第7回公演 『盲導犬』
【あらすじ】
自身の盲導犬とはぐれてしまった影破里夫(えい-はりお)は、新宿のコインロッカーに犬を探しにやってきた。
犬の名はファキイル。盲導犬らしからぬ"不服従"の犬であるファキイルは、破里夫を置いてどこかへ行ってしまったのだ。
破里夫はそこで一人の女、奥尻銀杏(おくしり-いちょう)に出会う。
銀杏は三年前、今は亡き夫によってロッカーの330(ミサオ)番に、
かつての恋人との思い出を封印された女だった。
毎日毎日、服従するように百円入れるためにコインロッカーに通う銀杏。
そんな銀杏の前に、偶然かつての恋人タダハルが通りかかる。
彼は銀杏への思いを断ち切り、厳しい盲導犬学校の生徒として新たな人生を送っていた。
銀杏は亡き夫からの服従から逃れるためにタダハルをけしかけ、タダハルに自分を襲わせる。
その時、盲導犬学校の先生の姿を借りた、夫の亡霊が現れる。
亡き夫は銀杏を再び服従せんとする為に現れたのだ。盲導犬の胴輪をつけられ、再び服従させられてしまう銀杏。
破里夫はそんな銀杏を助けようと、バーナーで胴輪を切ろうとするが、
再び現れた先生とその生徒によってリンチを受け、倒されてしまう。
タダハルへの思いを完全に諦め、夫に屈した銀杏は、タダハルとの思い出を捨てるためついにコインロッカーを開ける・・。
その瞬間、ロッカーからファキイルが飛び出し、銀杏ののど元を噛み切っていく。
ファキイルによって解放された銀杏は、歓喜に満ちた声でファキイルを呼び続け、
ロッカーの前に倒れていくのであった・・・。
【キャスト/スタッフ】
作・監修=唐十郎
演出=中野敦之
※Wキャスト公演(【A】チーム ヴェネチア/【B】チーム コートダジュール)
影破里夫=渡辺幸作【A】
新堀航【B】
フーテン少年=前田裕己【A】
土岐泰章【B】
婦人警官サカリノ=古川望【A】
伊東しげ乃【B】
銀杏あるいはトハ=禿恵【A】
椎野裕美子【B】
犬屋の主人=土岐泰章【A】
前田裕己【B】
刑事=清末浩平
三人の女=椎野裕美子【A】
禿恵【B】
古川望
伊東しげ乃
先生=杉山雄樹
研修生=錫村聡
伊吹卓光
小林佑基
タダハル=小川尊
音響=田村団
照明=斉藤亮介