夏の新人公演 『煉夢術』
2005年7月 1日
【あらすじ】
そこは時計塔のある夜の「町」。
地図に無い、時の刻まれない「町」。
その町の住民は、皆なにかを探している。赤い蝶、墓標の名前、いなくなった息子。
そしてこの町にやってきた男もまた、
かつてどこかで聞いたことのあるオルガンの音色を、そしてそのオルガンを弾く少年を捜していた。
彷徨い歩くうちに、男は時計塔の地下でオルガンを見つける。促されるままにオルガンを弾く男。
しかしその音は町の誰かが消えるための合図であった。
女の腹から堕胎される子ども。知らぬ間に青年はその罪を背負わされてしまう。
裁きの場へと誘うバスは十字路前の停留所から発車する。
停留所では多くの人がバスを待ち、番号で呼ばれている。男にも「七万九千二百六十四番」の番号が与えられ、
さらに見覚えの無い母親と父親、そして「オルガン弾きの少年」という過去の自分をも、町は与えようとする。
十字路に立ち、男は決意する。
町の与える全てのものから脱け出るために、自分の足で歩いていくことを。
あてども無い道を、荒野のごとき十字路の先へと・・・。
【キャスト/スタッフ】
作・監修=唐十郎
演出=中野敦之
ある男(ある時は地図売り、ある時は時計直し屋)=土岐泰章
町の男=伊吹卓光
町の女=禿恵
老人=小林佑基
人体模型人形(黒子が操る)=田村団
黒い服の男A(ある時は白衣の人)=山崎雄太
黒い服の男B/受付人=杉山雄樹
老婆=椎野裕美子
偏執狂=前田裕己
足枷=松田尚之
作曲=サトウユウスケ
編曲=五十嵐靖也 寺坂裕治
ギター伴奏=長門洋平
音響=田村団 椎野裕美子
照明=斉藤亮介
舞台監督=前田裕己
美術=関緑
チラシ作成=k.徳鎮
HP作成=安達俊信