日 Posted in ワークショップ Posted in 唐十郎戯曲を読む『下谷万年町物語』

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↑劇中劇『娼夫の森』開演まで32秒。文ちゃんは瓢箪池まで走り、

帽子を奪われないための儀式を実践する。(写真:伏見行介


いよいよ面白くなってきました。

唐十郎作品には多くの三幕ものがあります。

それらは主に、唐さんが自らの作劇方を確立した1970から90年に

かけて書かれました。共通するのは、いずれも二幕終盤が面白いことです。


一幕は状況説明や人物紹介に大部が割かれる。

三幕は物語に終止符を打つため、伏線の回収にエネルギーが使われます。

その点、真ん中の2幕は奔放です。

物語を拡げるだけ拡げて、終盤の大きな破局になだれ込む。

その勢い、畳み掛け、カタストロフに向けた破竹のスピード。

序破急という言葉がありますが、「破」は観る人を強引に巻き込みます。


今日やったパートは、

サフラン座による軽喜座への合同の申し入れが成功するところから。

洋一が持っていた警視総監の帽子、軽喜座の座長がたまたま国際劇場に

出ていたキティ瓢田を印象深く記憶していたことから、

両者の協力関係がとんとん拍子に成立。

さっそく、劇中劇『娼夫の森』の上演へと物語が進みます。


開演ブザーが鳴る直前、

劇中劇の段取り上、大切な帽子が一旦は軽喜座のメンバーの手に渡るのを

猜疑心の塊となってキティが心配するくだりは、唐さん自身の用心深さが

劇に現れた好例です。


瓢箪池の水につけて帽子が盗まれないようおまじないをかけるべく、

文ちゃんは駆け出します。すると、開演ベルが鳴る。


劇中劇は猪股公章作曲『蛍の列車』で幕を開けます。

これは、CD「状況劇場劇中歌集』に収められていますのでぜひ聴いてください。

蜷川さんの『近松心中物語』に曲を書いていた猪股さんと唐さんの出会いは、

後の状況劇場に更なる名劇中歌を生み出します。


調子良くキティ主演の『娼婦の森』がスタート。

が、この芝居は闖入者によって中断されてしまいます。

本物のお春が乗り込んできたのです。


腕っぷしの強いお春の登場にキティはたじろぎますが、

こと洋一のこととなるとかよわき乙女に変貌するお春をキティは

ここぞとばかりになじります。この二人のやりとりがすごく喜劇的。

相手の弱点を攻め抜くキティのせりふ、それを受けるお春のリアクション、

存分に楽しませてくれます。


と、そこへ帽子を持った文ちゃんが帰ってくる。

聞けば、文ちゃんは白井に会ったといいます。

そして、なぜにキティを「姉さん」と呼んで追いかけていたのか、

ことの真相が語られます。曰く、白井は国際劇場にいた洋一、

キティの同志であり恋人だった"もう一人の洋一"の弟で、

空襲で脚を失くし、一年前に亡くなった兄の代わりに、

ずっとキティを探していたのです。


探し続けてきた恋人・洋一が最近に死んだことを知り、錯乱するキティ。

さらに文ちゃんは、白井に託された二人の思い出の品をさし出します。

それは、キティと洋一が愛用していた注射器。

自らもヒロポン中毒であるお春は、すかさずキティの腕の注射跡を暴き・・・


と、ここまでで昨日はおしまい。

キティの凄惨な過去が明らかになる二幕クライマックスはまた来週!

3/19(土)劇中歌WSレポート

2022年3月20日 Posted in ワークショップ Posted in 劇中歌ワークショップ
『下谷万年町物語』、第二回目の劇中歌WSでした!

取り上げた曲は、前回と同じくキティ瓢田がニ幕の最初に歌う曲です。

♪なんかすっぱい匂いがします
夜中に吐いたものかしら
それとも錆びた体のにおいか
抱いてくれても ごまかせぬーー

その後、池からすくいあげられたキティ瓢田が、
池に飛び込むに至るまでの経緯を語るシーンを前回は取り上げました。

どちらかというと辛い過去を語る場面が多かったので
今回は、長屋の端から端までを駆け抜けるキティ瓢田の
勢い溢れたシーンを抜粋しました。

暴れるための"ライセンス"が欲しい!
と言い出したキティに、洋一はある物を差し出します。

それは、洋一が持っていた総監の帽子!
「娼婦の森には」描かれていない洋一の役をお瓢にやってもらうべく
洋一は、その帽子をお瓢に手渡します。

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(撮影:伏見行介)

もう暴れたくてしょうがないお瓢は、
その洋一の提案を即座に引き受けます。
洋一と文ちゃんが話していても「もうわかっちまった」とか、
「ちょっと口をはさましてもらいますけど」とそわそわしている。
"ライセンス"を手にしたお瓢さんは無敵。

一方、提案したはずの洋一は、お瓢が勢いづいてくると、少しずつ尻ごむ。
帽子をもって逃げ続けたことや肩代わりさせられた嫌な過去が蘇る。
(提案する時の洋一の勢い、引き受けたお瓢の勢いをそれぞれ参加者の方に
テンポを変えて読んでいただいたりしました。)

しかしお瓢は、自分が洋一の役をやるからには、その事実も改訂してやる!
と帽子を冠り、駆け出す。

もう一人の洋一の声を頼りに池に飛び込んだ時のように、
新たにお瓢は、「娼夫の森」の洋一となっていく。

そこまで勢いよく台本を読んでいただいたところで、
また冒頭の歌へ、、、!

♪なんかすっぱい匂いがします
夜中に吐いたものかしらーー

勢いよく周りをかき乱していくお瓢さんと、
水底でおたまじゃくしたちにつっつかれ、泣いていたお瓢さんの
浮き沈みを少しでも体現してみたらどうなるだろう。

というつもりで、勢いのよいやりとりから、
この冒頭の歌をやってみていただきました。

次回は、田口洋一さんとはぐれる前のキティ瓢田は
どんなことをしていたのか。
そこを取り上げなら、もう一度同じ曲をやります!




3/14(月)ワークショップレポート

2022年3月14日 Posted in ワークショップ Posted in 唐十郎戯曲を読む『下谷万年町物語』
こんにちは。今日は非常に暖かい日でしたね。
本日はワークショップレポートです。

今週は引き続き『下谷万年町物語』です。
ヒロインお瓢と、万年町に住む洋一と文ちゃんは謎の男白井から逃げるため、
畳に姿を消します。
そして畳の陥没した穴から、サフランの花が咲きます。
これがサフラン座の狼煙が上がる瞬間!

そして二幕二場へ。
舞台は浅草軽喜座の舞台稽古の万年町。
洋一は、サフラン座と軽喜座の合同を申し込みます。
急に違う座組にいると言われ驚く軽喜座の座長。
誰と組んでいると言われ、キティ瓢田を見た瞬間...
まさかの座長は彼女が国際劇場に出ていた事を知っていました!
そしてキティ瓢田の過去が語られます。
過去にブロマイド屋が火事になった時、数々のスターのブロマイドが焼ける中
鏡に映った自分だけが燃えずに対話をしたことがあると。
しかし、お瓢のかぶっていた帽子は本物の警察の帽子で、
座長は怖がります。
しかし洋一はお上が恐ければ違う権力をと亀を差し出します。
その後どうなってしまうのでしょうか。また来週もよろしくお願いします!

3/6(日)『下谷万年町物語』本読みWS 第5回(中野)

2022年3月 6日 Posted in ワークショップ Posted in 唐十郎戯曲を読む『下谷万年町物語』

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↑劇団唐ゼミ☆『下谷万年町物語』(2010.11)より 撮影:伏見行介


『下谷万年町物語』第5回目のワークショップは2幕1場の後半を稽古。

ここは実にステキな場面で、主人公たち3人がお互いに励まし合い、

サフラン座として世の中に出ていこうとする場面です。


その先頭を走るのはお瓢。2幕序盤では落ち込んでいた彼女でしたが、

洋一・文ちゃんの励ましやオカマたちとの渡り合いの中ですっかり元気を

取り戻し、持ち前の押し出しの強さを発揮します。

そこに、洋一が隠し持っていたこの劇のキーアイテム

「警視総監の帽子」が加わり、さらに勢いづく。


洋一はこの帽子を武器に軽喜座と渡り合い、

この劇団が稽古中の『娼婦の森』を改定させることを思いつきます。

最近に起こった警視総監暴行事件をスキャンダラスに描くこの舞台に

本モノの帽子が加われば客が押し寄せるのは必定。


お瓢を主演女優、洋一を演出家(文ちゃんはまだ役割が決まらず)、

にした3人だけの新進劇団サフラン座がこうして軽喜座と渡り合おう、と。

しかし、言い出しっぺの洋一は生来の弱気を発揮してひよってしまう。


それをお瓢がいかに励まし、洋一が勇気を振り絞るのかというのが

今回のメインテーマでした。そして子どもながら文ちゃんも、

そこに自立した劇団員として並び立とうとしていきます。


白井の横やりをきっかけに押し寄せるオカマ軍団を間一髪でかわし、

高らかに劇団旗を掲げて万年町から飛び出してゆくサフラン座。

2幕2場。軽喜座への合同申し入れへと劇は進みます。


今回は、情けなさを吐露する洋一をお瓢が励ますプロセスを

しっかりと描き切るために、参加の皆さんに細かい要求を

しつこく出して応えてもらいました。完全に稽古です。

2/28(月)ワークショップレポート(佐々木)

2022年2月28日 Posted in ワークショップ Posted in 唐十郎戯曲を読む『下谷万年町物語』
 皆さんこんにちは。
今週のWSは2幕から。
万年町のオカマ達はヒロポンを打ち込んでぼんやりしている中、文ちゃんと洋一はヒロインのキティ瓢田を連れて長屋に帰ってきました。

なんか、すっぱい匂いがします
夜中に吐いたものかしら
それとも
錆びた体の匂いか
抱いてくれてもごまかせぬ
やさしくされても、笑ってやれぬ
枕にしみた
おまけの匂い

自らを終わった女と歌います。
3人で話をしていると、どうやらお瓢は国際劇場の女優さんで、閉鎖されてから、演出部の田口さんと共に『サフラン座』という劇団を作ろうとしていたらしい。しかし戦争に巻き込まれそれは叶わなかったと。
長屋を使ってお家芸を披露するお瓢。
そこへ白井という男がやって来ます。
彼はお瓢の事をお姉さんと呼びますが、彼は一体何者なのかわからないまま。
興奮して物干し竿を投げると、オカマのお市の障子を突き破ってしまいます。
喧嘩になるかと思いきや、お瓢は長屋でお家芸!

山の手は狸穴
下谷は万年町
一度おいで万年町
穴から谷を転がって
オカマの町は花ざかり
春らんまんの尻の穴

今週はすごく歌が多い回でしたね。
また来週も楽しみです!
よろしくお願い致します!

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(ちなみによく出てくるサフランの花とはこれ!)

2/23(水)ワークショップレポート(佐々木)

2022年2月24日 Posted in ワークショップ Posted in 唐十郎戯曲を読む『下谷万年町物語』
皆様こんにちは。本日はワークショップレポートです。
本日は『下谷万年町物語』三回目!
今回は蜷川さんのストーリーを交えつつのワークショップでした!

今回のスタートは主人公の一人、青年・洋一が所属する軽喜座が登場。
軽喜座は下谷万年町で起こった警視総監暴行事件のパロディの稽古中です。
(まるでドリフターズの様!)

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(唐ゼミ上演時の軽喜座)


一方洋一は少年・文ちゃんと池にサフランの花びらを浮かべます。

『この池の底でブザーが鳴る時、なかった筈の劇場の幕開けで、
そこから、一人の、ならなかった筈の踊子がとびでてく。
その時、水面に浮く花の中で、一番、きれいな一輪を、
あら、きれいと、ひったくって髪にそえる』
本当かなあと疑う文ちゃん。
じっと二人は水面を覗いているとそこへ軽喜座乱入。
またまた稽古をしています。
座長のお春らしいやつがなんだか蜷川さんの様。
池に小道具を浮かべている事に怒りますが、
2人が万年町にいた事を知ると、万年町の事を聞き始めます。
万年町の話をしていると、本物のお春が登場!
お春と二人が喧嘩をしていると
いつしかサフランの花がひとつ池の下に沈みます。
池に手を入れる洋一。
池の中から女が現れます!
そして彼女は言います。
『所属は・・・・・・以下の底のサフラン座。姓は、キティ台風のキティ。名は・・・・・・瓢箪池の・・・・・・お・・・・・・お瓢です!』
続きは来週。またよろしくお願いします!

2/14(月)『下谷万年町物語』WS 第2回レポート(中野)

2022年2月14日 Posted in ワークショップ Posted in 唐十郎戯曲を読む『下谷万年町物語』
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↑わずか8歳の少年にも容赦なしの白井。自己嫌悪ゆえの八つ当たりか?
2010年 劇団唐ゼミ☆秋公演より 撮影:伏見行介

昨夜のワークショップのレポートです。

第1回目は、初演時の執筆経緯、唐さんと蜷川さんの来し方、
唐さんに影響を与えたエピソードについて時間を割きました。
皆さんの本読みは駆け足にならざるを得ず。

そこで、昨日の第2回では、もっと稽古らしくしようと注力しました。
登場人物同士の駆け引きに注目しながら、細かく止めて、
内容を詳しく伝え、皆さんがアドバイスをどう受け止め、
表現するかを愉しみました。

主人公の一人である青年・洋一が登場するところからスタート。

彼は今、とにかく上手くいっていない。
元来が演出家志望の彼は、浅草で力を持つ劇団軽喜座の
小道具係に甘んじています。不器用で、チリ紙を使ったサフラン製作の
手もおぼつかない。それに、洋一はいま万年町から逃亡している。

警視総監暴行事件の後、
お春とともに帽子を持って下谷警察に詫びを入れにいったはずが、
自分だけ帽子を持って取り残され、トカゲの尻尾切りにされかけた。
(後に誤解だったと知れる)
だから、反射的に彼は逃げ、帽子は今も手の内にある。

ヘボ小道具係としてうなだれ、瓢箪池に映る自分と対話していると
少年・文ちゃんに声をかけられた。彼らは、最初はぎこちないものの、
経緯を説明し合うと従来の友情を取り戻す。
元6本指があったもの同士の絆。

と、そこへ、チンピラ・白井が二人の部下を引き連れて現れる。
万年町オカマ軍団の頭目・お市にヒロポン(当時は合法)を流す
売人こそ、この白井。彼は、後に登場するヒロイン・キティ瓢田の
亡くなった恋人(彼の名前も""洋一)の弟でもある。

お市の味方として、洋一・文ちゃんを遠回しに脅かす白井の手口は
さすが恫喝の本職。初演時にこの役を演じたコメディアン・内藤陳さんの
読書家ぶり・博識がこの役に生きている。

それでいて、彼は本来的にはナイーブな男。
水面に映った自分と「こんな大人になるはずではなかった」と語らいつつ
またチンピラ得意の脅しを繰り広げ、注射器をかざして文ちゃんにも
容赦ない。情けない洋一は、言葉で反抗するのがやっと。

と、ここへ、水の中をアユのように通り過ぎる人影。
(膝までの深さしかないこの池にして、明らかにおかしな現象だが)
先ほど、洋一と文ちゃんの会話中に何かがドボンと飛び込んだ音も
これだったようだ。
"姉さん!"そう呼びかけながら去る白井とともに、今回は終了。

次回は、洋一の所属する軽喜座の面々が登場するところから再開します!

今回やった洋一の登場シーンには、唐さんの劇団青年芸術劇場時代の
不遇が大きく影響しているように思われます。

ロンドンにいる私に、思うぞんぶん日本語をしゃべらせてくれる
参加者の皆さん。中にはご自身の経験から、外国での暮らし向き
についてアドバイスをくれる方もいます。感謝!

2/7(月)『下谷万年物語』WS 第1回レポート(中野)

2022年2月 7日 Posted in ワークショップ Posted in 唐十郎戯曲を読む『下谷万年町物語』
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↑唐ゼミ☆2010年秋公演『下谷万年町物語』冒頭。伏見行介さん撮影。

昨日から『下谷万年町物語』のワークショップを始めました。
手もとの台本では242ページあるこの物語を、4月末の日曜日まで
全12回かけて読みときます。

初回は、まず作品が書かれた経緯の説明から入りました。
1981年の初演は紅テントでなくPARCO劇場、蜷川幸雄さんの演出により
この台本は上演されました。

そこで、1969-1984年までの唐さんと蜷川さんの経歴、
二人の関わり合いを追いかけるところからスタート。

すでに状況劇場で紅テント興行に着手していた唐さんと、
劇団青俳を飛び出して現代人劇場をつくり演出家デビューした蜷川さん、
二人の共同作業は、1973年『盲導犬』により始まり、
1975年『唐版 滝の白糸』を経て、1981年に至ります。

『唐版 滝の白糸』に登場する「六本指」のモチーフ、
デビュー以来、蜷川さんの得意とする多くの人物を登場させる演出、
『近松心中物語(79)』で活用した舞台前面の大きな池が、
『下谷万年町物語』に活きています。
『近松〜』では舞台のそこかしこに彼岸花が咲いていましたが、
『下谷〜』だと、それがサフランに変わる。

また、1970年初頭から続く唐さんの傑作期が一つの頂点を極めた後、
70年代中盤から試行錯誤に入り、かつ大久保鷹さんや根津甚八さん、
小林薫さんといった主軸が退団する中で、唐さんは80年代初頭に
自分の出自を振り返る作品群を残しました。
『お化け煙突物語』『黄金バット 幻想教師あらわる』『秘密の花園』......
自身の生まれ育った上野〜浅草を舞台にした『下谷万年町物語』は、
一連の端緒となった作品だということも説明しました。

そして、本編へ。

物語は、現在は台東区をあとにした男が、万年町跡地とおぼしき場所を
訪ね、町を回想するシーンから始まります。
そこに、自らの少年時代の分身が現れ、昭和23年に還ろうと言い出す。
タイムスリップの方法が振るっていて、注射器で空気を抜けば、
流れてきた時間もまた空気とともに抜き出され、往時に戻るという。

少年の名は文(ふみ)ちゃん。
果たして、文ちゃんによる注射、空気の吸引によって、
舞台は昭和23年の浅草瓢箪池のほとりに変わり、男は少年に転じます。

つと見ると、池から飛び出た尻3つ。
その穴からはサフランの花が開き、それらは食いつめた3人のオカマ
の哀れな姿と知れます。戦後、万年町に跋扈していたオカマ軍団の
No.2である「お春」は、少年に念を押すかたちで、物語の発端を語ります。

①男娼はびこる戦後の上野の森を警視総監一行が視察に訪れた
②オカマの頭目・お市とお春は彼らに暴行し、総監の帽子を奪った
③帽子を奪われ、権威を失った警察は、オカマたちへの食料配給を止めた
④帽子を返却したくとも、お春のイロの青年・洋一が帽子も持って行方知れず
⑤洋一は、浅草にある劇団「軽喜座」の小道具係で、演出家志望。
⑥文ちゃんと洋一は友人であり、ともに生来の「六本指」を切除した経験を持つ

と、このようにやり取りがなされたところで、
少年・文ちゃんが気がつくと、そこにオカマたちの姿は消え、
浅草瓢箪池に咲くサフランの花が風に揺れるのみ。

以上、主要登場人物や物語の前段が話されたところで、今回を終了。
次回は、洋一が登場して文ちゃんと会話するところから始めます。
2/13(日)18:00-20:00。では、また!

1/25(火)WSレポート②〜『続ジョン・シルバー』『少女仮面』『吸血姫』(中野)

2022年1月25日 Posted in ワークショップ
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↑日本列島は身をくねらせた少女のようだ。
唐さんの日本少女論はここから始まります。

昨日に引き続き、日曜日に行ったワークショップ後半のレポートです。
「少女」をテーマに、最近取り組んだ作品を比較しながら論じました。

(2)少女たちの変遷
まず、ここ半年のワークショップで扱った作品を並べてみます。
『続ジョン・シルバー』『少女仮面』『吸血姫』。

この順で読んでいくと、
当時の唐さんがいかに「少女」に関心を持ち、
その象を練り上げていったのかがよくわかります。

日本列島は身をくねらせた少女のかたち。
少女は色々な男たちに言い寄られ、誘惑され、
時にいいようにされるが、結局はすべて飲み込んで、強かに生きる。
こんなイメージです。弱くもあり、強くもある。侮れない存在です。

順に作品を振り返ります。

『続ジョン・シルバー』では、
ヒロイン・小春は少女フレンドを抱えてシルバーとの関係を
夢見続けます。男女の関係であり続けたいために何度も堕胎する。
これも過剰な純粋さの表れ、そういう女性が小春です。

一方、少女・田口みのみは、ボーイのパワハラ・セクハラを
一身に浴びながら、やがて彼女から吹き出した不幸な過去や闇が
ボーイを圧倒しかける。その片鱗が見えたところで物語は終わります。
弱者が強者に反転するところまではいきませんが、しかし、
その兆しは見えます。

『続ジョン・シルバー』の設定や登場人物を巧みにスライドさせて
再生産された『少女仮面』に進むと、少女同士がぶつかり合い、
共食い状態に入ります。

少女・貝は駆け出しの女優志望。
他方、心は乙女のままの老婆。老婆にできることは貝への応援だけ。
彼女たちを春日野八千代の手先たるボーイ主任は痛ぶりますが、
やがて春日野自体は、何でもないただの冴えない初老の女だと知れる。
そのニセ春日野を追い込むのが、貝に代表される少女たちの視線。
熱っぽいがゆえに残酷。そういう設定です。

「あたしは何でもないんだ!」
この最後の春日野のせりふは苦い。断念して舞台を下りるか。
こう言いながらも、さらに舞台への執念をみせるのか。
やり方はあると思いますが、いずれにせよ突き抜けない。

が、この作品は評価されました。
『少女仮面』は岸田戯曲賞をとりますが、あくまで他所に書いたもの。
対抗して書いた『少女都市』は天井桟敷とのケンカが有名になり過ぎ
公演への評価はうやむや。翌年に『少女仮面』を紅テントで上演するも
初演を凌ぐほどではない。『吸血姫』成立には、そういう背景が
感じられます。自分の劇団で「少女もの」の決定版を!
そういう意志がみなぎっています。

高石かつえ、床屋の妻・ユリ子、海之ほおずき(実は、さと子)
の三人に託して少女性が描かれますが、なんといっても特筆すべきは、
男たちに蹂躙され、食い物にされ続けた彼女らが、ラストシーン、
さと子を先頭に大逆転していくダイナミズムがこの劇の魅力であることです。
吸血鬼たちに血を吸われ続けた少女がやがて、
吸血姫として吸血鬼らを従えるようになるまでを描いた物語と云える。

やっぱり少女は強かで侮れない。

堕胎、震災被害、近親相姦、父殺し、刃傷沙汰と、
残酷オンパレードの『吸血姫』ですが、最後は突き抜けた思い切り。
少女の大ジャンプを描き切ります。

そして、唐さんの書く台本は、
ヒロインを梃子に弱者必敗からの大逆転という必殺パターンに突入。
『二都物語』『ベンガルの虎』『唐版 風の又三郎』までもう少しです。

次回から、時間が変わって毎週日曜18:00-20:00の開催。
2/6(日)より、大作『下谷万年町物語』がスタートします。

1/24(月)WSレポート①〜『特権的肉体論』(中野)

2022年1月24日 Posted in ワークショップ
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↑これが唐さんの初めての単行本です。『腰巻お仙』台本2種のほかに
『特権的肉体論』が収められ、ステキなあとがきが付いています。

昨晩のワークショップは特別回にしました。
前回で『吸血姫』は完結している。
来週の1/30(日)は翌朝の渡英に備えて荷造りしているでしょうから、
お休みにしました。ですから、単発の特別回を考えてみました。

一つには、『特権的肉体論』を読んでみたい。
唐さんの演劇活動の根幹とされることの多い文章ですから、
いっぺん取り扱ってみたかった。

もう一つは、最近やった作品を振り返って、
唐さんが60年代後半から70年代初めに「少女」をどう扱い、
変遷させていったか、まとめて話したいと考えました。

今日は前半に行った『特権的肉体論』についてのレポートです。

(1)特権的肉体論
初出は1967年に現代思潮社から出た『腰巻お仙』に収められています。
10の文章からなる。これは論文というよりも、唐さんの時々の雑感を
記した文章をまとめたものですね。

役者論、演劇論かと思いきや、いきなり中原中也の話からスタートして
読む者をを煙に捲く。
だいたい、この中で言っていることは二つ。

①演劇の最小単位は役者であり、面白さの根源もまた役者
②役者が輝くには長所より短所やコンプレックスがチャンスになる

と、こうです。

思えば、唐さんは真面目に役者修行をしました。
明治大学の演劇科でも、実験劇場でも、卒業後に入った劇団青芸でも。
滝沢修さんにも憧れたし、例えば、仲代達也さんのような容貌や声、
チャンスに恵まれて台頭することができれば、それで良かったはずです。
でも、そうはならなかった。

そこで編み出されたのが『特権的肉体論』です。
自分の置かれた立場や能力を見つめて、生き残るために立てた戦略とも
いえます。弱小新興劇団が裸一貫でのしていくために立てた、ゲリラ戦の
指南書であるともいえます。一方で何より、それらアンチの心情だけでなく、
自分が何を面白いと思うか、必死に探っている様子が伝わる文章です。

中原中也を貫く自虐の衝動。自らの傷に塩を擦り込むような屈辱と快楽。
ドルイ氏の、突き抜けた実直さと愚かさ。

そういう人たちが、追い込まれ、追い込まれ、
もうどうでもいいや!と開き直って派手な扮装や行動に至る、
その瞬間のダイナミズムこそ劇的である、と唐さんは云っています。

ちなみに、この扇田昭彦さんとの対談で、
ご本人が核心について種明かしをしていますので、観ると面白い。
https://www.youtube.com/watch?v=EkJuulmYkUs&t=750s

1990年代の後半にBSで放送された『ジャガーの眼』の前段となる対談。
これを高校時代に観て、私の進路は決まりました。ぜひ!

1/22(土)劇中歌ワークショップレポート

2022年1月23日 Posted in ワークショップ Posted in 劇中歌ワークショップ
1月から始まりました「劇中歌ワークショップ」
こちらのレポートしていきます!

初回は、女性2人が来てくださいました!
それぞれの参加の経緯や、目標などを聞いて、
その内容も参考にしながらやっていきます。

朝なので、しっかり体をほぐしてからスタート!
本番中に声が枯れそうな時、のどばかり気にしていたのですが
肩や首がバキバキに凝っていることに気づきました。
それ以来、いろんな人に教えてもらったストレッチなどを一緒にやりました。


そして、課題曲に突入。
今回とりあげた曲は『吸血姫』のテーマ、(夏の海辺に)です。
この曲は、歌手デビューを目指し、主人公「肥後」がレコード会社に電話をかけ
即興で歌ってきかせる、という場面歌われます。

♪夏の海辺にいったとき
まだ見たこともないものをみた

出だしのこの二つのフレーズ、同じ音が続くので難しい。
しかし、「肥後」は自信満々で自ら歌い出すわけですから、
こちらもそれを体現できるように、繰り返しやりました。

どう歌えば、どんな風に声が出るかを確認しながら
粘り強くやっていきます。

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しばらく歌の中身をどんどん進めていったところで、
せりふに戻ります。
歌詞の手がかりとなりそうな部分、歌を歌うきっかけとなる場面などを
読んでいきました。

最後はそれを踏まえた上で、もう一度、歌に戻ります。
コツコツと何度もやって、本日のワークショップは終了!!

『吸血姫』は劇中歌がまだまだたくさんありますので、
引き続き『吸血姫』から歌をとりあげていきます。


2月の予約も受け付けておりますので、気軽にご参加ください!


<2月のスケジュールはこちら>

・2/5、2/12、2/26
・土曜日10:30〜12:00
2月予約フォームはこちら

おまちしてます!

1/21(金) ワークショップレポート〜1/16『吸血姫』完結

2022年1月22日 Posted in ワークショップ Posted in 唐十郎戯曲を読む『吸血姫』
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刺したり刺されたり。血しぶきの舞うクライマックス。
いかにも唐作品というイメージを代表するのがこの『吸血姫』。

1/16(日)のワークショップを以って、
ここ2ヶ月間、取り組んできた『吸血姫』が完結しました。
その様子を報告します。

3幕後半。
零落した愛染病院の人々の描写したから物語が再開します。
若院長・浩三、女たちをスカウトして看護婦に仕立てる中年男、
看護婦を各地に売り捌く役割の花形の三人がすっかり落ちぶれている。

「海之ほおずき」を名乗った女の本名は「海之さと子」と知れ、
母亡き後、父との近親相姦の果てに父の子を妊娠、
暴力にも耐えかねて父を殺し、流産もした素性も前幕で明らかに。

今では、三人の男たちの食いぶちを稼ぐ娼婦として、
身体を売っては酒びたりの生活をしています。
そこへ、歌手志望の青年だった肥後がやってくる。

肥後としては、かつて引っ越し看護婦として登場した時の人力車まで
持ち出し、彼女にありし日を思い出すよう説得を試みます。
が、辛酸を舐め尽くしたさと子にとっては、甘っちょろさ以外の
何ものでもないと、一蹴します。

その時のキーワードが、
「もうすぐあたしが来る」「あたしが来ないうちにどっか行け」
という意味深長なせりふ。これが三幕のキーワードでもある。

さと子が気にする「あたし」とは誰なのか。
「あたしが来る」というのどういう状態なのか。
台本を読む者、芝居を観る者は、その謎めいたせりふの
繰り返しに否応なく巻き込まれる仕掛けです。

そのうち、肥後が粘り強く訴えると、さと子も絆されます。
久々に人力車に乗ってどこかに行ってしまおうか、
そう思い直したところで、ストップがかかる。

浩三が、中年男が、花形が次々に現れ、
現在の稼ぎ頭であるさと子を強烈に引き留めます。
女たちを食い物にする日陰者の彼らと、父殺しのさと子。
彼らはしっかりと結びついてしまっています。

肥後の誘いを打ち消すように、
再び川島浪速に扮した中年男は、さと子を持ち上げます。
母にも、看護婦にも、氷の国の女王様にもなれないさと子ですが、
娼婦として男たちを慰め、女たちが中絶した堕胎児たちの母としてなら
生きられる、という理屈です。

肥後の提案する「青春・愛・挫折・希望」、
肥後がさと子の暮らした家から持ってきたお母さん人形や
ほおずきなど捨ておいて(この「ほおずき」こそ仮名のアイディアのもと)
闇の世界に生きようとさと子を縛り付ける男たち。
さと子は両者の間で激しく揺れます。

そして、さと子を間においた男たちの綱引きが極まる時、
突如としてさと子は肥後に斬りつける。これに驚愕する男たち。
そうです。これこそが「あたしが来る」とさと子自らが予言した
状態でした。

さと子が背負ってきた過剰な不幸は、
さと子との青春を夢見る肥後はおろか、
彼女を食い物にしようとする耕三・中年男・花形らの思惑を圧倒し
深すぎる闇としてすべての男たちの前に屹立します。

すると、それに呼応するように、
二幕で耕三が殺してしまった床屋の女房・ユリ子、
三幕前の幕間で自殺した高石かつえまでもが舞台上に復活する。

男の欲に翻弄されてきた女たちが
闇の女王と化したさと子に応えて甦る壮麗なエンディングです。
ここに『吸血姫』のタイトルの意味も明らかになる。
男たち、すなわち吸血鬼たちに組み敷かれてきた女たちの中から
現れたさと子の闇が逆襲する時、いまや「吸血姫」として君臨する。

『腰巻お仙』『続ジョン・シルバー』『少女仮面』『少女都市』と、
唐十郎が執拗に展開してきた「少女論」の極北がここにあります。

ということで、傑作『吸血姫』もこれでおしまい。
次回の私のWSは、渡英前の区切りということで、
『特権的肉体論』を読み、『少女仮面』『吸血姫』の振り返りをします。

明日からは、劇団員・林麻子の劇中歌ワークショップも始まる。
メインのお題は『吸血姫のテーマ』。ぜひご参加ください。

1/10(祝月)ワークショップレポート〜『吸血姫』三幕前半

2022年1月10日 Posted in ワークショップ Posted in 唐十郎戯曲を読む『吸血姫』
昨日のワークショップレポートです。
1/17(日)の最終回を睨んで逆算し、昨晩は三幕前半をやりました。
一口に唐さんの三幕ものと言っても長短二種類あり、

長い演目『唐版 風の又三郎』『夜叉綺想』『下町ホフマン』など
短い演目『吸血姫』『ジャガーの眼』『さすらいのジェニー』など

といった感じでとらえると分かりやすい。

長いものは往々にして一幕と三幕が長く、
これは登場人物や物語の前段の説明に膨大な時間がかかりつつ、
クライマックス目指して終盤がうねうねしている感じです。
休憩2回を入れて3時間〜3時間半の上演時間。

一方で短い演目になると、むしろ二幕ものより観やすい。
というのも、各幕が40〜50分とコンパクトに設定されており、
リズムが良い。序破急の三部構成がクッキリして、展開がわかりやすい。

『吸血姫』は後者にあたり、三幕はとにかくテンポ良く運びます。
まずは二幕の後段、肥後が起こした看護婦長殺しの末路として、
各キャラクターのその後、没落の様子が描かれます。

まずは、九州に叩き売られていく高石かつえが名古屋で花形の
手を逃れ、憧れの国際劇場の舞台や耕三の愛情を夢見ながら自死していく。

次に、歌謡界の鬼を名乗っていた花形を相手にするものは
いまや徘徊途中の老人しかおらず、その爺さんとの絡みにおいても
かつての精彩を欠いている。

さらに、引っ越し看護婦として多くの人たちを癒やそうとしていた
海之さと子は、ショーケースに入れられ路上で体を売り、
イケイケの若院長だった耕三は、詐欺まがいの女衒に身を落とし、
運悪くかつて女房を寝とった床屋の主人とも再会。
少額を巻き上げるのに躍起になっています。

とにかく零落が際立ち、皆にかつての輝きはありません。
そこへきて本格的に三幕がスタートすると、
愛染病院が誇る献血自動車は移動式のバー「お世話」に改造され、
へりくだる中年男がバーテンのその店で、花形・耕三がくだを巻きます。
人間うまくいっていない時には実に瑣末なことで諍うもので、
ずいぶん前に貸した雑誌云々、という話題で延々ケンカが続く。

ヒロイン・さと子は、酔い潰れているのか、
商売が続いて体がキツいのか、カウンターの隅の方に突っ伏している。

と、そこへ、人力車を引いた肥後がやってきます。
あれから三年、歌手への夢を諦め今ではタクシー会社に勤務する肥後。
彼は「さと子」というお客から迎車の注文がくると
これを買ってでて、自動車でなく人力車で出動するという営みを
続けてきたらしいのです。(実際にいたらとんでもなく迷惑!)

努力が実り、ついに目当てのさと子と再会成り、説得を試みる肥後ですが、
彼の青臭さが気に入らないさと子は最初、一蹴します。

しかし、熱心な肥後の誘いかけにより
人力車に乗って引っ越し看護婦を、皆さんへのお世話を目指した
あの日が甦り、束の間、どこかへ行ってやり直そうという気分が生まれる。
が、元愛染病院の男たちにとってさと子はいまや飯のタネ。
耕三や中年男が立ち塞がり、さと子を逃さない。

・・・という具合で、
『吸血姫』クライマックスの助走を完了して昨晩は時間いっぱい。

肥後は今度こそ、さと子を苦界から救い出せるのか?
さと子が何度も口にする「もうすぐあたしが迎えにくる・・」とは?
1/17(日)最終回、怒涛のエンディングが待っています!

1/6(木)『吸血姫』WSレポート 二幕終盤(中野)

2022年1月 7日 Posted in ワークショップ Posted in 唐十郎戯曲を読む『吸血姫』
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↑1971年の状況劇場初演、2018年唐組再演で使われたビジュアルです。
この絵柄の意味が分かるのが、二幕終盤のくだりです。

中野からのワークショップレポートです。

昨晩は『吸血姫』二幕の終盤をやりました。
海之ほおずき、本名は"海之さと子"を迎えに来た父親の妻となるため
結婚式よろしく、母がさと子を生み落とした関東大震災の景色を
再現する前回からの続きです。

まず、中年男が扮した川島浪速(なにわ)が登場。
この人は実際の人物ですので、養女の川島芳子と併せて簡単に紹介します。

川島浪速は幕末の長野県松本に生まれ、
明治維新以降に成長して官吏となり、台湾、日清戦争前後の清で頭角を現す。
その後、清が滅びて中華民国が誕生すると、満蒙独立を目標とし、
清朝の第十四王女を養子に迎えます。
皇帝の血を引く彼女の日本名が"川島芳子"。

芳子が養子となったのが8歳(1915年)。
その後、17歳で自殺未遂をして以来、断髪・男装となり、
これが当時の新聞に取り上げられて人気を得る。
昭和となり、満州国を建国して運営する日本に協同して
諜報活動などにも加わったとされ、"東洋のマタ・ハリ"として、
ここでも人気を得ますが、太平洋戦争後は中華人民共和国により
処刑されてしまいます。

『吸血姫』に戻ると、
中年男扮する川島浪速は、幼女・芳子が亡くなった後、
芳子の代わりに特別な血を持った女を探しており、そこで、
さと子に目をつけます。

父と結婚して娘を生み、その娘がさらに父と結婚して娘を生む。
これを繰り返して"濃い血"を持ったさと子こそ理想的な女。
そのように浪速は彼女に興味を持つわけです。

ここから、さと子がしようとしていた父親との結婚は、
"第二の川島芳子"づくり→満州国設立→芳子が王女様に
→国民をお世話できる、という方向性で話が進み、
さと子もすっかりその気にさせられていきます。

もともと"引っ越し看護婦"として、
自分が生まれた時に起こった関東大震災の被災者たちを
お世話したかったさと子としては、北へ北へと逃れた被災者たちを、
看護婦以上の王女としてお世話することができれば本望なのです。

いつしか、目隠しをされたさと子は、
不思議な血を看護婦たちに注射されて"第二の川島芳子"となり、
ボロボロのナース服から軍服姿の男装の麗人として再登場。
耕三や、正体を明かした川島浪速→中年男の意のままになろうとします。
が、その時、一幕以来に歌手志望の青年・肥後が登場、彼によって
看護婦長が刺殺されると計画は破綻し、愛染病院は大パニックに。

引っ越し看護婦としての皆様をお世話、
父との結婚を経た純血種→第二の川島芳子→王女として国民をお世話、
この二つのお世話への望みを断たれたさと子は悲嘆に暮れます。

結局、さと子とは、母に死なれた高校生の少女に過ぎず、
夜毎、父親から近親相姦を迫られ、父の子を妊娠。
暴力にも耐えかねて父を殺した後、流産した女に過ぎたかったのです。
それが"海之ほおずき"を名乗りナースの真似をしていた。
という正体がわかってくる。

一方、愛染病院とは、病院の名を騙り看護婦を集めては、
時には芸能界を夢見させて高石かつえのようにキャバレーに叩き売る。
床屋の女房・ユリ子のように、面倒と思えば殺してしまう。
そういう組織であることも知れてくるわけです。

上記の事情は一切わからずに、青臭い正義感から看護婦長殺しまで
やってみせた肥後は、逃げる愛染病院の人々嘲笑しますが、
さと子の叫びに圧倒されている間に、耕三にさと子をさらわれてしまう。
この詰めの甘さ。

・・・というように、三者三様入り乱れるのが、二幕終盤でした。
それにしても、さと子を意のままにするために、愛染病院の面々が
労やを惜しまないのが、面白い。

彼女の身の上を調べ、さと子が殺してしまった父とそっくりの人形を
つくり、父として説得させる。(『少女仮面』の腹話術の応用!)
結婚式のために風呂屋の上げ板を用意し、中年男は川島浪速の扮装まで
してみせる。"不思議な血"とされる注射器の中身は、女の子を意のままに
するための"薬物"と見られますが、それだって手に入れるにはコストが
かかりそうです。

唐作品によくあることなのですが、
悪役はどこかセコい上に、
主人公たちを翻弄するために大きすぎる手間や資力をかけがちです。
せりふがとにかく凄いので、たいそうなな悪人たちに見えて盛り上がる
のはもちろん、それだけでなく、ギャップも含めて、
読む・観る・演じる者として味わうのが醍醐味です。

特に二幕は、夢野久作の『氷の涯』に出てくる北国の情景描写や、
満州帝国、川島芳子なども登場し、スケール感が急激に増します。
その実、行われているのは、今日も都会で少女が騙され、
夜の世界に引きずり込まれるのと変わりません。
こういった具合に愉しんでもらえればと思います。

それでは、続きは幕間から三幕へ。
あと二回でワークショップ『吸血姫』篇が終わります。

12/27(月)ワークショップレポート(佐々木)

2021年12月27日 Posted in ワークショップ Posted in ワークショップ
こんにちは。本日はワークショップレポートです。

ワークショップの始まりは、
新井高子さんの著書『唐十郎のせりふ』
の紹介からでした。
中野さんは大絶賛。
今まで唐さんのために書かれた本の中で一番良い作品だと思うそうです。
私も買って読んでみようと思います。

それでは『吸血姫』へ。
引越し看護婦ことヒロインのほおずきは、白衣はボロボロで
一幕で看護セットが入っていたバスケットは壊れて開いてしまっています。
第一幕のラスト、電車のゴーという音を聞いて『ほら、見えるでしょう、関東大震災が』
という台詞を言いますが、そのセリフが出てくる理由が今回明らかになります。
一幕の終わりからここまでで、ほおずきは地震のサイレンに取り憑かれ
人力車夫とともに踏切に突撃したためボロボロになっていました。
ほおずきからしたら"今でも見える"震災の被害者達。
看護婦なのに救えなくて悔しい。
浩三からしてはそんなのは"過去の話"
そんな事よりほおずきを口説きたい、
と二人の会話は噛み合いません。
そこへほおずきの父がやって来ます。
父によってほおずきは単なる私立の高校生で、関東大震災の日に産み落とされた事がわかります。
この父は四谷シモンさんの人形、ルネマグリットの男に影響を受けています。
この人形そっくりに十貫寺梅軒さんが父を演じたそう。

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父はほおずきと結婚しようと言います。
最初は嫌がるほおずきですが、父が関東大震災を見に行こうと言うと、気になりだすほおずき。
しかし父がほおずきに"あなた"と言わせようとしますが
彼女は"あらた"としか言うことができません。

今回はここまでです。
来週もよろしくお願いします!

12/20(月)『吸血姫』ワークショップレポート(中野)

2021年12月20日 Posted in ワークショップ Posted in 唐十郎戯曲を読む『吸血姫』
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昨日のお昼に青砥に行きました。『吸血姫』一幕では、看護婦長が
青砥や足立区に対して、興味深いせりふを吐きます。

昨日のワークショップ、アシスタントの佐々木はお休みでした。
というか、働いています。彼女はマグネットワールドという劇団に
参加させてもらって、日本各地を巡業しているのです。
年末まで各地の学校を訪問して公演。佐々木は恵まれています。
どんどんやって欲しい。

そのようなわけで、私がレポートします。
昨晩から、『吸血姫』は二幕に入りました。

まずは、一幕の振り返りから。
「高石かつえ」に始まり、同僚の看護婦たち、
看護婦1の情夫である「中年男」、「看護婦長」、
歌謡界の鬼「花形」、歌手を夢見る青年「肥後(ひご)」
と出揃ったところ、でいよいよヒロイン「海のほおずき」が登場。
最後に、愛染病院の若院長「耕三」が登場します。

江ノ島にある愛染病院が東京都足立区に献血自動車を引っ張って
やってきているという設定、上記の役柄の顔見せがキモ。

ついでに云うなら、芸能界を夢見る高石かつえの発狂と転落から、
何やら怪しげな愛染病院の裏家業を匂わせ、
海のほおずきが、可憐でありながらもかなり謎めいた、
もっといえば、どこか怪しげ看護婦であることを伏線して一幕は完了。

特にほおずきが最後に言うせりふ
「ほら、見えるでしょう! 関東大震災が!」
という彼女の幻視(インパクト大!)の原因が、
今回から取り組む二幕で明らかになります。

さて、二幕の冒頭は看護婦長による『人魚姫』の朗読から始まります。
これはもう『続ジョン・シルバー』の幕開きと一緒。

作品的に『続ジョン・シルバー』→『少女仮面』→『吸血姫』は
一直線につながっていると私は考えますが、この辺りは典型的です。

そこへ、中年男が入ってくると、婦長はナースたちを人払い。
怪しげな相談に入ります。彼らのやりとりによると、
中年男に課せられたミッションとは、少女たちの夏の過ちによって
生まれた子どもの死骸を背負って炎天下の往来を歩き、その腐臭によって
若き乙女たちに純潔を促すことらしいのです。

こんな不幸を起こしてはいけないよ、と伝え、
新人看護婦をスカウトしてくることが中年男の使命らしい。
彼が去ると、今度は耕三先生と、彼が不倫の果てに引っ張り込んだ
バーバー・アメリカ屋の女房「ユリ子」に痴情のもつれが起きます。

今や海之ほおずきに惚れ込んだ構造はユリ子を厄介払い、
揉めた挙句にユリ子を絞殺してしまいます。隠れる耕三。

そこへ、今度は花形がやってきて婦長との会話が始まり、
二人の親密さを伺わせます。どうやら資産運用をめぐって情報交換を
している様子。そこに耕三も加わり、花形と耕三とは幼馴染であり、
「高石かつえ」の人身売買を共謀して行なったことが明らかになります。

昨晩はここまでで終了。二幕でヒロイン「ほおずき」が登場する前段が
整ったところで、お開きになりました。

要点としては、愛染病院がいかにも怪しい組織であることが
明らかになってくるのが、この二幕の始まりです。
耕三、花形、中年男、看護婦長の四人が行なっている悪事について、
また、今しもその矛先が海之ほおずきに向けられようとしている。
というような内容でした。

他にも、前後にはシアターコクーンで上演中の『泥人魚』を
唐さんが書かれた時のエピソードなど披露しました。
『泥人魚』の内容については、参加者の多くが観劇後になる次週に、
またお話ししたいと思います。

12/13(月)ワークショップレポート(佐々木)

2021年12月13日 Posted in ワークショップ Posted in 唐十郎戯曲を読む『吸血姫』
こんにちは。佐々木です。
本日はワークショップレポートです。

歌手デビューを目指す少年はレコード会社に電話をかけ、受付の人に向かって歌を歌うも、電話を切られてしまいます。
そこへレコード会社のマネージャー・花形が殴り専門の男を連れて戻ってきます。
男にボコボコにされてしまう少年。そうして花形と男は去っていきます。
殴られて出血して、血が足りずフラフラな少年は倒れてしまいます。
そこに人力車に女が乗ってがやってきます。
車夫さんが献血トラックに声をかけると、婦長が出てきます。しかし少年は助けず。
すると女が『その人は私が看ます。』と声をかけます。
彼女はヒロインの海之ほおずき。
自らを引越し看護婦と言います。

〽︎ほおずきをしゃぶっていたら
あたしの口の中が夕方になった
だからあたしの口は
いつもくやんでる
あたしの口の中でほおずきがわれると
見るものはみんな腐り始める
そしてとうとう
夕方も粉々に砕けたよ

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ジュースを作りながら歌う歌です。

そこへ袋小路浩三と主婦がやって来ます。
2人はいい雰囲気。
しかし主婦が家族に電話をかけるとまるで人が変わったよう。
そしてほおずきを一目見て彼はナイチンゲール!と言い、口説きます。
しかしどうにかかわすほうずき。

ほら、見えるでしょう、関東大震災が!

後々わかる台詞です。
来週もよろしくお願い致します!

12/6(月)ワークショップレポート(佐々木)

2021年12月 6日 Posted in ワークショップ Posted in 唐十郎戯曲を読む『吸血姫』
 こんにちは。佐々木です。
本日はワークショップレポートです!

先週追いかけてきたストーリーが悪夢のように現実の世界が始まった!という展開が始まります。
歌謡界にデビューしようと意気込む看護婦達の元へ、病院長の知り合いの、レコード会社のマネージャー・花形が彼らを品定めにやってきます。
しかし、日を延ばしてほしいという看護婦のかつえ。
それを聞いた花形は、百年後に伸ばしましょう、と事実上この話は流れてしまいます。
しかし、かつえの笑い声を聞いて興味を持った花形。看護婦長はなんとか花形を立て、オマルに乗った看護婦というイメージで売り出そうという話までこぎつけます。
セリフの中に『私、コンビーフに帯つけて
参りました。』とありますが、コンビーフは開け方が独特で、帯状だからでしょう。
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(2020年で上の開け方の缶は無くなってしまったそう!)

しかし、かつえがマネージャーを紹介しようとして、嫌がる花形をよそに看護婦たちは良かれと思って盛り上げてしまいます。そのことに腹を立てた花形。レコードの話は無くなってしまいました。その時少年がやって来ます。
彼は歌手志望の少年。花形に見てほしいと言いますが、花形は彼を汚いものの如く蹴り飛ばし、去っていきます。
残った2人。うまくいかなかった同士、友情があります。少年はかつえに俺をヒモにしてくれと虫のいい提案をし、社長に歌を聞いてもらおうとレコード会社に電話をかけます。
電話の結果はまた来週!
来週もよろしくお願い致します!

11/29(日)『吸血姫』ワークショップレポート(中野)

2021年11月29日 Posted in ワークショップ Posted in 唐十郎戯曲を読む『吸血姫』
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いつもアシスタントを務めている佐々木あかりが、
現在は劇団マグネットワールドさんに出演して全国を巡っています。
そこで、昨日のWSについては中野がレポートします。

昨晩は『吸血姫』初回でした。
準備の時点から胸が高鳴る大作、大傑作です。
作品のパワーに呼応してか、参加の皆さんも19名。
じわじわ増えて、ありがたいです。

各演目の初回には、唐さんが執筆や初演をした時に
社会や演劇界はどんな様子だったのか。唐さんご自身が何を考え、
当時の交友関係や文学作品からどんな影響を受けたのか。
そんな話をします。

昨日の序論をざっとまとめると、こんな具合です。

【「少女」と「愛」について】
・当時の唐さんが「少女」に注目したのは、澁澤龍彦さんの
奥さんだった矢川澄子さんの影響があるはず
・「日本って、国のかたちも性質も"少女"っぽいよね」と
中野は唐さんに言われたことがある。
・色々な人々に言い寄られ、時にかどわかされながら、
すべてを受け入れ、むしろ飲み込むように相手を覆い尽くしてしまう。
それが少女の恐ろしさ。
・当時の唐さんが日本における「Love」の概念について考え抜いた
ところ、「愛する」とは「お世話すること」という結論に達した。

【唐十郎作品のなかでの位置どり】
・『続ジョン・シルバー』を原型にした1969年の『少女仮面』が成功。
岸田國士戯曲賞をとる。しかし上演団体は早稲田小劇場という他劇団。
・同時に自身の状況劇場は『少女都市』を公演するも、有名な天井桟敷との
乱闘から、少ない公演日程が休演によりさらに減少。評価を得るに至らず。
・1970年『愛の乞食』。一旦「少女」から離れ『ジョン・シルバー』ものに
回帰。内容的に傑作だが、複数箇所での同時公演は興行的に失敗。
・満を持して「少女もの」の集大成『吸血姫』を完成。

【こんな作品に影響を受けた】
・映画『愛染かつら』。子持ちの未亡人看護婦が医師の青年と結ばれる。
・小説『少女地獄(夢野久作)』。嘘つき看護婦・姫草ユリ子が大活躍。

【時代背景】
・1964年東京五輪。1970年大阪万博により様変わりする日本列島。
・「都市論」が盛んに。


これらを踏まえ、本読みに入りました。「第一幕 お世話の都」。

冒頭、『愛染かつら』のヒロイン名から取られた
看護婦・高石かつえが、同僚のナース2人を率いて歌の練習をしている
ところから始まります。歌謡界にデビューしようと意気込む3人。
今日は病院長の知り合いでレコード会社のプロデューサーが
彼らを品定めにやってくるらしいのです。

しかし、稽古をストップさせた高石は、同僚にケチをつけます。
看護婦の一人は子持ちで、赤ん坊を背負っていたのです。
(このあたり『続ジョン・シルバー』ヤングホルモンズと一緒)

芸能界を生き抜くために、冷徹な態度を見せる高石。
罵られた看護婦が怒りを爆発させそうなところで、
看護婦の情夫である「中年男」が登場。赤ん坊を受け取ります。
彼が卑屈にへりくだり、高石に謝り通すところで、
業を煮やした看護婦たちは去ります。

すると「中年男」は態度を変え、とたんに高石を口説きにかかる。
それどころか、彼が言うには、高石と自分はすでに関係を
結んでおり、背中の子は高石の子だというのです。

言いがかりにも聞こえる中年男の発言ですが、
そのあまりの真剣さと剣幕に押された高石かつえは、
やがて自身の身の上が疑心暗鬼になるに至ります。

自らを求めるように泣く赤ん坊。
高石にとって悪夢のようなシーンが極まるところで、
『吸血姫』第一回のワークショップは終了。

参加してくださっている皆さん全員に少しずつ台本を読んでもらい、
背景や勘どころを伝えながら、要所を繰り返しつつ劇が進みます。
途中参加の方がいたら、劇全体の流れを簡単に伝えながら、
物語についてこられるようフォーローしますので、
興味のある方はぜひご参加ください。

11/22(月)ワークショップレポート(佐々木)

2021年11月22日 Posted in ワークショップ Posted in 唐十郎戯曲を読む『少女仮面』

みなさんこんにちは。佐々木です。

本日はワークショップレポートです。


伝説のスター・春日野八千代が

水道水をひたすら飲み続ける男によって

女であるとバレてしまいます。

『唐版 風の又三郎』のヒロイン・エリカほど

皆に隠していたわけではありませんが、

それでもショックを受ける春日野八千代。

ついに春日野は女になります。

一人称が""から"あたし"へ。

憧れの恋人・甘粕大尉の幻想を追う春日野。


そして、春日野八千代の過去が暴かれます。

満州で肺炎にかかり、満州において行かれてしまった事があるそう。

本気で悩み苦しむ春日野に励ましの声をかけていた少女・貝でしたが、

彼女にとってこの励ましは演技指導されている程度のものでした。

喉が渇いたと水道に手をやると、水が赤くなっています!

主任が水のみ男を殺していました。

そこへ甘粕大尉が彼女のファンを連れてやってきます。

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(甘粕正彦さん)


はやしたてようとするファン達ですが、もう何も欲しくない春日野。

しかし、甘粕大尉もファンも皆主任が春日野のために演出した事。

伝説のスター・春日野八千代は春日野八千代本人ではありませんでした。

そして甘粕大尉と良い仲になっていたかどうかもわかりません。

無名の宝塚の女優と、主任が夫婦で営む小さな喫茶店にすぎなかったのです。

(妻のために必死な姿は痛々しくもあり、凄くもあるなと感じました)


来週からは『吸血姫』です!

よろしくお願いします!

11/15(月)ワークショップレポート(佐々木)

2021年11月15日 Posted in ワークショップ Posted in 唐十郎戯曲を読む『少女仮面』

こんにちは。佐々木です。

今週もワークショップレポートです。

ついに今回から第三場!


春日野八千代に見染められた少女・貝。

貝は春日野から直々に稽古をしてもらいます。

しかし、春日野のいる「喫茶肉体」は、防空壕の跡にそのまま喫茶店を作ってしまった様な場所。

地下鉄工事で天井から土が落ちてきます。


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(奈良県に防空壕の跡地のカフェが本当にある!)


どうにか工事をやめさせろという春日野。

そして主任が取った手段は"火をつける事"でした。

しかし、1人に火をつける事を見られてしまいます。その人はずっと水を飲み続けていた水飲み男。

彼は、みんなは戦争から24年経って水道の水のありがたみを忘れていて、あの時の精神状態を忘れずに生きている。と言います。

なので、周りに言いふらすどころか、あの時と同じ火にまみれた風景を作ってくれたと喜びます。

そして今は何も働いていないという男。

主任にどうやって食っているのかと聞かれ、彼は強がり、主食は水と答えます。


唐さんが若松孝二さんとの対談で

劇団員はどう食べているのかと聞かれた時に

本当はアルバイトをしていますが、

唐さん流の強がりで

「みんな食べてねえよ」

と言ったとか。

(なんという強がり!)


今週はここまでです。

来週は主任の気持ちが明らかに。

来週もよろしくお願いします!

11/2(火)ワークショップレポート(佐々木)

2021年11月 3日 Posted in ワークショップ Posted in 唐十郎戯曲を読む『少女仮面』

こんにちは。佐々木です。

大変お待たせ致しました。

今週からワークショップレポートは私が担当致します!

今月の作品は『少女仮面』

本日は二回目でした。


先週ラストに触れた劇中歌『あの人に会ったら』からスタート。


あの人にあったら、そっと言ってほしいの

乙女の花が枯れたって

月経帯に千代紙はったって

女が一人うたったって

でも、あの人はもう来ない、きっと来やしないのよ

だって、あたしゃ皆既日蝕


この曲はかなり曲調が明るい。タップダンスまでしています。

楽しい曲かと思いきや歌詞の内容は初老の女が

私は貴方を想って一人でいるよ。

と歌っている切ない歌です。


唐さんは若い頃の方が意識が老いていたとご本人もおっしゃっていたそう。


さて、舞台である喫茶〈肉体〉

喫茶店に就職したはずなのにタップダンスを踊らされる

というパワーハラスメントがあります。

よく考えたら絶対におかしい!


その喫茶店へ寄る

ここが大スターのいるお店

ここで気に入られて芸能界デビューするんだ!

と、緊張しているヒロイン貝と老婆。

東京の箱入り娘と古い記憶の老婆の2人が必死に宝塚を求めて、やっと見つけた肉体。


そして、この戯曲には演劇用語がいくつか飛び交います。

それは、鈴木忠志さんに向けて書いた作品であるからからです!

唐さんの洒落でもあり、茶化しているようでもある。


貝と老婆は春日野に会うことはできるのでしょうか?

来週もよろしくお願い致します!

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(のどかなベンチで読みました。楽しい本だなぁ!)

10/26(火)唐さんが文化功労者に!&『少女仮面』WSレポート

2021年10月26日 Posted in ワークショップ Posted in 中野note Posted in 唐十郎戯曲を読む『少女仮面』
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↑2003年末の唐さんと私。当時は『鉛の心臓』に取り組んでいました

今日のゼミログ、カーテンコールは一旦お休み、
一昨日から始まった『少女仮面』ワークショップをレポートをします。

が、その前におめでたいことが!
師である唐さんが文化功労者になりました!!!
シャイな唐さんはきっと照れていると想像しますが、
私はすごく嬉しい。おめでとうございます!!!

唐さんと賞といえば、2003年の演劇賞ラッシュが印象深いです。
今度、シアターコクーンで金守珍さんが演出する『泥人魚』は
その年の演劇賞を総ナメにしました。

2003年末から2004年のお正月にかけ、
続々と受賞の報が届くたび、唐さんを囲んでお祝いしたものですが、
皆の真ん中でご機嫌な唐さんはビールの王冠を集めて喜ぶ子どものよう。
持ち前のチャームを全開にされて、とても幸せな時間でした。

そういえば、一昨日からWSで取り組んでいる『少女仮面』こそ、
唐さんに岸田國士戯曲賞をもたらした作品です。
いまや半世紀を超える唐十郎のキャリアの中で、それが賞のはじまり。


ワークショップではまず、執筆や初演の時の様子から話を始めました。
新たな戯曲に向き合う時はいつもこうです。

さまざまな資料や証言を読み解いて総合すると、

・1969年4月-6月にかけて鈴木忠志さんから執筆依頼があった
・同年7月中旬までには書き上げている
・執筆にかかった時間はなんと二日間!
・執筆の最中は、劇中にかかるメリー・ホプキンの『悲しき天使』
 レコードを、劇団員である十貫寺梅軒さんが延々リピートし続けた
・早稲田小劇場の中心俳優として台頭していた白石加代子さんへの
 宛て書きにより、唐十郎流の「春日野八千代」が誕生した
・舞台は地下喫茶店〈肉体〉。早稲田小劇場は喫茶店〈モンシュリ〉の2階
・内容的には、前年に唐さんが上演した『続ジョン・シルバー』に酷似
・1969年10月14日には初日を迎えている

と、こんな具合です。
『少女仮面』初回なのでだいぶ私の説明が長く続きましたが、
それから、冒頭シーンの読みに入りました。
「すてたパンツに聞いてごらん」というパンチの効いた
せりふで有名な、少女と老婆の場面です。

あの場面は、端的に言って、これから芸能界に羽ばたくための
オーディションを受けようという少女と、少女に自らの願望を託す
PTAとのやり取りなんですね。

少女「貝」が持ち前の純粋さで、
例え宝塚スターといえども、実は恋愛願望もあれば肉欲もある
人間であることを見破ると、老婆はそれをはぐらかす。
しかし、現実をはぐらかしたまま、生き馬の目を抜く芸能界で
少女に間違いがあってはいけないから、スターの裏側を
忠告しようともする。貝をスターにしたいと願う一方で、
なんとも切実な老婆の親心。

で、有名な劇中歌『時はゆくゆく』に入ります。
まったく『少女仮面』の劇中歌はいずれも小室等さんの才能全開で、
すべてが愉しい傑作ぞろい。
しかし、歌い飛ばすことなかれ。
『時はゆくゆく』には、本当は自分が若返ってスターになりたいという
老婆の乙女チックな願望や、老婆と貝の間の世代に位置する、
老婆の息子=貝のお父さんが描かれてる。そういう話をしました。

ニーチェを茶化した「ツァラツストラ」とは、
傷痍軍人となって帰ってきた貝の父親ではないのか。
そこには、ジョン・シルバーの影響があるのではないか。
若さを失った老婆と、片足を失った息子は、
だから「何よりも肉体を」求めるのではないか。
一方で少女の貝は、若かりし「肉体」を謳歌している真っ最中。
「何よりも肉体を!」という叫ぶ老婆と少女のニュアンスの違いこそ、
役者と演出家の勝負のかけどころです。

続いて、場面は喫茶〈肉体〉の内部へ。
この店に君臨するボーイ主任を中心に登場人物が入り乱れます。
腹話術師と人形、そして、ボーイたち。
彼らに対するボーイ主任の態度には、一貫した共通点がある。
生身よりもモノ優先。生理的なものを嫌悪する潔癖症と、
「宝塚スター」の非人間性のつながりについて話をしました。

2番目の劇中歌『あの人に会ったら』にも触れて、一昨日は終了。
あの歌も一聴するとコミカルですが、初老の女性の哀しみを
切実に描写しきっている。執筆時の唐さんが29歳であることを
想像すると、よくあんな心情を思い描けたものだと思います。

あと、ありがたいことに増えてきた受講の皆さんの多さに
こちらの進行が追いつかず、終わったあとはかなり反省しました。
皆さんに唐さんの言葉を声に出す面白さを少しでも味わってもらうべく、
来週からやり方を工夫します。

9/27(月)ワークショップレポート(佐々木)

2021年9月27日 Posted in ワークショップ Posted in 唐十郎戯曲を読む『唐版 風の又三郎』
皆さんこんにちは。佐々木あかりです。
本日は、『唐版 風の又三郎』二幕のワークショップレポートです!

ついに二幕に入り、舞台は帝国探偵社の中へ。
幕が開けると、教授と珍腐、淫腐、乱腐が学芸会のテストをしています。
作品はシェークスピアの『ベニスの商人』
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(余談ですが、題名がベニスからヴェニスに変わったのは小田島雄志さんが翻訳した時からだそうです)

しかし彼らの目的は、彼らが自衛隊をクビになった原因の高田三郎を吊るし上げること。
彼らは『ベニスの商人』に出てくる証文の通り、
高田の死体から肉を切り取ります。

一方ヒロインのエリカと織部は自衛隊の格好に変装し、テイタン内に紛れ込んでいました。
切り取られた肉を大切そうに抱えるエリカ。
すると、棺から高田が起き上がってきます。
しかし、隣にはエリカの恋敵、死の少年が。

高田に話しかけるも、変な空気を感じ取った織部がエリカの手を引き、
またも高田と一緒にいることは叶わず。
いつの間にやら肉に話しかけていたエリカ。
肉を取られた三腐人と教授は取り返そうとしますが、
エリカは肉を食べ、ずっと高田と一緒にいることを選びます。
高田は今、エリカの中に。

そこで『ベニスの商人』のパロディが戻ってきます。
胸の肉を切り取られそうになるエリカ。
それを助けるため織部がエリカの元に向かおうとすると、
スケバン姉妹の桃子に切れていた反対側の耳を切られてしまいます。
どちらの耳も切れ、耳が聞こえなくなってしまった織部。

そこへ樫村という謎の男が入ってきます。
彼の正体は織部がいた精神病院の先生、宮沢先生。
うまくエリカと織部を助け出そうとするも失敗。

エリカは宇都宮から追いかけてきた夜の男に胸を刺されてしまいます。
胸から流れる血を見て胸に吸い付く織部。
その血は、肉を食べ、体の中で血となった高田の血。
今、高田は織部の中にいることになります。

高田の肉を食べたエリカ、そのエリカの血を飲んだ織部。
という具合に、唐さんの剛腕が高田と織部を一体化させました。

3幕はどう展開していくのでしょうか。来週もよろしくお願いします!

9/24(金)ワークショップレポート(佐々木)

2021年9月25日 Posted in ワークショップ Posted in 唐十郎戯曲を読む『唐版 風の又三郎』
皆様こんにちは。
本日はワークショップレポートです!(前回の開催は9/20祝月)

先週からは『唐版 風の又三郎』に取り組んでいます!
1幕ずつ3週にわたって行い、公演をより深く楽しんで頂くための企画です。

さて、本題の1幕。

『唐版 風の又三郎』冒頭は、宮沢賢治の『風の又三郎』の始まりと同じく
小学校の授業風景から始まります。

が、その内容はいきなり唐さん風。
教授はかつて自衛隊にいたものの、とある事件でクビになり今は
帝国探偵社に勤めている。自衛隊は男色の世界という設定ですから。

教授は小学生に、
・ヒコーキが大切である。
・世の中で最も大きな数は2で、2は乗数で乗る数である。
・男同士が結ばれる事が大切である。
と教育します。(恐るべき早期教育!)

そこに謎めいた少年がやって来ます。

僕、風の又三郎です。

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しかし又三郎は男装したヒロインのエリカ。
彼女はとある理由から男装をして帝国探偵社に侵入しています。
彼女は自分は女と言えず、勢いで"風の又三郎"と名乗ります。
しかし憧れの又三郎に会えた子供は大喜びで歌を歌います。

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どっどどどどうどどどうどどどう
ふるさと捨てて巷に住めばあの子も恋しこの子も恋し
あの子の胸にこの子の胸に
どっどどどどうどどどうどどどう

場面は変わり、代々木月光町。
この町にかつて住んでいた少年、織部が精神病院から帰ってきます。彼の懐にはいつも岩波文庫『風の又三郎』があります。
帝国探偵社から逃げて飛び出るエリカ。

織部 君は、もしかしたら、風の又三郎さんじゃありませんか?
少年 君はだあれ?
織部 僕は読者です。

出会う二人。
口から出まかせで言った又三郎の名で偶然呼ばれ、驚いて足を止めてしまうエリカ。
早く立ち去りたいエリカ。しかしなぜか浣腸が落ちます。
誤解を解くためにいつのまにか彼らは二人話し込むことに。

そんな又三郎でしたが、やがて教授たちによって女である事がバレていきます。

エリカはかつての恋人、高田三郎を求めてここまで来ました。
高田の昔の上司であった教授。彼を探して、高田のおばあちゃんと弟の大学生と共に宇都宮からやってきたわけです。
しかし、役に立たない又三郎にしびれを切らし、おばあちゃんが裏切り、女である事を暴露します。

一方、織部は、スケバンと夜の男というキャラクターの戦いに巻き込まれ、耳を切られてしまう。

その耳を見たエリカ、耳の穴から高田の元に行けるのではないかと思います。
しかしその作戦は失敗。高田が遠くに垣間見えるのみ。
さらに、その高田には、別の恋人らしき少年が!

次は二幕。
織部を連れたエリカは、今度こそ高田にアプローチできるのでしょうか。
来週もよろしくお願い致します!

9/13(月)ワークショップレポート(佐々木)

2021年9月13日 Posted in ワークショップ
こんにちは。佐々木あかりです。
本日はワークショップのレポートです。

今週の作品は先週まで取り組んでいたジョン・シルバー四部作の最終作、
『あれからのジョン・シルバー』でした。
『ジョン・シルバー』では戦争を思わせる表現がありましたが
(小男が戦災孤児)
先週までの『ジョン・シルバー(続)』で遠ざかっていました。
しかし、『あれからのジョン・シルバー』は時代が立ち上り、戦後に近づきます。
ヒロイン小春は"春子"という名前に変わり、"金魚館"という
娼婦の館でストリップショーの様な事をするダンサーになりました。
そして、湘南の喫茶店を経営していた紳士も、ぼうふらを売る闇屋に落ちぶれています。
作品冒頭、春子は商売をする前にお風呂に行こうと石鹸箱を開くと、

ほら、これからお風呂に行くと言うのに、この間のオブがこんなにたまっちゃって......
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もう海は石鹸箱に残った昨日の残り湯くらいしかないと淋しくもあり、
こんなところにも海がある、とギョッとします。

そして今作で、春子はシルバーらしき男、花形と出会います。
彼はびっこを引いていて、"春子"という姉を探しています。
"花形"は『巨人の星』の花形満から来ていますが、お姉さんを好きなのは"星飛雄馬"。きっと混じってしまったのでしょう。
幼いころに姉の春子と二人で暮らしていましたが、闇屋(当時はまだ紳士)にかどわかされ、行方知れずになっていました。
(闇屋は小春が振り向いてくれないので、やけになって"春子"と"小春"と名前が似ていたから手を出したのでしょう。)
闇屋と一緒にいて、石鹸箱のお湯をこぼす癖まで一緒の春子(小春)を見て、姉だと勘違いします。

その後春子は花形の経営するダンスホールフロリダで働くようになります。
そこにいよいよ闇屋が登場。腐れ縁となっても未だに追い続けられています。
闇屋は亡霊のようになっていて、切り裂かれてもダメージを受けず、
いつの間にか本体はズボンになっています。(なぜかはわかりません。)

春子は私がジムになればシルバーが帰ってきてくれるのではないか、と
『宝島』の主人公、ジムになることを選びます。
ドレスの中にはジムの服。
春子はピストルで撃たれ、意識もうろうとしている時、
花形が心配で寄ってくる姿がシルバーに見えます。

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ここで一幕は終わり、二幕は花形が春子のことを姉のように好きになっていくというストーリーです。(いつか細かくやりましょう!)
そして三幕は舞台は水族館、春子はなぜか水族館の受付嬢に。闇屋は未だに小春を追い続けています。
春子の背後に虚無僧が立ち上がります。春子の後ろから呼びかける男。
彼は花形の身体を借りた帰ってきたシルバー。彼はこんな事を言います。

体中が借り物なんだよ。高速道路トンネルの中をふらついていたら、鉄道病院につれてかれた。熱にうかされながら、見た夢の中で、私の体のスミズミを喰いちぎっては、持ってゆく人がいた。

つまり、シルバーはもう死んでいた。と春子に告げます。
彼はシルバーであり、花形でもあるので、姉さんへの思いで私に迫ってきているんじゃないかと気にしますが、
それも乗り越えて一緒になろうとします。しかし、春子は死んでいるシルバーとは一緒になれないと拒絶します。
そして春子は自分のことが好きな闇屋の部下、黒犬を騙し、闇屋を殺させます。
また、黒犬のことも騙し、ナイフで刺します。しかし黒犬によって右足を切り取られてしまいます。
黒犬は右足を口に加え去っていきます。
足を切られ、いつの間にやら白いスーツにソフトを被った小春は

ちくしょう。切られた足に夜風がしみるぜ。西瓜をありがとうよ。どこぞの誰かさん。
僕もこれでなかなか忙しい身だ。明日はどこの巷に行ってることやら。
あんたのズボンをはいてこうやって街灯の下に立っていると、今まであった都が、とほうもなく遠い焼け野原。
ほらセミが鳴き、どこかで水道の水がこぼれる。
ああ僕はあんたの分まで生きるんだ。思い出はあんたの義足。
あんたの思い出を蹴上げながら、僕はこの地を横切って行くんだ!

彼女は自分自身がシルバーとなることを選び、一人で生きてゆく覚悟を決めるのでした。

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来週からは公演前特別企画として、先日ついに公演詳細を発表しました『唐版 風の又三郎』を追っていきます!
よろしくお願いします!

7/19(月)ワークショップレポート(佐々木)

2021年7月19日 Posted in ワークショップ Posted in 唐十郎戯曲を読む『ガラスの少尉』
 こんにちは。佐々木あかりです。
本日は『ガラスの少尉』3回目のレポートです!

主任がミノミに悪戯しようとするも...

主任さん。このオルゴール、色が変わった!

と、なんとか逃げきります。しかし、

ごらんよ。主任さん、このオルゴールを。
あの赤かったオルゴールがどうしてこんな鈍い色になってしまったのかおしえて。
血はガラスになじまないの?
血はガラスの中で赤い染色とならないの? 

手首を切って血で染めるオルゴール。
しかし、ミノミは倒れてしまう。

バリの女の子がガラスの破片を両手で抱え走っていく光景を語る少尉。

兵士たちは眠るミノミに
ちょいと振り向いてくれませんか
と悪戯しようとするも、バジリスクに噛まれ、彼らも倒れてゆく。
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↑バジリスク

忘れられぬバリで撃った少女。そうして

アリ・サジキン・ジャカルタ特別区知事は、
十九日、インドネシアで日本製品及び商品を破壊しようとするものは
射殺されようとの警告を発した。

少女を撃ったのは命令であったとわかります。

唐さんの本にしてはかなり読みやすいですね。
来週でこの作品はラストになります!
またよろしくお願いします!

5/31(月) とくめぐみの俳優ワークショップ レポート (禿)

2021年5月31日 Posted in とくめぐみの俳優ワークショップ Posted in ワークショップ
こんにちは。禿です。
今回は、いつもワークショップをサポートしてくれている
劇団員がお休みでしたので
中間報告を書いてみようと思います。


俳優側からのワークショップをやってみようと
2月からオンラインで始めて早4ヶ月が過ぎました。
隔週でスタートして今月から毎週行い、
今回で10回目となりました!

ほぼ毎回参加してくださる方、
お試しで1、2回いらっしゃる方、
芝居を元々やっていて今はやられていない方、
これから始めようとされている方、
唐作品が好きな方、
全く違う職業をされている方、と様々で
私も毎度毎度、緊張と発見の連続で鍛えられています。

内容はこれまで教わってきたことと
自分がいつも考えていることを交え
毎回のお題を考えながら進めてみていますが、
ときにはこんなこともやってみようかと
劇団仲間とは普段改まってやらないことを皆さんと挑戦してみたりして
思った以上に自分自身がはっとさせられていることがあります。

逆に、
うまく伝えられていないな
細かすぎてこれだけだと誤解を招くな
など、さらにZoomに関しても毎回反省と試行錯誤ですが
特に回を重ねて参加されている方の
変化が見える瞬間に立ち会うと最高に楽しいです。


ひたすら個々の修練の足掛かりとして
参加されている方が持ち帰ってくれたらと(私自身も!)
8月前半までやって行きたいと思います。
そして7月からは中野と入れ替わって水曜夜に変更になりますので
また改めてホームページでもお知らせします。

引き続きどうぞ宜しくお願い致します!!

禿恵



カメラ2台使いもようやく慣れてきました!
(今回写真を撮りそびれましたので以前の様子から)
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5/24(月) とくめぐみの俳優ワークショップ レポート (菊池)

2021年5月24日 Posted in とくめぐみの俳優ワークショップ Posted in ワークショップ
皆さんこんにちは!劇団員の菊池です!
昨日は『とくめぐみの俳優ワークショップ』でした。
今月から毎週開催となり、先週は急なお知らせだった為
劇団員だけの時間でしたが、今週はまた、参加者の
皆さんと一緒にとくさんから色んなことを
伝授して頂きました。


【今回のメニュー】
①基礎(ストレッチ 等)
②呼吸の仕方・息の使い方
③テキストを使用しての実践


【今回のメニューの実践】
①「基礎(ストレッチ 等)」
今回も何時もの通りストレッチや軽い筋トレをしたり
顔の表情筋をほぐしたりしました。
僕自身、最近出席できず、今回久しぶりの実践でしたが
久しぶりにストレッチをすると色んなところが伸びて
気持ちいいですね!毎週参加していらっしゃる方は
気持ちいいだけでなく、それも習慣になって
色んなところが伸びているかもしれません。
継続することはやっぱり大事ですね。
ストレッチをする事で無駄な力を抜き、より良い声を
出せるようになります。

②「呼吸の仕方・息の使い方」
続いて、呼吸の仕方と息の使い方について学びました。
唐さんの作品の科白を喋る時、僕自身もそうなのですが、
何となく雰囲気で力強く、力んで喋ってしまうことが
多いです。
しかし、よりリラックスした状態をベースに呼吸、
喋り方で客席に届ける事がより大事になってきます。
そうする事でお客様に伝えたい科白をより良く届ける事ができます。
ではそのやり方はどうすれば......?
そう思われた方、是非来週のワークショップへご参加下さい!

③「テキストを使用しての実践」
最後はいよいよ実践です。
今回学んだ事を総動員しながらいざ唐さんの科白を
喋ってみましょう!......と、その前に。。。
今回も「言葉をイメージする為に」
科白によく含まれる感情(嬉しい、悲しい、嫌だ 等)
をまずは口に出してみるところから始まりました。
ここで今回新しく教わったことは
"語頭で感情を乗せる"
"語尾を曖昧にしないこと"
です。
科白を発する際、例えば長ゼリフなどでよく起きますが、
なんとなくのテンション(こんな感じ)で始めると
そこから科白の中身に沿ってセリフのニュアンスを
切り変えることが出来なくなってしまいます。
そこで気をつけるべきなのが、喋る一瞬前にイメージ・
準備して喋り出すこと。
そして、言葉の語尾を曖昧にせず、より意識することです。
それによって、長い科白をコントロールする事ができます。
また、普段の稽古やお芝居ではなかなか出来ないことですが、
一訓練としてそれを分かりやすくする為に敢えてわざとらしく
動きをつけることで、どこでニュアンスが切り替わった
のかを自分の中で明確にする事が出来、なおかつ
科白を喋っている時、自分の集中を途切れさせる
ことなく、分かりやすい科白に仕上がってく事が分かりました。


今回は以上になります! 
今回やった事は僕には少し難しかったです。
しかし、普段意識出来ない部分が大事だなと今回のワークショップで改めて感じました。
毎回参加されてる方も段々呼吸や科白が様になってきて
いてすごいなぁと思います。


さて、来週も開催しますので、ご興味ある方、
是非ご参加下さいませ!
とくめぐみの俳優ワークショップ

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4/9(金)ワークショップレポート(林)

2021年4月 9日 Posted in ワークショップ Posted in 唐十郎戯曲を読む『海の牙〜黒髪海峡篇』

4月になり、ワークショップでは『海の牙-黒髪海峡篇』が始まりました。

今月のアシスタントは、林が担当します。

どうぞよろしくお願いします!


この『海の牙-黒髪海峡篇』は1973年に状況劇場で初演された作品で

文芸誌「海」10月号に掲載された戯曲です。


初回ということもあって、まずは登場人物表をながめていきました。

中野さんがnoteで、この作品をやっていた時、ヒロインの名前が「瀬良皿子」だから、

リムスキー=コルサコフの『シェエラザード』を聞いていた、と書いていましたが

「シェエラザード」は『千夜一夜物語』の語り手であるお姫様の名前で、

そこから着想を得た交響曲がこれにあたります。


ということで少しだけ交響曲をみんなで聴いて、 WSはスタート!


冒頭は、とあるカツラ屋のシーン。

そして按摩の群が通り過ぎる場面ののち、

そのカツラ屋の前、ゴミ箱のかげにうずくまっていた女と男、立ち上がる。

(この女は「瀬良皿子」、男は「呉一郎」)


女は石を投げられて怪我をしており、男が「大丈夫ですか?」

と聞くところからこの二人の会話は始まります。

自分はパンマだからカツラ屋の前を通るといつも石を投げられる、と女は話します。

("パンマ"(娼婦)というのは、パンパンの按摩で、"パンマ"というそうです。)

石を投げられるにも関わらず彼女はその道を通るのですが、

その理由として女は「昼下りの坂」の話を始めます。


男 あんたにはそれが本当に見えるんですか?

女 見えるとも。ぐんと下ってビールびん色の。

  ここをかけ降りてゆきたいといつも思うの。

  愛する人と手に手をとって昼下りの坂をビュンビュン走ってゆきたいの。

  このカツラやの前に立つといつもそう思います。

  どうしてかしら。

  きっと西陽がこのウインドウにさしこんで、

  こんがり黒々のカツラがじとっと焼けて、

  それがあたしの背中にはっついて、

  「瀬良、さあ、かけ降りてごらんよ」とたきつけるから。


愛する人と走る坂は上り坂ではなく、下り坂。

...なにやら今後の二人の展開を予感させるような表現がちらほら。

その後、女はお客を待たせているといってその場を去ります。

会話の最後で男は、前からあなたを知っていると女に告げるのですが、

一体どんな目的で女へ接近したのか。。


そこへ一人の按摩が現れる。

この按摩、異様なずうずうしさがあって、男につかまらせてくれとお願いをします。

あれよあれよと按摩のペースで会話は進み、彼もまた「昼下りの坂」の話をします。

"昼下りの粒々"という言い方をするのですが、これは坂に差し込める西陽のことで、

物の粒子を見たものはみな関係があるものです。」

と続けます。

つまり、私とあなたはもう関係があります。

ということを言っているのです。(これまた強引な距離の縮め方。。!)

このあたりのやりとりは『盲導犬』冒頭の、フーテンと破里夫の会話に似た感じがあります。


この按摩との会話が終わるところで今回のワークショップは終了。

今日の会話までで、この戯曲のテーマがたくさん出ている、と中野さんの気になる一言。


テーマと思われる表現や繰り返されている単語を自分なりに考えて、

今後どう物語と関わってくるのか気にしながら次回もワークショップに臨みたいと思います。


みなさま、次週もよろしくお願いします!

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(唐ゼミ☆の『海の牙-黒髪海峡篇』のDVD。ずいぶん前にもらって観たのですが、またワークショップが終わった時に観たいと思います!)


4/1(木)ワークショップレポート(佐々木)

2021年4月 2日 Posted in ワークショップ Posted in 唐十郎戯曲を読む『盲導犬』
こんばんは。佐々木あかりです。
今日から4月ですね。新年度に入り環境が変わる方もいらっしゃるかと思いますが
身体を壊さない様お過ごし下さい!
本日はワークショップレポートです!

今週は、『盲導犬』最終回でした。
盲人の破里夫がフーテン少年に見捨てられ、
やけになってフーテンが興味のある"星"を探しに行く所から
解説がスタートしました。
フーテンが見つけてきた"星"とはなんと"ガスバーナー"。
現実ではケーキ屋さんや回転寿司くらいしか見ることがないですね。
とある中野さんのお知り合いの俳優さんは、
学生の頃『盲導犬』を上演し、その時本物のバーナーを使い、
操作を誤って天井を少し焦がしてしまったとか。
ちなみに唐ゼミ☆で過去に公演した時はさすがに本物は使わなかったそうです。
ガスバーナーはあるだけで迫力がありますね。

最初は、銀杏についている盲導犬の胴輪を
銀杏の元夫の盲導犬学校の先生と破里夫が
二人で持っています。
銀杏の元恋人で、恋を再熱させたタダハルは
男らしい発言をして強がりますが、本来はとても弱い少年です。
そのため先生が来るとすぐに言うことを聞きます。
タダハルのタダ(忠)は
恐らく忠犬ハチ公の忠から来ているのではないでしょうか。
そんなタダハルは先生に叱責され犬になってしまいます。
そして、破里夫は先生と戦おうとするも倒れ、
フーテンは総殴りされてしまいます。
周りに味方がおらず夫の犬になる事を認めるしかないと銀杏は諦めますが、
そんな彼女の首をファキイルが噛み切ります。
殺されると思うとネガティヴに思えますが、
実は"服従してはいけないよ"とファキイルに応援されている
ポジティブなシーンです。
エピローグで、破里夫はファキイルに希望に感じていますが、
ファキイルは破里夫のことを覚えてすらいないのでしょう。
破里夫がかっこつけていて、しかし滑稽であるように魅せる必要がありそうですね。

中野さんがまだ唐十郎ゼミナールの学生だった頃、
最初にこの戯曲を読んだ時は不服従はかっこいい!という理解だったそうです。
しかし、やりながら違うと感じ、上演した後にはっきりわかったそうです。
というのも、『女の人は服従不服従ではなくもっと訳の分からない存在だ』と室井さん、唐さんと話し、
銀杏やファキイルは不服従を選んだというわけではないと思ったそうです。

この作品を書く上で唐さんが原動力にした作品があります。
それは、脚本清水邦夫、監督田原総一郎、清水邦夫の
『あらかじめ失われた恋人たちよ』です。
内容は、都会で政治運動に敗れた青年が田舎にやって来てその町で第二次闘争を行おうとしたがなかなかうまく行かないという作品です。
その作品の中に緑魔子さんが登場します。
(たった3分くらいですが、中野さん曰く唯一面白いシーンだそうです。)
運動に対して田原総一郎さんや清水邦夫さんが頭で考えたものを
緑魔子さんは感覚で粉砕しています。
恐らくその緑魔子さんを観て、銀杏を思いついたのではないでしょうか。

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弱く役に立たないタダハル
自らを服従させようとする夫
反権力的であるようで結局高圧的な破里夫
どの人をとっても銀杏にしてはわずらわしく、
銀杏だけがファキイルと同じ存在で、
ファキイルからの応援を受けたのでしょう。
『女の人は犬みたいなもの』
というのは、この戯曲において最大の褒め言葉だったのですね。

来月からは『海の牙-黒髪海峡篇』になります!
来月のアシスタントは麻子さんになります!
興味がある方は是非ご参加下さい!お待ちしています!
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3/25(木)ワークショップレポート(佐々木)

2021年3月25日 Posted in ワークショップ Posted in 唐十郎戯曲を読む『盲導犬』
こんにちは。佐々木あかりです。
本日もワークショップのレポートをさせて頂きます!

今週は、ヒロインの銀杏が盲導犬の胴輪をはめられてしまい、
昔の恋人タダハルが必死に外そうとするシーンからでした。

タダハルが自分の事を想い、必死に胴輪を外そうとする姿に、銀杏は喜びます。
するとそこに盲人の破里夫とフーテン少年がやってきます。
破里夫は目の前の出来事がわからず銀杏の事を馬鹿にしますが、
銀杏は自分が破里夫の盲導犬となって、面倒を見てやると反撃。
馬鹿にされた破里夫は、さらに銀杏に攻撃しようとしますが、
タダハルが毅然として肩を掴みます。
『俺の女だ』
登場した時はブリキの犬がいないと何もできなかったのに、
こんなセリフを言うほど男らしさが出たタダハル。

・・・男性の皆さんはそんな台詞を日常生活で口にした事はありますか?
中野さんも言ったことはないそうです。
男の人はみな一度は言ってみたいとか。
(私は俺の女とまで言わせる女になってみたいものです)

タダハルから思わぬ反撃を受けた破里夫は、フーテンの力を借りようとしますが、
フーテンからは『あんたには失望しました。』と見捨てられます。
さあ助けてくれ!と声をかけたものの返ってきた言葉で驚きを隠せない。

フーテン役はここまで裏切るようなそぶりを見せないように演じておくと、
ここで破里夫を一気に裏切る事ができます。
破里夫の『え!?』という台詞が生きてきますね。

破里夫はどうにかフーテンに振り向いて欲しくて、ガスバーナーを持って戻ってきます。
ガスバーナーで銀杏の胴輪を焼き切ろうとするこの場面、
こういう時に大事なのが、「実感」です。
『いくらか肉が焦げるかもしれない』という熱と痛みへの感覚や
目が見えない自分が、バーナーを当てるという恐怖。
もちろん舞台上はそうはいきませんが、練習の時に本物でやってみると、
そこにあるだけで怖いものへの実感が湧きます。
結局焼き切る事はできず、盲導犬学校の先生と生徒がやってきます。
さっきまでとても男らしかったタダハルも、先生が現れると非常に貧弱な男へと戻ってしまいます。

来週は『盲導犬』最終回。
ラスト1ページのクライマックスです。『盲導犬』に関する文献を読んだり、『唐版 滝の白糸』との比較をしたりします!
来週もよろしくお願い致します!

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3/18(木)ワークショップレポート(佐々木)

2021年3月18日 Posted in ワークショップ Posted in 唐十郎戯曲を読む『盲導犬』
みなさんこんばんは。佐々木あかりです。
本日もワークショップのレポートをお送りします!
ワークショップも残り3回、なのですが、
中野さんがあと2回だと勘違いしていることが、先週発覚しました。
そのため、今回は少し余談多め、ゆっくりと進んでいます。

今週はヒロインの奥尻銀杏が、
夫に犬の胴輪をはめられてしまう所の復習からでした。
この夫は、銀杏の大事な思い出の品をロッカーに入れ、
鍵と共にバンコックへ去りました。
思い出の品を失いたくない銀杏は、
毎日100円払いにロッカーに訪れなくてはなりません。
恐ろしい束縛・・。この描写は十字軍の貞操帯を思わせます。
(銀杏にとっては貞操帯より効果抜群かも!)

そして、本を読み進めていくと、少し長めのト書き。
そしてその最後にこう書いてあります。

このト書は、客の中から急に一人の男が立ち上がって言う。
今、書いたことも言う。

これはおそらく唐さんが出たくて出たくて仕方なく、
客席から唐さんが出演していた(するため?)のセリフです。
当時は通いすぎて状況劇場のメンバーに怒られたとか。
(作家だからできることですね!)

そして今回は、以前行われた
『21世紀リサイタル』映像をみました。
唐さんを筆頭に、豪華面々が出演された
唐さんの歌のリサイタルなのですが、
その中の石橋蓮司さんが歌われた『ファキイルの唄』を聞きました。
(かっこよかったです!!)

余談ですが、石橋蓮司さんと唐さんはどこかで待ち合わせをすると
どちらが早く来るか勝負をしていたとか。
中野さんも以前唐さんと待ち合わせをした際、
30分前から喫茶店の下で待っていましたが、
5分前になってもやって来ない。
まさかと思い喫茶店に入ると
すでにやってきていた唐さんは(!)
待ちくたびれて不機嫌な面持ちでテーブルについていた、
なんていう事もあった様です。
(さすがに30分以上前はびっくり!)

胴輪をはめられてしまった銀杏ですが、
昔の恋人タダハルは必死に取れない胴輪を外そうともがきます。
自分のために一生懸命になる姿を見て銀杏は喜びます。
外れない胴輪。想いをまた通わせるタダハルと銀杏。
これからどうなってしまうのでしょうか。

次週もよろしくお願い致します。

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3/16(火)とくめぐみワークショップ レポート

2021年3月16日 Posted in とくめぐみの俳優ワークショップ Posted in ワークショップ
一昨日、とくめぐみの俳優ワークショップ第3回が開催されました!
私、ちろは初回参加できず、第3回が2回目の参加となりました。
なんか分かりにくいですね、すみません・・・。

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笑顔の講師、とくめぐみ。

この日は参加者3名と劇団員2名。
ストレッチ、そして呼吸法。
この呼吸法がなかなか難しいのです。
それでも、3回目。皆さん目に見えて進歩してらっしゃる!!
私も毎度汗をかきながら真剣に取り組んでいます。
ワークショップは2週間あいてしまうので、日常生活の合間に
思い出したらやってみるのがいいかなと思っています。

私は呼吸法の前にやる、顔のストレッチが大好きです。
頬の筋肉をほぐしたり舌をしっかり動かしたりすると
とてもスッキリします。

まだワークショップ開始間もないこともあり
禿さんはストレッチをとてもしっかりやります。
ワークショップに限らず、全身のストレッチ(顔も含め)を
しっかりと時間をかけて行うことはとても大事で
その後のパフォーマンスに大きく影響してきます。

そして、いよいよ台本を使ってのパート
今回は、会話や科白の音階について一緒に考えました。
科白の音階?
私も初めて聞いた時は、???となりました。
これを捉えるために、短い科白のやり取りで
相手と会話のキャッチボールをするという実践レッスンをやってみました。
相手の言葉を聞いて、言葉を返す。
どのタイミング、速さ、どんな音で返すのかといったようなことを意識します。
そのためにはまず、相手の言葉、声をよく聞くことが大切です。
オンラインでは少し難しい部分もありながら、何となく理解できたのではないでしょうか。
大事な課題ですから、今後も一緒に考えていきましょう。
今回もあっという間の、1時間半でした!!
次回は、28日(日)です!!



 ちろ

3/11(木)ワークショップレポート(佐々木)

2021年3月11日 Posted in ワークショップ Posted in 唐十郎戯曲を読む『盲導犬』
こんにちは。佐々木です。
本日はワークショップレポートをお届けします。

今週は盲導犬学校の先生が銀杏の夫に、
ヒロインの銀杏がトハに、それぞれ転生するシーンから始まりました。

このシーンは『盲導犬』の中でも非常に面白く、またわかりにくい部分です。
銀杏とトハを演じ分ける時は、セリフを訛ったり、
トーンを変えたりするぐらいわかりやすくする必要があります。
(文字だけで読むと難しい!)
そして、さらにわかりにくいのは、この夫が銀杏として扱うと女はすぐさまトハに、
また逆にトハとすれば銀杏に、と何度も転生を繰り返します。

さて突然ですが、『盲導犬』の戯曲の中には、いくつか無理難題なト書きが存在します。
例えば、

眠っている男と思ったのは、実は黒いシェパードである。テーブルをとびこえて去る。

というものです。
この作品が自分が主宰する状況劇場ではなく、蜷川さんへの書き下ろしなので、
あれ、これ、書きたい放題書いてないか・・・と思わせるものがあります。
今、唐ゼミ☆劇団員は『ベンガルの虎』を読んでいるのですが、
こっちには舞台装置への妥協点というか言い訳めいたものが多くあります。
例えば2幕冒頭のト書き
ガラス窓(ガラスでなくポッカリ開いていてよい)など
自分の劇団だと大甘です。(現場はありがたいけど!)



今回は読点のアドバイスもありました。
読点「、」を使用するルールは曖昧なのですが、大きく2つののルールで成り立っています。
一つは意味を伝えるものと、もう一つは文を見やすくするものがあります。
演劇においては、もちろんながら前者〈意味〉が重要になってきます。

点を打つ位置で意味が変わってしまう例として

『私とケーキの好きな姉』

この文章には2つの意味があります。
一つめは『私と、ケーキの好きな姉』
これだと、私自身と、ケーキが好きなお姉さんの2人がいる事になり、
文章としては、「姉妹」の説明文になります。

二つめは『私とケーキの、好きな姉』
これは、私とケーキ、両方のことが好きな姉がいる、という「姉」の説明文になります。

このように、読点の位置で意味が変わってしまうので、正確に打たなくてはいけません。



今度は文を見やすくするものの例です。銀杏のセリフを例にとると

『だって、あなたはあたしたちの鍵を持っていってしまった人』

このセリフでは、『あたしたちの鍵』が最重要ワード。
セリフを際立たせるには、大事な単語の前に少しだけ間を開けると際立ちます。
つまり、上記の読点の位置で切るよりも、
『だってあなたは、あたしたちの鍵〜』と言った方が
あたしたちの鍵を一番綺麗に伝える事ができます。
(声に出してみるとよくわかりますよ!)

さて今回のWSの最後では、
銀杏が犬の胴輪をはめられてしまいます。
彼女は今後どうなって行くのでしょうか。
来週もよろしくお願い致します!

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3/4(木)ワークショップレポート(佐々木)

2021年3月 4日 Posted in ワークショップ Posted in 唐十郎戯曲を読む『盲導犬』
 こんばんは。佐々木あかりです。
今週もワークショップレポートをお送りします。
今回はヒロインの銀杏と、昔の恋人タダハルの会話からスタートしました。


タダハルは、盲導犬学校の生徒。
練習用のブリキの犬を連れていますが、この犬にタダハルは依存しています。
犬から離れる時は、きちんとその犬に話しかけてから。
銀杏が犬にいたずらすると、異常なまでの反応をします。
(ちなみに一人で歩いてくる際、ト書きで「独立して歩いてくる」と書かれているほど)
ブリキの犬に頼っていて、完全に犬に〈依存〉しています。

タダハルの様まではいかずとも、どこかものに依存してしまう経験は誰しもあるのではないでしょうか。
実際に、中野さんはどこかに出かける時は、何かしら台本がないと落ち着かないらしく、
20年近く常に持ち歩いているらしいです。
(私もどんなに小さいカバンでもお守りを持っている事が多いなぁ)


そんな不甲斐ないタダハルですが、振られたと思っていた銀杏の思いを知ったタダハルは、
急に男らしくなり(猛犬になる)、いわゆる"濡れ場"になります。

そんな中、フーテン少年と盲人の破里夫が二人それを覗いています。
10代半ばのフーテン少年はもちろん、おじさんの破里夫まで雰囲気に呑まれ始めます。
終いには『鍵穴から歌が聞こえてきたようだ。』とフーテンのお尻を褒め、
もう一つの"濡れ場"のシーンが裏で展開されていきます。

そして突然の銃声。

銀杏の思い出の手紙をロッカーに閉じ込めたまま、
バンコクで娼婦トハに銃で打たれ、死亡した、あの夫が復活してきます。
(ちなみにキャストは盲導犬学校の先生と夫の二役)
これに対して、銀杏は『ほら、あの女が待っていてくれるわ。トハが!』という
台詞をきっかけに、銀杏はトハに転生し・・・

盲導犬学校の先生が夫に。銀杏がトハに転生。
ますます話が盛り上がっていきます。
来週はこのあたりのからくりの説明から先に進んで行きます。

ちなみに過去に唐ゼミ☆で公演した時は、
着物の下に東南アジアの服をきておいて、
『トハが!』の台詞で着物を脱ぐことでわかりやすくしていたそうです。

余談ですが、来月のワークショップの戯曲が決定致しました。
来月は『 海の牙-黒髪海峡篇-』です!
私もとても楽しみです。詳細情報は今しばらくお待ちください!
(角川文庫は盲導犬と同じ本に収録されています!)
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(この本です!)

『盲導犬』も残り4回になりました!
来週もよろしくお願いします!




3/2(火)とくめぐみの俳優ワークショップ レポート

2021年3月 2日 Posted in とくめぐみの俳優ワークショップ Posted in ワークショップ
2月28日(日)16:00〜
第2回目「とくめぐみの俳優ワークショップ」開催!
レポートは私椎野が担当いたします。

この日も体、顔、首などストレッチからはじまり
理想の呼吸方法を参加者のみなさんと確認。
まずは繰り返し、回数やるということが上達の基本です。

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(呼吸方法を手振りとともに)

そして唐作品の科白へと進みます。
この日取り上げたのは『少女都市からの呼び声』の
連隊長の科白。

お前の好きなオテナの塔がある。
でもフランケ二等兵、お前には行けない。
お前の心は、温かすぎる。...

先日の唐組公演では稲荷卓央さんが演じられていました。
実はとくめぐみ、この連隊長の科白を心から愛しています。
劇団唐ゼミ☆で『少女都市からの呼び声』を上演した際、
連隊長役の役者が急遽出演できなくなったので、
連隊長を演じたことがあるのです(!)
(とくめぐみは男性役を演じられる特異な役者です)

今回はこの科白の「イメージイラストを描く」ということを
やりました。制限時間約10分。
科白の情景を具体的にイメージ(絵)にすることによって、
科白に奥行きがではじめます。

今後は、科白をどのように区切るのか、区切らないのか。
「、」の扱いをどうするのか、など、
細かな科白術にせまっていくようです。

次回もお楽しみに!!

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2/25(木)ワークショップレポート(佐々木)

2021年2月26日 Posted in ワークショップ Posted in 唐十郎戯曲を読む『盲導犬』

こんにちは。佐々木あかりです。

本日はワークショップレポートをお送りします!


今回のワークショップは、婦人警官サカリノとその上司・警官によって

フーテン少年、ヒロインの銀杏、盲人の破里夫の三人が連行されそうになった時、

盲導犬学校の教師たちが現れたところからでした。

冒頭は5人の愛犬教師でしたが、今回は1人が先生で残りが研修生です。

犬も本物のシェパードからブリキの人形に変わっています。


唐ゼミ☆が公演した際、このシーンに唐さんから歌を書き足していただきました。

彼らが登場すると、こんな歌を歌います。


あっ見えた 何がだ?⋯⋯永遠

いってしまった海のことさあ


海にいるのは あれは

人魚では ありません

海にいるのは 波ばかり

それで たとえ 眠れなくても

ヒュウゴオ 町を 襲ってやろう


という曲です。

唐さんの戯曲にはよく歌が入っていますが、

一見、何回に見える歌を読み解くには、全体の〈図式〉を思い描いて

見当をつけるのがコツだそうです。


全体の〈図式〉から仮説をたて、

ひと言ひと言がそれに合っているかどうか検証、

仮説が裏付けられたらしめたものです。


この曲で考えてみると

四人の愛犬教師は、盲導犬に言うことを「聞かせる」側

つまり現実を教え「躾る」のが仕事です。

しかしまだ生徒であり、若く夢みがち(空想しがちと言っても良い?)です。

歌中ではその夢が人魚に置き換えられ、

人魚なんていない。夢を見ていてはいけない!というメッセージが隠れています。

(歌だからと図式を忘れてしまいがちになるなあ)


また、このシーンは個性的な登場人物が多く、役の中に「遊び」があるシーンでしたが、

『キャラクターを先に作るのではなく、劇の戯曲をもとに

キャラクターを乗せていく事が大切である』

という読み方のアドバイスがありました。

これがないと何でもやりたい放題になってしまいます。

(確かに目を引く役者さんはちゃんとしている!)


さて物語に戻りますと、

盲人の破里夫が盲導犬ファキイルを連れていると聞いて、先生の顔色が一変します。

ファキイルがいかに恐れられている伝説の犬であるかを説き、

そんな犬はいないと破里夫を一蹴、その場を去ります。

しかし、一人の研修生だけがその場に残ります。


実はこの研修生こそが、銀杏の元恋人のタダハル。

このタダハルこそ、ロッカーの中に閉じ込められたラブレターの相手です。

来週はお話の中盤、銀杏とタダハルのシーンから始まります。

来週もよろしくお願い致します!


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2/18(木)ワークショップレポート(佐々木)

2021年2月19日 Posted in ワークショップ Posted in 唐十郎戯曲を読む『盲導犬』

みなさんこんにちは。佐々木あかりです。

本日はワークショップレポートをお送り致します!


今週はヒロインの銀杏(いちょう)と、

自分の盲導犬ファキイルを探す男、破里夫(はりお)の会話から

ワークショップがスタートしました。

先週疑問に終わった、ロッカーの中にあるラブレターの謎も解決!


銀杏は今まで台本上「女」という役名でしたが、

銀杏の『誰かがあたしのことを中傷したの?』という台詞で

ついに「銀杏」に変わります。

これは、『おまえ、男を待ってるんだろ?』と

偶然出会った破里夫に言われ、空気が変わったからです。

確かに、さっき初めて会ったばかりの人に元彼の話をされたら

誰だって驚きますよね。


なぜ破里夫はそこまで知っていたかと言うと、銀杏が過去に

ラジオに昔の恋人への想いの人生相談と、『カナダの夕陽』

という曲のリクエストをして、

そのリクエストが反響を呼んで何度も何度も放送されていたからでした。

そして銀杏がコインロッカーに通っているので、(少し異常ですが)

破里夫には自分の前にいる銀杏こそ

ラジオに人生相談を送った女であるとわかったのです。


そして話題は銀杏の夫の話になっていきます。

銀杏曰く旦那さんはバンコックの安キャバレーの女に

後ろから銃で打たれて死んだそうです。

その話をするあたりで"ユーモア"と"ノーモア"という言葉が頻出する。

これは、1969年『少女都市』上演中に寺山修司さんから

葬儀用の黒い花束が届き、寺山さんは「ユーモアだ」と言ったのですが、

新聞の誤植で"ユーモア"が"ノーモア(未来なし)"になってしまい、

劇団員同士で乱闘になり警察沙汰になった騒動がありました。

唐さんはその事を戯曲に書いたのです。

当時の観客ならば皆さん知っている事だったらしいので

きっとこのせりふで笑いを取っていたのでしょうね。


そして、ここでロッカーの中にあるラブレターの謎が解決します。

銀杏の旦那が南に向かう朝、妻に操(ミサオ)を守らせるため、

少女時代の日記から出てきた過去の恋人からのラブレターを

330(ミサオ)番の中に入れて鍵を閉め、その鍵を持って、

毎日100円を入れる事を銀杏に科して南に行ってしまったのです。

そして、そのまま死んでしまった。


・・・異常ですね。現実にはあり得ない設定です。

だって、ロッカーを管理する会社に問い合わせれば、

そのような事情なら必ず開けてもらえるはずです。

でも、それでは劇が成立しなくなるので、ここでは言いっこ無し。


中野さんによれば、唐さんはそういうことも充分に

心得た上で書いているはずだそうです。



「全てなんでもあり」ではなく、

きちんと私たちが生きる現実の世界の常識や価値観に立ちながら

「この事は話を広げるために無しにしたんだな」と考えるのは、

上演を支離滅裂にしないためにとても大切だことなんだそうです。

(そういう唐作品上演がけっこう多いのだそうです)


私自身、このロッカーの話は、夫が南に向かう朝に2人がした会話を

銀杏が1人で語るのですが、声にするのが非常に難しいせりふでした。

と言うのも、旦那のその時の状態と、その言葉を受ける銀杏自身の状態、

どちらも伝えなければいけないのです。

(上手くいきませんでしたが勉強になりました)


そして銀杏の過去の話をする2人の元に犬を連れてフーテン少年が戻って来る。

余談ですが、この場面は犬の事を角川文庫では『犬』と書いてありますが、

唐ゼミ☆が上演する際、唐さんが面白いからと『リンチンチン』に書き換えたそうです。(印象が全然違う!)

フーテンが連れてきた犬は、破里夫が探す『ファキイル』ではなくフーテンが犬屋から盗んできた犬でした。

彼は警官と婦人警官と犬屋に追われ、見つかってしまいます。

3人は交番に連れて行かれそうになってしまいますが、そこに盲導犬学校の先生と研修生たちがやってきます!


来週はここからスタート!

来週もよろしくお願いします!


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唐ゼミ☆上演時のリンチンチンと銀杏(禿さん)

2/11(木)ワークショップレポート(佐々木)

2021年2月12日 Posted in ワークショップ Posted in 唐十郎戯曲を読む『盲導犬』

皆さんこんにちは。

今日211日は、唐さんの81歳のお誕生日です。

そして中野さんと椎野さんの娘さんのお誕生日です。

おめでとうございます!

それでは10日のワークショップのレポートをしていきます!


今回は、ヒロインの奥尻銀杏(おくしり-いちょう)が登場するシーンからでした。

自分の盲導犬ファキイルを探す、影破里夫(えい-はりお)の歌の途中、

銀杏がコインロッカーの330番の前に立ち、鍵穴につめられた爪をマッチの火で燃やします。

破里夫はその焦げた匂いを嗅ぎつけ、銀杏に話しかけます。


破里夫 もし。

女   がまんしてね。

破里夫 もし。

女   こらえてね。

破里夫 ええ。あの____

女   しばしよ。しばしの間なの。

破里夫 こりゃ、何の匂いですか?

女   爪です。


という部分があります。


突然ですが、皆様は女が破里夫に話しかけたのは、

どの台詞からかわかりますか?


答えは、会話の最初、ではなく「爪です。」という台詞からです。

(私も誤読していました。悔しい!)

では、女は何に向かって前半の台詞を言っているか、

それはロッカーの中に閉じ込められたあるものに対して話かけています。

中に何が入っているのか、本当は次週の範囲ですが少しネタバレをします。

ロッカーの中には、銀杏の思い人からのラブレターが入っています。

彼女はそのロッカーを開けようと爪を鍵穴に差し込み、爪が折れてしまい、

またその爪を燃やしてを繰り返しながら、ロッカーを開けようとしているのです。

会話の前半は、そのラブレターに対して優しく声をかけているのですね。


あたしから離れたものは皆死骸です。

残ったのは、今生きているあたしだけでけっこう。

あたし、残骸。


という台詞がありますが、

この『今生きているあたし』というのも、

ロッカーの中にあるラブレターの事を指します。

つまり、"このラブレターをやり取りしていた時だけ、私は生きていた"

という事です。(私はまだその気持ちはわからない...)

なぜそんなに大事なものが、ロッカーの中に閉じ込められているのか、

一体、誰が閉じ込めたのか。

次回以降の範囲なので、気になる方は是非ワークショップに参加してみて下さい!



来週も破里夫と銀杏の会話が続いていきます。

その中で明らかになってくる銀杏の過去。

来週もよろしくお願い致します!


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(唐さんのお誕生日なので赤テントの写真を載せてみました。)

2/4(木)ワークショップレポート(佐々木)

2021年2月 5日 Posted in ワークショップ Posted in 唐十郎戯曲を読む『盲導犬』

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みなさんこんにちは。佐々木です。

本日はワークショップレポートです。


オンラインワークショップ「唐十郎戯曲を読む」今週から『盲導犬』です。

今回が初回ということで、まずはこの戯曲が書かれる経緯の説明から始まりました。


『盲導犬』は、澁澤龍彦さんの『犬狼都市』("キュノポリス"と読みます)が原作で、

1973年に蜷川幸雄さん率いる「櫻社」に書き下ろされた作品です。


かつての蜷川さんは「劇団青俳」で俳優をしていましたが、

1967年に退団、「現代人劇場」を結成します。

1969年に『心情あふるる軽薄さ』で演出家デビュー。

しかし1971年に「現代人劇場」は解散。


思うようにいかなかった蜷川さんは、

1972年の春「状況劇場」が不忍池で上演した『二都物語』を観劇、

感銘を受け唐さんの演出助手になろうかと考えたそうです。

しかしそんな蜷川さんに唐さんは

『蜷川くんに戯曲を書くよ』

『現代劇がいい? 時代劇がいい?

と声をかけ、その数日後出来上がった作品がこの『盲導犬』で、

蜷川さんは「櫻社」を結成、73年春に上演します。

(数日で傑作を書き上げてしまう唐さんは本当に凄い!

実は私も劇作に挑んだ経験がありますが、半年かかって結局書けませんでした)



さてここからが、ワークショップの内容のレポート!


この戯曲は、天から聞こえてくる「盲導犬についての質問」に

五人の愛犬教師が答えていく場面から始まります。

そこに盲導犬「ファキイル」を探す、盲人の影破里夫(えい-はりお)がやって来ます。

愛犬教師曰く、盲導犬は飼い主に"服従"する事から教えるので、

本来であれば犬が飼い主を置いてどこかにいなくなることも、また飼い主が犬を探すことはありません。


この破里夫とファキイルの関係性、"服従"と"不服従"がこの戯曲のポイントです。



そのあと登場する、フーテン少年と婦人警官では、婦人警官は規律を守らせ、"服従"させる立場です。

しかし、シンナーを吸っているフーテン少年に情けをかけた婦人警官は、彼を逃がしてしまう。


このやりとりに立ち会った破里夫は、フーテンに声をかけます。

犬を探す破里夫と盲導犬ファキイルの関係は、犬が服従しているのではなく、

ファキイルに破里夫が服従していることがわかります。

犬に服従する飼い主と不服従の犬、ファキイル。

常識的ではない破里夫の盲導犬との主従関係。


余談ですが、影破里夫はハーマン・メルヴィルの

『白鯨』に出てくるエイハブ船長が名前の由来だそうです。

あまりに強引でビックリ!)


映画終映後のアートシアター新宿文化で上演されるの

想定した戯曲なので、場面転換のない一幕もの。

すこし短めの作品ですが、これから話が展開していくので楽しみ。


来週はいよいよヒロインの登場するシーンから始まります。

次週もよろしくお願いします!



1/28(木)ワークショップレポート(佐々木)

2021年1月29日 Posted in ワークショップ Posted in 唐十郎戯曲を読む『唐版 滝の白糸』

みなさんこんにちは。佐々木あかりです。

今回のワークショップでついに『唐版 滝の白糸』も最終回となりました。

それではレポートをお送りします!


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(2013年にKAATの大スタジオで上演した際の写真)


突然ですが、皆様は「水芸」を見た事はありますか?

「水芸」というのは、演者の持つ扇子から突然水がでたり、

何もない(ように見える)ところで扇を開いたりしたりすると、

その場から水が飛び出し、

あたかも水を操っている様に見えるという日本の伝統芸能です。

参加者の皆様の中でも、実際に見たことがあるのは4人の方のみでした。

(私も機会があれば是非見に行きたい!)


そんな「水芸」ですが、『唐版 滝の白糸』ではお金をもらうために、

ヒロインのお甲さんがこの「水芸」を

廃屋と化したゴーストタウンで披露するシーンがあります。

この芝居の見せ所の一つですが、唐ゼミの上演の際には、

老朽化した雨樋(あまどい)や水道をたたくことで、

水が飛び出し、それを水芸とするという演出を行いました。

ゴーストタウンならではの「水芸」、ということですね。


中野さんは、『水芸』について

どうしたら上手くいくのかとずっと考えていたある日、

駐車場の車止めに、

錆び付いた原付バイクの排気筒をぶつけ穴を開けてしまい、

そこから漏れる排気ガスをみて、思いついたそうです。

この話を聞いた時本当にすごいなと思いました。

私ならきっと落ち込んで終わりです。。

日常から何かを吸収しようとアンテナを貼ってみようと思います。


そうしてゴーストタウン版『滝の白糸』を披露していると、

この戯曲の悪役で、

先週出てきた《ツルリズム》こと工事人夫達がやって来て

無言でゴーストタウンの取り壊しを始めます。


彼らの衣装を〈白〉でツルハシを〈赤〉にして

《ツル》の様な見た目にする演出をしたそうです。

彼らにゴムホースを切られ

『滝の白糸』が舞えなくなってしまったお甲さんですが、

芸を続けるべく、自らの手首を切り水道管に血を垂らします。

すると赤い滝がのぼり、

流しが空飛ぶ流しとなって客の頭上を飛び交います。

なぜ赤い滝なのかというと、

水道管は血管の様に全て繋がっているので、

1箇所に垂らすと全ての水道管の水が血で赤く染まり、

血の水が溢れ出すというからくりです。


お金という生活のためのものを奪いあう戦いは、

赤い『滝の白糸』芸で大スペクタクルを迎えます。

10万円は一体誰のものになったのか、

ゴーストタウンはどうなってしまったのか

そして彼らの今後は?


気になる事はたくさんありますが、

この戯曲はここで終わりです。


参加者の皆様、2ヶ月間お疲れ様でした!

来週からは1973年に蜷川さん率いる櫻社に向けて書かれた

『盲導犬』を読んでいきます!

ちなみに、この作品は『唐版 滝の白糸』に雰囲気が似ているらしいです。

(私も今読んでいます。)


次回もよろしくお願いします!

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1/21(木)ワークショップレポート(佐々木)

2021年1月22日 Posted in ワークショップ Posted in 唐十郎戯曲を読む『唐版 滝の白糸』

みなさんこんにちは。佐々木です。

本日は120日のワークショップの

レポートをお送りします。


ついに『唐版 滝の白糸』も終盤。

主人公アリダ君の持つ10万円を巡って

ヒロインお甲さんとタカリ男の銀メガネの戦いもヒートアップ。

そこにお甲さんを心配して(本当はお金をもらえたか確認しに・・。)

小人症のプロレスラーたちが登場するシーンから

始まりました。


今回は台詞の言い回しについて2つほどとりあげたいと思います。

まずは一つ目。


アトム『そは永劫の敵、鶴だ!空という空に鶴!鶴、鶴、鶴だ!』

(中略)

小人4『ミニタリズムにキャピタリズム、ナチズムにシオニズム。

アラヴィズムにツルリズム。』

アトム『すると何だ、おれたちの闘っている鶴とは皆、カタカナの化物か!』


小人たちの戦いについて、上記のようなセリフがあります。

このセリフ、私は歯が立たなかったのですが、解説しますと、

そもそも〈イズム〉つまり〈主義〉を持つことができるのはお金持ちであり、

貧乏な彼らにとっては全てが敵に見えます。

そして彼らの永劫の敵は「鶴」なので、(これは中国の小人伝説がモチーフ?)

最大の敵は《ツルリズム》。というロジックです。(もちろんそんな主義ありません)


ですから、小人4のセリフに出てくる〈イズム〉を全て同じに言ってしまっては駄目で

《ツルリズム》という言葉だけが単独で立ち、またその面白さを伝える必要があります。

意味がわからないと、セリフを正しく発声できない。

細かい様で大切な事なので今後も何度も出てくるポイントになりそうですね。

(しかし、《ツルリズム》って・・・)




そして、もう一つ。

甲さんの台詞で


誰かが手首を切ってその血をたらしたら、月は赤い月。

流しのセンを抜けば、それがとぐろをまいてジョウゴに流れ込むでしょう。


という部分があります。


この台詞のポイントは、ずばり速度にあります。

血がポタポタと垂れる速度。とぐろをまいてジョウゴに流れ込む速度。

この速度に合わせてセリフを言う事で情景がより伝わります。


今回私もこの部分を読ませて頂いたのですが、ついつい早く読んでしまいました。

アドバイスいただき、セリフの速度をイメージに合わせて読んでみると

セリフの中に「体感している」というリアリティが出てきたのを実感しました。

速度一つでここまで差があるとは...

大変勉強になりました。


来週のワークショップはついに『唐版 滝の白糸』最終回。

10万円の争奪戦はいよいよクライマックス。

自分の『芸』を見せて、お代をもらおうと思いつくお甲さん。

その芸こそが『滝の白糸』芸。

しかしそこに、真の敵《ツルリズム》が姿を現します。

来週もよろしくお願いします!


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1/14(木)ワークショップレポート(佐々木あかり)

2021年1月15日 Posted in ワークショップ Posted in 唐十郎戯曲を読む『唐版 滝の白糸』

こんにちは。佐々木あかりです。

本日も13日に行われたワークショップレポートをお送りします!


昨年から読み始めた『唐版 滝の白糸』も物語の中盤。

『唐版 滝の白糸』の登場人物は主に3人。

主人公アリダくんとヒロインのお甲さん、そして"タカリ男"の銀メガネ。

ようやく三人が揃ったシーンに差し掛かり、

お甲さんの本性がチラチラ見えてきます。


今までは二人での対話がメインでしたがここからは三人になり、

一人増える事で当然会話が複雑になります。

その中で『第三者をどう扱うのか』が本日のポイントでした。


例えば、会話に混ざっていない人に対して、

聴こえないようにセリフを言うのか、わざと聞こえるように言うのか。

内緒話なのか、嫌味を言っているのか、

きちんと読み解いていく必要があります。


これ、私も良く間違えて読んでしまうので大変耳が痛かったです。

正しく読むには色々な文章を読む必要がありそうです。

読書量を増やさないと!


また、会話の中になんとも陰険な部分が出てきたのが面白かったです。

アリダ君の持つ10万円を巡って銀メガネとお甲さんはライバル関係にありますが、

お甲さんを責めすぎれば、銀メガネはアリダくんに嫌われてしまう。

これが弱みになって適度にバランスを取るのがおもしろい。



アリダ君に嫌われたくない銀メガネは、ソフトに、ソフトに

お甲さんが水商売の女であり、ふしだらで自己中心的な人間であることを

あらわにし、アリダ君が彼女を嫌うように仕向けます。


お甲さんはお甲さんで、

女性経験の少ないアリダ君の前で泣いて見せることで、

自分が被害者であることを強調します。


こう言う場面のやり取りは、

アリダ君のリアクションが上手くできると

グッと上演に深み出るのだなと思いました。


ところで、

今まではアシスタントとしてワークショップに参加していましたが、

実は今回、初めてせりふを読みました。


とても楽しかったですが、まだまだ未熟だなあと痛感しました。

次回も皆様と一緒に楽しみながら、唐十郎戯曲を読み、学びたいと思います。

暖かく見守って頂ければ幸いです!


『唐版 滝の白糸』のワークショップも残り2回。

三人の会話に小人プロレスラーたちが加わり、

物語はいよいよ終盤へとなだれ込みます。


来週もアシスタント兼参加者の一人として

よろしくお願い致します!


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(ワークショップ中のデスクはこの配置で落ち着きました。

いつも似た写真なので、来週は面白いものを・・!)

1/7(木)ワークショップレポート(佐々木)

2021年1月 7日 Posted in ワークショップ Posted in 唐十郎戯曲を読む『唐版 滝の白糸』

あけましておめでとうございます。

劇団員の佐々木あかりです。

今日はワークショップのレポートです!


今日のワークショップは物語の中盤、4人目の登場人物である

「羊水屋」という男が出てくる所から始まりました。

それでは、ワークショップの見どころを紹介していきます!


まずはカタカナの単語について。

端的にいえば

「カタカナの難しい言葉はなんかすごそうだな」という話です。

実際に羊水屋のセリフで、

『フランチャイズ』『テリトリー』『プレミア』

という単語がまとめて出てくる所があります。

しかしよく読むとこれは特に意味はなく、実は小難しくて凄そうに聞こえるように言っているだけです。

確かにカタカナが羅列していると複雑な事を言っているように感じますね。


そして小人プロレスについて。

『唐版 滝の白糸』では、ヒロインのお甲さんの住むアパートに

小人プロレスのレスラーが7人住んでいて、

お甲さんが彼らの巡業についていくほど仲良く暮らしています。


私は知らなかったのですが、皆様は小人プロレスをご存知でしょうか。

小人プロレスとは、正称がミゼットプロレスと言って、

女子プロレスの前座として行われていた

低身長症の人が試合をするプロレスの事です。

なぜ急にこの作品に小人が出てくるのかと言うと、

『オズの魔法使い』にはマンチキン(小人)という小人が出てきます。

『唐版 滝の白糸』は『オズの魔法使い』からインスピレーションを受けている部分が多数ありますが、

小人の登場も『オズの魔法使い』から繋がっているとは。

新たな発見でした。


そして、ようやく登場するヒロイン。

「お甲」さんのアリダくんへの巧みな感情の揺さぶり。

女性経験の少ないアリダくんに対して

女の涙や愛情を上手く使い

どうにかお金を引き出そうするお甲さん。

何という作戦でしょう。

女として学びたい技術です。


今回のワークショップは比較的ゆっくり進んでいきました。

次週は物語もいよいよ終盤に向かっていき、複数の登場人物が出てくる面白いシーンになっていきます。

来週もよろしくお願い致します!


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12/28(月)ワークショップレポート(佐々木)

2020年12月28日 Posted in ワークショップ Posted in 唐十郎戯曲を読む『唐版 滝の白糸』

こんにちは。劇団員の佐々木です。

今日はワークショップのレポートです。

今回から毎回ワークショップのレポートを私とちろさんで

ゼミログにアップします!お楽しみに!


今月のワークショップの題材は唐版滝の白糸。

昨日は4回目でした。

中野さん曰く先週までのテーマをまとめると

オズの魔法使いを見ておいた方がいいよ。

だそうです。

あれ、そんなに簡単な話でしたっけ...

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(久しぶりに読み直しました。なかなか面白い。)


今回のワークショップは、いつもよりだいぶ

実践的で

内容の読解はもちろんですが、台詞として言葉にする事への

アドバイスが多かった様に思います。


時間の流れの整合制が取れているか確認する。

唐さんの戯曲はどうしても現実的ではない様に思えてしまうので、

時間とか時代とか存在しない気がしてしまいます。

私も時々その罠に引っかかりかけて

よくないぞ!と思いながら読み直すことがあります。

この作品の日は55日と銀メガネが言っている。

ヒロインお甲さんとアリダくんのお兄さんの心中未遂があって、

お甲さんが去年の暮れに子供を産んで

5ヶ月の子供がいる。

アリダくんに会うのがアリダくんの兄の1回忌。

これは台本に書いてある事実だけなので、

ちゃんと筋が通っている。

当たり前だけどそういうちょっとしたことが

読んでてわけわからない事態を防いでくれる。大事ですね。


そして私が実践的だなと思った部分で

言葉のどこに句読点がつくか

どの言葉を立ててしゃべるかで

言葉がどこにかかるかが変わる事について。

これ、難しくはないはずなのに間違えた使い方をすると

意味や立場がガラッと変わってしまうから本当に厄介です。

でも逆に、句読点と言葉を立てるのが上手くいくと

本当にスッキリとわかりやすい文になるので

役者としては問題なく使いこなしたいと日々感じます。

そして言葉のアクセント。

アクセントって本当難しいですよね。

でも正しく伝えるためには大事です。

『製品』のアクセントについて話しましたが

私は間違って覚えていました。直します。



年明けも引き続き題材は『唐版 滝の白糸』です。

アシスタントは佐々木あかりが務めさせて頂きます。

よろしくお願いします!

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(年末の金欠の原因はきっとこれですが勉強になるので良しとします)

7/16(木)可哀想な春日野

2020年7月16日 Posted in ワークショップ Posted in 中野note
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本日はワークショップでした。
予定通り『少女仮面』3場の冒頭を、
聴講も含めた8名のメンバーと一緒に読み解きました。
常連さんも、初めて参加してくださった方もいて、ありがたいことです。

先月より知り合った9歳の女の子も参加してくれました。
劇の内容の説明にはやや気後れもありましたが、
いざとなれば率直に説明することしました。

考えてみれば、同じ年の頃、
自分はガンダムのプラモデルをぶつけ合って喜んでいましたが、
同級生の女子は『東京ラブストーリー』などのドラマに夢中でした。
要するに彼女らは格段に大人なのです。だからもう大人扱いで。


結果、役の割り当てを変えながら、
7ページの分量を何度も何度も読んでもらいました。
初め、おぼつかなかった会話が、
皆さんがせりふやト書きの意味を理解していくとともに
徐々に立体化し、練り上がってきて、
春日野八千代と少女・貝の稽古が見事に立ち上がりました。

ワークショップ後も皆さんと話し合ったのですが、
それにしても不幸なのは春日野です。

地下のしがない喫茶店で彼女は何とか宝塚スターを気取ろうとする。
けれども、貝の少女らしいズケズケとした物言いや、
周辺で行われる地下鉄工事、空気の読めない部下のボーイたちに、
自分の世界を台無しにされてしまいます。
まさに、「春日野の悲劇のはじまり」とも言えるシーンが、
2時間かけてちゃんと誕生しました。

唐作品の中でもっとも多く上演される『少女仮面』ですから、
ぜひ一度ナマの舞台をどこかで観て、今日のメンバーでつくった場面が
きちんと演じられているかどうか、自信満々で観劇して欲しいものです。
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6/26(金)"淫腐"を追いかけてみた結果

2020年6月27日 Posted in ワークショップ Posted in 中野note
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『唐版 風の又三郎』には"三腐人"というキャラクターたちが登場します。
これ、初見で読み方が分かる人はまずいないでしょう。
高校時代に初めて読んだ時、私はこれが人であるかどうかさえ
理解できませんでした。悪い妖精か何かかと思った記憶があります。

「三腐人(さんぷじん)」と読みます。
乱腐(らんぷ)珍腐(ちんぷ)淫腐(いんぷ)という三人の探偵を
まとめてこう云います。
やっぱり悪い精霊か何かのような名前ですが、
もちろん本名ではないでしょう。
彼らが誇り高い自衛官をクビになって、しがない探偵をやっている。
探偵といえばまだ聞こえが良いが、要するに興信所員。
浮気調査なんか繰り返しやってすっかり人間が腐ってしまった。
この名前には、そういう意味も込められているのだと思います。

で、昨日のワークショップでは、このうちの"淫腐(いんぷ)"に
注目しました。普段の稽古であまりこういうことはしないのですが、
ワークショップというのは私にとっても貴重な実験の場です。
お客さんがいるからできる、真剣な遊びとも云えます。

やってみて判ったんですが、やっぱり"淫腐(いんぷ)"は相当ひどい。
三腐人の所業は劇の全編を通じてかなり乱脈なのですが、
3番目の彼はいっそうその性向が抜きん出ています。

1幕で設定した"三腐人は男色"というキャラクター設定が
終幕の頃には完全に崩壊していく。
実際、すべてがご愛嬌で許されてしまう実にズルい展開なのですが、
唐さんが悪びれもせずにこれを書いている姿が目に浮かび、
笑えてきます。

そのようなわけで、昨晩は私もとっても面白かったんですが、
内容的にはかなり3枚目でした。すると2枚目が恋しくなります。
ユーモアや悪ふざけも大好きですが、
来週は硬派で、カッコ良くて、美しい、
これぞ直球勝負、正統派という内容のワークショップを展開します。

6/25(木)ワークショップ現場レポート!

2020年6月25日 Posted in ワークショップ
6月からはじまりましたオンラインワークショップ!

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初めてのシステム導入にバタつきもあったのですが
すこしずつ参加する方にご意見を頂きながら、
環境改善につとめ、
みなさまに「戯曲を読む」ことの楽しさを
オンラインでお伝えしています。
聴講の方には、チャットで参加頂いたり
していますよ〜。

今回は、

『唐版 風の又三郎』登場人物を追いかける
〜淫腐(いんぷ)篇

でした。
なかなかこの役柄について90分じっくり
考えることはないと思いますので、
みなさん淫腐の性格を理解し、
淫腐の人生を生きてみることが
新鮮だったようです。

もちろん、
ヒロインヒーローのメインストーリーを
理解することは大切なのですが、
セリフの少ない役柄の人たちの、
いわゆるサブストーリーをしっかりと考え、
そこに光をあて、理解を深めることが
実際に舞台作品として立ち上げていく時に
同じくらい大切になってきます。
そうすると非常に奥行きのある、
底の深い上演になるのです。

中野noteでの6/25のワークショップレポートはこちら

さて、来週は、
ザ・メインストーリーである

『唐版 風の又三郎』最短上演計画?!
〜難解戯曲の骨子をつかむ〜

のテーマでお送りいたします。


是非、ご参加お待ちしております!!

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(唐ゼミアジト「ハンディラボ」でサポートの熊野と中野)

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
唐ゼミ☆ワークショップ
『唐十郎戯曲を読む』
ZOOMでのオンラインワークショップ
☆☆聴講のみも歓迎☆☆

劇団唐ゼミ☆の代表・演出の中野敦之が、
『唐版 風の又三郎』などのテキストを用い、
読み合わせをしながら作品解説を行います。

 ◆ZOOMでのオンライン参加
 ◆ZOOMで聴講のみの参加
 ◆会場での直接参加
 (6/22追記:オンライン参加に限定させて頂くことになりました)

のいずれかを選んでご参加頂きます。
(開催時間:90分

<スケジュール>

◇7月2日(木)19:30 ◎(予約可)

 『唐版 風の又三郎』最短上演計画?!

  〜難解戯曲の骨子をつかむ〜


◇7月9日(木)19:30 ◎(予約可)

 『唐版 風の又三郎』登場人物を追いかける

  〜梅子・桃子篇

(6/26追記:テーマを変更いたしました。)

 劇中歌を考える

 『唐版 風の又三郎』エリカの数え歌より

 〜一見すると難解な歌詞にも意味がある!

   読み解いていけば同じ歌でも

   場面によってその意味合いが変化する...


◇7月16日(木)19:30 ◎(予約可)
 『少女仮面』より
 「春日野は何故、歌をやめさせるのか」

7月23日(木祝)19:30 ◎(予約可)

 『唐版 風の又三郎』登場人物を追いかける

  〜梅子・桃子篇または大学生・老婆篇


7月30日(木)19:30 ◎(予約可)
 『少女仮面』『唐版 風の又三郎』エンディングを読む

<参加費>
1000円
※前払いとなります。
 

ZOOM(オンライン)で必要なもの
下記の環境が必要になります。
◆インターネットに接続したパソコン、スマホ
◆マイクとスピーカー(パソコン,スマホに内臓の場合は不要)
◆ウェブカメラ(パソコン,スマホに内臓の場合は不要)


<会場>
横浜桜木町 都橋マーケット内 BAR「はる美」
会場が変更になりました。
ハンディラボ
(住所:横浜市鶴見区駒岡4-30-49)
東横線綱島駅よりバス15分
(6/22追記:オンライン参加に限定させて頂くことになりました)

<内容>
・本読み
・解説
・唐さんから直接伺ったこぼれ話
・劇中歌を考える、歌う

異界の出来事、わけのわからない筋道、
そんな風にとらえられてしまう唐さんの戯曲が
ストンと腑に落ち、登場人物と自分とが
妙に地続きにとらえられるようになります。

唐さんはよく「わけがわからなくはない!」と
不満そうでした。
そう、ちゃんと論理があるのです。

どうぞ、この機会に是非ご参加ください。

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1月16日のワークショップ音声ハイライトはこちら♪

<オンラインワークショップレポート>
6/25(木)現場レポートはこちら

<会場でのワークショップレポート>
4/9(木)現場レポートはこちら
3/26(木)現場レポーとはこちら
3/12(木)現場レポートはこちら
2/27(木)現場レポートはこちら
2/13(木)現場レポートはこちら
1/31(木)現場レポートはこちら
1/16(木)現場レポートはこちら

<お申し込み>
070-1467-9274(劇団携帯)

メールの場合は
本文に下記内容をご記載頂き
karazemi_yoyaku@yahoo.co.jpまでお送りください。

件名:「ワークショップ申し込み」

①お名前(おふりがな)
②携帯番号
③メールアドレス
④ご住所
⑤ワークショップ参加希望日
⑥ご希望参加形態
(ZOOM or  聴講のみ)
⑦参加費お振込希望口座
(三井住友銀行 or ゆうちょ銀行)

お申し込みの返信メールをお受け取り
いただいてからご入金をお願いいたします。

<お振込先>
三井住友銀行
横浜駅前支店
普通 8153873
劇団唐ゼミ 代表 中野敦之
(ゲキダンカラゼミ ダイヒョウ ナカノアツシ)

ゆうちょ銀行
〇二八支店
普通 7420793
劇団唐ゼミ(ゲキダンカラゼミ)

ご入金を確認後、 ZOOMへの参加リンクを
お送りします。

開催直前のお申し込みの場合は
振込明細の画像・PDFなどご入金を確認できる資料を
お送り頂きますことをお願いしています。

開催日15時までにこちらでご入金を確認できますよう
ご協力をよろしくお願いいたします。

※ワークショップの詳細や日程、場所など、
お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせフォームにご入力頂いてもお受付けいたします!


<会場での開催にあたりまして>
※会場内の換気を行います。
※使用するテーブルをアルコールスプレーで除菌します。
※体調のすぐれないかた、風邪のような症状の方はお控え頂きますようお願いいたします。



5/30(土)引き算して、次に足し算

2020年5月30日 Posted in ワークショップ Posted in 中野note
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↑個別にハンディラボに来て、小道具づくりに精を出すメンバーもいます。


一昨日のワークショップ、久々に新しい方が参加してくれました。
こんな状況下ですからリモートですが、嬉しいことです。

ワークショップをやる時、込めている思いには二種類あって、
ひとつには優れた出演者を集め、出演が決まった人たちには、
台本への理解を深めて欲しいということです。
おのおのが全体の仕組みを分かっていると、
稽古がスムーズになり、声を枯らしたりケガをすることも減り、
何より日常の中で台本について話すことが愉しくなります。
こうなるとしめたもので、登場人物たちや物語が、
隣人や噂話のように身近なものとして躍動し始めます。

もうひとつは、
例え公演に参加できなくても、役者ではない人でも、
唐さんの作品の面白がり方をもっと知って欲しい。
すでに唐十郎ファンの人にも、自分が唐さんから教わった愉しみ方を
お裾分けしたいということです。

前者と後者、それぞれにやる気になります。

出演希望者が来れば、一緒に舞台をつくるかも知れないので
全力を尽くそうと思いますし、一般の参加希望者が来れば、
もっと唐さんの世界にハマってもらおうと知恵を絞ります。

一昨日は一般の方でしたが、
ちょっとお話しして、この方は『唐版 風の又三郎』の台本を
ご自身でも一生懸命に読まれそうだったので、
それをサポートできるよう、ガイドラインに徹することにしました。

約90分のワークショップでできる、
この作品を極限まで切り詰めた3つのシーンをやったのです。
全224頁の台本から3カ所を抜き出して、トータル10頁強でした。

ここを押さえた上で、
これからご自身で全体を読んでくださいとお願いしました。
まずは、もっとも必要な本質に迫る。
その上で、今度は寄り道や無駄を、大いに愉しむ。
こういう手順です。

リモートには可能性があって、遠く離れた地域の人にも、
今後は参加してもらえるのではないか。
これまで行ってきた地方公演で知り合った方たちも
巻き込めるのではないかと思っています。

4/9(木)ワークショップ in ハンディラボ

2020年4月10日 Posted in ワークショップ
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ハンディラボに引っ越して初めてのワークショップです。

時節柄、いらっしゃるのも難しいだろう、
かくなる上は林麻子と二人で気になる場面の研究をしようと思って
いましたら、お一人、やってきて下さいました。

この場所は、初めての方にはなかなかアクセスが難しい場所なのですが、
スマホのナビ機能とは大したもので、最短距離を駈け付けて来られた
とのことでした。

ありがたい!
かくなる上は全力を尽くそうと、
普段は大工仕事などをする倉庫の一角で潤沢なスペースを使いながら、
さらに入り口の巨大な扉を開け放して、稽古を始めました。

お題は、『唐版 風の又三郎』1幕、
台本全体を貫く物語のキッカケとなった、自衛隊員による
ヒコーキ乗り逃げ事件に触れる件です。
自衛隊機乗り逃げ事件(ウィキペディア)

唐さんは、1973年6月に実際に起こったこの事件を受けて本作を構想。
乗り逃げた自衛官に、宮沢賢治の『風の又三郎』に登場する
「高田三郎」の名を当てたのです。

乗り逃げた高田の死の謎を追い、
彼を追いかける女・エリカは正体を隠して、
今では帝国探偵社に務める高田の元上司「教授」に対峙します。
なかなか本題を切り出せず、むしろ教授に怪しまれたエリカが
追い詰められ、ついに「高田」の名を切り出す場面をやりました。


自分を自衛隊から更迭に追い込んだ事件に触れられた瞬間、
教授の表情は一変。
「自分の上空を今もあのヒコーキが飛んでいる」
と叫んで狼狽するのです。

「高田三郎」「乗り逃げ事件」というキーワードを境に、
エリカと教授の攻守が切り替わる、とても面白い場面です。
特に「高田三郎」の名が初めて切り出されるところに注目しながら、
4ページほどを1時間半かけてやりました。

ちなみに、これはワークショップ中にも力説したのですが、
元自衛官たちの再就職先を「帝國探偵社」にした唐さんの発想は卓抜です。
自衛官を辞めさせられて尚、彼らが誇り高い旧職場にいかに思い入れがあるか、
"帝國"という言葉から伝わってきます。
同時に、「探偵社」はもちろん"帝國"とは何の関係もなく、単なる私立の一企業。
「教授」や「三腐人」らの忸怩たる思いもユーモラスに伝わり、
さすが唐さんだと唸らされる設定です。

ワークショップは途中から肌寒くもなりましたが、お互い多いに熱が入り、
まばらな雨の中、「普通の風邪にも気をつけましょう!」
と言い合って散会になりました。

3/27(金)第6回ワークショップでした!

2020年3月27日 Posted in ワークショップ
こんにちは、ちろです。

隔週木曜日(イレギュラーもあり)、ワークショップ。
@Barはる美。

大岡川には桜が咲き始めていました。
新型コロナウィルス感染拡大防止のため、4月頭に予定されていた「大岡川桜まつり」は
中止になってしまったようです。
残念です。満開だとこんなに綺麗なんですよ!

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写真撮り忘れたので、ヨコハマ新聞の
webページから拝借。


そんな状況の中でのワークショップ。
1時間半の間、熱中する参加者の皆さんと中野さんを邪魔しないよう
時折、私がドアを開け換気!換気!
何だかそわそわしながらの私は、三度も鉛筆を落としました。

『唐版 風の又三郎』いきますよー!

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『エリカの花散るとき』の歌詞。

劇中で使われる歌、『エリカの花散るとき』を一度聞く。
中野さんがゼミログで仰っていたとおり、今回は「夜の男」に焦点をおいて
進めていくということで、この「夜の男」が大好きな歌から。
(今回は歌わず、聞いてみました)

さあ、一幕。
織部と夜の男の出会いのシーン。
この出会いの短い会話の中で夜の男は、
「こんばんわ」を5回も言います。
正確には「こんばんわ」3回、「コンバンワ」2回。
何故、そんなに何度も言うのでしょうね?
皆で考え、中野さんのお話で理解します。
状況が分かると、科白の出し方も自ずと変わってくる。
短いシーンですが、夜の男の人物像が少し見えてきます。
(勿論、中野さんの解説があってですが・・・(汗))

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そして、間もなくテイタンの三腐人登場。
この三腐人のシーンの方が少し長く時間をとりました。
乱腐の長科白、参加者の方が一所懸命、何度もトライして下さいました。
説明科白、きちんと伝えるのって難しい。
以前、自分が苦戦したのを思い出しました・・・・。

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そうそう、織部を女性の参加者に演っていただきました。
新鮮でよかったなあ。

次回はどんなワークショップになるかしら。


今後の予定と申込方法はこちら↓↓↓
4/9(木)
4/23(木)
4/30(木)
5/7(木)
◎時間 19:30~21:00
◎参加費 1500円(ワンドリンク付き)

お申込み:
070-1467-9274(劇団携帯)

メール本文に以下の内容をご記載ください。
①お名前(おふりがな)
②ご連絡先(携帯番号・メールアドレス)
③ワークショップ参加希望日

※ワークショップの詳細や場所など、
お気軽にお問い合わせください。



3/13(金)ワークショップでしたよー!!

2020年3月13日 Posted in ワークショップ
ちろです。
3/12、昨日はワークショップでした。

前回は、『少女仮面』で盛り上がり、そのまま駆け抜けました。(笑)
さあ、今回はどんなワークショップになったのでしょう!?

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↑笑顔の中野さん。さあ、始めましょう!!

公演用の台本のできるまでのお話しが少しありました。
唐ゼミ劇団員で読み合わせをしながら、いくつかの出版社から出ている本を照らし合わせ
作り上げていくというお話です。

今回は、「最初から『唐版 風の又三郎』でいきますよ~!!」と
中野さんの元気いっぱいの声で、読み合わせ開始です。

まず、大事な大事な歌から始めました。
〽一かけ二かけ三かけて 四かけて五かけて色仕掛け・・・・・・
これを一緒に数回歌い、いざ声を出して本読みへ。
私、個人的に、このように歌から入るここのところのワークショップ、
とても好きです。
この後、本読みをして色々な事がわかりこの歌の深さや歌い方が
見えてくるのが楽しいです!

そして、一幕の織部とエリカの出会いのシーンをしっかりじっくりやりましたよー。

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↑真剣です。いいなあ。

織部と又三郎(エリカ)の距離感。
遠かった距離が段々近くなり、と思ったら突っぱねたり。

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↑役を入れ替えて!

男女比も丁度いい感じでしたね。
参加して下さった3名の皆様、熱い本読み、ありがとうございました!

お話ししたい事は沢山ありますが、今日はこの辺で。

次回は、3/26(木)です!
毎回、目から鱗が落ちるお話したっぷりです。
是非是非、ご参加下さいませ。
ご予約お待ちしておりま~す!

ちろ

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

お申込み:
070-1467-9274(劇団携帯)

メール本文に以下の内容をご記載ください。
①お名前(おふりがな)
②ご連絡先(携帯番号・メールアドレス)
③ワークショップ参加希望日

※ワークショップの詳細や日程、場所など、
お気軽にお問い合わせください。

2/28(金)昨日はワークショップ!

2020年2月28日 Posted in ワークショップ
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↑ 満席です!

こんにちは、ちろです。
昨日はワークショップでした。
今回は開催以来、最も参加者が多く6名!
私と劇団員の米澤さんも加わり、あの狭い空間に8名(+中野さん)。
昭和のバーは大繁盛といった雰囲気。

今回のお題は、
『少女仮面』より第三場冒頭
『唐版 風の又三郎』1幕より、織部とエリカの出会い、でした。
が、後半、中野さん盛り上がり、
『少女仮面』のみとなりました!

初めての参加者も多かったので、さらっと皆さんの自己紹介。
そして、今日はまず歌からいきましょうかね!
声を出すことに慣れていきましょう!
という中野さんの言葉で、早速ワークショップ開始。

『少女仮面』三場、ボーイ1、2が歌う歌を
全員で数回歌いウォーミングアップ。
一場、二場でどんなことが起ったのか、中野さんからの解説があり、
三場の読み合わせに入ります。

毎回感じる事なのですが、唐さんの本を初見で声を出して読むのって難しいなあと。
そして、中野さんの話を聞きながら繰り返し読んでいくと
皆さんの声の表情が、科白の伝わり方がどんどん変わっていく。
おもしろいですねえ。
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↑ 熱、入ってます!

科白のやりとりの後半に、大事な歌が入ってきました。
今回のワークショップの最初に、皆で歌ったものです。
何故、ここで、この歌なのか?
この歌の意味するものは?この歌の中の一つ一つの言葉が
どんな影響を春日野に与えているのか?
じゃあ、これ、どうやって歌えばいいの?
皆で考え、何度も歌ってみる。
うーん、いいですねえ。

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↑ 熱くなってきた中野さん

そして、この歌の前後の科白について、もう一度よく考えてみる。
中野さんの声が、、段々熱く大きくなる。
皆さんの声も大きくなる、盛り上がる!
中野さん、どんどん盛り上がる!
も~、今日は『少女仮面』でいきましょうっ!と中野さん。(笑)
また歌う。
最後、大合唱!

今日も、また参加したいですとの言葉を聞きました。
笑顔で帰って行く皆さんをみて、今日も嬉しくなりました。

次回は、3/12(木)です。
ご予約、お待ちしておりま~す!!

ちろ

2/14(金)昨日のワークショップ報告

2020年2月14日 Posted in ワークショップ Posted in 中野note
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↑今しも台本の抜粋を配って、本読みを始めようとしているところ。

昨晩は恒例のワークショップでした。
すでに常連さんと言える方が二人、初めての方が三人。
併せて五人。ありがたいことです。

毎度、『唐版 風の又三郎』に加え、
別の一本のワンシーンにも触れて世界を広げたいと思っていますが、
昨晩は『盲導犬』を取り上げました。
同じせりふでも、演じ手が話しかける対象を工夫することで、
どれだけ意味や情感が深まるか、というワークショップ。
さらに、『唐版 風の又三郎』1幕から、
老婆と大学生、テイタンの三腐人のくだりへと進みました。
これで二時間強。

ワークショップの始まりで、自己紹介がてら、
それぞれの唐十郎体験を披露してもらうのですが、
これはむしろ、こちらが愉しませてもらっています。

前回は、まさに1974年春の『唐版 風の又三郎』から見始めた、
という方のお話を伺いましたし、
今回は、1977年春の『蛇姫様』を観てハマった、
という方をお迎えしました。

声を出し始めると、
ト書きを読むのが面白くて仕方ないことに気付いた方がいて、
もう、ト書き専門でやってもらいました。

同じせりふを読みながら、それぞれの言葉が、
受け取る人によって異なったインスピレーションを触発していくのが、
面白かったです。皆さんが妄想に耽っていくのが、
表情の変化から手に取るようにわかる。
まさに、男だらけのロマンチスト大集合という感じでした。

せっかくなので劇中歌『又三郎のテーマ』をその場で覚えてもらい、
せまいバーの中で大合唱もして。

もし、申し込みの際に好きな唐作品をリクエストして頂けたら、
今後はなるべく取り上げられるようにしたいです。
良かったら、どうぞ。
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1/31(金)第2回ワークショップでした!

2020年1月31日 Posted in ワークショップ
こんにちは、ちろです。
昨日、唐ゼミ☆ワークショップの第2回目が無事行われました!
今回は男性3名、女性2名の計5名の方にご参加頂き、
昭和の香りムンムンのBARはる美で熱気もムンムンでした。(笑)

参加者の皆さんに簡単に自己紹介をしてもらい、
これまでに唐ゼミとどんな接点があったかなども伺いました。

あ、そうそう、昨日は迷子になった方がいらっしゃいました!
開催場所が少し分かりにくので、目印をお伝えしておきます!
「都橋交番」を目指して来て下さい。
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↑都橋マーケット。(交番はこの写真には写ってませんが、この通りの手前側に交番あり)

川沿いに、二階建の長屋のような建物、都橋マーケット。
川に沿って緩やかなカーブのあるこの建物の二階に、BARはる美はあります。
交番はこのマーケットの端っこにあります。
JR桜木町駅からくるとマーケットの入口に、日ノ出町駅からですと
ちょうど反対から来ることになるので出口に交番となります。
(この辺り、よくドラマの撮影で使われてます!先々週も刑事ドラマで映ってました!)

中野さんの昨日のゼミログに既に書かれていましたが、
昨日は2つの戯曲の一部を読みました!
『少女仮面』と『唐版 風の又三郎』です。
前回同様、中野さんの細かく丁寧な説明を受けながら。

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「少女仮面」。少女、老婆、ト書きを人を変えて数回読む。
台詞にどう心を込めるの?という話になりました。
まずは書かれている事をきちんと理解して、普通に考える事。
中野さんと一緒に読んでいくと、冒頭のト書き、そして短い台詞のやり取りの中から
沢山のことが読み取れることがわかります。

『唐版 風の又三郎』も同様、ゆっくりじっくりと2頁半を読みました。

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中野さんの「では、今日はこの辺で・・・」の言葉でWSが終了すると
「いや~、面白かった!」、「目から鱗がおちた!」と参加者の方々が
口々に仰られるのを聞き、嬉しくなりました!

沢山の方に、ワークショップでこれを体感してもらいたいなと思います。
是非、お気軽にいらして下さい!(要予約)
初めての方も、2回目以降の方も大歓迎です!

ちろ


【参加者募集!】唐十郎戯曲を読む

2020年1月19日 Posted in ワークショップ

唐ゼミ☆ワークショップ
唐十郎戯曲を読む

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劇団唐ゼミ☆の演出・中野敦之が、
唐作品の読み合わせをしながら作品解説を行います。
(1時間30分)

・本読み
・解説
・唐さんから直接伺ったこぼれ話
・劇中歌を考える、歌う

など、毎回、集まったメンバーによって
すこしずつ内容をかえていく予定です。

異界の出来事、わけのわからない筋道、
そんな風にとらえられてしまう唐さんの戯曲が
ストンと腑に落ち、登場人物と自分とが
妙に地続きにとらえられるようになります。

唐さんはよく「わけがわからなくはない!」と
不満そうでした。
そう、ちゃんと論理があるのです。

どうぞ、この機会に是非ご参加ください。
ワークショップ後はとりとめのないお話を
楽しみましょう!!

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nakanosan 1.jpgのサムネイル画像

過去のワークショップ音声ハイライトはこちら♪(約1分)

第1回1/16(木)現場レポートはこちら
第2回1/31(木)現場レポートはこちら
第3回2/13(木)現場レポートはこちら
第4回2/27(木)現場レポートはこちら
第5回3/12(木)現場レポートはこちら


開催:隔週木曜日19:30〜21:00
場所:横浜桜木町 都橋マーケット内 BAR「はる美」
 JR桜木町駅からのアクセス→こちら

参加費:1500円(ワンドリンク付き)
各回限定:5名(要予約)

<スケジュール>
3/26(木)
『唐版 風の又三郎』第一幕
登場人物「夜の男」を追いかける

4/9(木)
内容未定

4/23(木)
内容未定

4/30(木)
内容未定

5/7(木)
内容未定

※事前に希望作品をリクエスト頂ければ
可能な限り対応いたします!!

---------ご予約状況----------
3/26(木)19:30 △
4/9(木)19:30 ◎
4/23(木)19:30 ◎
4/30(木)19:30 ◎
5/7(木)19:30  


お申込み:
karazemi@yahoo.co.jp
070-1467-9274(劇団携帯)

メール本文に以下の内容をご記載ください。
①お名前(おふりがな)
②ご連絡先(携帯番号・メールアドレス)
③ワークショップ参加希望日


※ワークショップの詳細や日程、場所など、
お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせフォームにご入力頂いてもお受付けいたします!

1/17(金)唐ゼミ☆第1回ワークショップでした!

2020年1月17日 Posted in ワークショップ
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↑横浜、日ノ出町近くにあるバー「はる美」でのワークショップ

こんにちは、新人劇団員、ちろです。
自己紹介すると大抵、「え?もう一回行って下さい」とか
「本名じゃないですよね?」とか言われます。
本名ではないです(笑)。だって、犬か猫みたいですものね・・・。
そういえば、昔、最初に私をちろと呼んだ友人は、愛猫家でした。
私が芝居を始めた場所、角替和枝さんのところでもこの呼び名を使うことにしました。
愛着もあるし、既に多くの芝居仲間からこの名で呼ばれているので、
このまま「ちろ」でいいかなあと思っています。
(名字が必要かなあと思うことがないこともないです)

さて、名前のことはこのくらいにして、昨日のワークショップについてお話ししましょう。
唐ゼミ☆、初のワークショップが開催されました!!
場所は桜木町駅と日ノ出町駅の間にある、昭和の香りムンムンの「Barはる美」。
初回は参加者2名でこじんまりと開催されました。Bar自体もとてもこじんまりです。
参加して下さったのは、唐さんの作品が大好きで、唐ゼミも何度も観劇して下さっている方、
そして「ジョン・シルバー」三部作を一挙に観て下さった役者さん。

まず、中野さんからの唐ゼミの始まりや今後の唐ゼミの予定について簡単にお話がありました。
その後、本読みをしました!

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中野さんの細かく丁寧な解説を受けながら、「ジョン・シルバー」の二幕の頭を
じっくり読みました。中野さんの脱線面白エピソードも含め、約2ページを
1時間くらいかけて読みました。
どれくらい細かくじっくりかお分かりでしょう?
2ページを1時間ですよ!

紳士と女(小春)。
まず、声を出して読んでみる。台詞の意味を一緒に考え、理解して、もう一度読む。
繰り返し繰り返し読む。どんどん台詞の持つ力や表情が変わってくる。
面白い。

未熟な新人劇団員の私は、参加者の皆さまと共に唐さんの作品に向き合い、
考える、とても有意義な時間でした。

「異常ではないんですよ、唐さんの世界は。異常な人は出てこない。
ただ、過剰な人たちが出てくる。」

昨日のWSで、一番印象に残っている中野さんの言葉です。
「だから・・・・・・・」
さあ、続きが聞きたい人、一緒に本を読んでみたい人、、
是非、サークショップにご参加下さい!!

多くの方にワークショップにお越しいただき、唐さんの作品、
唐ゼミ☆に興味を持って頂けたら嬉しいなと思います。

帰り道に参加者の方から、頭を沢山使いとても濃密な時間でした、
と感想をいただきました。

またお会いできるのを楽しみにしていますよ!
新規の方も、気軽にご参加下さい。(要予約!)
昭和の香りのする、Barはる美でお待ちしております。

ちろ