8月18日(火) 東北巡業13日目
2015年8月19日 Posted in 25_特別野外公演_青頭巾
中野です。
嵐の夜が明けました。
午前5時半に起きてみれば、ほとぼりがさめたとはこのこと。
外は凪の状態。
風が止み、太陽はじりじり。
静かになった分、鷲見の鼾がひときわ大きく轟いています。
まったく、あれだけ早く寝たのに、まだ寝ていやがる。
ちなみに、わたしたちがずっと寝ているのは、運動会の受付なんかで使うあの白いテントです。
野外公演ではこれを楽屋に使っています。
劇場は天井無しですが、荷物を置いたり、着替えとメイクする場所は屋根が必要。
鷲見は男楽屋、自分は女楽屋の番をしているわけです。
2枚の壁幕を楽々と貫く鷲見の轟音。
改めて、8月18日(火)は石巻公演のリハーサルの日。
6時20分に齋藤とライオネル田中に迎えに来てもらい、留守番を鷲見ひとりに託して、塩釜の市場に買い出しに出かけた。
片道45分。
少し豪華な朝ごはんを食べて、一件お中元を送った。
それからメンバーのためのおかずも買う。
明日の朝食にこれを並べたら、きっと本番の日の朝が盛り上がるだろう。
一方、残してきた主力部隊は8時から石巻駅前でチラシ撒き。
出勤時間のこの一時が、石巻でいちばん人が密集する。
いつもよりは撒くことができたが、ラッシュに少し遅れたので、明日は6時半からやろう。
電車の本数が少ないので、きっと前倒しすればさらに効果的だ。
終わったら宿舎で二度寝すればいい。
9時過ぎに市場から戻り、チラシ撒き部隊の帰りを待っていたら、どやどやと戻って来た。
思い思い買い物してきている。
パン屋や和菓子屋さん、日曜のうちに挨拶回りしたので、皆それぞれに土地の人との交流があるのだ。
朝早いうちに仕事をして、ついでにちょっと遊ぶ。
いつも自分がやっている動きを皆もしている。
9時半から朝食。
皆黙々と食べて、本格的に身支度する。
ライオネルがゴロ寝に入ろうとしたのをたしなめ、現場へと先乗りした。
オレたちは市場に行って皆より贅沢な物を食べたのだから、余分に働かないと。
皆より一足先に、楽屋テントを解いて、濡れた布や幕を天日干しにする。
みるみる乾いていく。
空はますます青く、太陽がこの海辺全体を乾かしていく感じだ。
ちょっとずつ加わったメンバーも、この作業に続く。
全体の集合は11時。
体操をしていつものセッティング作業開始。
立派なカメラを持った人たちが大量にこの中瀬公園をウロウロし始める。
聞けば、仙台の南の地域の高校生たちが先生に引率されて、被災地の復興の様子を撮影しに来たらしい。
野外劇場がかなり目に付いたらしく、櫓や作業の風景なんか、近距離から撮っていった。
こちらはこちらで、今日昼過ぎに帰るという彼らに、仙台公演の宣伝をする。
12時過ぎには、昨日の稽古の確認や、本番前後の段取り合わせ、前座パフォーマンスの修正。
14時過ぎ、禿と買い物がてら、石巻駅前の「いしのまキッチン」に今日もお弁当を取りに行く。
昨日はハイエースだったが、いまは修理中なので今日はトラック。
ハイエースは今頃リアガラスの取り付けを完了し、きっと接着剤の乾き待ちだ。
この時点で電話がないことを考えれば、戻ってくるのは明日だろう。
今晩も石川さんから軽自動車を借りねば。
などと考えながら駅前に行くと、ちょうど室井教授が横浜からやってきたところだった。
「車、ぶつけたんだって」と嬉しそうだ。
弁当をトラックの荷台に乗せ、帰り道は3人。
皆に弁当を届けると、嬉しそうにとってゆく。
昨日のがかなり美味しかったんだそうだ。
500円でこのクオリティと量は、東京や横浜ではちょっと考えられないとも。
遅めの昼食を終えて、皆それぞれ、余暇時間を休憩や自主稽古に使う。
涼しくなった分、風が出てきた。
強風。
16時。
広い中瀬公園の一角にそれぞれが散って、自己練習。
山形公演から間が空いたので、勘を取り戻すのに必死。
あと、ここでは、あらかじめ公園に設置されている石造りの野外ステージを部隊の一部として使用する。
フラットだったこれまでと違い、一部、昇り降りが必要となるため、慣れておく必要がある。
17時半。
劇中歌の練習をしていたところ、公園の反対側に3人の若者が自転車でやってきて、テントを設置し始めた。
あの日焼けの具合。
ピンときて学生に声をかけさせたところ、思った通り、自転車で日本列島縦断の旅をしている若者たちだった。
九州を出発して北海道に至り、いまは南下中だという。
明日は松島と仙台に向かうとも。
これも何かの縁だし、ちょっとくらいギャラリーがいた方が、うちのメンバーも張り合いがある。
リハーサル見ませんかと誘ったところ、ぜひ拝見しますということになった。
18時40分。
3人の旅人と、石ノ森萬画館から帰る人たちに見守られて、前座パフォーマンス開始。
新ネタはおろか、レギュラーネタさえ引っかかるところがある。
これだから学生は、と思っていたら、19時から始めた劇本編も本調子でない。
ここ数日、扁桃腺が腫れてあまり声を出すなと命じた禿がセーブ気味に劇を進行するが、 しかし、健康体であるはずの何人かまで、思うように声が出なかったり、滑舌が悪い。
大人も学生も、この程度のブランクで堕落するとは何事か。
明日しっかり練習させることを誓って本編終了。
本調子とはいえないリハーサルを見てもらうことになってしまったが、最後まで観てくれた3人に登壇してもらって記念撮影をした。
終演後、片付けしながら、劇終盤に至って夜釣りの目的で公園を訪れる人たちの車の誘導やエンディングについて調整を行い、解散。
開演19時と4箇所で最も遅い開演時間だけあって、終わると夜遅い。
急いで風呂屋や食事に殺到。
明日は早朝チラシ撒きを課した。
早い人は6時過ぎに宿舎を出る。
皆、早く寝るために必死だ。
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