1/2(日)二人の美少年(椎野)

2022年1月 2日 Posted in 劇団員note
あけましておめでとうございます。
2022年になりました。よい年をお迎えいただいておりますでしょうか。
どうぞ本年もよろしくお願いします。

お正月は1日から名古屋の中野家ご実家にお邪魔しています。
移動のドタバタ劇(詳しくは昨日のゼミログヘ)は、いつもの規定路線。
移動直前にこどもが高いところから落下し救急車で運ばれたこともあり、
どんなゴタゴタがあっても「命さえ守られれば、ま、いいや」
と肝も座ってきました。

さて本日2日。大人の数が多いということで、
思いがけず育児の半休をもらい、一人時間という僥倖。
中野のススメもあり、いざ映画館へ。
慣れぬ名古屋の地下鉄に乗り込み、素敵な熟年カップルが
電車の揺れや、マスクでお互いの声が聞こえないということを理由に
「キャッ」と身体を寄せ合い仲睦まじく過ごしているのを眺め、
ニッポンは平和なり、とつくづく感じ入る名城線の車内。
一人で映画に行くなんてあまりに久々なので
いろんなものが目に入ってきてしまいます。

伏見駅、徒歩1分。向かうは伏見ミリオン座。12:20開演。
さて、昼ごはんはどこでたべようか。
いつもの習性で「吉牛でパクッといきたい」という誘惑を腹の底にしまい、
せっかくなので行ったことのない店に入ろうと、
サラダを売りにしている洒落た店へIN。
しかし、お洒落すぎて、注文の仕方がわからない。
店員さんに聞けば、サラダと辛い豚肉の下にお米のあるものもあるとか。
「つまり丼ね!」といわゆるプルコギ丼を選択。お値段は張ったが、
思いも寄らず好みのものに辿りつくことに成功。

さて、映画館で何を観たか。『世界で一番美しい少年』。
ルキノ・ヴィスコンティ『ヴェニスに死す』でタッジオ役を演じた
ビョルン・アンドレセンの壮絶な人生を追ったドキュメンタリー。
もともと生い立ちからあまり恵まれているとは言い難い、
人間離れした美しさを持った非常に繊細な少年が、
巨匠ルキノ・ヴィスコンティと出会い、その後の人生に
完璧な致命傷を負わされ闇へと堕ちていく。
しかし、そこからすこしずつ立ち直ろうとしていく物語でもあります。
とにかく少年時代の彼はとことん美しい。
映画の公開は1971年。ちょうど状況劇場が『吸血姫』を上演していた頃。
彼は特に日本での人気が一番高かったそう。
白人、碧眼、金髪。彫りの深い顔立ち。文学性ありすぎる横顔。
今回はじめて知ったのは、
彼が日本語の歌謡曲(『永遠に二人』)を発売していたこと。
この歌。かなり流暢な日本語で歌っている。
この少年の才能はきっともっとあったに違いないけれど、
その容姿とあまりにもマッチした傑作が世に出されてしまったがゆえ
容姿だけが一人歩きし、
中身の自分がおいてけぼりを食ってしまったかのようだった。
エンドロールでは『永遠に二人』が
ドナドナのように悲しい響きを残していました。

220102zemirogu.jpg

この「美少年」という存在。唐さんの作品にも登場しますが、
こと唐さんに関わる映画といえば『犯された白衣』。
この映画の主人公「美少年」役こそ唐さんご本人であります。
VHSを家に所有しているのですが、義理の姉に発見され
エロビデオと間違えられ(ある意味間違っていない)
なんだか気まずい思いをしました。
この作品、今見ると違った味わいがあるかもしれません。
美少年には狂気が宿ります。

さて、ここで話はかわって、お知らせです。

今年1/22(土)から新企画がはじまります!
唐十郎劇中歌ワークショップ
講師は我が劇団員・林麻子。
音大出身の彼女は、まずその劇中歌に魅せられ
劇団に入団してきました。
彼女の劇中歌愛を是非一緒に味わい、
声に出していただければと思っています。
どうぞよろしくお願いします。
唐十郎劇中歌ワークショップ.png
詳細はこちら



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