6/23(火)エメロンシャンプーと『ガラスの少尉』

昨日の続きです。
あらすじの前に押さえておかなければならないCMがあるのを思い出しました。
商品はライオンから出ていたエメロンシャンプーです。
1965年に発売になり、2005年に生産停止したこのブランドのシャンプーは
1971-72年にかけて人気CMを生み出しました。
CMの内容はこうです。
小林亜星さん作曲、ハニー・ナイツが歌う『ふりむかないで』がかかり、
レポーターの男性が、当時は大きかったマイクセットを肩からかけて
繁華街に出ます。そこで、道行く女性に後ろから声をかけて、振り向いてもらう。
髪の美しい女性に、どこのシャンプーを使っているか尋ねる、という設定です。
すると、当人はワーキャーいってはしゃぎ、あるいは逃げる。周りも注目する。
それがウケたのです。個人情報保護を気にする現在では難しい設定ですが、
当時は東京の各町、仙台、名古屋、福岡など、各地に出かけてこれが撮影された
ようです。YouTubeでいくらも見ることができます。
『ガラスの少尉』冒頭はこのCMを応用しています。
レポーターの「中年男」が「少女-ミノミ」に声をかける。
これが主人公ふたりの出会いです。
ところが、「ミノミ」は引っ込み思案で、撮影は上手くいかない。
「中年男」は何とか盛り上げようとしますが、放送できない
余計なことばかり言って、「上司」に咎められる始末です。
変わっているのが、これらがジェット旅客機のなかで行われるということです。
そう。『ガラスの少尉』ぜんたいが、新婚旅行やレジャーに向かう人々で
浮かれにぎわう飛行機のなかを基調に進行します。
そこから、「ミノミ」の働くガラス工場や往来、喫茶店、といった場面に
次々と移り変わっていくところが、他の唐十郎台本とまったく違っています。
もともとがラジオドラマであったからこそ、こういう場面転換があるわけです。
「中年男」はCMガイをクビになります。
「ミノミ」は工場で、「主任」さんにエコひいきされながら同僚の女子たちに
嫌われています。そういう具合に上手くいかない二人の人生が運命的に
絡み合っていく。その入り口まで一昨日は読みました。
次回から本格始動です。
もとが公共電波に乗った作品ですので、ぜんたいの進行は不思議ですが、
会話のやり取りはかなり平易です。次回から4回をかけてスピーディに
読み通せる内容です。次は6/28(日)19:30から。


