6/17(水)これも至難のせりふ

↑船長や上級職でなく、手前でオールを漕いでいる下っ端海賊だと
「よおがす!」とか返事しそうですね。翻訳文学から生まれたおもしろい
日本語です

電車の中で『宝島』を読み終えました。
勢いよく読み始めたものの、忙しさにかまけて時間がかかってしまいました。
こうなると、自分のなかに物語やキャラクターをキープするのが辛くなってきて、
かといって夜は眠いし、早朝と、電車移動を増やしてクリアしました。

「ジョン・シルヴァー(岩波文庫だと「ヴァー」)」の衣裳や様子、
気に入った描写など、フリクションの赤線を引いてドッグイヤーを付けながら
読みますが、電車の揺れが反映してしまいました。

このまま、光文社古典新訳文庫もいってみようと思います。
唐十郎ことはじめという感じがして、自分を基本に立ち返らせてくれる作業です。

そういえば、『愛の乞食』で参加者の皆さんと笑い合ったせりふがあります。
それは、3幕の名場面、金歯の山分けシーン。
520個の金歯をいかに均等に4人で分けるのか。
数か、重さか、「尼蔵」「馬田」「大谷」ら、愛すべき悪役たちは議論します。

そのなかで、馬だが「よおかず」というせりふを言う。

これは、ここで話題になっている「数(かず)」と、
海賊ことばの「ようがす(はい、よいです、わかりました、の意味)」
がかかったことばです。
だいたい、「ようがす」→「ようかず」に洒落ていることを読み取るのが
難しい。初演は、唐さんが劇団員に伝えれば済むことですが、私たちのように
時代を超えて読み解くと、こうしたギャグが意外に難しいのです。

で、読み解けたとして、
「ようがす」×「数」→「ようかず」
を活かし、せりふ表現に変えて、お客さんに伝えるのは至難の技です。
シャレですから、もちろん笑いも取らなければなりません。

こういうのは、物語や構造の難解さとはまた違ったむずかしさ。
深刻でないむずかしさです。
参加者の皆さんには、私なりに思いついた解決方法をお伝えしました。
『愛の乞食』に挑みたい方は、考えてみてください。