3/3(金)清水に行く
2023年3月 3日 Posted in 中野note
↑終演後に齋藤を囲んで。右側は大学院の先輩にして、
かつて戸塚高校定時制に唐ゼミ☆公演を読んでくれた木村剛先生
これは2013年以来、実に10 年ぶりのことです。前回は、唐さんの娘さんの
ミニオンが出演する『美しきものの伝説』を見ました。
桐山知也さん演出の、ズラリと棺桶が並んでドキリとさせられる舞台でした。
あの時は、椎野や禿と一緒でした。
今回は、劇団員の齋藤亮介が舞台監督を務める
話題のダンスカンパニー・ケダゴロの公演を観に行きました。
『ビコーズカズコーズ』という作品です。
福田和子さんを題材にした75分のダンスでした。
殺人を犯すも警察に捕まらず、美容整形をして各地を逃げ回った女性。
時効寸前で逮捕された彼女がインスピレーションのもとになっていました。
逃げ回ろうにも、結局は「逃げられない」。
作品の中でカズコーズ(8人いるから複数形)を追いかけるのは
アイザック・ニュートンとアインシュタインで、彼らの論理から地球人は決して
「逃げられない」。新型コロナウィルスからも決して「逃げられない」というのが、
全編を読み解くキーワードでした。
要するに私たち人類は皆、福田和子なのです(タイトルそのまま笑)。
なかなか痛快な断言です。そういえば唐さんもかつて、
「世界はすべて台東区なのだ!」と高らかに断言したことがあります。
・・・実は、あまりにギリギリで会場に着きすぎて、
タイトルの意味、福田和子さんが題材になっていると知ったのは終演後で、
それでだいぶ得心がいきましたが、本当にサラの状態で見ながらも、単純に
「よくここまでダンサーの体をいじめるもんだ」
「よくこのようなセットと音楽の組み合わせを思いつくもんだ」
「よくこういった特徴ある演者を集めたもんだ」
という感心で75分間を観て、さらに終演後の客席でパンフレットを読んで
自分がいま観たものが何かを大いに納得したという鑑賞体験でした。
終演後に会った齋藤からは、ツアーを全うできた清々しさを感じました。
唐ゼミ☆もまた荷物軽めの公演を組んで、旅をしたいものです。
行きは鈍行の東海道線。
思ったより早く上演が終わったので、帰りもまた2時間半ほどの鈍行で
帰ってくることができました。交通費も安く、車中で読書して過ごす
小旅行の経験も良くて、イギリスで各地に旅した感覚を思い出しました。
行き帰りで読み切った本は、団鬼六の『真剣師 小池重明』です。
これがまた破格の面白さだった。なんだか、『ビコーズカズコーズ』とも
重なる世界を持っているような気がする。
時間が無くて漁港や海鮮丼とは無縁だったけど、充実の清水行きでした。
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