2/3(水)2004年『盲導犬』の思い出(椎野)

2021年2月 3日 Posted in 劇団員note
「唐十郎戯曲を読む」ワークショップ2月のお題は
『盲導犬』です。

唐ゼミ☆での『盲導犬』初演は2004年7月。

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(2004年『盲導犬』のチラシ)

この時の上演は、ダブルキャストで、
稽古段階ではそれぞれ
Aチーム、Bチームと呼んでいましたが、
本番を前にして、唐さんがそれぞれのチームに
名前をつけてくださいました。

禿チーム→ヴェネチア
椎野チーム→コートダジュール

禿とわたしから漂うイメージからそのように
つけてくださったのですが、
「イタリア」「フランス」という国名でなく、
地名をつけるあたりが唐さん独特のセンスです。
唐さんはいたくそのネーミングを気に入って
終演後の宴会でも
「ヴェネチア」と「コードダジュール」という
音の響きがいいよね、
と嬉しそうに話していました。

さて、そういえば、この演目で
小道具に犬の胴輪(ハーネス)をお借りしようと
盲導犬協会に連絡したのですが、
担当者の方が作品を調べ、角川文庫の『盲導犬』
裏表紙に書かれたあらすじを読み、
不審がって断りの電話を入れてきたことは
鮮明に記憶に残っています。

折しも『盲導犬クイールの一生』という
ハートフルな映画が公開された直後であり、
「『盲導犬』をやるよ」というと、大抵
「クイール?」と聞き返されていた頃。
「盲人」「めくら」などという言葉が頻出する
作品にはそりゃ貸せないだろうなと
納得せざるを得ませんでした。

そして、胴輪を作るために、
禿とわたしは後輩の男子一人を巻き込んで、
稽古後の夜から朝9:00まで徹夜をして、
ひたすら胴輪を作り続けることになるのでした。

まだまだ演劇づくりに慣れていなかった頃、
必死に食らいついていっていたことが
身体の感覚としてのこっています。

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