9/19(日) さらにギアが上がる!(椎野)

2021年9月19日 Posted in 劇団員note
9月も後半にさしかかり、朝夕はかなり涼しくなりました。
台風はものすごい雨を降らして、過ぎ去り、
そういえば、2019年の『ジョン・シルバー三部作』のときの
搬入時に台風通過が重なりそうになり、ひやひやしたことを
思い出しました。
唐ゼミはここにきて、夏真っ盛りな熱く燃えたぎる毎日。
装置や小道具にさらに磨きがかかり、チケット販売も9月21日から!

何より、役者の内部的熱が高まっていると!
感染対策のため非常に限られたメンバーで
抜き稽古をしてきたわけですが、
広い稽古場を借りて、全員揃っての集中稽古です。

劇にうねりがでてくるのはまさにこのとき。

役者として「ああ、芝居ってすげー楽しいぜ、ちくしょう!」
と感じられるのは、この通し稽古期間なのであります。
断片的だった感覚が一気につながり、
身体には血がめぐり、相手役とのやりとりが生になり
頭だけでなく身体で物語が理解されるのです。

なおかつ、ググッと進んだ装置づくり、小道具作りで、
自分の扱うものにビリビリと刺激され、
ぐんと演技がかわってきます。

本番までまだ時間があります。
どんな物語になっていくのか、
めっっっちゃくちゃ楽しみです。


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9/12(日)初心忘れるべからず/津内口

2021年9月12日 Posted in 劇団員note

昨日、公演情報が解禁になりました!

今日でちょうど公演一ヶ月前。

少人数稽古をしていると、なんだか実感がわかない部分もありますが、

稽古場に行って新たに迎えたメンバーと稽古の手合わせをする時間がものすごく貴重で新鮮で、良い刺激をもらっています。

面白くなってきた!


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(昨日の稽古の様子)



先のゼミログでも触れておりますが、公演場所が浅草花やしきに変更になりました。

花やしきさんは浅草駅から10分弱歩いたところにあり、浅草寺の仲見世通りのあの賑わいとはまた違った活気があります。

私が初めて唐ゼミを観て、初めて唐ゼミとして舞台に立った場所です。


最後に花やしきさんにお世話になった公演は20153月の『青頭巾』。

ついこのあいだのことのようですが、7年弱の時が過ぎたたことを知り、身震いしました。


そう言えばあの時もウエディングドレスを着ていたな。

初めてもらった長ゼリフ、全然上手く言えてなかったな。


などと思い出し、新人劇団員時代に帰るような気持ちです。


初心忘れるべからずを今回のモットーにして、公演まで駆け抜けていきたいと思います!

花やしきさん、またお世話になります!



津内口


8/29(日)空きっ腹の限界 (ちろ)

2021年8月29日 Posted in 劇団員note
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既にゼミログで稽古の様子について触れられているとおり
私たちは『唐版 風の又三郎』の再演に向けて、稽古を始めています。
昨年もコロナ禍での稽古でしたが、まさか一年後もまた同じ状況
いえ、それ以上の脅威に晒されながら稽古をすることになるとは
想像していませんでした。
現在私たちは、シーンごとに稽古するよう日程を組み、
少人数の集合で済むようにしています。
従って、自分の出演以外のシーンの稽古を目の前で見ることが叶いません。
残念です。

私自身は、前回公演の動画を見たり、台本を読み返したりして
改めて「老婆」と向き合っています。
自分には足りない事だらけです。
老婆は出演シーンも科白も多くはありませんが
そこに居る意味、科白の意味や目的を
もっともっとよく考えなくてはならないなと感じています。
老婆の登場シーン、最初の科白は「お腹がグー」です。
栃木から東京まで、何も食べずに三日間歩いてやっと辿り着く。
この時の空腹感とはいったいどれくらいのものだろうか?
私の普段の生活では、大概時間になれば食事をとるし
小腹が空けば、飴やお菓子をつまむことができる。

時には仕事が詰まっていて、食事をとるタイミングがなく
比較的長い時間空腹を感じて過ごすこともありますが、
それでも、ほどなく食べ物を口にすることが出来るため
直ぐに空腹は満たされる。
そういう生活では、「あ、お腹が空いたなあ」程度に感じることはあっても
辛くて叫びたくなるような空腹感をもつことはありません。

少し強い空腹を身をもって感じようと、ちょっと実験。
朝から何も食べずにどれくらい過ごせるか。どの程度の空腹感があるか。
さすがに、三日間何も食べずと言う訳にはいきませんが
何か近いものを感じられればと思い試してみました。
この暑さなので、水分補給だけはして。
私は家族と同居のため、彼らの食事を作らなければなりません。
自分は食べず人の分だけ用意、何回目かの食事の準備は少し辛くなりました。
お腹が数回グーっとなりましたが、その程度。
まだまだ。
空腹で歩き続けていた老婆と大学生の感覚には程遠い。

実験の最中、気が付きました。
自分の手の届く範囲に、なんと食べ物が沢山あること。
飴、バナナ、チョコレート、スナック菓子にパン。
お腹が空いてくるとそれらが目に入り、油断すると食べそうになります。
三腐人に柘榴を勧められた大学生は、こんな気持ちだったのでしょうか。

数十年前、会社員時代に初めてダイエットした時のことを思い出しました。
急激に6㎏太ってしまった私は、元に戻そうとダイエットを試みたのです。
始めた時期が悪く、忘年会シーズンが始まった頃でした。
宴会三昧の中でのダイエット。(宴会の多い会社だったのです)
2時間強の宴会で、最初の乾杯用のビール1杯を2時間かけてのみ
とんかつや唐揚げといった揚げ物には手を出さず、
そこに添えられた千切りキャベツのみをちびちびとつまみながら
宴の終わりを待つ。
会社の宴会、つまり半ば仕事でもあり欠席するわけにもいかず
このひもじい思いと戦いながら、1,2か月過ごしました。
この実験、この時の感覚に似ています。

話が大分ずれました。暴れたくなるほどの空腹感、人に裏切られ相手を罵る感情・・・。
これまでに大声で人を罵った記憶はありませんが、そうしたくなるほどの怒りや憎しみ
それに近い感情はあったかもしれない。(?)
自分の経験を振り返り、色々な感情を自分の中で探ったり
想像力を働かせたりしながら、老婆の心をしっかり感じて言葉を出せるようにしたいです。

強い空腹を感じる実験は、家庭の事情により残念ながら中断。
また、トライしてみようと思います。

8/22(日)稽古してます(米澤)

2021年8月22日 Posted in 劇団員note
昨日のゼミログで
民生委員のことについて少し触れていました。

去年、『唐版 風の又三郎』を上演するまで
自分は民生委員という存在を知りませんでした。
調べてみれば、自分の今住む町にも
当然、民生委員の方がいるようです。

地域の困っている人と行政のサービスなどの仲介役で、
ボランテイアで行われているようです。
小学校や中学校への通学路に立ち、
子供達を見守りも行います。

そういえば小学校の時、
学校の門の前の交通量のある交差点の横断歩道に
毎日立ち続けるおばさんがいました。
台本の登場人物が民生委員であると考えると
身近なものに感じます。

『唐版 風の又三郎』では、
民生委員という地域の住民のサポートのために、
個人情報にも触れることができる立場でありながら、
同時に私立探偵でもあるというのが不思議です。

そんな『唐版 風の又三郎』、
10月中旬、新宿中央公園にて再演します。

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個人的には、
7月の頭にはダンス01の公演、
7月末には名古屋造形大学での野外イベントに参加していましたが、
その裏で、同時進行に、
劇団での準備を少しずつ進めてきました。
やっと稽古が始まります。

稽古の準備のために保管していた衣装や小道具を
倉庫の奥から引っ張り出してきました。
その道具を眺めていると、
一年前の稽古や本番のことがさまざま思い出されます。

ですが去年は去年のものとして、
今年はまた新しく稽古をできればと思います。

新メンバーも方々にも外部から加わっていいただきました。
参加する自分自身、
どのような上演になるか楽しみであります。
去年ご覧になった方も
新メンバーで作る『唐版 風の又三郎』を見届けていただければと思います。

ひとまず劇団からの詳細な知らせを
いましばらくお待ち下さい。



8/1(日)最も貪欲な男(津内口)

2021年8月 2日 Posted in 劇団員note
最近、外部出演が続いている米澤剛志。(こうじ と読みます!)

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米澤は寡黙な男ですが、今まで出会った劇団員の中で一番貪欲だなあと思います。
黙々と自分の芝居や衣装や小道具を練り上げ続けます。
ほとんど他人に相談することなく、締め切りを越えても作業を続けるので、周りはハラハラ!
舞台監督に「最低限の『ほうれんそう』をしろ!」と怒られることもしばしばです。

しかし私はそんな米澤を密かに尊敬しています。
劇団公演でも外部出演でも、夜中に一人でこっそり稽古しているところ。
(大体暗闇の中に一人でいるところを劇団員に見つかる)
納得のいく小道具や衣装になるまで絶対に作業をやめないところ。
(本番途中に衣装を勝手にグレードアップしたりする)
本番中も芝居を決して固めることなく、新しいチャレンジをし続けるところ。
(米澤談「あきちゃったんですよね...。」)


最近、『唐版 風の又三郎』の再演に向けて作業リストを持ち寄ったのですが、
米澤君は「2幕の衣装」と書いていました。
劇団員全員がこう思ったはずです。



まだ、やるんだ...



貪欲すぎる米澤剛志。
再演もご期待ください!!!!

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津内口

7/25(日)思い入れすぎ(椎野)

2021年7月25日 Posted in 劇団員note
我が家の押し入れの中にごっそりつまっているもの。
それは衣装と小道具に他なりません。

「次に使えるかも...」と保存をして、
次に登板することはまずないのですが、
ひたすらに出番を待ち続け、まるで眠っているかのように
そっと保管されています。

いつだったか、ふと探し物のため小道具の箱の中を
ごそごそとかきまわしてみると、
なにやら異臭が。
これだというビニール袋をあけてみると、刺激臭とともに
『吸血姫』で使った、シリコン製「胸の傷跡」
がドロドロになって息も絶えだえに顔を現しました。

「...君だったんだね」

幾分香り高くなった彼女の出現で、
わたしは目をつむり、考え、少しためらい、
聞こえるか聞こえないかのため息をつき、
できる限りそのシーンをつぶさに思い出し、
歯ごたえをじっくり確かめ、
布にくるんで、


もう一度箱にしまいこみました。


断捨離野郎として名をはせているつもりですが、
衣装と小道具は「それだけは勘弁してください」案件です。


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7/4(日)シャドーイング(shadowing) (ちろ)

2021年7月 4日 Posted in 劇団員note
先日、中野さんが取り組んでいる英語学習のひとつに
触れる機会がありました。
シャドーイング、というものです。

ネイティブが実際に話しているスピーチ等を聞き
その英語を聞きながら、追いかけるように同じ言葉を
口に出してい言うというものです。
中野さんが実際に使っている教材を聞かせてもらい
私もトライしましたが、難しかったです。
一度しっかり聞いてから、二度目にシャドーイングすれば
もう少しましにできるかなあとは思います。

そういえば、私が英国留学から帰国して間もない頃
短い期間ではありましたが、通訳学校に通ったことがあります。
その時も、シャドーイングは日々の課題として出されていたことを
思い出しました。
当時はまだ耳が英語に慣れていましたが、それでもかなり難しいと
感じていたのを覚えています。

この十数年、英語を話す機会はほとんどなく
日本に住む外国人の友人とも年に一度会えるかどうか
という程度で、ネイティブと話すチャンスはないに等しいです。
このままではいけないなと思いつつも、英語の勉強に時間をさくことも
ままならず。
中野さんが英語の勉強をしているのをよいきっかけに
私も少し英語を意識的に聞いたり、発したりするように心がけようと
思い始めたところです。
私はイギリス英語の音がとても好きなので、イギリスの映画を観ながら
役者の科白をシャドーイングするように心がけています。

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先日、ケン・ローチ監督の『家族を想う時』という映画で
シャドーイングしようと見始めたところ・・・。
失敗。
その理由は2つ。
一つは、英語がとてもなまっていたこと。(方言があること)
二つ目は、内容が深刻で途中から泣き始め
涙腺がすっかり緩んでしまい最後まで泣きどおしになってしまったこと。

なまりは、それはそれでシャドーイングの訓練にはなるので
いいのかもしれない。
でも次は、内容を考えて選択しようと思います。

この英語のシャドーイングとは意味合いが違いますが
自宅で日本の映画、舞台映像を観ながら、
気になった科白を自分でも声を出して言ってみる、ということは
意識的にするようにしています。

最初は一人でいる時にやり始めたのですが
癖になると、家族が傍にいても思わず声を発してしまうようになります。
科白の内容によっては、子供の前でどうなの?ということもあります。

困ったことに、これを続けていると
映画館や劇場でも声が出そうになってしまいます。
少し前の話ですが、子供と映画館で鑑賞中、
大声で男言葉を使う女子高生の科白を聞いた直後に
危うく声を出しそうになりました。

もし言っていたら、周囲の人は驚いたでしょうね。
今画面から聞いた科白が、後ろや隣から聞こえてくるのですから・・・。

最近、唐ゼミのZOOMでの本読みでも、
他の方々が科白のやり取りをしている時に、画面のこちらで
私も言ってみることもあります。
自分のスピーカーがミュートになっているかの確認を
忘れないように気をつけて。

ある映画の中で、三田和代さんが関西弁で罵るシーンがあるのですが
これが大好きで、真似してみています。
私はなかなか上手いこと言えませんが、好きで好きで何度も観たくなるシーンです。
勉強は続く・・・。

ちろ
 

 

 

6/27(日)7月10日に向けて(米澤)

2021年6月28日 Posted in 劇団員note
米澤が書きます。
宣伝をさせて下さい。

7月10日(土)11日(日)の公演に向けて動いています。

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チラシ裏.jpg

短い4つの作品を上演するのですが
そのうちの一つ『そらをかぐ』に出演します。
僕は今回舞台上で一言も喋らないのですが、
難しいです。
苦戦しています。

あと2週間。

他の3つの作品はまだ見ていません。
僕も楽しみにしています。

もし興味をもって下さいましたら
ダンス01のホームページも覗いてみてほしいです。
 → index.html


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会場までは
西武新宿線下井草駅の改札を出たら左に進みます
(改札口は一つだけです)
駅の階段を降りたら、右に進み、
そのまま交番の前を通り過ぎて、
線路と平行にのびている道をまっすぐ進んで下さい。

Dance01の「01」は「オーワン」と読みます。


6/13(日)観劇日記(禿)

2021年6月13日 Posted in 劇団員note Posted in 日々のこと
こんにちは。禿です。
今日も夕方からワークショップでした。
その様子は明日菊池くんが書いてくれるので、今日は最近の観劇体験を。


コロナ禍という言葉ももう1年以上過ぎまして
演劇事情も4月に緊急事態宣言が復活し、
またもやいろんなところが中止や延期になったりして
寂しい思いもしましたが
一方であらゆるところで、コロナ以降の面白体験ができました。
作品単体でもそれぞれに面白かったですが、
さらにコロナ禍での工夫が、いやみでなく遠慮がちでもなく
ポジティブに変換されているところが大変面白く感じました。

少し前ですが
静岡SPACの『おちょこの傘持つメリー・ポピンズ』野外公演
これは完全に役者同士が接触せずマスク衣装のコロナ対応!
観客席も野外でひたすら大雨に打たれながら見続ける・・
というのはなかなかこれまで経験してきませんでしたが、
お芝居に見ごたえがあって集中でき、大変な充実感がありました。
(新品の合羽もいい仕事しました。)
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先週、東京千秋楽を迎えた唐組『ビニールの城』
一昨年からの再演で、内容はより濃く、そして男女の間のビニール膜一枚を
取り巻くお話で、この今見ることの新たな面白さ!
話と役者の皆さんが非常に濃密なだけに、その膜が本当に恨めしい。
今でも思い出すと呼吸困難になりかけます(笑)
明日6/14が神戸千秋楽!来週は長野!お見逃しなく。
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新ロイヤル大衆舎×KAAT 『王将』
KAAT神奈川芸術劇場のホールでなくエントランス部分を劇場にしていて、
屋内にいながら野外劇場のような風体。
「この場所がこんなふうに??あの階段もこんなふうに??」という
今まで見慣れていたものがまったく違う会場になっていて
非常にワクワクしました。
1日で大河ドラマ全編を見るような、人間模様の苦悩の変遷・濃さに唸りました。
202103190041_ex.jpg(写真撮りそびれました)

そして水族館劇場『アントロポセンの空舟』
こちらはコロナだからとかではなく、
コロナでもという感じで非常に勇気を頂きました。
(もちろん感染対策の事前説明等、しっかりされてました)
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行くまでが非常に冒険感がありました。
なのでここからはちょっとした冒険記にお付き合いください...

ほとんどオンライン生活している昨今、
東京都内なのに、
外国に来たような気分を勝手に味わっておりました。
まず、公演地・羽村駅。横浜からは遠かった。
もちろん経路は事前に調べていたので不安はなかったのですが、
中央線のちょっと先くらいに考えていたのが甘かったです。
乗り換えアプリを片手に順調に進んでいたのですが、
20何駅通過して到達した立川駅。
ようやく最後の乗り換えというところで、青梅線ホームが2箇所ある!!
迷っているうちに一本逃す。。
(しかもその時は「青梅線」じゃなく「一部青梅線」の方が正解だった!)
やっとたどり着いた羽村駅。
駅を降りたら、あれ、ここ東京かなという景色で、交番がぽつん。
あとは田舎の実家に帰ったような住宅地。
おもわず立っていたお巡りさんに話しかけたほどです。
 私「ドラッグストアとかコンビニとかこの辺にあります?」
 警官「え、ドラッグストア・・・」
なる問答が続いて、一本電車逃して時間に余裕のない私にとっては
はるか彼方に見えるホームの反対側のビル郡を恨めしげに見ながら、
これまたgooglemapを片手に公演地に向かいました。
空気がきれい。
10分ほど歩くと、もうすぐ公演場所のお寺というところで
セブンイレブンが目の前に現れ、驚くほどほっとしました。
「困っても飢えることはないな」と・・・。

会場では見知ったお顔がちらほらと、楽しく観劇させていただきました。
閑散としている住宅地で野外芝居の声が響く響く。。
お寺さんでしたが住職が出演された回があるとかで、
いい関係性なのだろうなあと想像しました。
そして、十八番の水はさることながら、
ある部分で、人生で見たことのない芸風を目の当たりにして心から驚き、
だるま落としのように凝り固まった頭を飛ばされました。
硫黄のようなスモークの匂いにむせ返ることも幾度、
大島幹雄さんの講義で学んだリツェジェイ『カタストロフィ』が
頭をよぎりました。
生ならではで、非常に楽しかったです。
めでたしめでたし。

ーーー
と、まあ、実はこちらの記事を先週書いたのですが、
ニュートピックとして
こちらにも伺ってまいりました。

新潟、アウトサイダーアート・演劇プロジェクト
『少女仮面』

前述の中野の記事にもありますが
2006年にお世話になった早津さんがシニアだけのテント演劇をするというので
このご時世にご迷惑にならないかと思いましたが
「是非来てください!」という早津さんの言葉に後押しされ、
一人弾丸で行ってまいりました。
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幾度となく検温の関門をクリアし、到着しました白山公園特設テント。
イントレと鉄パイプとブルーシートの青テント。
後ろは悠々とした信濃川。
手前には昔観劇に来た劇場、りゅーとぴあ。

実際にはシニアと若手50代以上の方々で、
皆さん年齢伺いたいくらいの若々しさ。
20〜30代じゃないの?という感じの人もちらほら。
地べたを転がったりとてもパワフルで、
これまで見たことがない『少女仮面』でした。
話が真摯にしっかり伝わってきて、音楽の雰囲気も大変よかったです。
ラストに向けてどんどん引き込まれました。

まさしく手作りの凄みがあって、
地元の人が一丸となって芝居をつくる
喜びそのものがダイレクトに伝わってきて大変幸せに感動いたしました。
本当に素晴らしいものを目の当たりにしました。
今年から継続してやるそうなので今後の展開が楽しみです。
昨日が千秋楽、大変お疲れさまでした!!!!
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(終演後に撮らせていただきました、唐ゼミの大恩人、早津さん)


以上、最近の観劇日記でした。
丁場おつきあいありがとうございました。
そして今週からは新宿梁山泊の『ベンガルの虎』始まってます。
私どもも負けておられません!


今、野外演劇の世界は面白い!

禿

5/23(日)あの漫画(齋藤)

2021年5月24日 Posted in 劇団員note
読み合わせの際、中野さんは演劇はもちろん映画、クラシック、ときには実体験など、様々なものを例えに出して説明します。
そしてその中に、「漫画」もよく登場します。

先日も『HUNTER×HUNTER』という漫画の例えを出していましたが、
説明されていた菊池くんは、『HUNTER×HUNTER』を読んでおらず、説明は空振りに終わっていました。
中野さん的には芯を食った例えなのに、菊池くんは「はあ」としか言えず。
漫画を読んでいる身としては、非常に的を得た例えだったのですが。。。


そういえば、僕が大学生だった頃、僕は中野さんと共通の話題が少なく、
あまり話をしませんでした。(今では考えられない)
そんなとき、数少ない共通言語が「漫画」だったように感じます。

よく覚えているのは、2004年の『盲導犬』の準備中、こんなオーダーを受けました。
「最後のファキイルが登場する際に、太陽を割って登場して欲しい」
全く意味がわからなかったのですが、そのときに中野さんが右手に持っていたのは漫画『ベルセルク』でした。

物語の中盤、髑髏の騎士が黒い日食の太陽を割って登場する描写があるのですが、
そのコマを見せながら、こんな感じにしたい!と熱く語られました。
あの仕掛けを作る最中、どんだけあのコマを見たかわかりません。
随分と苦労した思い出があります。

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該当のコマの一つ。割って出てきてますね。


ちなみにこの『ベルセルク』、その後も衣装プランを練るときにもよく登場しています。
物語の主人公について話すときは『ダイの大冒険』
精神的な駆け引きの時は『HUNTER×HUNTER』か『カイジ』
野外劇の時はやたら『刃牙』でした。

中野さんとの共通言語を手に入れたくて読んでみた漫画も多数あり、
結果としてハマってしまった漫画も多いです。(『子連れ狼』とか。)

『ベルセルク』は残念ながら未完に終わってしまい、悲しい思いです。
久々に読んでみたら、いろんな芝居のことを思い出すかもしれません。


あと菊池よ!
別に無理して読まなくていいよ。でも面白いから読んでみてね。


齋藤



5/16(日)思い出す『海の牙〜黒髪海峡篇』(椎野)

2021年5月16日 Posted in 劇団員note
4月よりオンラインワークショップ「唐十郎戯曲を読む」内にて
『海の牙〜黒髪海峡篇』を取り上げています。

劇団唐ゼミ☆で『海の牙〜黒髪海峡篇』を上演したのは2011年。

2010年の年末からこつこつと準備をはじめ
2011年3月11日、未曾有の災害が起こったその日も歌の練習だけはしようと
散乱した稽古場をみなで片付け、声を張り上げていました。
4月には横浜国立大学内にテントを建ててプレ公演の初お目見え。
6月7月の夏の盛りに浅草花やしき裏で本公演。
じるじるの汗だくだくで(厚手のコートを着ている役者もいるし)
まさに灼熱の舞台でした。
(1幕の舞台セットがたっているテント内観360度写真(撮影:鹿野安司))
10月には初めての長野公演。たくさんの方にお世話になり、
ラストは地下鉄「権堂駅」の入り口に登ってのエンディングでした。
11月には「大唐十郎展

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そして、横浜の海を背景に
さぶんざぶんと寄せる波を感じながら大フィナーレの横浜公演。

......

あれから10年が経過し、
世の中はまた未曾有のウイルス騒動で不安な日々にさらされていますが、
やはり、私たちは公演のための準備をし、本読み稽古をしています。

私はといえば相変わらず向かぬ育児に翻弄されていますが、
翻弄されているばかりでもなく、自分の時間を取り戻すべく
床拭きお掃除ロボットたちや食洗機という仲間を増やし、
生活としてやらなければならないことは、
なるべく機械たちに任せることにしました。
朝のラジオ体操もやっとルーティン化。
あとは、体力。落ちてしまった体力を戻すのじゃ!

先日ワークショップは、髪を切られた女達の、コミカルでありつつも
ひどく闇の深いシーンだったのですが、禿と久しぶりに『海の牙〜黒髪海峡篇』
の舞台が脳内で鮮明に蘇ってきたことを分かちあいました。
お隣さんが不在にしている時間を狙って、自宅で科白をブツブツ言っています。

またワークショップ終了後には
参加している方たちにメールで感想を頂き、
返信で私の感想や思っていることなどをお伝えするという、
非常に有意義な時間を過ごさせてもらっています。

やっぱり唐さんの作品は面白いし、
物語のことを考えている時は幸せな時間ですね。
これはこういうことだったのか!と、
未だに新鮮だったり、新たな発見がゾクゾクでてきます。
今後もますます時間の捻出に励んでいきます。

そしてワークショップも是非ご参加お待ちしています!
それではまた!

<オンラインワークショップ詳細>
唐十郎戯曲を読む
中野WS2021_5.png

とくめぐみの俳優ワークショップ
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4/18(日)劇団と引っ越し

2021年4月19日 Posted in 劇団員note
新人劇団員の菊池侑希の引っ越しの手伝いに行ってきました。
昨日中野さんも書いています。

菊池と二人で冷蔵庫を運んでいると
劇団のことを思い出しまた。
照明機材の入った木箱を二人で持って運んでいるのとちょうど同じです。

テントでの公演のときも引っ越しと同じで
段ボールやプラスチックのケースや舞台セットなどを
トラックに積んでいきます。
大きな引っ越しです。

違うのは
そのあともう一度撤収することです。
またすぐ移動。
疲れるわけです。

僕はテントでの旅公演の経験がありませんが、
一度テントを建てた後も、二回三回と別の土地に移動して
4tトラック二台の荷下し荷積みを繰り返していきます。
短期間滞在して引っ越しを繰り返します。

確かに、テントを建ててそこへ通っているあいだは
とても短い間、
そこに住み着いているというような感覚に近いように思います。
みんなで寝泊りをするわけではないですが。
野外公演だと仮住まいというイメージです。

しかし、屋内なので
狭い入り口や階段を洗濯機を持って上がるのが大変でしたね。

(道中撮影した風景)
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4/11(日)夢をみるように(林)

2021年4月12日 Posted in 劇団員note
最近、斎藤さんと共にzoomを利用して台本を読んでいます。
後輩の佐々木あかりと菊池くんに交じって勉強中です。

初回はつかこうへいの『飛龍伝』、
先日は秋元松代の『近松心中物語』を読み終えました。


数年前、中野さんが芝居の大学の講義内容で
蜷川幸雄さんの仕事を取り上げていた回があって
『王女メディア』『NINAGAWA マクベス』などの中に
『近松心中物語』もありました。


その時に台本も読んだのですが、なにより講義で観た
『近松心中物語』の映像が印象に残っています。
例えば冒頭、森進一の『それは恋』が流れる中、
人形操演が行われていたと思うと、そこから一瞬で花街に変わり賑わう人々の動き。
物語の終盤、心中をする場面で想像を遥かに上回って降る大量の雪。

でもやっぱり個人的に気になるのは役者さんのせりふと動き。
講義を受けていた時期に同じ秋元松代の作品
『常陸坊海尊』の稽古をしていたこともあって、
役者陣はどうやって動いてるのか、どんな風にせりふを吐いてるのか。

当時、稽古に苦戦する自分にとっては
救いを求めるような感じで観た部分もありましたが、でも純粋に面白かった。
あ、この動き、明日の稽古で使ってみよう。
と試みたりしたこともありました。

今回、斎藤さんたちとのzoom稽古で『近松心中物語』を読み終えた後、
数年ぶりにまた映像を観てみました。
自分で台本を読んだ後に映像を観ると、
ここのせりふこんなにゆっくり喋るのか!
とか、そこでそんなに動き回るのか!、
とやっぱり驚きました。

映像を観ていて思い出したのですが、
お亀を演じる市原悦子さん。

与兵とともに心中しようと蜆川やってきたところのト書き

"堤を、夢をみるようにお亀がくる。"

これをまさに体現して現れた市原さんの立ち居振る舞い。
口をあけて、斜め上を向いて、目がきらきらしていて、
スーッと水の上を歩くようにやってきます。

...これ実際やってみると、かなり不安な気持ちになります。
というのも、『常陸坊海尊』で、同じようなト書きがあって、
真似してみたことがあるので体験済みの不安です。

まず、口を大きくあけたまましばらく歩くだけでも勇気がいる。
しかもスーッと歩くのを表現するとゆっくり歩かなければいけない。
ということは、その時間を使うだけの見ごたえもなくてはならない。

映像だけ見ていると、なんの違和感もなかったのに
やってみると全然できない。。
なにより、こんな不安な気持ちになるなんて。。
と思ったことを今回数年ぶりに『近松〜』の映像を観て思い出しました。


でも今思えば、お亀が「心中」というものに憧れ、
自分も曽根崎心中のお初みたいにヒロインになれる。と思っていて、
それが梅川・忠兵の心中との違いの一つになっている。
そういうことが市原悦子さんのお亀のこの動きや表情で表現できる。

となると、口をあけて、目をキラキラさせることも不安にはならないはず。
台本の中身を勉強しつつ、そんなことを考えた『近松心中物語』でした。
次はどんな発見があるのか、また新しい台本に向かいたいと思います。

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3/21(日)15年の月日(齋藤)

2021年3月21日 Posted in 劇団員note
最近、唐ゼミのWSで盲導犬を扱っていますが、
先日WSに使用する映像を編集するため、
久しぶりに盲導犬の映像を見ました。

15年以上前なんだなぁと感慨深いのは最初の1分。
あとは、気になることだらけ。

なんだその言い回しは!
何このセットの不器用さは!
なんだこのパンチのない照明は!

と気になってばかり。
気づくとあっという間だった月日は、
意外にも価値があるものだったのかなと思うと同時に、
今だったらこうする、こうなのに、の連続でした。

ちなみに当時の自分たちに一番言いたかったのは、
シートは綺麗に貼れよ、です。


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なんで、このシートを綺麗に貼れなかったのか、謎です。


実は先日、仕事の関係で新国立劇場の小劇場に伺う機会がありました。
もちろん、公演を見に行くことはありましたが、
劇場がOFFの状態で足を踏み込んだのは
2005年に公演をやらせていただいた時ですから、実に15年ぶり。
何より新鮮だったのは、あれ、小さい!という感覚。
舞台の下手に崖を作って、櫓を作って、
本当にこの空間でやっていたのか!?と思ってしまいました。
成長したんだな、と実感した瞬間でした。

当時、担当していただいたスタッフの方にも偶然お会いすることができ、
思わず「あの時は色々失礼しました」と謝ってしまいました。
当時21歳の大学生だった自分を思い返すだに、
赤面するような思い出がフラッシュバックし、
ああ、自分がいかに小さい存在で、暖かく見守ってくれてたんだな、
と自分の当時の小ささを実感しました。
初心忘れず、邁進してこうと思った、いい機会でした。

齋藤

3/14(日)オズの魔法使い(椎野)

2021年3月14日 Posted in 劇団員note
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ジュディ・ガーランド主演の『オズの魔法使い』
先日、息子とこの映画を一緒に見ました。
ドロシーに犬のトト、カカシ、ブリキの木こりに弱虫ライオンと
魅力的なキャラクターの登場に息子もウハウハ喜んでいました。
唐さんの作品『唐版 滝の白糸』にはこの映画の挿入歌や、
小人の登場など、設定が多数盛り込まれています。

『オズの魔法使い』といえば、もう一作。
忘れられない作品があります。
渡辺えりさんの作品『川を渡る夏』

私が見たのは2007年、まだ渡辺えりさんの劇団が
宇宙堂という名前で活動していた頃だったかもしれません。
その頃の新人試演公演でした。

17歳の頃から眠り続けた青年が10年後に目を覚まし、
過去の記憶を取り戻すべく自分の高校に向かうと、
死んだはずの小津(オズ)という叔父さんに出会う。
そして死者たちと出会える幻の国『オズの国』へと旅立っていく...
(ブログを書くにあたってあらすじをはじめて読みました)

という話なのですが、もう、ストーリーもよく覚えてないくらい、
瞬間瞬間の出来事、登場人物全員の振る舞いに
抱腹絶倒し、後にも先にもお笑い以外のお芝居というもので
笑いすぎて涙を流して呼吸困難になりながら観たという経験は
あの舞台以外ありませんでした。

ちゃぶ台の周りをうろつく犬(もちろん人が演じる)、
舞台の中心で気を吐いていた土屋良太さん、
完璧なアンサンブル、
ストーリーを考える暇もないほどのスピード感と
意表を突くような展開に我を忘れていました。

ああ、自分もあんなスピード感で、お客さんを振り回して
世界に引きづりこんでいきたい。ちくしょう。
そう思いました。

彼らが、恐ろしい練習量を重ねていたことは
火をみるよりも明らかでした。
「毎日毎日、ずっと稽古していた」
状況劇場の劇団活動についても、そう。
安保さんに伺ったことがあります。
素晴らしい舞台には、おそるべき稽古量があるのです。

『オズの魔法使い』、様々な作品に
インスピレーションを与えています。

2/28(日)鶏を作った話(津内口)

2021年2月28日 Posted in 劇団員note
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『唐版 風の又三郎』で登場する「鶏」。
テイタンチームが崇め奉る、劇中の超重要アイテムです。
状況劇場の上演では、生きた鶏を実際に舞台の上で絞め殺し、
その鶏を終演後の宴会で鍋にしていたというのだから驚きです。

唐ゼミでは公演の準備に取り掛かる際に、「小道具リスト」と「衣装リスト」を作ります。
台本から必要な小道具と衣装を書き出し、一覧が完成したところで
舞台監督サイトウ差配のもと、それぞれに「難易度」がつけられます。
「安く買えるもの」や「簡単に作れるもの」は「難易度C」
「この世に存在しないので創作しなければならないもの」や「手に入りにくいもの」は「難易度A」
といった具合です。
その難易度に合わせて、予算や担当が振り分けられます。

今回私が担当した鶏は、「難易度A」。

なるべく立派でリアルに見えるものを!と気合いを入れて探索しましたが、
はく製やぬいぐるみではなかなか「これぞ!」というヒットに恵まれず、
ようやく見つけた一羽は、中国からの発送でした。
不運にもコロナ禍での海外発送遅延が重なり、首を長くして待つこと一ヶ月。
ようやく届いた箱の大きさに、愕然としました。



小さい・・・・・!!



恐る恐る開けてみると、なんとも可愛らしいサイズの鶏が、箱の中からこちらを見上げていたのです。
しかもなかなかに粗雑なつくり。
あのときの絶望感は、推して知るべしです。

念のため消毒を施し、呆然としながら鶏を見つめること10分。
その粗雑さも相まって「つくれるかも...」という希望が湧いてきました。

そうと決まればそこからは早いもので、
発泡スチロールと羽毛にまみれながら格闘すること5日間。
最近自分で一から作った小道具としては会心の出来で、とても愛着を持っています。

その後、夜の男を演じる丸山さんの「もっと死んでるように見せたいんだよね...」というリクエストに応えるべく、
首が取り外せるように改良したりもしました。


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(↑首が外れた鶏)


結果的に、「懐から鶏を取り出す」というト書きに対応するため、
あの中国製の鶏(小)にも活躍の場が与えられることになりましたが、
あの絶望感は二度と味わいたくありません。

状況劇場では食べられてしまった鶏たちの供養のためにも
少し可愛がって大事にしようかと思う、今日この頃です。


津内口






2/23(祝火)宴会という本番(椎野)

2021年2月23日 Posted in 劇団員note
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↑宴会の写真は珍しく、これは2009年の建築会館でのもの
雰囲気はいつもこんな感じ

「ちょっと科白いってよ」という唐さんの依頼を受け、
唐組劇団員の錚々たる面々を前に科白を言う
というすさまじい機会に恵まれていました。

それはまだ唐ゼミナールがはじまったばかりの頃。
唐さんのゼミ生であるということで、
唐組の宴席に呼んでいただく機会があり、
そこで、直近演じた役の科白を言ったり、
劇中歌を歌ったり、今思うと怖いもの知らずに
えいままよ!とよくやれたものです。

中でも『腰巻お仙〜義理人情いろはにほへと篇』の
「海辺をひとっ走りさ!」の長科白は
何度もお声がかかり、震える足を抑えるように
足の平で地面を握りしめながら演じました。

これが本番以上の緊張感。

客席が暗いわけではありませんので、
みなさまの顔つきがダイレクトにわかる。
そう唐さんの顔つきもダイレクトにわかる。
喜んでいるのならばいいのですが、
うまくいっていないときは、
科白を言っているのに全く聞いていない...。

うまくいかないことがあってはならない。
宴席のための稽古もやっていました。
どんな時でも本番。
毎日毎日ブツブツ科白を言っていました。

2/15(月) 劇団紹介(米澤)

2021年2月16日 Posted in 劇団員note
ウィルスが移らないようにするために集団での食事は避けるよう言われています。

そういえば、
今思い出しました。
マスクをつけ外ししながら食事をするというのがあった!
誰かやっているのかな。

風の又三郎の稽古や本番をやっている期間は
座組の人とお酒を飲みに行くことはありませんでした。
万が一のことがあっては困ります。

ただ、本当だったらもっとメンバーと話したかった。
酒を飲みながら語り合いたかった!!!

嘘です。

いえ、半分本当で半分嘘です。

話がしたいというのは本当でも、
お酒を飲みながら、というのは嘘です。

このコロナ禍以前から唐ゼミでは飲み会というものがないです。
稽古が終わってみんなで酒を飲みながら話す、
みたいなことが劇団ではありません。
公演終了後の打ち上げだけはありました。

昔どうだったか知りませんが、僕が唐ゼミにしている間はずっとそうでした。

なんでなのか分かりません。
代表の中野さんがお酒を飲まない人であるからなのか、
普段からバイクに乗る人が劇団員に多いからでしょうか。

テント公演というと終演後に宴会があって、
アングラだから、テントだから、酒好きなやつが多い、
みたいなイメージではないです。

とういうことで、
お酒が一滴も飲めない方でも大丈夫です。
劇団員募集しています。
ご興味ありましたらぜひ連絡下さい!
→→→  http://karazemi.com/blog/cat55/2021.html

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終演後の宴会ではお茶の用意があります。
こちらもお酒が飲めなくても大丈夫です。

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2/9(火)まもなく唐さんのお誕生日(椎野)

2021年2月 9日 Posted in 劇団員note
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(↑2018年のお誕生日会の様子)

2月11日の建国記念日といえば、
そう、唐さんの誕生日です。

唐組では毎年この日に入団試験を開催しています。
そして、私は、入団試験を終えた劇団員のみなさんと
唐さんを囲んでのお誕生日会に参加させていただいてきました。

どんな星のめぐりあわせか、
私の娘は唐さんと同じ日に誕生しました。
病院から唐さんにご報告したときの
「おめでとう」のお声が本当に嬉しかったです。

1940年生まれですので、
お誕生日を迎えると81歳。
お誕生日会では歳を重ねられたことに対して
一言感想を言ってくださるのですが、
特に66歳になられた時の唐さんのご感想は

「むむ(66)っ」

でした。...さすがです。
その場が湧いたこと、想像できるでしょう?

ちなみに、2018年の唐さんのお誕生日会に
出席した日、私は人生2度目のアニサキス(食中毒)になり
胃壁を虫にかまれたまま出席していました。
・・・しかし、それでも、出席できて本当によかったと思っています。

2/3(水)2004年『盲導犬』の思い出(椎野)

2021年2月 3日 Posted in 劇団員note
「唐十郎戯曲を読む」ワークショップ2月のお題は
『盲導犬』です。

唐ゼミ☆での『盲導犬』初演は2004年7月。

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(2004年『盲導犬』のチラシ)

この時の上演は、ダブルキャストで、
稽古段階ではそれぞれ
Aチーム、Bチームと呼んでいましたが、
本番を前にして、唐さんがそれぞれのチームに
名前をつけてくださいました。

禿チーム→ヴェネチア
椎野チーム→コートダジュール

禿とわたしから漂うイメージからそのように
つけてくださったのですが、
「イタリア」「フランス」という国名でなく、
地名をつけるあたりが唐さん独特のセンスです。
唐さんはいたくそのネーミングを気に入って
終演後の宴会でも
「ヴェネチア」と「コードダジュール」という
音の響きがいいよね、
と嬉しそうに話していました。

さて、そういえば、この演目で
小道具に犬の胴輪(ハーネス)をお借りしようと
盲導犬協会に連絡したのですが、
担当者の方が作品を調べ、角川文庫の『盲導犬』
裏表紙に書かれたあらすじを読み、
不審がって断りの電話を入れてきたことは
鮮明に記憶に残っています。

折しも『盲導犬クイールの一生』という
ハートフルな映画が公開された直後であり、
「『盲導犬』をやるよ」というと、大抵
「クイール?」と聞き返されていた頃。
「盲人」「めくら」などという言葉が頻出する
作品にはそりゃ貸せないだろうなと
納得せざるを得ませんでした。

そして、胴輪を作るために、
禿とわたしは後輩の男子一人を巻き込んで、
稽古後の夜から朝9:00まで徹夜をして、
ひたすら胴輪を作り続けることになるのでした。

まだまだ演劇づくりに慣れていなかった頃、
必死に食らいついていっていたことが
身体の感覚としてのこっています。

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1/27(水) 少女都市からの呼び声(齋藤)

2021年1月27日 Posted in 劇団員note

先日、唐組の『少女都市からの呼び声』、みなさんご覧になりましたか?
僕が唐ゼミに初めて参加した演目が『少女都市からの呼び声』だったので、
いろいろ懐かしいものを思い出したりしながら、観劇してました。
唐ゼミで初めてやったのが2003年ですから、もう18年も前なのですね・・・。

連隊長のシーンではいつも同じ風景が思い出されます。

18歳の春。緊張して訪ねた稽古場。
稽古していたのが連隊長のシーンでした。
見学していると、その場でいきなり舞台に挙げさせられ、
馬の後ろ足になり、稽古中ずっと背中に人を乗せられ、腰が痛くなる。
「腰痛いっすね。」と稽古の合間に先輩に話していたら、
演出の中野さんから「馬の後ろ足は喋んなくていいから」
といきなり言われて震えたことを、いつも瞬間的に思い出します。

そのほか、
あー、この小道具のガラス、本番直前になくなって物凄い焦ったなあ(管理は僕)
街の人々の時、親父のコック服きてやってたなあ、とか思い出しました。

中野さんがブログに書いてた、2005年の再演の時は、やはりとにかく寒かった!
照明をやっていて、深夜に凍死すると思いながらオペ室にストーブを入れてたことが思い出されます。

そして何より、エンディングで雪が降った時の美しさは、今でも鮮明に覚えています。

テントが開くと、しっかりと降る雪。
風もあり、少し横殴りの中でたたずむ寒そうな雪子(椎野さん)。
か細い存在がこちらをみているビジュアルは、本当に綺麗でした。

僕の持っている動画の中に、雪が降った日ではなかったですが、当時の映像がありましたので、
よろしければご覧になってください。




改めてみると、照明気になったりもしますが、今でもこのエンディング、好きです。
思い出してみると照明に対して、明確なやりがいを感じたのも、この公演だった気がします。

今度、借景のいろいろをまとめた記事でも書こうかな。


齋藤





1/10(日)悪霊退散!/津内口

2021年1月10日 Posted in 劇団員note
突然ですが、私、「盛り塩」を信仰しています。
公演の折にはテントの入口に必ず清め塩を設置。欠かしたことはありません。

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(↑『唐版 風の又三郎』劇場エントランスの盛り塩)

元々は初演の『下谷万年町物語』の際、
大流行したインフルエンザに恐れ慄いた椎野さんが藁にもすがる思いで始めたらしいのですが、
特に宗教に敬虔なわけではない私も、盛り塩だけは信じています。

というのも、苦い経験があるからです。

あれは2012年の『木馬の鼻』のことです。
初めて役をもらった『木馬の鼻』で、劇団員として受付の仕事も任されるようになりました。
椎野さんや禿さんから、チケットの準備やトイレ掃除、靴袋の準備などの制作の仕事を教えてもらっていく中で
「盛り塩を設置。毎朝取り替える」というタスクがありました。
他の公演やお客さんに直接関わる仕事とは明らかに異色ではありましたが、
当時は「ふーん。そういう仕事もあるんだ」程度にしか思っていませんでした。

ある日、前日に設置した盛り塩をどう処理して良いのかわからなかったのですが、
そんな細かいことを、わざわざ確認するのも・・・と思い、
「お葬式や嫌な人が訪ねて来た後、塩ってまくよね...」とその塩をエントランス周辺に撒いたのです。

その日、本番中にとんでもないトラブルが起きました。
停電です。
調べてみたら、照明機材を接続しているプラグの隙間(5mm程度)に、
照明器具のワイヤーが振動で動き、その隙間に挟まって漏電、という奇跡のような機材トラブルでした。

それを聞いた私は突如不安になり調べました。
そう、もちろん、「塩」についてです。


調べてみると、

「盛り塩は悪い気を吸収しているため、汚れをはらう意味できちんと処分したほうが良い」

とあります。


その翌日から、前日のお塩はしっかり封をして処分するようにしています。
そして、旅先でお参りした神社にお清めの塩が売っていると必ず買い求めるようになりました。
初日や楽日など、ここぞという時に使っています。

「今日も怪我なく、事故なく、公演が成功しますように」と
ブツブツ唱えながらお塩を盛るのが私の公演中のルーティーンです。


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(↑普段は「伯方の塩」。お手伝いに来てくれた学生に「この塩でいいんだ...」と言われました。いいんです!処理さえしっかりしていれば...!




津内口

1/7(木)ワークショップレポート(佐々木)

2021年1月 7日 Posted in ワークショップ Posted in 劇団員note Posted in 唐十郎戯曲を読む『唐版 滝の白糸』

あけましておめでとうございます。

劇団員の佐々木あかりです。

今日はワークショップのレポートです!


今日のワークショップは物語の中盤、4人目の登場人物である

「羊水屋」という男が出てくる所から始まりました。

それでは、ワークショップの見どころを紹介していきます!


まずはカタカナの単語について。

端的にいえば

「カタカナの難しい言葉はなんかすごそうだな」という話です。

実際に羊水屋のセリフで、

『フランチャイズ』『テリトリー』『プレミア』

という単語がまとめて出てくる所があります。

しかしよく読むとこれは特に意味はなく、実は小難しくて凄そうに聞こえるように言っているだけです。

確かにカタカナが羅列していると複雑な事を言っているように感じますね。


そして小人プロレスについて。

『唐版 滝の白糸』では、ヒロインのお甲さんの住むアパートに

小人プロレスのレスラーが7人住んでいて、

お甲さんが彼らの巡業についていくほど仲良く暮らしています。


私は知らなかったのですが、皆様は小人プロレスをご存知でしょうか。

小人プロレスとは、正称がミゼットプロレスと言って、

女子プロレスの前座として行われていた

低身長症の人が試合をするプロレスの事です。

なぜ急にこの作品に小人が出てくるのかと言うと、

『オズの魔法使い』にはマンチキン(小人)という小人が出てきます。

『唐版 滝の白糸』は『オズの魔法使い』からインスピレーションを受けている部分が多数ありますが、

小人の登場も『オズの魔法使い』から繋がっているとは。

新たな発見でした。


そして、ようやく登場するヒロイン。

「お甲」さんのアリダくんへの巧みな感情の揺さぶり。

女性経験の少ないアリダくんに対して

女の涙や愛情を上手く使い

どうにかお金を引き出そうするお甲さん。

何という作戦でしょう。

女として学びたい技術です。


今回のワークショップは比較的ゆっくり進んでいきました。

次週は物語もいよいよ終盤に向かっていき、複数の登場人物が出てくる面白いシーンになっていきます。

来週もよろしくお願い致します!


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1/6(水) カツアゲ(齋藤)

2021年1月 6日 Posted in 劇団員note
突然ですが、みなさん「カツアゲ」をしたり、されたりしていませんか?
今日僕は世の中にある様々な『カツアゲ』についてお話ししたいと思います。

以前も書きましたが、僕は小道具などで自信作ができると、
褒められたくて劇団員に見せて回ります。
心得た劇団員達は、それに対して様々「すごい」と言ってくれます。

これは、カツアゲと一緒です。
圧力をかけて、特定のものを引き出す。
言うなれば「凄い」という言葉をカツアゲしているのです。


劇団員の熊野は、常日頃から洋服に気を使い、非常におしゃれなのですが、
時々(僕からみると)少し変わった格好をします。
なんと言えばいいのか、とにかく服装について何かしらコメントしないとおかしい、そんな洋服を着ている時があります。
以前、作業の時などに急にサングラスをしてきたのもそのいい例ですが、
そんな時には「おしゃれだね」「かっこいいね」と
周りに言わせようとしているに決まっています。(齋藤の個人的見解です。)
これは、《おしゃれカツアゲ》になります。

劇団員の重村は、外部の人とお話しする際に、わかりにくい内輪ネタを急にぶっこむことがあります。
しかし本人にはそれを説明できる能力がないため、
近くの劇団員が「あぁ、この話はですね・・・」と説明せざるを得ない状況になります。
これは、《説明のカツアゲ》です。

劇団員の林は、作業中に一人で急に笑い出したりします。
周りはもちろん「どうした?」「何?何の話?」と聞くしかないので、
これは、《「どうしたの?」のカツアゲ》。

ちなみに僕は、上記の《おしゃれカツアゲ》を、自分がしてしまうことを恐れています。(恥ずかしいから)
《髪切った?カツアゲ》、《誕生日おめでとうカツアゲ》も苦手です。
極力目立たずに過ごしたいので、「言わないでくれ!」と思ってしまうのです。
常日頃からカツアゲにならないよう、注意して生きています。


ですので今年の誕生日もそんなこんなで静かに過ごしていたのですが、
中野さんから急に誕生日プレゼントをいただきました。


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2021年。
思いがけず《靴おしゃれカツアゲ》の年になりそうです。


(齋藤)



12/23(水)歩いてきた人たち(熊野)

2020年12月23日 Posted in 劇団員note
熊野です。


ゼミログのお題である、先日の公演で自分だけが見た面白い事、を考えていたら
好きな台詞に思いが至りました。
『唐版 風の又三郎』の中で、好きな台詞は沢山ありますが
上演中、密かに好きだった台詞が三幕終盤、夜の男が放つ以下のもの。

「この日のために俺は宇都宮から歩いてきたんだ。」

劇の舞台は御茶ノ水ですから100km以上!!
屈強な元自衛官であるとはいえ、休みなく夜通し歩いても、随分とかかるはずです。
(googleで調べてみたらノンストップで丸一日かかるよう。死んでしまう。)
この執念たるや。
そこは電車に乗ればいいのに、とも思いますが
(実際はハッタリで、公共交通機関を使っているかもしれないけれど)
執拗にエリカを追い求める夜の男の過剰さが際立って、馬鹿馬鹿しくもたまらない台詞です。
織部として決闘を申し込まれているシーンで耳にしていたので、
とても冷静には聞いていられないのですが
嬉々として演じていた丸山さんの力もあり、胸の内でニヤリとしてしまう台詞でした。
丸山さんは大量の小道具(ナイフ2本、目隠し2本、巨大なハンカチ、鞭、ラジカセ...これまた過剰。)に
苦戦していましたが、それらを乗りこなして嬉々として発せられる台詞には、
書かれている以上の力がありました。


歩いてきたと言えば、
『海の牙』で演じた名和四郎も歩いてきた人でした。
「シュリンガーラ・ティリカ。」としか言わなかった朝鮮と日本の間の子である少年が
一幕終盤、父に向けて弓を引き、こう喋り始めるのです。

「横浜から歩いてきました。疲れきったからだです。」

宇都宮と比べてしまうと短いですが(50kmくらいか)、やはりすごい。
パンチ力のある台詞です。
当時、この上演を観た気田さんが「この台詞がすごくいい!」と何度も言ってくださっていました。
唐組のテント建てに行った際、気田さんから「どうやって来たの?」とふられたのに対し

「横浜から歩いてきました。」

とは答えられず

「東横線で。」

と答えた自分を、今でも恥じています。
しかも、後日また同じふりを投げられたのに、ことごとく答えられず。
恥じ入ります。


他にも歩いてきた人はいないかなぁ、と台本を漁ってみたら
『続 ジョン・シルバー』では
小春からの電報で、世紀のドラム合戦をするため
湘南の海沿いにある喫茶ヴェロニカへやって来たキセル屋がおりました。
キセル屋は基本的に「エーン、エーン」と泣きっぱなしの男ですが
小男いわく

「浅草からきたらしいよ。東京湾沿いに歩いてきたんだってさ。」

自分では高らかに宣言しないが、こいつも結構な距離を歩いてきてやがる...。


さらに、
『絵巻巷談 ジョン・シルバー』では
シルバーを探してさまよう小春が「九十九里浜も九十九日かけて歩いた」ようだ!
九十九日...!!
距離を越えた過剰さ!!!
やはり三作品通してシルバーを想い続ける女は、ズバ抜けて過剰だ...。


きっとこの他にも、歩いてきた人たちが唐作品の中にいるに違いない。
自分だけが見た面白い事、からすっかり遠ざかってしまいましたが、
歩いてきた人たちを他の台本でも探してみることにします。
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(写真=伏見行介)

12/9(水) 「24時。新宿中央公園水の広場。」(米澤)

2020年12月10日 Posted in 劇団員note

今日は米澤が書きます。

 

僕が小屋番をしたときのこと。

 

舞台監督の齋藤さんが、

大変だった小屋番のことについて以前ゼミログに書いています。

大変な時はこんなかんじです。

http://karazemi.com/blog/note/10-20126.html

台風とたたかっていたようです。

 

僕は今回で4回目のテント公演ですが、

自分が小屋番をしたときに大きな出来事があったことはありませんでした。

僕が経験しているのは、

夜に雨が降り出し、テントの幕の継ぎ目から雨水がたれ、

それが照明機材にあたっていたのでちょっと対応したくらいです。

 

新宿中央公園の広場ではスケートボーダーたちが一日中練習しています。

数グループのボーダーたちが、入れ替わり立ち代り常にいるようなかんじ。

練習するのに時間帯は関係なく、

深夜まで続きます。

青テントが広場に立っていた期間は

練習スペースがいつもの半分ほどになっているので、

テントのことを邪魔だと思っていたかもしれません。

 

そんなボーダーたちが勢いよく滑っているあいだをくぐりぬけて、

銭湯から青テントに戻りました。

 

その日の小屋番の相方は、高田三郎を演じていた佐々木覚(さとる)さん。

覚さんが寝ている楽屋テントを覗くと、もう寝ていました。

僕もすべきことを早く済ませて休める状態になろうと

荷物の整理などをして、ちょうど作業が終わって、

寝袋の上に座って落ち着いた頃、

 

「がさっ」


「がさっ」

 

何やら外から物音した。

おそらく楽屋テントの幕をめくった音。

音がした方向は覚さんが寝ているテントがある方向とは

反対からしている。

覚さんが起きて外に出たような音はしていなかった。

覚さんではないはず。

誰なんだ。

じゃあ泥棒か。

スケボーをしている奴らか?

 

「がたっ」


「ごそっ」


っと、また音がしました。

これはきっと衣装などを入れてるブラスチックケースを開けた音。

音の出どころはきっと女子楽屋。

 

寝袋のすぐ横にはLEDのライトが置いてあるので、

まずそれをにぎって、

青テントの幕の隙間からそっと外に出てました。

相変わらず公園の広場ではスケートボーダーが元気に元気に走ってます。

そして、女子楽屋テントに近づくと中から人の気配がする。

 

おそるおそる、ゆっくりと、女子楽屋のテントの幕をめくり、

さっとライトを当てました。

ライトが当たってこちらを見ている人がいます、

僕と目があったのは女性。

 

よく見てみると劇団員の佐々木あかりさん。

 

今回幕間で出てくる看護婦を演じていたあの役者です。

事情を聞くと、

家の鍵を楽屋テントに置いて帰ってしまったらしく

仕方なく自宅から引き返してきたそうです。

 

以上です。


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 (夜の新宿中央公園とビル)


僕は武闘派ではないし、何もなくて安心。

彼女は彼女の事情で大変です。

 

そして朝になり、

もう明るくなり始めている頃、

再び、何か音がするなあ、とゆっくり目が覚めて、

それが新宿中央公園のラジオ体操会の方々の流す音楽だと分かると、

その音楽を聞かなかったことにして二度寝します。

 

こうして僕の小屋番は終わりました。

12/6(日)公演終了宣言/津内口

2020年12月 6日 Posted in 劇団員note

今日で『唐版 風の又三郎』公演終了から2週間が経ちました。

出演者、そしてご観劇いただいたお客様からも新型コロナウイルスに感染したというご連絡はなく、

これをもってやっと「公演終了」を宣言することができます。

改めて、ご来場いただいた皆様、そして応援してくださったたくさんの方々、本当にありがとうございました。


それにしても、ホッとしました。

劇団で制作をしている私は、今回の公演で対お客様の感染対策を担当していたからです。

感染症対策なんて初めての経験。

どんな対策が必要なのか、どんな物品が必要なのか頭を悩ます日々でした。

消毒液ひとつ取っても、どの商品が安全で効力があるのか、

どの用途でどの商品にするか、劇団員でリサーチしてひとつひとつ選んでいったのです。


上演前、私は受付でお客様の対応をしていました。

開場時間直前、消毒液が入ったボトルを2つ抱えて右往左往する新木が目に入りました。

その様子は明らかにテンパっている。

思わず「どうした?」と声をかけると、

「消毒液がなくなりそうなので補充したいんですけど、どこにありますか。」


量が足りなくなっている事には気づいていました。

ただその時、ちょうど消毒液の種類を切り替えている最中で、

新木が持っているのを使い切って、新しい種類の消毒液に詰め替えようとしていたのです。


今回の公演、新木は裏に表に本当によく頑張っていました。

器用なタイプではありませんが、思い切りは人一倍良い。

苦手な作業にも挑戦し、彼女なりに丁寧に一生懸命、最後まで楽しんでやろうとしてくれていました。

私が「困ったな。手伝ってくれる人がいたら嬉しいけど、みんな忙しいよな...

と誰かに声をかけるのを躊躇ったり、その作業を進めるのを諦めようとすると、

それを察知して「やります!」と言ってくれるのは決まって新木でした。


その時の新木は、開演直前に予期せぬトラブルに見舞われ、思いつめた顔をしていました。


その顔に一抹の不安を覚えつつも、

補充が女子楽屋にあること、そして中身が違うから、ひとつのボトルに残りを移して、

片方を空にしてから補充して欲しい旨を説明しました。

が、テンパっていたのか、聞こえなかったのか、

新木は私の話が全て終わる前に、消毒液がある女子楽屋に突入していきました。


対応中のお客さまを前にその場を離れるわけにはいかず、

その背中にかけた私の咄嗟の一言は悲しいかな、


「混ぜるな!」


でした。

彼女にその言葉が届いたのか否か、定かではありません。



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(今回の舞台写真で一押しの新木。待ち受けにしたい)



これは終演後に聞いた話ですが、その一部始終を目撃していた大学の同期・小山が彼女を追い、


「混ぜると爆発するぞ」


と追い討ちをかけてくれたそうで、この件は事なきをえました。

全ては先に使っていた消毒液を捨てることができなかった私の貧乏性が招いた出来事です。



でも今思い返すと「混ぜるな!」と言われた時の新木はニヤついていた気もする。

頼もしい後輩です。


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津内口

12/2(水) まもなく参ります(齋藤)

2020年12月 2日 Posted in 劇団員note
舞台監督の齋藤です。
『唐版 風の又三郎』 ご来場いただいた方、またご支援いただい方、本当にありがとうございました。
本番が終了して10日経ち、大精算大会も終えて、徐々に日常に戻っています。

さて、ここからまた週に2回ほど、劇団員がゼミログに登場します。
これに際して、中野さんから、「公演中に自分だけが見た、面白いこと」というお題が出されました。
劇団員が見た風景にご期待下さい。

さて、本題に戻りますが、唐ゼミの公演では、本番中の場面転換は手の空いている役者全員で行います。

今回の公演で言えば、二幕から三幕への転換がそうだったのですが、
場面転換に参加できない役者(着替えなど)が多く、かつ転換するセットが多いと、
緞帳の裏は、まさに「戦場」で、声こそ出さないものの、なんとも言えない「勢い」があります。

10分そこらで、全てのセットチェンジを終え、息を切らせながらスタンバイに入り、すぐに本番。
スタッフワークからまた役者に帰る瞬間、皆の目はものすごくギラギラします。
僕はその顔が本当に好きで、極力皆に声をかけて本番を始めるようにしている節があります。

お客様が見ることのない光景ではありますが、あの瞬間、なんとも言えない独特の雰囲気を醸し出しているのです。
ミッションをこなした安堵感とこれから迎える幕への高揚感&緊張感で、はっきり言って「カッコいい」顔をしています。
「まもなく参ります」と声をかけた時の顔。
写真では残せない、そんな素晴らしい一コマです。




そういえば、千龝楽の日。
僕は転換終了後に資料として舞台の写真を数枚撮影しました。
資料のためだけにセット転換を頼むのは心苦しく、またこの日は早く転換が終わったのもあって
舞台の上手、下手と1枚だけ写真を取りました。



まず下手側。
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次に上手側
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そして、皆に「まもなく参ります」と声をかけようと下手側を振り返った時、
出演者の「としとし」こと小林くんが突然電話ボックスの中に立っていました。
しかも、満面の笑顔で、ピースをしながら。

そもそも本番中に役者さんが記念写真をとる文化が好きになれないのもあり、
(本番に集中して欲しいと思ってしまうので)
また何よりそんな自分が写真を撮っている後ろめたさもあり、
思わず口からでた言葉は「記念写真じゃねーよ」でした。

今まで数えきれないほどの「まもなく参ります」の顔を見てきましたが、
あの笑顔が、一番印象的だったのかもしれません。
そしてあの顔ができるとしとしは、間違いなく大物です。

今考えると、撮っておけばよかったかなぁと思う今日この頃です。
ごめんね、としとし。


(齋藤)



10/25(日) 失敗続き(米沢)

2020年10月26日 Posted in 劇団員note

最近は作業をたくさんしていました。

いろいろはものをつくって、ミスもありました。

木材は一度切ったらやり直しがききません。

切りたい寸法より短く切ってしまったら

もう切り出せません。

なので、緊張します。

パソコンで文章を書くのとは違います。

失敗してもボタン一つで消去してやり直せます。


これはこのあいだの作業中の失敗です。

手持ちの電動ノコギリを使っていた時。

舞台セットを作るためには木の板を

きれいな直線で切断しなければいけません。

そのために使うのが、電動ノコギリ用の定規です。

普通の定規は鉛筆を沿わせて書けば直線が引けます。

電動ノコギリ用の定規も全く同じ原理で、

定規にノコギリを沿わせて切断すれば

真っ直ぐに木材を切断できます。

ですが、切るべき木材ではなく、

間違えてこの定規を切断てしまいました。

なぜ定規を切ってしうのか、

詳しく説明をするとややこしくなってしまうので省きますが、

普通の人は切るはずがないノコギリ用の定規を、

僕は切りました。

なぜなんでしょう。


それはちょうどその日の作業も終盤の夕方ごろであったので

疲れていたんだと思います。

みんな疲れている中でしたし、

明日もその定規を使ってたくさん木材を切り出さないといけないので、

かなりの痛手です。

その定規は市販のものではなく手作りなので、

もう一度いちから作り直さないといけません。

パソコンで文章を書いているときの用に、時を巻き戻せません。

大きなタイムロスです。

へこみました。


ツイッター用に作業風景を撮影している中に、

偶然、定規切断の瞬間が残っていました。


なんで撮ってるんだよ。


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他にも失敗が続くなか、椎野さんからこんな話を聞きました。

ストレスや不調のときには豚肉がいいそうです。

以前のゼミログで重村さんが1ポンドの豚肉を食べていました。

僕も体を回復させるために豚肉を食べたいのですが、

値段の安い鶏肉にしてみようと思います。

きっと鶏肉もいいはずです。

根拠はありません。


そんな話を作業中にしていたら、

鶏のささみをよく買うという劇団員から

簡単でおいしいささみの調理方法を教えてもらいました。

ささみのパサパサを打ち消すために、

逆にしっとり系の納豆や梅干しとあえるといいそうです。

皆さんもやってみたらどうでしょう。

 

食事にも気を付けつつ、稽古、テント設営、本番と乗りきります


10/21(水)紅テントで鷹さんに出会った/津内口

2020年10月22日 Posted in 劇団員note
一昨日の晩は、唐組を観に行ってきました!
初代紅テントの中に入るのは、2011年の大唐十郎展以来。
私よりも年上で、私よりもたくさんの唐さんのお芝居を見てきている大先輩のようなテントです。
展覧会では小道具を展示した部屋に吊らせていただいただけでしたので、
その中でお芝居を見るのは初めてワクワクしました。

台本を読んで受けた印象よりもコミカルで愛らしい登場人物たちと、飛び跳ねる水しぶき!
そしてクライマックスからのしっとりとした大人のシーンに...あっという間の2時間半でした。

テントの外で余韻に浸りながら禿さんを待っていると「お!サイトウ!鬼舞監!」と呼ぶ声が。
声の主は大久保鷹さん。私たちを見つけて話しかけてくれました。

鷹さんは最近このゼミログを熱心に読んでくださっているそうで、
「中野が毎日書いている文章、面白いね。そこに齋藤が入ってくるのももっと面白いね。」
「君たちももっと難しい作業をよこせって齋藤を突き上げてやったら良いんじゃないか」(10/18作業のジレンマ/齋藤 参照)
と嬉しい感想を伝えてくださいました。

鷹さんはこのコロナ禍で外出は控えているけれども、
「唐ゼミの又三郎は必ず観に行くよ、きっと面白くなる」と激励してくださいました。
鷹さんの期待はとても嬉しく、また同時に最近稽古ができず作業ボケしている私は身が引き締まる思いがしました。


今日も鷹さんがこのゼミログを読んでくださっていると信じて、私的なメッセージを。


鷹さん!風の又三郎、必ず良い芝居にします!!

それから、鷹さんに一つ謝らなければならないことがあります。

鷹さんが面白いよ!と肩を叩いて激励していた齋藤、実はあれ、齋藤ではないのです。
元劇団員のワダ・タワーなんです。
鷹さんが齋藤さんを褒めてくださるのが嬉しくて、私たち、言い出せませんでした。

ごめんなさい!


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(鷹さんと私。「明日は天気が良いみたいだから、西口公園に散歩にでも行こうかなぁ。噴水の前とか、その横の昔紅テントを建てたところを見てこよう」と仰っていました。そのお散歩、ぜひ同行させていただきたかったなあ。)


津内口

10/18(日)作業のジレンマ (齋藤)

2020年10月18日 Posted in 劇団員note
ここ連日、劇団員を中心に作業が続いております。
舞台セットのパネルはもちろん、中道具、小道具、衣装まで、
みんなでハンディラボで作業しています。
昔は屋外で作業していたことを思うと、この空間のありがたさが身に染みます。


唐ゼミでは、美術の鎌田さんからいただいた舞台セットの図面を、
一度僕が劇団員が作りやすいように、説明書のような作り方の紙を作成しています。

どんな感じか、私がデザインした青テントエントランスドアの図面でご紹介。

① 左のような参考資料から、右のような「絵」を作成
スクリーンショット 2020-10-19 0.31.11.png


② こんな風に全ての木材の配置や作り方を説明
スクリーンショット 2020-10-19 0.31.25.png



これを作成するのは、正直結構手間なのですが、
この説明書があるだけで、作業の時間も仕上がりも雲泥の差があります。

ちなみに、以前この説明書が間に合わず、①のような、そのままの図面を重村に渡してみたことがあります。
図工室の机だったと思うのですが、「これくらいなら3時間で作れるでしょう」と豪語していたのに、
作り始めてみたらうまくいかず、悩みに悩み、結果8時間かけて完成させました。
(ちなみにその翌日、演出の変更でその机はボツになりました。出来は良かったんですが・・・。)

そういう悲劇を2度と起こさぬよう、重村の1日を丸々無駄にしないよう、説明書を作成するのです。


これらの説明書の甲斐もあって、ここ連日作業が順調に進んでおります。
しかしそうなると、今度は僕の説明書の方が間に合わない。
結果、夜な夜な説明書を作成するハメに追い込まれます。


劇団員が作業を素早く終わらせ、少し誇らしげに「次、何やりましょう?」と聞いてくる時、
僕の心には

「おっ、スムーズに作業終了して偉いぞ!イイね!」

という気持ちと

「ちっ、スムーズに終わってんじゃねえよ。少し苦戦すればいいのに」

という、負の感情が生まれるようになりました。
本当、自分でもよくわかりません。


それでも、少し誇らしげに自分が作ったセットみている劇団員を見かけたりすると
作って良かったな、頑張ろうと思うのでした。

やるぜ!風又!

齋藤



10/6 (火) 台風の記憶 特別編② 〜 齋藤版

2020年10月 6日 Posted in 劇団員note

昨日の記事の続きです。)

さて、総出で台風対策を施し、劇団員は帰路につきました。

テント内は機材やセットなどで溢れ、空いているスペースは僕と中野さんが二人寝れるスペースがある程度。
最初はそこでゴロゴロしながら過ごしていましたが、夜も更け風が強くなり、いよいよな雰囲気。
「何かあったら起こしてくれ」と中野さんはすでに寝ており、
所在ない僕は、ソワソワしながら揺れるテント幕と、携帯の天気予報を眺めていた記憶があります。

そして深夜0時を過ぎたころから、とんでもない強風が吹き始めました。
強風が吹く時には法則があって、遠くで「ヒュロロロ」と甲高い音が聞こえたかと思うと、
浅草の街を抜け、数秒後にテントに到達、テントをぐらんぐらんと揺らします。
この予告のようなシステムが、より僕の緊張感を煽りました。

万全の台風対策をしたつもりでしたが、時間と共に様々な場所で綻びが出てきます。
具体的に書くと以下のようなことを30分間隔で繰り返していました。

1) 何か起こる(雨漏り、風で幕があおられる、ロープが緩むなど)
2)起き上がり、濡れたカッパと長靴を装着。
3)豪雨と強風の中、作業(主にロープの縛り直しと追加、雨漏りの下にある物を移動する、など)
4)作業終了後、しばらく観察
5)カッパと長靴を脱ぎ、寝床に入る。
6)しばらくすると1)に戻る。以後繰り返し。

定期的に生まれる作業が一人でも対応可能であったこと、
またロープワークができない中野さんを起こしてもしょうがない、
こんな観点から、僕はずっと一人で作業していました。
そしてこの繰り返しは、結果として明け方まで続きました。
中野さんはずっと寝てました。

ここで、一つ言いたいのが、「中野さんがずっと寝ていたから恨んでいる」というのは正確ではありません。
そうではないのです。


彼は、物音がしても、僕が作業に向かおうと準備していても、起きません。
なのに、僕が作業を終了させ、寝床に着く瞬間、必ず起きて、こう言うのです。

「大丈夫か? 何かあったか?」

そう、いつも彼が起きるタイミングが、常に作業が終了したあとなのです。
当然、そのタイミングではトラブルは解決しているので、僕はこういうしかありません。

「大丈夫です。」と。

それを聞いて再び中野さんは眠ってしまいます。

わざとやってんだろ?と疑うほど、このタイミングで目を覚ますのです。


だんだん腹が立ってきた僕は、
作業を始める前は、わざと騒がしく着替え、終了後は、息を殺して静かに寝床につくようにしてみましたが、
それでも必ず、起きるのは作業終了後。そして一言。「大丈夫か?」

こんなコントが繰り返され、明け方。
雨は止んだのですが、風はますます強くなりました。
テントの鉄骨が悲鳴のような軋む音を上げ、ずっと揺れています。
あまりにも危険と判断し、中野さんを起こし、落ち着くまで外で待機していました。
ぼうっと明るくなった空と風に暴れるテントの風景は、不安でいっぱいだった時間の終わりを告げる
文字通り「夜明け」として僕も強烈に印象に残っています。


この時のことをこんなふうに中野さんは書いています。

-------------------------------------------------------------------------------------------------
尽くせる手は全て尽くした齋藤と危険を回避するためにテント外に出て、
しばらく天井のバウンドする青テントを眺めていた記憶があります。
(台風の記憶④より)
-------------------------------------------------------------------------------------------------




そりゃそうです。この時しか起きてないんですから。

この夜と足柄での台風の経験から、
台風の恐怖と台風番の地獄が骨身にしみた僕は、
『夜叉綺想』での万全の台風対策を行い、小屋番に劇団員を徴用しました。
結果、外に置かれたポリロープも飛ばない、無風で朝を迎えるのです。


イメージ 2.jpeg
台風の中、飛ばされなかったポリロープ(再現)


お分かりいただけたでしょうか。
これが僕の経験した、2012年6月19日、浅草の夜(恨み節)なのです。
改めて、こうして記憶を呼び起こしてみると、深々こう思います。

いろいろありました。
しかしながら、無事でよかった!

(齋藤)

10/5 (月) 台風の記憶 特別編 〜 齋藤版

2020年10月 5日 Posted in 劇団員note

こんにちは。突然の登場失礼します。
舞台監督の齋藤です。


皆様、最近の中野さんの連載記事「台風の記憶」、読んでいただいていますか?

今日のゼミログは、まずこれらのの記事を読んでいただいてから、お読みいただけると幸いです。


9/29(火)台風の記憶④〜2012年6月『木馬の鼻』浅草花やしき

10/3(土)台風の記憶⑦〜2013年7月『夜叉綺想』浅草公演



さて、これらの記事、読んでみて、みなさんどう思われましたか?

明らかに以下のようなニュアンスが含まれていませんか?


舞台監督の齋藤が、疲れて寝てしまった(という小さな失敗をした)中野さんに対して、

(恨みを込めて)戦力外通告をし、(そのトラウマから)心配性を振りかざし、

劇団員を巻き込み、(大袈裟な)対策した結果、空振りだった。


カッコ内は僕が補足しましたが、

端的に言えば、あの男は「齋藤がスベった」というニュアンスで文章を書いています!!



これについて、僕は異議を申し立てたいのです。



なぜ僕が過剰なまでの防衛を見せたのか、なぜ中野さんに戦力外通告を叩きつけたのか、

全ての原因は、中野さんと二人で台風に挑んだ、あの夜にあるのです。


中野さんも知らない、あの夜の真相を僕から皆さんにお話しさせていただきたいと思います。



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(余談ですが、この時のテントはテアトロの表紙にもなりました。)




時は2012年6月19日。台風の接近が迫る、浅草。物語はその日中から始まります。


この日、台風対策に追われている中、中野さんからこんな提案を受けます。


「台風対策を万全にした上で、俺とお前で二人で小屋番をやろう」と。

「役者に負担をかけられない、それに作業はできないけど、俺も一生懸命やるから。」と。


まず、前提条件として中野さんは作業ができません。

風が強いからといって、ロープを縛ったりほとんどできません。

それでは不安だし、本当に何かあった時に対応できないので、もちろん反対しました。


しかし、僕が放った「本当に作業してくれます?」の一言に、

「やるに決まってんだろ。疑ってんのか?」

とちょっとムッとしながらおっしゃたので、

僕は「ああ、失礼なことを言ったな。本気なんだな。」と少し反省をしながらOKしました。

劇団員にも「全員帰って大丈夫、俺と齋藤がなんとかするから。」と、少しヒロイックに話していたことが目に浮かびます。


そう、結果これがシンプルな前フリであるということを知らずに・・・。


(つづく)


先輩達の気配(熊野)

2020年10月 4日 Posted in 劇団員note
熊野です。

先日、重村さんがゼミログで書かれていたチラシの街置き、
僕の担当地域は、ここ数年の間ずっと新宿です。
唐ゼミ☆としては久しぶりの新宿公演ですし、
超満員のギュウギュウ詰めテント公演が難しい今だからこそ、
多くの人にやっていることを知って欲しい。
その想いで、
いつもならばヒヨって門を叩けずにいた
地下にある薄暗いバー
路地裏に佇む居酒屋
までも突撃しています。

そうすると、驚くほどに皆さん温かい。
快くチラシを受け取ってくださいます。
そして「唐」の字を見るや、ビビットに反応してくださいます。
流石は新宿。
唐さん達がずっと活動をされていた街ですから、
街に大先輩達の気配が色濃く感じられます


思いがけず所縁のある酒場や、
唐十郎ファンのお客さんに出会うこともあり、

「腰巻お仙を観た時に...」
「鷹さんが、ウチによく来ていたよ」
「シモンさんがさぁ...」
「李さんが...」
「根津はさぁ...」

と、突然現れた若造に対して
皆さん、本当に活き活きと当時の色々なエピソードをお話くださる!
いつまでも話を聞いていたくなる...。
中には、
「アイツにもし会うなら、金を返せと言ってくれ!」
という怒りをぶつけられた事もあり、
その時ばかりはチラシを受け取ってくださった御礼を告げ
足早にそのお店を後にしました。

これらのエピソードを伺っていると、
作品の魅力のみならず
人間的な魅力に溢れた人たちが集まっていたのだな
と思い到らせられます。


観に来てくれた方々に、
活き活きと思い出を語ってもらえるようにしなければ!
宣伝活動に出かけて、
新宿の街に漂っている大先輩達の気配を感じ
思いを新たに稽古に向かいます。


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9月21日(月)鼻と耳(米沢)

2020年9月22日 Posted in 劇団員note

最近の日ごとの気温差のせいで、鼻水がよく出ます。

鼻が環境の変化に敏感に反応します。

 

8月はあんなに暑かったのに、気候が変わり始めました。

でも天気予報みれば来週には30℃ぐらいまで気温が上がる日もあるようです。

と言っても「唐版 風の又三郎」の初日にはもっと気温が低くなっていると思います。

 

アメリカのデンバーでは9月の頭に、

あるの日の気温が33℃で、その次の日の気温が1℃で雪まで降ったそうです。

ニュースで見ました。

 

簡単なことで鼻が反応してしまうので、気温の変化は面倒です。

あまりにも暑い日に冷房をつけて、肌寒くなって鼻水が出ます。

部屋の気温が下がるのはいいのですが、鼻水が止まらないの面倒です。

 

温度変化だけではなくて、それ以外の環境の変化でも反応するので、

部屋の中から外に出たとか、逆に屋内に入ったとか、

ほこりがあるかないかなどの変化でもそうです。

 

今年の夏のある日の夜、稽古が終わって家に帰ると部屋が暑くて、

意味もなく冷房もつけずにボーっとしていたらなぜか鼻がムズムズして、

そのあと寝るまで鼻水が出続けました。

猛烈な暑さと鼻水が同時におそってきました。

 

今回の唐版風の又三郎の台本では「耳」の話題が出てきます。

http://karazemi.com/blog/cat60/58.html

中野さんもこのゼミログで触れています。

 

耳の穴でしたら鏡を使っても自分で見ることができないですし、

想像の余地があるような気がしますが、

鼻の穴というと鏡を使えばなんとか覗きこめますし、

穴が口につながっていることが感覚として分かります。

鼻の穴から入れた一本のうどんの麺を口から吐き出すという芸でも確認できてしまいます。

テレビで見ました。

 

でも、今、この文章を書いているうちに、鼻にも愛着がわいてきます。

 

耳でいうなら、僕は漫画家の鳥山明さんの描く耳が好きでした。

キャラクターの耳の形を見てかっこいいと思っていました。

ただちょっと、中に入るのは難しそうな耳です。


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みなさんは思い入れのある体の部位が何かありますか?

9/13(日)お茶の水実地見聞の旅(津内口)

2020年9月13日 Posted in 劇団員note

先日、禿さんに誘ってもらい、お茶の水に行きました。


『唐版風の又三郎』の三幕の舞台はお茶の水です。

唐さんは明治大学出身なので、とても身近な場所だったそうです。

私にとっての和田町みたいなものかなあ。

そう思うと、細部まで詳細に書かれた町の描写も納得です。


劇中のエリカの台詞にこんな記述があります。


「今日、お茶の水に行ってまいりました。陸橋の冷たい石に顎のせて暗い運河を見下ろし、あんたのために手を叩いたのよ。」


ということで、聖橋に到着した私たちも、エリカよろしく陸橋の石に顎をのせてみたのですが、

酷暑の夏、灼熱の太陽に照りつけられた欄干の期待を裏切る熱さに笑ってしまいました。

時期的にも正解のはずですが、真昼間だったのが敗因でしょうか。。。


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でも、思ったより緑が多いなあとか、確かに電車はエンコしそうだよねとか、

台詞に登場する町を思い浮かべながら過ごすのはとても楽しい時間でした。




他にも行ってよかったのは、ニコライ堂!


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(↑ニコライ堂。高台部分がわかる写真を撮り忘れる痛恨のミス)



美しい外観を見られたことはもちろんですが、特筆すべきはその立地。

というのも、こんな台詞があるのです。


「ニコライ堂が陥没したそうです。地面の奥にどんどん陥没してゆくそうです。」


インターネットで事前に見ていた写真ではわからなかったのですが、ニコライ堂は結構な高台に建てられていました。

これは確かに陥没する余地があるなあ!と納得。


充実の実地見聞の旅でしたが、後日中野さんのブログを読んで、

ジロー訪問の絶好のチャンスを逃してしまったことに気づき、悔しい思いをしました。

今も虎視眈々とジローチャンスを狙っています。


津内口

9/9(水) 多国籍講習(齋藤)

2020年9月 9日 Posted in 劇団員note
先日、「玉掛け」という技術講習を受けてきました。


言葉自体、あまり聴き慣れないとは思いますが、

クレーンなどの荷物を釣る際に、重さにあったワイヤーを選び、形状に合わせてワイヤーの掛け方を決めるといった、

荷物を吊るすために必要な技術講習です。


劇場などでも、重量のあるものを吊るすことが多く、また、今回の『唐版 風の又三郎』でも活躍することもあると思い

きちんと勉強するためにも先日受講しに行ってきました。


日程の都合上、インターで有名な海老名の学校に通ったのですが、

そこは外国人も受講可能なインターナショナルな学校でした。


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*テナントの組み合わせがなんとも言えない(ちなみに昔はラーメン花月もあったそうです)




僕のクラスは全15名中、日本4、中国6、フィリピン4、マレーシア1という、非常に多国籍なクラスでした。

授業は日本語で進行しますが、外国の方達には翻訳されたテキストと通訳の人がつきます。

つまり、授業が常に同時通訳されて進行するのです。

正面から日本語、左から中国語、右から英語、後ろからはタガログ語(多分)・・・。

コロナ対策で距離を開けて座っているために、音量も大きく、頭が痛くなりそうな状況で授業を受けました。



外国語対応がきちんとされてはいるのですが、一部そうでない部分もあります。

例えば、吊り上げる荷物の重さを測定するために、材質ごとの密度を覚えるのですが、

多国籍なクラスに対して、先生はバリバリ日本語の語呂合わせを教えてきます。


「鉛がイイヨ、鋼がナッパ、コンクリートはニッサン」(密度の語呂合わせ)


語呂合わせは海外に通用するのかどうか、むしろシンプルに数字を覚えた方がよいのでは・・。

という言葉が喉元まできましたが、「コンクリート ハ ニッサン」と大きな声で言っているみなさんをみて、

ぐっとそれを呑み込みました。


他にも


・通訳が勝手に通訳やめちゃう問題。

・教習所前に謎のフリーマーケット(商品の3割がシュノーケル)

・毎日行われる、駐車場についての注意と守らない外国勢

・段ボールの大きさを指を使って測る

・説明用の模型が、ティッシュの箱

・事務のお姉様たち、全員、ポルトガル語で会話

・事務のお姉様たち、全員、一般的な制服にビーチサンダルのコーディネイト

・教習ビデオが30年以上前のもの

・日本語がほとんど喋れない受講生マリオと頑固教官による物語。

 (「スパルタ実習」「緊張の試験」「合格後の感動的な和解」の三本立て)



結論から言えば、二日間の授業と一日実習、学科と実習の試験を経て、

無事に技能講習をおえることができました。

3日間でたくさんの事件があり、すごく刺激的な空間でした。



さて、『唐版 風の又三郎』もチケット発売になりました。

今日は主役の二人が濃密な稽古をしていました。zoom越しでも、面白くなるのがわかります。

それに答えるべく、裏方として準備に邁進しております!!

この免許によって、何かを吊ることができるようになりました。そう、何かを吊ることが。


是非お楽しみに!!



公演情報はこちらから




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*最後に事務所にあった多国籍な写真を一枚。


左から

日本製の竹笛、アジアンな笛1、アジアンな笛2、印籠、東南アジアの手彫りの置物、

そしてFBIの文字。このとき、後ろではポルトガル語が聞こえています。


9/7(月)前へ前へ。(ちろ)

2020年9月 7日 Posted in 劇団員note
立ち稽古が始まって、早3週間。

本読みで悪戦苦闘し、稽古場に立って
壁にぶつかりまくってボコボコの、ちろです。

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ダブルキャストの新木さん。頼りになる子です。

中野さんからのご指摘をなかなかクリアできず
毎回、いろんな意味で汗びっしょり。

でも、中野さんに、少し改善されたねと言われると
ちょっとだけほっとしたり、褒められて伸びるタイプの私(?)は
もっと頑張ろうと力が湧いてきたりする。(笑)

自分に足りないもの、出来ていないことを
ひとつひとつよく考え、実際に体を動かす。
この繰り返しを一生懸命やるしかない。

私は人の稽古を見ているのが大好き。
人の稽古をもっともっと注意深くみて
そこから学べることをしっかりつかみたい。

稽古場に大勢は集まれないため
シーンごとに最少人数集まっての稽古。
現場に行かれない人はZOOMで参加。
そういう現状。

実際に稽古場へ行くと、やはり映像での稽古と
生身の人間との稽古は違うということを感じる。

観劇と一緒ですね。劇場で観るのとオンラインとでは全然違う。
生身の人間たちが作り出すものを目の前で見るのって、やっぱり良い。
面白い。

今は半歩進んで一歩下がることも多々あり。
いつも前に進めるよう頑張ろう。


9/2(水) 背中(林)

2020年9月 2日 Posted in 劇団員note
稽古しています。
ZOOM参加の稽古が続いていましたが、
ようやく自分の登場シーンになり稽古場に行きました。

久しぶりに稽古場に行ってまず思ったのが
「背中!」でした。
というのも、ZOOMではすべて正面から見ていたので
ほとんど背中は見なかったのです。

そもそもせりふが通らなくなるし、
顔が見えた方がいいので、なるべくお客さんに背中は見せないことが多い。
けれど、同じ舞台上にいると背中を見ることは、かなりあります。


でも背中は意外と情報量が多い。
舞台上で喋りかける対象を変える準備とか
気持ちが変わった瞬間や、緊張感も、息を吸う動きもよくわかる。
登場人物というよりも役者の情報がどんどん伝わってくる。

そのくらい普通に見ていてもわかるのだから
正面から見ているお客さんにも膨大な情報が伝わってるんだと再確認しました。

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(今回、一番背中を近くで見るであろう鳳さん。)

集まれる機会も限られているので360°とにかく吸収して
日々すごしていきたいと思います。

明日からもまた稽古だ!!