8月7日(金) 東北巡業2日目
2015年8月 8日 Posted in 25_特別野外公演_青頭巾
8月7日(金)の晩は疲れ果てて、宿舎の電気をつけっぱなしで寝てしまった部屋もありました。
うっかりロビーのソファで眠り込んだ者もいたそうです。
そんな2日目には何があったか。
いよいよ現場入りの朝。
皆で朝7時に朝食を済ませると、宿舎から千秋公園までは徒歩20分。
4日間続いた竿燈の翌日とあって、街に燃え尽きた気だるさが漂っています。
各地で繰り広げられた屋台村のブースを解体する業者さん。
キャリーケースを手に、秋田駅へと殺到してゆく観光客。
疲れを振り払うようにして、職場や学校へと向かう人々。
彼らとすれ違いながら、わたしたちは9時に千秋公園集合。
前日、早朝からの長距離移動をクリアして一晩よく休んだために、いよいよ始まるのだと気合十分です。
軽く体操を済ませ、5台の車両を駐車場から公園内へ。
かつて佐竹氏の居城だった千秋公園には、二の丸と呼ばれる広場があって、これが今回のわたしたちの根城です。
先にいた業者さんたちに挨拶を済ませ、搬入経路についてアドバイスを受けて、公演会場を囲むように停車。
ここから一気に積み降ろし作業が始まる。
今回は唐ゼミ団員に学生チームが加わり、いつもより大所帯。
その分、作業は速く進む進む。
ちなみに、今回の「ガイア演劇」という名前には、「地球のすべての場所を劇場に」という思いを込めました。
昨年のトラック野外公演よりさらに荷物を減らし、より肉体のみで勝負する。
去年、劇場を囲っていた幕も完全に取っ払って、その分、周囲の景観を芝居を飾る装置として使い尽くすという企画です。
それで入場料をどうやってとるのかと質問されますが、大丈夫。
それぞれの会場は、公演時間帯、明らかにこの芝居を観ることを目的にしてしか、ほとんど人が通らない場所なのです。
今回、場所の選定はそこが難しかった。
お客さんを集めるためにアクセスは良くなければならない。
しかし、人通りが多ければ、観客と通行人を区別できない。
しかも、環境利用型「ガイア演劇」なので、周囲の景観が、それぞれの地域の特性を持っていて欲しい。
これら条件を満たすために、下見には力を入れ、それぞれの場所のコーディネーターには頑張ってもらいました。
厳選された4箇所。そしてその一発目が千秋公園。
荷物を降ろし終わり、楽屋を作り、簡易な客席と舞台を作る。
仕込みはテントの10分の1。しかも人数が多いから速い。
昼食をまたいで午後には照明・音響を設置。
関東よりは気温が低いとはいえ、中天の時刻になればとにかく暑いので、小刻みに休憩を入れながら、全体でじりじりと作業を追い込んでいく。
神社へのお参りも欠かせない。
千秋公園内にはふたつの神社があり、まずは二の丸近くにある弥高神社に参る。これで「いやたか」と読む。
いつものテント演劇にも増して、今回は天候によって条件が左右される。
風が吹けば科白が流されるし、雨が降れば客席の上だけは天井をつけなければならない。
公演時間になっても気温が高ければ、セミがうるさくて仕方ない。
だから尚更、お参りが大切になる。
基本的には、晴れていて、涼しくて、風は穏やかであって欲しい。
一方で、どうしても荒天の場合、それはそれで天命と心得て、その条件だからそこ面白くなるようにやりきる。
これが野外劇の肝です。
現に去年台風の中でやった公演、あれは面白かった。
どこかしら本番が荒れることを楽しみにしている、マゾヒストのわたしたち。
果たして、夕方から稽古に突入すると、これまで横浜で作ってきた公演を、ここ千秋公園用にアレンジする作業が始まる。
特に、出演者の登場と退場は工夫のしどころ。
あそこの植え込みが使える。石段がおもしろい。ここはコンパクトに観客の背後から。
ひとつひとつ当たってゆく。
上演の前後の流れも、観客の導線を想定しながらリハーサル。
エンディングまで一通り稽古、片付けを終えてみれば22時過ぎ。
皆で急いで宿舎へ。
何せ宿舎の風呂が23時で閉まっていまうために、汗をかきすぎている皆は気が気でない。
風呂。食事。そして今夜もバタンキュー。
一方、自分と鷲見武は今日から千秋公園で野営。荷物の番をする。
夜中の公園には地元の青年たちが集まり、そのなかの一人の誕生会を開いたため、二の丸はかなりうるさかった。
一人一人からのプレゼント贈呈で盛り上がった後、爆竹を鳴らしまくって、警察沙汰に。
秋田県警の注意で青年らあえなく解散。
鷲見は3時に就寝。
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