9/13(月)ワークショップレポート(佐々木)
2021年9月13日 Posted in ワークショップ
こんにちは。佐々木あかりです。
本日はワークショップのレポートです。
今週の作品は先週まで取り組んでいたジョン・シルバー四部作の最終作、
『あれからのジョン・シルバー』でした。
『ジョン・シルバー』では戦争を思わせる表現がありましたが
(小男が戦災孤児)
先週までの『ジョン・シルバー(続)』で遠ざかっていました。
しかし、『あれからのジョン・シルバー』は時代が立ち上り、戦後に近づきます。
ヒロイン小春は"春子"という名前に変わり、"金魚館"という
娼婦の館でストリップショーの様な事をするダンサーになりました。
そして、湘南の喫茶店を経営していた紳士も、ぼうふらを売る闇屋に落ちぶれています。
作品冒頭、春子は商売をする前にお風呂に行こうと石鹸箱を開くと、
ほら、これからお風呂に行くと言うのに、この間のオブがこんなにたまっちゃって......
もう海は石鹸箱に残った昨日の残り湯くらいしかないと淋しくもあり、
こんなところにも海がある、とギョッとします。
そして今作で、春子はシルバーらしき男、花形と出会います。
彼はびっこを引いていて、"春子"という姉を探しています。
"花形"は『巨人の星』の花形満から来ていますが、お姉さんを好きなのは"星飛雄馬"。きっと混じってしまったのでしょう。
幼いころに姉の春子と二人で暮らしていましたが、闇屋(当時はまだ紳士)にかどわかされ、行方知れずになっていました。
(闇屋は小春が振り向いてくれないので、やけになって"春子"と"小春"と名前が似ていたから手を出したのでしょう。)
闇屋と一緒にいて、石鹸箱のお湯をこぼす癖まで一緒の春子(小春)を見て、姉だと勘違いします。
その後春子は花形の経営するダンスホールフロリダで働くようになります。
そこにいよいよ闇屋が登場。腐れ縁となっても未だに追い続けられています。
闇屋は亡霊のようになっていて、切り裂かれてもダメージを受けず、
いつの間にか本体はズボンになっています。(なぜかはわかりません。)
春子は私がジムになればシルバーが帰ってきてくれるのではないか、と
『宝島』の主人公、ジムになることを選びます。
ドレスの中にはジムの服。
春子はピストルで撃たれ、意識もうろうとしている時、
花形が心配で寄ってくる姿がシルバーに見えます。
ここで一幕は終わり、二幕は花形が春子のことを姉のように好きになっていくというストーリーです。(いつか細かくやりましょう!)
そして三幕は舞台は水族館、春子はなぜか水族館の受付嬢に。闇屋は未だに小春を追い続けています。
春子の背後に虚無僧が立ち上がります。春子の後ろから呼びかける男。
彼は花形の身体を借りた帰ってきたシルバー。彼はこんな事を言います。
体中が借り物なんだよ。高速道路トンネルの中をふらついていたら、鉄道病院につれてかれた。熱にうかされながら、見た夢の中で、私の体のスミズミを喰いちぎっては、持ってゆく人がいた。
つまり、シルバーはもう死んでいた。と春子に告げます。
彼はシルバーであり、花形でもあるので、姉さんへの思いで私に迫ってきているんじゃないかと気にしますが、
それも乗り越えて一緒になろうとします。しかし、春子は死んでいるシルバーとは一緒になれないと拒絶します。
そして春子は自分のことが好きな闇屋の部下、黒犬を騙し、闇屋を殺させます。
また、黒犬のことも騙し、ナイフで刺します。しかし黒犬によって右足を切り取られてしまいます。
黒犬は右足を口に加え去っていきます。
足を切られ、いつの間にやら白いスーツにソフトを被った小春は
ちくしょう。切られた足に夜風がしみるぜ。西瓜をありがとうよ。どこぞの誰かさん。
僕もこれでなかなか忙しい身だ。明日はどこの巷に行ってることやら。
あんたのズボンをはいてこうやって街灯の下に立っていると、今まであった都が、とほうもなく遠い焼け野原。
ほらセミが鳴き、どこかで水道の水がこぼれる。
ああ僕はあんたの分まで生きるんだ。思い出はあんたの義足。
あんたの思い出を蹴上げながら、僕はこの地を横切って行くんだ!
彼女は自分自身がシルバーとなることを選び、一人で生きてゆく覚悟を決めるのでした。
来週からは公演前特別企画として、先日ついに公演詳細を発表しました『唐版 風の又三郎』を追っていきます!
よろしくお願いします!
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