1/3(月)京都のジェンダーレス
2022年1月 3日 Posted in 中野note
しかし、さすがに昨日はお正月ということで、お休みしました。
今週のWSは5日(水)に振り替えです。
本日は一人で京都に行ってきました。
目的は二つ。一つは広隆寺に行きたいと思いました。
もう一つは、四条烏丸にある「ラ・ヴォーチェ京都」という
レコード・CD店に行くためです。
10時半頃に名古屋を出て京都に向かいました。
新幹線の窓から雪の関ヶ原や米原が見える。
京都駅で降りると、そこからはざくざく歩いてお店に。
あらかじめ電話してあったので、ご店主は温かく迎えてくれました。
前回は出張の帰り、ものの本で紹介されていたこのお店に
初めて伺ったのです。選りすぐりの品物が陳列された棚と
ご店主のお話は、私にとって未知の世界でした。
その時、一角を占める「SYMPOSIUM」というレーベルが目につき、
質問したところ、20世紀前半のレコードを中心に復刻した
このシリーズの豊かさについて、丁寧に教えてくれました。
その日はご店主にオススメをリクエストして、
Albert SpaldingというヴァイオリニストのCDを買いました。
帰って聴いたらこれが良かった。有名な『悪魔のトリル』には
数多くの録音がありますが、以来、1番の気に入りになって
たびたび聴いています。
そのようなわけで、今日はご店主にロンドン滞在中に訪ねるべき
劇場、演奏会場、博物館、レコードショップ、飲食店について、
指南を受けに行ったのです。
ロンドンには300回くらい行った。ヒースローは1,000回くらい
利用しているというご店主のアドバイスは的確で、1ヶ月後に
拡がる世界が愉しみになりました。
今日も何枚かのCDを買いましたが、
新たに英国の「OPAL」というレーベルについて教わりました。
その中から『THE LAST CASTRATO』というディスクを購入。
最後のカストラートと云われるAlessandoro Moreschiの歌曲集です。
カストラートの禁止は1878年、
エジソンが録音技術を発明したのが1877年。
両者の共存が難しいのはこのためですが、
ここに貴重な録音があって、初めて本物のカストラートを聴いています。
女性の高音と男性の持久力や力強さの共存。不思議な歌声です。
今回もこの店でしか手に入らない品物と情報。
それから広隆寺を目指しました。
四条大宮から嵐電に乗り、太秦広隆寺で下車。
約10年ぶりの拝観です。あの時はひたすら弥勒菩薩半跏思惟像を
目当てに来ましたが、今日は他の仏様を愉しむ時間的な余裕も
ありました。特に文殊菩薩を面白いと思いました。
お釈迦様の弟子たち随一の知恵者ゆえに
"文殊の知恵"ということばがあるわけですが、キレ者にしては
親しみやすい丸顔で、本当の知性とはシャープな細面でなく
こういった福々しさに宿るものかと感心しました。
もちろん、弥勒菩薩半跏思惟像の前でもしばらく過ごしました。
ここにも男女の別を超えた表情がある。
それにしても、仏像の保存のために薄暗く暖房もわずかな
寺院内の底冷えは半端なく、警備員さんの苦労が察せられました。
充実の数時間を経て、夕方になると急激に底冷えする京都を
後にして、満員の新幹線に立ちっぱなしで名古屋に引き上げました。
通路もびっしり埋まった自由席の車内が、2022年の始まりを告げています。
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