3/19(日)少年王者(椎野)

2023年3月19日 Posted in 劇団員note
今年唐ゼミ☆が上演予定の『鐡假面』には
終戦直後に紙芝居として創作され、
のち単行本で大ヒットとなった『少年王者』という
物語の登場人物名が多く登場します。
アフリカの奥地で孤児になってしまった少年の成長冒険譚。
主人公・真吾が悪敵ライオンLと戦ったり、
乱暴な赤ゴリラからの攻撃を仲間の群れから守る。
弱いものをいたわり、よこしまなものを恐れさせる、
真吾の「あーあーあー」というお叫びは仲間を元気づける。

敗戦直後、親を亡くし、家をなくし、
希望も自信もなくした多くの子どもたちに、
勇気を与えたことは想像に難くありません。

敗戦直後を思うと、腰巻お仙に出てくる忠太郎のせりふも思い出されます。
かえるが泣くから帰るなら、
帰る家のない子にかえるはなんて泣くんだろう
やはり帰ろう帰ろうとないてらぁ
帰れない子のためにだけ泣いて、
帰れない帰るもいるんだなぁ

初めてこのせりふに触れた大学時代は
「帰る家のない子」が想像できていなかったなぁ。

劇画調の絵に、少し聞き慣れない言葉が並ぶこの本を
6歳の息子はいたく気にっており、夜は『少年王者』を
読み聞かせしながら寝床につきます。
(この本、室井先生から譲っていただきました)

今を生きる息子にはどんな風にうつっているんでしょうね。
とても気になります。

少年王者を読みきり、
あらためて『鐡假面』を読み直すのが目下の楽しみです。

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