1/9(祝月)『秘密の花園』本読みWS 〜台本について(中野)
↑初演バージョンの台本を扱います
新年になり、新たな演目の本読みWSがスタートしました。
テーマは『秘密の花園』。唐組が昨年秋に上演したばかりだからか、
そもそも何度も再演を重ねる名作だからか、この作品の人気は根強い。
それを反映してか、多くの方にご参加頂きました。感謝!
いつものペースだと今日はWSの内容についてレポートする日ですが、
その前にまず、取り扱う台本について書こうと思います。
初回のレポートは、また明日。
今回から、私たちが扱うのは初演版の台本です。
そもそも、この『秘密の花園』は1982年11月に初演されました。
会場は下北沢の本多劇場。この時がこけら落とし。
つまり、この芝居を皮切りにあの劇場の歴史は始まったわけです。
それから16年後。唐さんは1998年秋にこれを再演します。
この時から劇団唐組が生んだ名作としての『秘密の花園』の歴史が
始まります。きっかけは、新人発表で現在の座長代行である
久保井研さんが演出したものが高評価を受け、
唐さんが本公演に乗り出したというのが経緯のようです。
ともあれ、98年版は高評価を博し、
翌99年秋にも同演目を再演することになりました。
唐組の歴史の中でも、これは異例なことです。
それだけの舞台だったということでしょう。
劇団唐ゼミ☆の創立メンバーである私、椎野、
今はフリーで活動している禿恵は99年4月に大学に入学しましたから、
この時の上演には間に合いました。
唐十郎初心者をして、その凄みに圧倒される芝居でした。
この98〜99年の上演の際、唐さんは当時の世相、劇団員に
合わせて台本を書き換えています。
それが沖積社から出版された上の単行本となっているわけですが、
今回の唐ゼミ☆WSではまず1982年の初演版の台本をベース研究し、
それから98年版との比較を行おうと考えています。
82年版の台本としては、1982年12月号の文芸誌「海」に
掲載されたものを使用しています。
昨年初め、私はロンドンでの研修に入る時にこのコピーを
手に入れることができました。そこで、序盤の上手くいかない
英国生活に四苦八苦しながら、夜な夜なこの台本と向き合うことに
したのです。ロンドンの片隅で日暮里のことを考える。慰められました。
そういう思いの詰まった台本、それを読み解くWSです。
長くなってしまったので、初回のレポートはまた明日。
作品を好きな人のために、途中からの参加や、
レポートだけ読んでも愉しめるように構成していくつもりです。
今年もよろしくお願いします。
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