第16回公演 『ジョン・シルバー 愛の乞食』
【あらすじ】
生命保険会社で働くサラリーマン田口(たぐち)は、立ち寄った公園のトイレで奇妙なオバさんを目にする。
ミドリのオバさんの恰好をして執拗に田口を引き止める彼女こそ、戦前の日本海に名を馳せ、
朝鮮を荒し回った元海賊の尼蔵(あまぞう)であった。
尼蔵に呼応するように、続々と公衆トイレに集結する元海賊たち。
皆、海賊家業からは足を洗ったが平々凡々な日常に退屈し、かつての海に思いを馳せていた。
そしてその中に一人の不思議な少女、曼珠沙華(まんじゅしゃげ)もいた。
大正時代、満州。曼珠沙華の働く酒場に粗暴な男達が現れた。
男達は女達を襲い、金歯を奪う「金歯組」と呼ばれる海賊だった。
曼珠沙華は、女達の無念を晴らすべく、海賊達に襲いかかるものの逆に捕まってしまう。
その時、一人の憲兵が現れ、彼女を救う。
義足に松葉杖、肩にオウムを乗せたその男は、だんたんと曼珠沙華と思いを通わせていく。
が、逆襲に来た海賊達によって、殺されてしまう。
――あの男は、果たしてあのジョン・シルバーだったのか?
海賊をやめた後に訪れた日常。その中で見つけた「獲物」を見せ合ううち、仲違いし殺し合いを始める海賊。
皆が息絶え、踏み込んだ警察によって曼珠沙華が連行されてしまうと、
田口に流れていた海賊の血が、ジョン・シルバーの血が滾り、警察に襲いかかる・・・。
数日後、騒ぎの収まった公衆便所に一人の男の姿があった。
義足に松葉杖、肩にオウムを乗せた田口は、海賊となり、曼珠沙華を探しに海へと旅立つのであった。
【キャスト/スタッフ】
作・監修=唐十郎
演出=中野敦之
ミドリのおばさん実は元海賊の尼蔵=安達俊信
生命保険屋田口=土岐泰章
刑事(元海賊)馬田=熊野晋也
刑事(元海賊)大谷=石原弘海
イザリのチェ・チェ・チェ・オケラ=佐藤悠介
少女万寿シャゲ=禿恵
ザ・ガードマン/復員兵の男1=重村大介
復員兵の男2=寺部隼人
落花生=さくら(herringbone)
酒場の女=小松百合
警官1=椎野裕美子
警官2=関緑
ドラ係=水野香苗
舞台=安達俊信
美術=植村まき子
照明=斉藤亮介
編曲=サトウユウスケ
音響=高次琴乃
小道具協力=砂田和美
宣伝美術=k.徳鎮
HP製作=五十嵐靖也