8月19日(水) 東北巡業14日目

2015年8月20日 Posted in 25_特別野外公演_青頭巾
中野です。
ついに公演の日がやってきました。
昨晩、明日は早めの動き出しでいこうぜと申し合わせました。
その通り、過去もっとも早いスケジュールで本番の日は幕を開けました。

8月19日(水)は石巻本番。
5時に起床すると、さっそく18日付の日記をアップ。
いつもはここで運動するところですが、今日は宿舎に急行します。

6時。
対岸の宿舎に入り、先行でチラシ撒きのメンバーをピンポイントで起こして回りました。
後半担当の者はよく寝ているので、なるべく刺激しないように。

6時15分。 前半チームが宿舎を発ち、石巻駅に移動。
駅にアクセスする人たち全員にチラシ撒きの声がいきわたるよう布陣を組んで、配り始める。
電車は20分に一本ほど、発着時間に勝負をかける。 東京からの夜行バスもやってきて、降り立つ人たちにも配る。
高い確率で受け取ってくれるが、絶対的に人が少ない。
後半チーム、7時半〜8時半の組の方が多くの人に接するチャンスがありそうだ。
列をなしているタクシーの運転手さんに椎野が声をかけたところ、逆にお客さんに渡して、と名刺を渡されたりした。
三井住友銀行のOBであるという運転手さんは、65歳を過ぎてタクシー会社の社長と知り合い、余暇を利用して2種の免許を取ったらしい。
頭の良い人だ。 

7時半になると、後半チームがやってきた。交代。
やはり彼らの方がたくさん撒くことができて、手持ちを空にしてくれた。

昨日に続いて、皆パン屋で買い食いしながら帰る。
宿舎に帰って二度寝の予定だったが、皆お腹が空いてしまい、炊飯器のふたを開け始める。
昨日、市場で仕入れてきた塩辛や筋子もある。
早朝に仕事をした充実感からよく食べている。
自分は近所の魚屋で穴子を焼いたのを買ってきて、丼にして食べた。
肉厚だ。
学生の一人にも幸運を分けてあげた。

9時近く。
後半チームも帰ってきて朝ごはんラッシュはますます盛んになり、それが済んで、ようやく皆が休みはじめた。
休んでもらわなければ困るのだ。
夕方から本番のち、深夜に片付け、明日の早朝に荷物を積み込んだら、昼には仙台に移動という予定。
明日の夜には仙台で仕込みを終え、リハーサルしていなければならない。
今日と明日の2日間が、このツアーで最も過酷なのだ。

休みながら、寄せ書きを書いた。

IMG_4734.JPG

宿舎のオーナー・千葉さんへのプレゼントだ。
全体はワダ・タワーのデザイン。
武蔵美を卒業した彼のセンスが光る。

9時半。 トヨタのディーラーに問い合わせたら、待ちに待ったハイエースが1時間後に完全復活するとのこと。
齋藤にトラックを駆り出してもらい、11時にお店へ。
リアガラスは完璧な仕上がり。
元の割れたガラスに貼ってあったステッカーを、丁寧に剥がして袋詰めしておいてくれた配慮の細やかさ。
さすがトヨタ。 名古屋に生まれて良かった。
これで、メインの移動手段も復活。

12時に宿舎に戻ると、ほとんどの者は現場に行った様子。
13時の集合まで時間があるので、自分は林麻子と一緒に日課である日和山へ参拝。

13時、現場での全体集合。

IMG_4735.JPG

室井教授もホテルからやってきて、仙台育英高校が早稲田実業を破ったニュースを教えてくれた。
学生チーム「ザ・クロナイン」の新ネタは、せっかく「ナイン」なのに絡んで甲子園ネタだ。
石巻と仙台での評判が大いに期待できる。

お客さんが急増していることもわかり、数日間の広報活動の成果を感じる。
体操を終えたら、ベンチシートを追加で作らねば。
うれしい追加作業。

14時半から稽古して、15時過ぎから恒例となった「いしのまキッチン」お弁当。
この日、メニューは豚の生姜焼きだった。
が、学生の中に肉が食べられない子がいて、本番前にこれじゃ頑張れなかろうと、近所の魚屋に行く。
いままで入ったことのない魚屋さんだったが、これが良かった。
魚の煮たの、揚げたの、焼いたの、美味そうな惣菜が200円からある。
この店にもっと早く入っておけばよかった。
これで彼女も大活躍するだろう。

17時。
ISHINOMAKI2.0の石川さん合流。
彼女にはお客さんを迎えてもらうのと、写真撮影をお願いした。
学生たちが練習しているのをさっそく撮ってくれている。
夕方になり風が出てきた。

公演場所のすぐそばに、津波被害にあった人たちを慰める小さな祭壇があったので、齋藤が線香を買ってきてくれた。
強風に揉まれながらようやく火を付けて、禿、椎野と4人で手を合わせた。

18時過ぎ。
風にあおられて受付準備が整わない中、早くも、お客さんが集まり始める。
ここ何日かのローラー作戦が効いたのか、ご近所の人たちが2、3人ずつ来場しては後から来た人と挨拶を交わし、おしゃべりしている。
皆さん知り合いなのだ。
しかし、まだ受付は完成しない。
どんどん増えてきたので、一旦、野外劇場のイスに座ってもらう。  

18時半になってやっと受付が整った。
一旦客席に案内した人たちに声をかけると、列ができた。
さらに、あとからあとから人が集まってきて、対応に大忙し。
でも、お札やチケットが飛ばないように丁寧に作業する。

とりあえずお客さん第一陣目を捌き、18時35分、前座パフォーマンス開始。
拍手や手拍子に祝福されて、嬉しそうに駆け回る学生たち。
「仙台育英高校、決勝進出おめでとうございます」というフレーズには特に大きな反応、そのあとに続いた新ネタ「クロナイン熱闘甲子園」もウケている。

一方、前座の進行中も、受付の列に新たな観客が加わる。
石巻に到着した日、予約は18人だった。
それが今朝の時点で57名に。
なんとかかたちになるかな、と思っていたら、実際のお客さんは明らかに100名を超えている。
これじゃ座りきれないと、前座の間に、劇団員で客席増強。
もうパフォーマンスを見ている余裕なし。
終了と同時に客席はぎっちり埋まった。

19時過ぎに開演。 石巻の人たちが唐さんの劇を見慣れないことを本能的に察して、皆の科白や所作は丁寧だ。
うまく観客を劇の世界にリードして、笑いが起き、拍手も起き、この場所が人の気で充実していくのがわかる。
自分は音響の仕事があるのでこの場所を離れられないが、もしできるなら、対岸や日和山の上や、少し離れたところから今の会場を見たら、きっと美しいだろうなと思う。
中瀬公園を独り占めにして、観客と一緒に劇の世界をつくること105分。

カーテンコールが終わって、小一時間の祝杯。
街じゅうを巡って集めてきたお客さんたちと、皆それぞれに喋っている。
名残惜しいけれど片付けがあるので、椎野の歌でお開き。

翌朝には、この公園に週末の音楽イベントの搬入がある。
自分たちも、明日の夜には仙台で野外劇場を立ち上げていなければならない。

風呂に行く者、宿舎に帰る者、残って深夜バラシをする者に分かれて解散。
自分は、この公演を成功させてくれた石川さんに、彼女のお母さんが経営しているお店に連れて行ってもらった。

24時半に戻ってきて、楽屋テントに倒れこむ。 
ツアー全体の中でもひときわ輝く今日の夜を、わたしたちは忘れないだろう。



 →翌日の日記へ

トラックバックURL:

コメントする

(コメントを表示する際、コメントの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。その時はしばらくお待ちください。)