8月24日(月) 東北巡業19日目

2015年8月25日 Posted in 25_特別野外公演_青頭巾
中野です。
この日記も残すところあと2日間。
本番が終わっても結局5時くらいに起きてしまうので、最後までこのペースで書いていくことにします。

8月24日(月)は片付けと自由行動の日。
早朝、起きだしてみると、周囲の交通量が多い。
今日が月曜日であることに加えて、8月も下旬に至り、お盆休み、夏休みが完全に終わった感あり。
しかし、この西公園の脇の道路は交通の要所なので、往き来が絶えない。
東北に来て、運転が荒っぽいように感じるのは気のせいだろうか。
クラクションの音も多い。

メールのやり取りなどしていたら、7時に鷲見が起きてきた。
じゃあいつも通りねと言って、現場を番する毎日の最後に公園内を走る。
鷲見は旅中に5kg落ちた。
しかも大して食事制限したわけでもないのに。
よほど余分な肉が付いているということだ。

以前にも書いたが、自分と鷲見、それから学生の小島だけは、今日の午後には仙台を発ち、横浜に戻る。
走りながら、秋田に移動したばかりの暑かったころの話をする。
今日帰るので、自分と鷲見は全19日間の行程、他のメンバーは20日間ということになる。
ただし、学生は感覚的に21日の旅だっただろう。
いまとなっては懐かしいが、出発の8月6日は、秋田の竿燈祭り屋台村ステージに17時出演が決まったために朝5時出発だった。
だから、5時に大学に集まる脚のない大半の学生メンバーは、ラボに前泊していたのだ。

公園脇の道路を小学生が登校してゆく。
今回の東北ツアーで初めて知ったが、東北をはじめ雪の降る地域は夏休みが短く、冬休みが長いとのこと。 8月下旬にはもう始業なのだ。
北海道出身の鷲見も同じなのだという。

9時過ぎ。
渋滞に揉まれ、予定の時間に遅れて宿舎から皆がやってきた。

昨晩は24時近くまで片付けをしてかなり追い込んである。
車から降りるなり、あと3時間ですべてのケリをつけようと、士気が高い。
これまでわずかの例外を除いて宿舎と公演場所を往復するのみ。
徹底した団体行動を課せられてきたために、午後から明日早朝までの自由行動時間が、彼らにとって相当眩しいらしい。
速い速い。

自分は9時半から、お世話になった人たちをお礼で訪ねて回った。
役所や宿舎や、宣伝に協力してくれた皆さん、さらに公園場所の近隣。

移動時間は頭を整理する時でもある。
帰ったら色々と報告書を提出しなければならないし、次の企画が控えている。
仙台市内を動きながら、秋田、山形、石巻、仙台、それぞれの場所で助けてもらった人たちの顔が浮かんだ。

11時半に現場に戻る。
トラックへの積み込みもほとんど終わっている。
中村くん、室井教授も来ていたので、一緒に近くにあるターンアラウンドギャラリーに行った。
ここの関本さんは2日間も観に来てくれた上、いろいろ宣伝してくれたのだ。

思えば、4月末の下見の時に、同行してくれた秋田公立美大の阿部さんのガイドで初めてこのギャラリーにきた。
その時、関本さんが仙台で公演することを勧めてくれたのだ。
短い期間で、よくこのツアーが成ったものだと、感慨深い。
お礼を伝え、握手をして辞す。

現場に戻ると、室井教授は横浜に帰って行った。

皆はまだ公園内の地面をブラシでこすっていたが、自分は中村くんと一足先に昼食へ。
知り合って間もないというのに、中村くんは本当によくやってくれた。
専門の制作ではないにもかかわらず、見たことのない唐ゼミ☆や『青頭巾』のステージを推して回るのは大変だったと、いまだから彼も言う。

食事を終えて現場に戻りながら、今度、関東にいる自分たちが役に立てることがあったら言って欲しいと伝えた。
風邪気味の彼には、9月上旬に東北全体の学生演劇を巻き込んだフェスティバルの実行委員長として仕事がある。
これから新聞の取材なんですよと言って、彼も去って行った。

13時近く、お土産を買った鷲見たちも戻ってきた。
最後に慣れ親しんだ源吾茶屋に行き、いよいよ3人で出発。


............。

ここから先は、東北自動車道を南下して帰ってきただけで、特筆するべきことはない。
あとは大学に到着するとラボに直行、葉を落としながらもなんとか19日間を凌いだ観葉植物に水をやる。
帰宅したら、郵便受けがいっぱいだったくらい。

そこで、本日の午後に仙台で何があったかも含めて、学生の西野にも書いてもらうことにしよう。


【大学2年生 西野ゆりの8月24日(月)】

中野さんが一足先に横浜に帰ってしまいましたので、代打を打ちます。
横浜国立大学2年生の西野です。

昨日ついに東北巡業の千穐楽を終え、今日は朝の九時頃からみんなでバラシ、積み込みの作業でした。
長かった東北ツアーももうそろそろおしまいです。
東北ツアーの最初を飾った秋田公演も、今となっては遠い昔のことのような気がします。
秋田にいたころは暑さで目が覚めるくらいだったのに、ここ仙台では少し寒いくらいで、
半袖Tシャツに七分丈ズボンしか持ってこなかった自分は東北を完全に東北を見くびっていたようです。
普通に寒いです。
さすが東北。

バラシや積み込みはここ三週間くらいの間で数回やってきているので、運びも非常にスムーズであります。
みんな慣れたものだ。

お昼頃には無事に積み込みがすべて終了して中野さん、鷲見さん、学生の小島は一足先に横浜に帰っていきました。
一日前、一つ後輩の小島に24日横浜帰宅メンバーの座をかわってくれないかなと頼んだものの、
あっさりきっぱり断られてしまった自分はちょっぴりうらやましいなと思いつつも気持ちを切り替えました。
メリハリは大切だと小学校高学年の時の担任の先生がよく言っていたなあ。

さて、そんなこんなで残る私たちはここから明日の7時半までのフリータイムをゲットしたわけです。
旅中、散々フリータイムが少なすぎると思い続けてはきたけれど、いざ、さあここから自由に過ごしていいよと言われると、果たしてどう過ごして良いものか。
自分がいちばん行きたくて仕方なかった楽天koboスタジアム宮城にはもう行かせてもらったし、
松島や塩釜は下見の時に行ったし、うーん、どこへ行ったらいいんだろう。

昼ごはん、公演場所の西公園内にある源吾茶屋で天丼とずんだもちを食らいながら考える。
とりあえず、「仙台」「観光」で検索だとスマートフォンで検索。
ばらばらと観光スポットは提示されるがあまりピンとこず。
いい案はまったくもって浮かばないけれど、とにかくもちがうまいのです。
ずんだもちがそりゃあもううまいのです。
ずんだが甘すぎずさっぱりしていて、もちがやわらかくてのびるのびる。
おなかも心も満たされ、心地よい眠気に危うくフリータイムを捧げてしまうところだった。
危ない。

いったん、宿舎に戻り態勢を整える。
もう遊園地(ベニーランド)にでも行ってしまうかと林さん、入山さんと半ば投げやりに行先を決定。
外に出ると小雨。
宿舎を出て五歩ほど進む。
引き返す。
温泉に行くと言っていた椎野さん禿さんに着いていくことを決意。
物事を決断する際にもメリハリは重要なのである。

宿舎からハイエースに乗って約1時間、作並温泉ゆづくしsalon一の坊に到着。
深い森、きれいな水が流れている川、澄んだ空気、溢れ出るマイナスイオン、素晴らしき哉、温泉。
施設の設備のいたれりつくせり具合に感動。
お風呂の質も温度も雰囲気も非常に良かったし、なんとアイスキャンデー、お茶菓子、
コーヒーなど食べ放題、飲み放題、加えてマッサージチェアーも使い放題なのである。
何時間でもいられるねとみんな上機嫌。極楽、極楽。
平日だったこともあってかそこまで混んでもいなかったし、
旅の締めくくりとしてはかなり上出来だったのではなかろうか。
気持ちよかったな。

19時ごろ温泉施設を出て、20時ごろ公演場所の西公園近くの居酒屋「和花菜」へ。
差し入れをいただいたり、公演を見に来てくださったりといろいろお世話になったのだ。
ここのご主人は明るくてとてもおもしろい方でした。
家族でやってらっしゃるお店でお料理もとてもおいしかった。
何が一番おいしかったかな、生姜焼きの付け合わせのなすびの炒め物がおいしかったな。
たこ焼きとどんどん焼きもおいしかった。
ご主人と娘さんのやり取りを見ていてもとても仲の良い家族なんだなということがすぐにわかった。
いいなあ。
おみやげももらいすぎなんじゃないかというほどたくさんいただいた。

思えば、どの公演地でも本当にたくさんの人のお世話になりました。本当に良くしていただいた。
ほんの数日前まで赤の他人だったのに、縁というかなんというか、
人との出会いというのは尊いです。そして、楽しい。

明日、私たちは横浜に帰ります。
行きよりは短いけれど、それでも長い移動です。ありがとう東北。
いつかまた来ます。


 



トラックバックURL:

コメントする

(コメントを表示する際、コメントの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。その時はしばらくお待ちください。)