9月1日(火) 臨港パーク1日目

2015年9月 1日 Posted in 25_特別野外公演_青頭巾
中野です。
久しぶりに臨港パークにやってきました。
ここに来ると、いつも海が盛り上がっているような印象を受けます。

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天候のせいか波も高い。
まるで生き物のような海面です。
表情に富んだ水面を見ていると、魚がよく飛び跳ねます。

何度か下見には来ていましたが、いずれも20分程度見聞してきた程度です。
こうしてじっくりとここで過ごすのは実に4年ぶり。
2011年に「大唐十郎展」を開催して、『海の牙』を上演して以来です。
あの時も、こんな風に魚は飛び跳ねていました。



9月1日(火)臨港パーク現場入りの日

今日の目標は、早朝から2台のトラックで荷物をピストン輸送し、夕方からは、
前座パフォーマンスと劇本編の登退場位置を定めることにある。
と、意気込んで早朝起きたが、外は霧雨。
天気予報を見れば、これから本格的に降ってくるとある。

8時半、大学に集合して昨夜積みきれなかった荷物を箱トラックに乗せる。
今日はピストン輸送のためにメンバーを2隊に割っているので、残りのメンバーは10時に臨港パーク。
八重柏、入山と学生のうちの何人かは現場に集合して、荷下ろしの担当。

9時15分に大学を出発して30分弱かけて臨港パークに着くと、現地集合組はすでに集まっていた。
小雨だというのに何故か屋根のないところでウロウロしているので、公園内の橋の下に荷物とともに移動させる。
搬入開始の前に、齋藤とワダタワーを連れてパシフィコ横浜と警備員事務局にあいさつに行く。

齋藤は昨日ギックリ腰をやってしまい、体が少し傾いている。
歩くのも辛そうだが、残念ながらこの公園は広い。
事務局も遠いのだ。

2011年にお世話になった時もそうだったが、ここを管理されている方たちは皆さん温かだ。 

けれど、問題がひとつ。
東北では坊主役の鷲見は出番になると原付バイクで登場していたが、臨港パークは二輪車の乗り入れ禁止らしい。
自転車もダメ。
けっこうウケていたのに残念だ。
しかし、事務局からの帰り道、即座に別のアイディアを思いついたので、この場所でしかできない臨港パーク特別バージョンをやることにする。
こういうのが野外劇のノリだ。

10時10分。
いよいよ2台のトラックを公園内に入れたところで、雨脚が強まってきた。

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大変ではあるが、なあに、風邪をひかなければ、あとは本番さえ晴れてくれたら我々はいいのだ。

周囲の景色と照らし合わせながら野外劇場の設営位置を決めつつ、どんどん荷下ろしていく。
1台目を降ろしきり、すぐに大学へ戻す。
続いて2台目。

11時半。
大きなユニック車に乗って、発電機が運ばれてきた。
東北では自分たちのトラックに乗せて連れ回したが、ここ一箇所につき、運んでもらった方が経済的だ。

現場が落ち着いてきたので、自分だけ現場を抜けて、桜木町近くの日本丸訓練センターに行く。
来週月曜日から始まる夏期集中講義の会場がこの訓練センターなので、書類を提出しに行く必要があったのだ。
着いてみると、陽が差して晴れてきた。
そして、大量の小学生がウロウロしている。
すごい。
皆が皆、無軌道な動きをしている。
何とか統制しようとする担任の先生。

あの先生たちに比べれば、大人22人で動いている自分たちなどなんでもないなと笑ってしまう。
ここにきて気づいたのだが、今日9月1日は新しい学期のはじまりで、
ついに関東以南の小中高生も動き出したのだ。
東北ではすでにランドセル姿の子どもが行き交っていたので、こちらもやっとかという感慨。
それにこの日は、あの関東大震災の日でもある。
自分も昔は防災訓練したっけ。

12時半に現場に戻ると、野外劇場が徐々に立ち上がってきていた。


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ワダの統率のもと進む作業は速い、しかも雰囲気が和やか。
体も心も大きなワダタワー。

13時半過ぎから遅めの昼食。
食べていると2台のトラック、大学の積み込みメンバーも合流して、ほぼ全員集合。
ほぼ、といったのは禿だけ大学でデスクワークしているからだ。

15時。
作業を再開しこつこつと進める。
多少は小雨も降ったが、なんということはない。
海風も強すぎず過ごしやすい。

それにしても、この公園を行き交う人の数はかなりのものだ。
近所のマンションに暮らす散歩の人、観光客、釣り人など、けっこう沢山いる。



自転車でやってきたおじさんが特に熱心に看板を眺めていてくれたので立ち話をしたが、
戸部から来られているのだという。
この公園では映画やドラマのロケが頻繁に行われているらしく、
いままでに見かけた俳優さんたちの話や、亡くなった北村和夫さんと呑んだ話を聞かせてくれた。
かなりの芸能通らしく、最近『人間の条件』を見直したけれど、やっぱり仲代達矢は上手い、と興奮ぎみ。
「子ども生むなら早い方がいい」「うつ病にはなるなよ」という去り際の励ましも含めて、
おもしろいおじさんだった。

17時には作業をひと段落して片付け。
18時から場当たり、と思っていたら雨が降ってきた。
さっと避難して予報を見る。
少し西のあたり、普段自分たちのいる保土ヶ谷区が真っ赤だ。
いまごろゲリラ豪雨に襲われているのだろうか。

我らが頭上は意外とたいしたことないので稽古再開。

まずは学生たちのパフォーマンスから確認。
言葉や所作や立ち位置を少しずつ工夫する。
そうしている最中にも、蚊の多いこと多いこと。
雨の影響か大量発生している。
けれども、東北の虫刺されに比べれば知れたもの。

次に劇本編の登退場を確認。
三たび雨による中断も含めて20時には終わった。

稽古中、学生女子は「キレイだね」などと囁きあって、みなとみらいの夜景を満喫している。
それもそうだ。
短期間のうちに方々連れ回して変な経験をたくさんさせてきたけれど、彼らはつい最近まで田舎で高校生をしていたのだ。
あれはレインボーブリッジじゃないよ、ベイブリッジだよ。
湾岸署のあるお台場がレインボーだよ。

何度か雨による中断を挟みながらも、20時に稽古を終えて片付けに入る。
エンディングの目処もつき、明日の集合を10時と定めた。

旅公演と違い、横浜にいると日常の仕事も舞い込んでくる。
それらを朝と晩に捌きながらも、見定めるのは残り2ステージ。

21時解散。
当夜の番はワダがやってくれる。
重ね重ね大きな男だ。

どうか彼を襲う蚊の少なからんことを。




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