4/28(火)『黒いチューリップ』観ました

↑当日パンフレットに解説を書かせてもらいました

今日は新宿花園神社に行きました。
新宿梁山泊の『黒いチューリップ』を観るためです。

金守珍さん演出の特徴はいくつもあって、
パチンコ屋員である「天魔」や「グリコ」をクローズアップ、
大勢の女優陣が活躍して、パチンコ台の精を実体化したこと、
タクシー運転手「菊地」、刑事「泡小路」が出番の終わりに発揮する人情、
などなど。

大塚さんの美術、一幕のアクティング・エリアの切り出し方が
見事でした。俳優がのびのび演じられて、しかも、少量のパチンコ台で
店の喧騒をみせる工夫がなされていました。
二幕のセットのシンボルについては本物を使っていて、さすが。

この劇はあまり陰惨でなく、ぜんたいが明るく、可愛らしく、
ファンシーにできています。そういう雰囲気を引っ張っていったのは、
ダブルヒロインである「ケイコ」と「ノブコ」を演じた
カンナさんと鴨さんです。引きこもりがテーマですが、朗らかに明るい。
特に「ケイコ」が警察に捕まるところのやり方は、あれが正解だと
すごく感心させられました。

梁山泊の公演は、開演前から若手の皆さんが溌剌としていて、
とても良い風が吹いています。
それは、近年に金さんが注力して、そういった皆さんにテント演劇や
唐十郎作品の魅力を伝えてきた成果だと、頭が下がります。
「エコー」「サワヤカ」「春太」「ナルヒサ」「花嫁やよい」といった役柄、
この劇で重要な「パチンコ店のお客」「タクシー運転手」「警察学校の生徒」
に、そういった勢いが活きています。

20年も前に自分たちも上演した劇なので、当時の劇団員や
彼らのせりふがいくつも甦りながら観劇しました。
唐さんの可愛らしさが全開の演目です。