代表よりあいさつ
2019年11月 3日
唐十郎の劇を極める
代表 中野敦之
気付けば、前回この「あいさつ」を書いてから5年以上が経ちました。
そこで、これを更新することにしました。
前回の文章を久々に読むと、
「劇団では唐さん以外の作品をやらない〜云々」と書いてあります。
バカな!
あの直後にやなぎみわさんに書いてもらったし、
2015年には望月六郎さんにもお世話になった。
もう言ったことをぜんぜん守っていない。
我ながら、自らのいい加減さに驚いています。
また、2014〜15年といえば、一旦テントを脇に置き、
トラックの荷台を用いた囲いをした程度の劇空間を追究したり、
さらに文字通り丸腰の野外上演で環境と芝居の一体化を図るという実験が続きました。
これらはフットワークがやたら軽く、
おかげで、長野、名古屋、大阪、秋田、山形、石巻、仙台と、
行動範囲を広げることができました。
その後、現在に至るまでの4年間は原点に帰り、
『腰巻お仙』と『ジョン・シルバー』の両シリーズを極めようと躍起になってきました。
その最大の成果は、つい先日の『ジョン・シルバー』三部作一挙上演でだったと自負しています。
甘いところは甘く、辛いところは辛く、可笑しなところは可笑しく、
切ないところは切なく、バカバカしいところは精一杯真面目にバカバカしく、
こういったことができるようになってきました。
また、三部作上演では今まで力を貸してもらってばかりいた唐さんに、
少し、ほんの少しお返しができたのではないかと思っています。
何せ、ご本人もやらなかったわけですから。
これまで、唐ゼミ☆は演目的に、どちらかといえばマニアック路線を走ってきました。
唐十郎門下として、世間や他の演劇人が注目しない作品にスポットを当ててこそ私たちだ、
そういう思いが強かったからです。
しかしここからは舵をきります。
いわゆる傑作に、初演時の成功作に、これからは挑もうと狙っています。
誰もが上演したがる作品を、誰もができないレベル、深度、多彩さ、振幅の激しさに到達して上演できなければ、
「唐ゼミ☆」を名乗る資格はありません。
王道にして新機軸を、これからはやります。
どうぞよろしく!
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