唐十郎の劇を極める
代表 中野敦之
気付けば、前回この「あいさつ」を書いてから5年以上が経ちました。
そこで、これを更新することにしました。
前回の文章を久々に読むと、
「劇団では唐さん以外の作品をやらない〜云々」と書いてあります。
バカな!
あの直後にやなぎみわさんに書いてもらったし、
2015年には望月六郎さんにもお世話になった。
もう言ったことをぜんぜん守っていない。
我ながら、自らのいい加減さに驚いています。
また、2014〜15年といえば、一旦テントを脇に置き、
トラックの荷台を用いた囲いをした程度の劇空間を追究したり、
さらに文字通り丸腰の野外上演で環境と芝居の一体化を図るという実験が続きました。
これらはフットワークがやたら軽く、
おかげで、長野、名古屋、大阪、秋田、山形、石巻、仙台と、
行動範囲を広げることができました。
その後、現在に至るまでの4年間は原点に帰り、
『腰巻お仙』と『ジョン・シルバー』の両シリーズを極めようと躍起になってきました。
その最大の成果は、つい先日の『ジョン・シルバー』三部作一挙上演でだったと自負しています。
甘いところは甘く、辛いところは辛く、可笑しなところは可笑しく、
切ないところは切なく、バカバカしいところは精一杯真面目にバカバカしく、
こういったことができるようになってきました。
また、三部作上演では今まで力を貸してもらってばかりいた唐さんに、
少し、ほんの少しお返しができたのではないかと思っています。
何せ、ご本人もやらなかったわけですから。
これまで、唐ゼミ☆は演目的に、どちらかといえばマニアック路線を走ってきました。
唐十郎門下として、世間や他の演劇人が注目しない作品にスポットを当ててこそ私たちだ、
そういう思いが強かったからです。
しかしここからは舵をきります。
いわゆる傑作に、初演時の成功作に、これからは挑もうと狙っています。
誰もが上演したがる作品を、誰もができないレベル、深度、多彩さ、振幅の激しさに到達して上演できなければ、
「唐ゼミ☆」を名乗る資格はありません。
王道にして新機軸を、これからはやります。
どうぞよろしく!
【劇団唐ゼミ☆とは?】
授業のゼミナールで演劇公演を行い、それをもとに発足した劇団。
横浜、東京を中心に全国で唐十郎作品を上演。
オリジナルの〈青テント〉を用いて公演を行っている。
代表・中野敦之。
2005年、新国立劇場のプロデュースにより
『盲導犬』『黒いチューリップ』を上演。
その後、新東京タワー予定地(現スカイツリー建設地)、池袋西口公園、
関東以外では大阪、京都、山形、北陸、さらに2006年には韓国でも公演。
2009年浅草にて、蜷川幸雄演出のパルコ劇場での上演以来、
新聞などでとりあげられた。
2011年11月には横浜にて唐十郎リサイタル、展示など
【劇団唐ゼミ☆ 活動年表 】
1997年 | 10月 | 唐十郎氏横浜国立大学教授に就任 |
2000年 | 4月 | 唐ゼミ発足 |
2001年 | 1月 | 第1回公演『24時53分「塔の下」行きは竹早町の駄菓子屋の前で待っている』 於 唐研究室内小舞台 ※ 唐氏自ら演出を務める |
12月 | 第2回公演(以下中野演出)『腰巻きお仙義理人情いろはにほへと篇』 於 横浜国立大学サークル棟内大練習場 ※ 2期生である中野敦之らがゼミに入る ※ 客席に初代紅テントを吊る |
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2002年 | 5~6月 | 第3回公演『ジョン・シルバー』 於 横浜国立大学教育棟八号館裏紅テント ※ 状況劇場初代紅テントでの公演 |
11月 | 第4回公演『動物園が消える日』 於 横浜国立大学学内紅テント |
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2003年 | 5~6月 | 第5回公演『少女都市からの呼び声』 於 横浜国立大学学内紅テント、新宿パンプルムス(劇場) ※ 東京進出 |
8月 | 『動物園が消える日』再演 於 石川県金沢香林坊ハーバー(旧映画館) ※ 地方へ進出 |
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11~12月 | 第6回公演『鉛の心臓』 於 横浜国立大学学内紅テント、新宿パンプルムス、大阪阿倍野ロクソドンタブラック(劇場) |
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2004年 | 4月 | 『ジョン・シルバー』再演 於 横浜みなとみらい臨港パーク ※ 劇団発足、名称を『劇団唐ゼミ☆』へ ※ 青テント購入 |
7月 | 第7回公演『盲導犬』 於 横浜国立大学学内青テント、東京大学駒場小空間、横浜沢渡中央公園青テント |
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11~12月 | 第8回公演『黒いチューリップ』 於 横浜国立大学学内青テント、沢渡中央公園青テント、劇団新宿梁山泊アトリエ満天星 |
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2005年 | 1月 | 唐教授最終講義イベント |
3月 | 近畿大学演劇フェスティバル参加『少女都市からの呼び声』再演 ※ テントで初めての地方公演 |
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4月 | 新人公演『煉夢術』 於 横浜国立大学学内青テント、東京・サニーサイドシアター |
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9~10月 | 新国立劇場LOFT公演『黒いチューリップ』、『盲導犬』 於 新国立劇場小ホール ※ チケット販売と共に即日完売。急遽、追加公演が組まれる |
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2006年 | 4~5月 | 第9回公演『お化け煙突物語』 於 新東京タワー建設予定地(現スカイツリー建設地)、横浜国立大学教育棟八号館裏特設青テント |
9~10月 | 第10回公演『ユニコン物語 溶ける角篇』(台東区篇より) 於 新東京タワー建設予定地(現スカイツリー建設地)、横浜国立大学教育棟八号館裏特設青テント、京都四条河原・元立誠小学校、新潟 西海岸公園自由広場、大韓民国 全州大学 ※ 初の海外公演 |
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2007年 | 3月 | 第11回公演『ジョン・シルバー(続)』 於 東中野 芝居砦・満天星 |
6~7月 | 第12回公演『鐵假面』 於 池袋西口公園、川崎市市民ミュージアム |
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9~10月 | 特別追加公演『鐵假面』 於 井の頭公園ジブリ美術館横 木もれ日原っぱ、京都四条河原町 元立誠小学校 |
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2008年 | 2月 | 全州大学合同公演『メンドギョン(盲導犬)』 於 韓国/全州大学ホール |
9~12月 | 第13回公演『ガラスの少尉』 於 BankART Studio NYK(横浜・馬車道倉庫)、京都四条河原町 元立誠小学校、川崎市市民ミュージアム、山形県川西町フレンドリープラザ駐車場 |
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2009年 | 4,7月 | 第14回公演『恋と蒲団』 於 建築会館中庭押入劇場 |
7~9月 | 開国博Y150『ヒルサイドに巨大バッタあらわる!!』(パフォーマンス/設置) | |
10~11月 | 第15回公演『下谷万年町物語』 於 浅草花やしき |
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2010年 | 3月 | 第16回公演『愛の乞食』 於 AスタジオHINODE |
4月~7月 | 『前衛下着道-鴨居羊子とその時代 岡本太郎・今東光・司馬遼太郎・具体美術協会』展(パフォーマンス/展示) 於 岡本太郎美術館 |
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7月 | 第17回公演『蛇姫様』 於 浅草花やしき |
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11月 | 第18回公演『下谷万年町物語』 於 浅草花やしき |
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2011年 | 4~11月 | 第19回公演『海の牙』 於 浅草花やしき、横浜みなとみらい臨港パーク、横浜国立大学教育棟八号館裏特設青テント |
5月 | 特別公演『恋と蒲団』 於 福岡 三菱地所アルティアム |
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5月 | 『下着アヴァンギャルド―鴨居羊子の小径―』(展示) | |
11月 | 大唐十郎展 | |
2012年 | 4~7月 | 第20回公演『木馬の鼻』 於 浅草花やしき |
11月 | 第21回公演『吸血姫』 於 浅草花やしき、長野市ごんどう広場 | |
2013年 | 6~7月 | 第22回公演『夜叉綺想』 於 浅草花やしき、長野市ごんどう広場 |
11月 | KAAT×唐ゼミ☆合同公演『唐版 滝の白糸』 於 神奈川芸術劇場大ホール | |
2014年 | 1,3月 | パノラマプロジェクト『パノラマ ー唐ゼミ版』 於 東京 台東区入谷各所/京都 元・立誠小学校 ※ 脚本:やなぎみわ |
6~7月 | 第23回公演『木馬の鼻 決定版』 於 浅草花やしき |
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9~10月 | ノマド演劇プロジェクト『木馬の鼻』 横浜:関内大通り公園 長野:長野市ごんどう広場 名古屋:城山八幡宮 大阪:扇町公園 ※ トラックの荷台を舞台にした、『トラック演劇』 |
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2015年 | 3月 | 第24回公演『青頭巾』 於 浅草花やしき座(花やしき内 劇場) |
8月 | 特別野外公演 東北ツアー『青頭巾』 秋田:千秋公園 二の丸 山形:芋煮会大鍋の前(馬見ヶ崎 河原) 石巻:中瀬公園 仙台:西公園(花見広場) ※ 完全野外公演 |
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9月 | 横浜凱旋公演『青頭巾』 横浜:みなとみらい 臨港パーク |
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11月 | 合同公演企画 第二弾『君の罠』 於 東京:新宿中央公園 水の広場 特設劇場 ※脚本:望月六郎 |
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2016年 | 10月 | 第26回公演『腰巻お仙 振袖火事の巻』 於 東京:新宿中央公園 水の広場 特設劇場 |
2018年 | 1月 | 第27回公演『あれからのジョン・シルバー』 於 横浜:若葉町ウォーフ |
2019年 | 1月 | 第28回公演『ジョン・シルバー』特別公演『続ジョン・シルバー』 於 横浜:伊勢佐木バル333(The CAVE) |
9月 | 第29回公演『「ジョン・シルバー」三部作一挙上演』第1章『ジョン・シルバー』第2章『続ジョン・シルバー』第3章『あれからのジョン・シルバー』 於 横浜:日本丸メモリアルパーク内特設テント劇場 |
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2020年 | 11月 | 第30回特別公演『唐版 風の又三郎』 於 東京:新宿中央公園 水の広場 特設劇場 |
2021年 | 10月 | 第30回特別公演 延長戦『唐版 風の又三郎』 於 東京:浅草花やしき裏 特設テント劇場 |