5/27(火)『黄金バット-幻想教師出現-』本読みWS 第6回 その①

2025年5月27日 Posted in 中野note
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↑記憶の奪い合い、というモチーフは『唐版 風の又三郎』2幕にも登場します。
「エリカ」と「死の少年」が「高田三郎」との思い出を奪い合います
(劇団唐ゼミ⭐︎2020年公演より 写真:伏見行介)

昨晩はオンラインWSでした。
読んだ箇所は『黄金バット-幻想教師出現-』の第2幕中盤。
やはり3幕ものの2幕はおもしろく、劇の進行に拍車がかかってきました。

中心は、「ヒサコ」との対決です。
「ブドリ」が慕う「三上先生」との思い出は、実は自分のものだと「ヒサコ」は
主張します。「ブドリ」と「ヒサコ」、真実を語っているのはどちらなのか
分からぬ展開は、読み応えがあります。

「ヒサコ」の主張するところはこうです。
まず、「三上先生」の生徒は「ヒサコ」だった。
高所から落ちるところを救われたのも、「ブドリ」でなく「ヒサコ」だった。

その上で。
「三上先生」が自閉症児たちを相手にする「風鈴学級」の原型をつくったのは
宮城県の成瀬町であった。そこで「三上先生」は感情を表に出せなくなった
生徒たちに、熱心に語る。水槽に顔を突っ込んで泣き笑いしてみせ、
人生はこうして過ごした方が良いと精一杯しめした。

こうした努力が実って生徒たちは感情を露わにする力を取り戻す。
が、二人だけ問題の生徒がいた。一人は、「三上先生」を真似て水槽に顔を
突っ込み、溺死してしまう不幸に見舞われた。

そして、成瀬町を去ることになった「三上先生」は残る「自閉症児」を
連れて東京に戻り、「風鈴学級」をつくった。そこで、高所から落ちて亡くなる。
先述の通り、そのキッカケをつくったのは「ヒサコ」であり、「ヒサコ」は
「三上先生」の跡を継いで教師となる。が、その教育はスパルタで、
暴力的に「自閉症児」を矯正しようとするもの。スパルタ教育の
再現シーンは体罰のくりかえし。

「ブドリ」は「ヒサコ」のスパルタぶりを正視できず、腕っぷしで
「ヒサコ」を圧倒します。が、「ヒサコ」を好きな「メメズの介」が地中から登場し、
「ブドリ」をはがいじめにします。すると、今度は「ヤゴ」が「ブドリ」の味方をして、
という具合に乱打戦になるという展開です。

対決がヒートアップしたところで、昨晩は終わりました。
まだ2幕は20ページもある。どうなっていくのか愉しみですが、
明日も昨日に読んだシーンを分析してみます。

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