5/12(月) 演劇のゆりかご(齋藤)

2024年5月13日 Posted in 劇団員note

過去、唐ゼミに出演してくれた、松本一歩くん、丸山雄也くん、小川哲也くん、
この3人が所属している劇団『平泳ぎ本店』の野外演劇が、今週末に本番を迎えます。

今回、舞台監督として、こちらの公演に携わらせてもらっています。


第8回公演 戸山公園野外演劇祭参加作品
『若き日の詩人たちの肖像』
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場所は戸山公園。ピンとくる方も多いと思いますが、
そうです、1966年に唐さんたちが『腰巻きお仙-忘却編』の公演を行った、"灰かぐら劇場"、その場所です。
(主催である一歩くんがここについてはnoteに書いています)


平泳ぎ本店の主催である、松本一歩は不思議な男です。
筋肉隆々の体を持ち、その体に似合わず、知識に対して貪欲。
『演劇』というものの正体を見極めようとしているのか、
いつもまっすぐと何かを見据え、ぐんぐんと進んでいく姿は、どこか狂気を感じることもしばしば。
一生懸命が故に、たまに空回りしており、そんな姿を見ながらかわいい後輩だなぁ、と思うこともあります。

そんな一歩くんが、今回の公演にあたり、クラウドファンディングを行なっています。

一枚の舞台の床が、才能のゆりかごに。 
野外で自由に演劇を上演できるようにするための所作台をつくりたい。
(クラウドファンディングページ)

簡単に説明すれば、戸山公園の石畳の野外ステージに、平台を作りたい。
そしてそれを、資金や技術がまだないであろう若手の演劇人のために
いつでも貸し出せ、また彼ら自身でも簡単に設置可能な平台にしたい。

本当はリンク先の文章をぜひ読んでいただきたいのですが、
熱い想いのこもった文章なのでこちらに少し抜粋。


今回このプロジェクトで私たちがつくるのはただの舞台の床ではありません。
これから先、野外で演劇作品を発表したいと考える人たちの表現の可能性を広げるための 大切な舞台機構です。 
現在東京の小劇場界ではこまばアゴラ劇場の閉館を受け、若い人たちが演劇作品を発表できる場所や機会がどんどん少なくなってきています。
東京のみならず日本各地でもまた、小劇場と呼ばれる場所が次々と閉館の憂き目にあっている現状からも目を逸らすことができません。 
こうした状況に、ひとりの演劇人として、自分にできる範囲でひとつの応答をしたいと思いました。 
そうはいっても、新たに劇場を建てることは私にはとてもできません。
ただ土やコンクリートの地面の上に、木でつくった 床板をたった一枚敷くことで、
その場所の野外劇場としてのポテンシャルが大きく開花し、
若い才能のゆりかごとなるような役割を果たすようになるかもしれないという妄想を今、強く抱いているのです。


自分よりも若い世代が、未来の演劇を見据えていて
そいつらが、その実現のために僕を指定してくれて
場所は若かれし頃、唐さんが公演した場所であり、
そこが未来のための「ゆりかご」になる。


襟を正して、ことに臨もうと思います。
もしよろしければ、公演を、また未来のために少しだけでもご投資していただければと思います。


齋藤



ちなみに、こんなにまっすぐな熱い思いがあるからこそ、
こういう役がおもしろかったりします。

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まっすぐな松本一歩氏(『唐版 風の又三郎』より)



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