8月20日(木) 東北巡業15日目

2015年8月21日 Posted in 25_特別野外公演_青頭巾
中野です。
石巻公演本番から一夜明け、気温がぐっと下がりました。
8月なのに寒さを感じるなんて、東北ならでは。

今日は石巻を引き払い、仙台に移動し、さらに仕込みと場当たりも行う、いわば必殺の一日です。
本番後の疲れを押しての強行軍になることは必至。

というわけで、8月20日(木)

5時半に起きても、いまだ満腹。
石川さんのお母さんのご馳走が効いている。

テントの外に出てみれば、深夜バラシの精鋭5人が26時まで追い込んだので、かなり片付いている。
彼らはほとんど寝ていないだろう。

6時20分、日記を書いていると、早くも齋藤の駆るトラックが公園に滑り込んできた。
先に冷蔵庫を現場から宿舎に運ぶらしい。 

7時。
全体集合。
恒例の体操とともに怒涛の一日がはじまる。
しかし、皆すでに作業に慣れているので速い。

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9時近く。
トラックへの積み込み作業が軌道に乗るのを見届けて、方々に出かける。
宿舎に戻って身支度を整え、お礼のあいさつ回り。
萬画館やISHINOMAKI2.0のオフィス、市役所にも行った。 

10時半。
仙台での露払いをする自分と八重柏、津内口が先にトラックに乗って出発しようとしたところ、千葉さんご夫妻から全体の集合写真の提案。
皆で門脇ハウスの前に陣取り、よろこんで記念撮影をした。
旦那さんはこの時、専用の台の上に立ち、最後列で高々とポーズ。
こうやって4千人を超える人々を受け入れ、送り出してきたのだ。
わたしたちの寄せ書きを「これが一番の宝物」といって受け取ってくれた。

他にも、公園で片付けていたら、原付に乗ってバナナやお菓子を届けてくれた人がいた。

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宿舎に、名物の二色餅を持ってきてくれた人もいた。
お世話になった石川さんもおやつを持たせてくれた。
とどめに千葉さんは、「はい、いつものね」と言って自慢の菜園からきゅうりとゴーヤを分けてくれた。

到着して数日、車の中で寝起きしていた自分は、いつも早朝に起きだして水やりをする千葉さんを見てきた。
多くのものが失われた場所で、新しい命を生み出そうとしている姿だった。
愛着のわく門脇ハウスだが、巨大な堤防をつくる計画のために、1年半後には立ち退かなければならないという。

いろいろなものを受け取って、わたしたちは次の街へ。

石巻を出る前に、石川さんから教えてもらった漁港の缶詰工場に寄って、「木の屋」のできたて缶詰を買った。
仙台へのお土産だ。

12時半。
仙台市内に入り、演劇工房10-BOXにたどり着く。
ここで、八重柏と津内口が夜間利用の講習を受ける。
自分は、東北大学の中村くんが合流してくれたので、彼と仙台NHKへ。
放送局は甲子園の決勝一色に染まっていたが、取材依頼をすることができた。

仙台でも集客はよくない。
最後まで粘らなければ。

10-BOXに戻ると、後発の主力部隊も合流していた。
全員で仙台での活動拠点に荷物を降ろす。

15時半。
いよいよ公演場所である西公園へ向かう。
30分弱で到着。

野外劇場や楽屋の位置関係を打ち合わせて、さっそく仕込み始める。
昨日、衣装や私服の洗濯ができなかったので、自分と学生の小島でコインランドリーに行った。
が、小銭が足りない。両替機もない。
すぐそばに繁華街の国分町があるので、洗濯に必要な100円硬貨を求めてさまよう。
小島がゲームセンターの両替機を使おうと提案してくれた。
自分には思いつかない手、彼女ならではだ。

朝日新聞が配っている号外をもらうと、仙台育英の敗戦を伝えていた。

19時半。
疲れを押して、場当たりへ。
と思ったが皆の疲労が濃いので、一発盛り上げることにする。

今回、公演が終わって横浜に戻るのは火曜の予定だ。
ただし自分は先に、月曜日のうちに帰る。
秋の公演の準備があるからだ。
そこで、トラックの運転手でもある自分は、隣の席に乗る二名を巻き添えにしなければならない。
これは苦しい。

二人のうち一人は希望者が現れたので問題ないのだが、残りの一人を決めなければならない。
皆、月曜昼過ぎからの自由時間を楽しみにしているから、大変な痛手のはずだ。
だから、ジャンケンで決めることにした。
壮絶な闘い。
勝って見守る方にも熱が入る。
結果が出た後、自分と行動をともにする二人には、帰り際、せめてご馳走でもしてやろうと誓う。

そして、盛り上がったところで、さあ仙台公演の場当たりいってみよう。
もう4箇所目の作業だから、段取り良くケリをつける。
あとは明日、明日。

片付けを終えて、宿舎に車で戻るのも時間がかかるし、お風呂や食事もしなければならない。
明日の集合10時半までになるべくたくさん疲労回復してくれるよう願いつつ、皆を見送った。 

それにしても仙台西公園。
周囲は交通量が多く、夜に遊びに来る人もたくさん。
しかも、ごく近くで道路工事まで始まった。
警備員さんに訊けば、これが早朝まで続くという。
今夜も眠れそうにない。

巡業初日からこれまで、ずっとセミの声や川の音、海風に揉まれてきた。
ずいぶん都会に来てしまった。


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