10/27(火)『ベンガルの虎』本読みWS 第11回 その②

昨日の続きです。
『ベンガルの虎』を通じて、押さえておきたい点を断片的に書いて
締めくくりにします。

・「カンナ」は、南洋で生まれてすぐに死んだ乳児の骨と
捉えることができるでしょう。
・『ビルマの竪琴』の水島が南洋に散る遺骨を供養するなかで、
たまたま、「カンナ」の骨を拾った。そこから、「カンナ」は
「水島」を夫と頼むようになった。その魂は母「マサノ」の
実家である入谷町」へ。
・「左近&右近」も生きている可能性がある。が、彼らが三幕では
朝顔市の面々の一部になっていることを考えると、三幕では死んでいる。
・三幕に出てくる「行李のゲート」。あれはわかりやすく、彼岸と此岸の
境界線。
・一幕、「カンナ」は夫「水島」が送った象牙を待っていた。が、
実際に行李が届いてみれば、なかに入っていたのは「人骨」。
ここをはっきり表現するのが、上演のコツ。
・二幕、「カンナ」が競輪場へ来たのは、ここで大穴を当てて
お金を手にいれ、南洋に行って「水島」に人骨の謎を問いただす
ためではないか。
・二幕で自分の出自が揺らいだ「カンナ」は、不安にかられて、
三幕では地元・入谷にやってきた。
・「ミシン売りの中年男」にして「予想屋の将軍」。彼は、
『ビルマの竪琴』に出てくる頑固者の隊長なのではないか。
「水島」の静止を振り切って玉砕を選んだ三角山の「隊長」が
転じて「将軍」になったのではないか。
・この物語中、ほんとうに生きているのは「銀次」だけ。
・カンナの花の一種、オレンジ色の「ベンガル・タイガー」から
この劇のタイトルが生まれたことは間違いないでしょう。
・この劇は、人はみな南洋に向かい、南洋に散っていく、
という景色で終わります。「銀次」だけは、そこで散らず、
死者にも取り込まれずに生き延びることができるか、と
問いかけているようです。

・・・と、このあたりで『ベンガルの虎』は終了です。
普段からのオンラインWS受講者の方は、公演を通じて劇団の
応援団であり続けてくださいました。感謝でいっぱいです。
また、公演を観て、一緒に台本を読むことに興味を持って
下さった方がいることも、とてもうれしいです。

『ベンガルの虎』を上演したことで、来週から始まる
『唐版 風の又三郎』が唐さんのなかでどう構想されていったのか、
以前より格段に理解が深まりました。そのあたりを語り尽くす
オンライン本読みを展開していきます。全12回。
どうぞよろしくお願いいたします。