9月3日(木) 臨港パーク3日目

2015年9月 4日 Posted in 25_特別野外公演_青頭巾
中野です。
今朝は幸先の良いスタートをきることができました。

朝の散歩と買い物を終えて帰宅すると、ポストに河北新報が届いていたのです。
7月に取材をしてくれた記者さんは、公演前の記事にとどまらず、実際に仙台公演を観劇された上で、劇評も書いてくれたのです。 

「唐ワールドが仙台に帰ってきた。」という一文で始まり、劇の中身に触れたあと、わたしたちの野外劇、純粋にからだと言葉で勝負する今回の上演形態を高く評価して頂きました。
「75歳の唐は会場に現れなかったが、影響力の大きさを実感させた。」という結びこそ、この旅の一番のお土産であるといえます。

唐さんは実に「お土産話」というのが大好きで、ひとつ芝居や旅公演を終えたあとには、必ずそれがどんなだったかを報告し合いながら飲み会をするのが慣例です。
さらにこういう時、自分が何に着眼し、それをどんな風に唐さんにおもしろく伝えるかということに、わたしたちは全霊を賭けます。 

この「話が最大のプレゼント」という気風は、唐さんご自身、師である土方巽さんから受け継いだものといいます。
唐さんもまたアスベスト館に通った駆け出しの頃、土方先生の前でどんな話しをしようか頭を悩ませ、よく思案したものだとも伺いました。
秋田では土方さんの足跡を感じながら、舞踏の泰斗の遊び場だったという千秋公園で公演してきました。

自分たちを緊張させる唐さんを、さらに緊張させたという土方先生。
その伝説の数々は大久保鷹さんからも聞いています。
できるならば、一度謦咳に接してみたかった。

河北新報に話を戻せば、『青頭巾』の批評の上には「とうほく学生演劇祭」の記事が仲良く並んでいます。
これは、私たちの仙台公演のお世話をしてくれた東北大の中村くんが代表を務める企画です。
ゆけゆけ中村!
彼はほんとうに徳の高い、いいヤツなのです。
だから応援せずにはいられない。

東北各地で覚えた熱をからだのあちこちに感じながら、今日も出撃。

9月3日(木)横浜凱旋公演のゲネラルプローベ

今日は前半、自分だけ別行動をとりました。
昼に都内に出て打ち合わせです。

その間、臨港パークでは、学生が10時に集合して自主稽古。
さらに、劇団員を含む全体は12時に集合して、詰めの作業をじりじりと押し上げていたそう。

野外劇場を整え、劇の稽古も行っていた彼らに自分が合流したのは、リハーサル直前の16時半過ぎ。
ちょうどこの頃から雨が降り始める。
現場に着くと、皆は客席に楽屋テントの天井部分だけを建てて、雨宿りしている。
西の空を見れば、ちょっとやみそうにない。
仙台公演では大雨でゲネプロを中断したけれど、少し間が空いた今日は絶対に全てを完遂してチェックしきらなければならない。

やれやれと思いながら、歌練習をして、ついでに音響チェックも済ませる。
すると、諦めていたのに雨が上がった。ラッキー。
ここらで、室井教授もやってきた。

17時40分。
予定通りの時間で前座パフォーマンス、客席整理の段取り確認を済ませて、劇本編になだれ込む。
仙台以降、多少時間が空いたし、この場所で通し稽古は初めてなので、かみ合わない箇所がいくつもある。
いつものように音響をしながらチェック項目を書きとめていたら、みるみる付箋がなくなった。

19時40分終演。
修正点、多し。

ただ、言っておくと、全体にとにかく元気はよい。
ここしばらく休んで、みんなエネルギーいっぱいだ。
あとは、ちょっとずつ噛み合わないところを細かく指摘してやっているだけ。
これが流れたら、さぞ愉しいだろうなあ。
だから、明日明後日はすごく期待して欲しい。

全幕を終えて、エンディングを念入りに手直し。
それから片付け。
帰り際に、車座になって細かな修正点を伝えた。
あと一晩、どうか粘りに粘り、考えに考えて、全行程の集大成に相応しい結果を出してほしい。
素敵な臨港パークの景観をむしゃぶり尽くしてほしい。
そう思って伝えた。

終わったのは22時過ぎ。
帰り道、みるみる雨が降ってきた。
今夜は本来、齋藤が劇場番の予定だったが、腰を痛めた彼に変わり、重村が番を買って出てくれた。
予報によればこれから夜中に雷雨がやってくるが、どうかよく休んでほしい。

と、ここまで書いたところで日付が変わった。
今日はもう本番の日だ。

残り2ステージ。

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