9/14(月)『ベンガルの虎』本読みWS 第7回

定例は日曜日が基本ですが、
昨晩も立て込んだので、今週も月曜開催の本読みオンラインWS。
先ほどまで、参加の皆さんと『ベンガルの虎』二幕の中ほどを読みました。
ここは、それはもう全体にとって重要な箇所で、
これまで積み上げてきた物語がひっくりかえるような仕掛け、
せりふに溢れている、そういうシーンです。
驚きとともに読み進めました。
まず、時間と空間自体は、先週の第6回の段階で、
明治38年のバッタンバンに移行しています。それにともない、
花月園競輪場の車券売りだった「おこそ頭巾の婆ア」たちは
南洋の「からゆきさん」になりました。
そこへ、「俗物」の扮する「村岡伊平治」が乗り込んできます。
「伊平治」こそは、明治中期〜大正〜昭和初期の南洋において、
娼館を営んだ大立者だからです。
そして、彼の口から、脅威の事実がいくつも明らかになります。
1.「象牙」とは、南洋に死んだ「娼夫たち」のこと。
2.即ち、「象牙を送る」とは、「娼婦の人骨を送る」ことを意味する。
3.その娼夫のなかに、「カンナ」の母「マサノ」がいた。
※ここまでで、一幕の最後にやってきた行李の中身が人骨であり、
母「マサノ」の骨であったことが強烈に匂う
つづいて、
4.「カンナ」は、母「マサノ」がバッタンバンにおいて現地の青年と
恋に落ち、駆け落ちの果てに生まれた子どもであること。
5.その際、崖から落ちて父は死に、虫の息の母「マサノ」から、
「カンナ」は生み落とされた。
6.ほどなく死んだ「マサノ」は行李に詰められ、バッタンバンから
長崎に船で送られる。さらに陸路で東京へ。
7.しかし、「マサノ」の母はこれを拒絶し、長崎へ送り返された。
8.生まれたばかりの「カンナ」はどうなったのか。
9.何がしかの力で行李に「マサノ」の死体とともに詰められて、
同じ道を歩んだか。生まれてすぐに死んだのか。それがわからない。
10.にも関わらず、入谷町三で育ち、女教師となり、水島の妻だと
主張する「カンナ」は生きている。
という事実が、「伊平治」と「カンナ」のやり取りから明らかになります。
つまり、それまで物語の中心であった「カンナ」という存在が、
一気に揺さぶられてくる、というシーンが、今回の箇所でした。
かなりの激変、かなり情報ですが、
これらが、特に「伊平治」のせりふのなかで一気に明かされていくところに
この『ベンガルの虎』の、トラップにも似た難しさがあります。
行李の恐ろしさが浮き彫りになった二幕中盤。
これをよく味わいながら過ごした2時間の本読みでした。
次回は、9/20(日)の開催です!

