『君の罠』公演のお礼
2015年11月29日 Posted in 26_君の罠
中野です。
『君の罠』公演が終わって約2週間が経ちました。
11月ももう終わりです。
稽古場や倉庫を整理したり、借りた物品を返したり、報告書を作ったりしながら、いままでやってきた公演を振り返っています。
やっている最中は正直に言って、日々噴き出してくる問題をひたすら解決し続ける、これまでの公演の中でも屈指の、超近視眼的な毎日でした。
それだけに、しみじみしたものです。
考えてみるに、次の3点がその原因。
1. 東北ツアーから時間なさすぎ
2. 望月さんが台本執筆で苦しみすぎ
3. 初めての新宿中央公園でドキドキしすぎ
それだけチャレンジが多く、実りもまた多い公演でした。
お客さんの反応もたくさん。
準備期間も、本番期間も、あっという間の閃光のような公演でした。
寒空の下、ずぶ濡れメンバーもいましたが、風邪ひく前に終わっちゃう公演。
搬出の日の雨はさすがに堪えましたが、それでも、終わってみればみな元気です。
参加メンバーのうちの何人かは次の舞台の稽古に入っています。
ドガドガ座長の丸山くんは、もうひとつの所属劇団「BOBJACK THEATER」の本番中。
望月さんはギックリ腰寸前の深手を負っているそうですが、2月ドガドガ公演のシナリオを構想中で、饒舌です。
本体である唐ゼミは、片付けを進めつつ、ゆっくりと来年の構想に入っています。
また新宿に帰りたい。
次はやっぱり、唐さんの作品であの場所に登場したいと思っています。
私たちの公演に向けて応援やご尽力をいただいた皆様、どうもありがとうございました。
深く感謝いたします。
『君の罠』第19回 本番 最終日
2015年11月17日 Posted in 26_君の罠
中野です。
最終日の朝、晴れわたりました。
最後の朝の本読み。
ここから先、ここ三日間と同じ動きなので、さっと流します。
8時半に横浜を出発して首都高。
9時半前に新宿に到着。
10時から作業。
12時、稽古。
13時から昼食。
15時に受付開始。
16時開演。
最終日が自分にとっていつもと違うのは、メモを取らずに本番を見ることです。
いつもは付箋とボールペンを持って見るのですが、楽日は無し。
音響オペレートをしていますから、きっかけの間違いがないように気をつけながら、ひたすら見ました。
先週の初めに横浜国大を出発してから、ずっと休まずに来ました。
4トントラック2台で引越しをして。
劇場を作って。
バタバタとリハーサル。
いつものスケジュールだと、現場での稽古の日を1日とるようにしています。
ですが、今回はその余裕がなかった。
ゲネプロ含めて6連続野外公演はさすがに負担がかかり、役者たちの科白も、高音域があやしい。
それでも、これが今年、最後の舞台です。
感慨がありました。
年明けに花やしき座で『青頭巾』をやって、夏は野外公演で東北を回り、横浜でも上演しました。
それが終わるとすぐに『君の罠』に突入。
インターバル無しでやってきました。
初めての場所、初めての台本。
正直に言って、いま自分が何をしているのかわからない状態でやってきました。
日々山積している問題を、ひたすら打ち返す日々。
自分にしてからがこうですから、役者たちは尚更だったと思います。
それをよく消化してくれた。
エンディングにずぶ濡れになって、多くのお客さんに祝福してもらっている役者たち。
嬉しそうでした。
唐さんがいつか「役者の才能って、マゾヒズムだよな」と言っていたのを思い出しました。
酷い目にあうことの、この素晴らしさ。
片付けが終わったら、来年のことを考え始めようと思います。
午後4時開演にも関わらず、仕事をサボって見に来てくださった皆さんに、心から感謝します。
『君の罠』第18回 本番4日目
2015年11月16日 Posted in 26_君の罠
中野です。
本番4日目の朝は、昨日から降りつづく雨。
いつものように朝起きてノートを作り、近所のパン屋に行きがてらランニング。
8時には家を出て皆と合流し、新宿を目指します。
平日の半分の時間、45分で着きました。
到着するとすぐに、洗濯物の乾燥や、舞台復旧。
自分は、軽油や小道具を買いに出かけます。
車で運んでおいた自転車で西口の世界堂を目指すと、道中、不思議な気分になりました。
新宿で自転車に乗るの、初めてなのです。
ああ、東京で暮らすってこんな感じだろう、と想像します。
そうこうするうちに、だんだん晴れてきました。
幸先の良い、爽やかな日差しです。
12時からは稽古。
熊野神社では今日は七五三はじめ行事が目白押しらしく、音響は控えて稽古をします。
細部の調整やアンサンブルシーンのウォーミングアップ。
歌の練習も。
丸山正吾がどうしても歌が苦手なので、どうやったら歌詞が伝わるか研究しました。
何をいまさら、と思われるかもしれませんが、こうして少しずつでも、粘って粘って芝居を押し上げていくのが自分たちのやり方です。
13時から昼食。
14時から着替えとメイク。
15時を過ぎれば、お客さんが集まってきます。
さすが日曜だけあって、私たちのお客さんの他にも、公園にはさまざまな人がやってきています。
青空のもと、高層ビル群も輝いている。
これから開演することに、違和感があるほど、のどかな景色。
今日も整列入場。
あっという間に場内満席になりました。
張り切って開演です。
ちょっと喉が疲れてきているメンバーもいますが、観客の反応に助けられて劇が前へ前へと進んでいきます。
何より、今日は気候が良かった。
ずぶ濡れになるメンバーが、ビショビショになりながら「今日は暖かいねえ」なんて。
エンディングにはジョギングのおじさんが通り過ぎてしまうハプニングもご愛嬌でした。
21前には解散。
明日、最終日も10時集合。
『君の罠』第17回 本番3日目
中野です。
冷たい雨の3日目。
劇場番をしたところ、昨夜は9時消灯と同時に寝てしまいました。
というわけで2時過ぎには起きている。
同じく番をしていた八重柏に一声かけて、ちょっと散歩に。
東口の花園神社にお参りに行きました。
さらに、この日記を書いたり、ノートをとったり、久々に本を読んだり。
近所の珈琲ブラジルに行ったところ、平凡者から初夏に発行された『作家の珈琲』というソフトカバーを発見。
様々な作家のコーヒー談義をペラペラめくっていたら、鴨居羊子さんのコーナーがあり、チュニックの牛島社長の寄稿があり、おもしろく読みました。
早起きして過ごす、良い時間でした。
このころはまだ霧雨で、本格的には降らず。
今日は10時集合ですが、9時半ごろから皆が集まってきました。
土曜日だけあって、道が空いていたらしいのです。
五月雨式にせっせと劇場を整えて、全体集合。
とにかく雨と、今日はたくさんやってくるお客さんに備えよう。
ミーティングの後、もくもくと動き始める。
2日目までやってみて、いまいち上手くいっていなかった2幕終盤〜エピローグとのつなぎを練習。
12時前から修正稽古を始めて、終わったのが13時。
ずっと浅草でお世話になってきたお蕎麦屋さん「十和田」のおかみさんがカレー弁当を差し入れてくれました。
皆で浅草にいた頃を思い出し、やっぱり旨いよなあ、と頂く。
14時メイクと着替え開始。
15時を過ぎると、お客さんが来る気配が高まる。
3日目にして、初めて野外劇恒例の整列入場、初めて満席でした。
開演と同時に本降り。
劇は、よくウケました。
役者たちもだんだん自信ついてきて、ちょっと重村と禿の喉が心配ですが、いよいよ激しくなってきました。
この日だけ作者が不在でしたが、今日の本番を見せたかった。
片付けや雨対策をして、あとは差し入れを食べ尽くし、21時に解散。
明日も10時集合。
ここまでくると、休むのが大切な仕事!
『君の罠』第16回 本番2日目
2015年11月14日 Posted in 26_君の罠
中野です。
初日から一夜明けました。
今朝も5時半に起きて稽古計画を練った後、今夜は劇場に泊まる用意もして家を出ました。
全体集合は少しゆっくりにして9時半。
寒い。
まずは体操をして、それから昨晩しまいこんだ装置を本番仕様に設置します。
こうして徐々に体を温め、11時半から13時まで稽古。
初日を踏まえた手直しや、怪我が心配される集団シーンを当たります。
重村が調子悪そうなので、心配。
13時からは食事をとって本番に備えます。
近くのオフィスビルに6件の店舗がしのぎを削るお弁当屋台村があって、ここですごくボリュームのあるものが安く買えます。
14時から着替えとメイク。
15時を過ぎると、お客さんがやってきます。
今回は16時開演と特殊な時間に始めてしまったので、何やら仕事を早引けしてきてくれた様子の人たちもいて、ありがたい気持ちになります。
著名なクリエイターも何人か来てくれました。
おお、中学生、高校生もいる。
今回は新宿区に協力して実現できた公演なので、区内の学校にご案内をしたのです。
劇は昨日より引き締まったものになりました。
相手役同士で科白を掛け合うだけでなく、客席にやりとりを伝えられるようになってきた。
ただ、ダーッと喋るところでは、力が入りすぎて苦しそうでもあるので、このあたりはさらに改善してほしい。
終わったあとは差し入れを頂きながら、歓談30分強。
寒いので早めにお開きとし、急いで片付け。
9時前にはメンバーを帰しました。
疲れが溜まってくる分、睡眠時間を増やして、明日に備えさせます。
明日はせっかくの土曜日なのに雨。
おまけに寒波の予報。
どうか暖かい格好で来てください。
自分たちの集合は10時。
『君の罠』第14回 公演初日
2015年11月12日 Posted in 26_君の罠
中野です。
ついに本番初日です。
5時過ぎには勝手に目が覚めて、いろいろ作戦を練りました。
皆が入り乱れるシーンはもっと整理すれば彼らのエネルギーが伝わるとか。
曲を変えたほうがノリやすいとか。
エンディングをどうしてやろうとか。
いつも、公演場所を選ぶ段階で、エンディングの見当をつけます。
この風景を生かして、こんなことをしたらさぞおもしろいだろうなあ、というのが場所探しの原動力。
そうしておいて、現場入りした後、実際の仕掛けの中で完成系を探ります。
今回はそんな時間もあまりありませんでしたが、昨晩のゲネプロの結果、豪快に変更しようと思い立ちました。
みんなも、お客さんもきっと喜んでくれるだろうと。
眠気なんか吹き飛んでしまう朝。
ところが、またしても熊野が集合にやってこない。
置いていって、こちらの作業を進めることに。
少しでも時間が惜しいので、ちょっと贅沢をして首都高速にも乗りました。
渋滞で疲れてなんかいられない。
8時半を待たずに集合すると、それぞれの役割を進めます。
案内板の取り付け、トイレの掃除、受付づくり......、本番に辿り着くまでには、山ほどのプロセスがあって、それをひとつひとつ倒します。
そうしていながら、皆で集まって、ギリギリまで変更点を当たりました。
この前には熊野も合流。
もはや部分部分を稽古するのみで通す時間が無いので、どうか上手く結集してくれよと、祈りながらの開幕。
途中デモ隊が横切ったのもご愛敬で、皆が集中力を持って、残された体力を振り絞りました。
特にこれまで失敗続きだった2幕が流れてくれたのが良かった。
終わった後は、関係者とテントの中で懇談。
唐組の久保井さん、大久保鷹さん、飯田譲治監督ほか、多くの方が残ってくれて、小一時間お祝いをしました。
それが散開してからは、片付けに取り掛かります。
ずぶ濡れメンバーも数多くいるので、彼らを労いながら、明日ますます燃えたぎるためのミーティングをして解散。
明日はちょっとゆっくりにして、9時半に集合!
『君の罠』第14回 新宿中央公園3日目
2015年11月12日 Posted in 26_君の罠
中野です。
新宿入り後、3日目は最終リハーサルの日。
今日は集合をちょっと早めにして、8時半としました。
昨晩は家に帰った自分を含め、横浜を車で出発するメンバーは7時に横浜国大発です。
第三京浜→環八→246→環七→甲州街道の裏道
とやっぱり道は混んでいます。
車中、アクセスがスムーズだった浅草を思い出しました。
現地入りしてからは、体操やミーティングを済ませて、残りの作業を倒しにかかります。
9時半からは、新宿中央公園のちょうど反対側にある熊野神社に伺って音響チェックをしました。
この時期、神社では挙式やご祈祷、七五三が目白押しで、わたしたちの嬌声が届いてしまったら大変です。
そこで、こちらの音がどのくらい届くのか、実験をさせてもらったのです。
結果、問題なく終わりました。一安心。
10時半。
エンディングの確認を行いました。
これまで突貫で作業を詰めてきましたから、初めて劇のワンシーンをここで行うと、やっと新宿にたどり着いたのだという実感が湧きました。
13時まで整理整頓。
食事を済ませて、14時から稽古。
15時を回れば、本番体制に突入です。
かくて17時。
何人かの関係者を迎えての最終リハーサル。
なんとか最後までやりおおせたものの、課題山積。
ここ数日、小雨にさらされながら朝から晩まで作業してきたせいか、
明らかに役者勘が鈍っている。
初めての段取りや水にもとまどい、所作や科白に粘り、踏み込みが効かない。
かなり焦りましたが、公園の利用時間も迫ってくるので、修正は最低限に止め、翌日に持ち越すことにしました。
とにかく少しでも多く寝て、頭をすっきりさせてから勝負するしかない。
明日も8時半に集合しようぜ。
できる限りよく寝てこようぜ。
そこから粘りに粘って巻き返そうぜ。
と誓い合って別れました。
今日はやむを得ず17時にリハーサル開始でしたが、
本番は16時開演です。
念のため。
『君の罠』第13回 新宿中央公園2日目
中野です。
今日は新宿にたどり着いて2日目。
まずは早朝起きだして、6時からの体操に参加しました。
これは近所の方たちで結成されているチームによるもので、
単なるラジオ体操かと思っていたら侮るなかれ、
オリジナルの3曲が連続する中でみっちり体をほぐしました。
白いパーカーを来た方たちが中心メンバーのようで、インストラクターの役割も果たされています。
皆さんについて、
体操→ストレーッチ→体操と3本立て、20分コースでした。
早朝の西新宿にこんなコミュニティがあったなんて。
9時前に皆で集まって、今日はもう作業、作業、作業。
途中、雨が降ることもありましたが、劇場の外装を完成させるとともに、舞台装置や客席もつくり、照明にまで踏み込まねばならいない今日は、疲れたなどと言っていられません。
さすが中央公園は人気で、他のイベントも数多く行われています。
その関係で、とにかく時間がない今回の公演です。
自分は正面にある高級ホテル「パークハイアット」にご挨拶に行きました。
以前に他団体が同じ場所で行った音楽イベントが爆音だったため、ホテルから不信感が寄せられているらしいのです。
立派なロビーエントランスで緊張しながら担当の方が降りてこられるのを待ちましたが、
実際に企画内容を説明したところ、
逆に応援しますので頑張ってくださいと励ましをいただきました。
かくも野外での演劇は様々な手続きが必要なのですが、
こつこつとクリアしていけば、
人の善意に触れて「よし、やってやるぞ!」と燃えたぎってくるところも、
一つの醍醐味なのです。
午後3時過ぎには、ゲスト出演している鳳さんの知り合いで、かつて宇宙刑事ギャバンを演じた大葉健二さんが激励に来てくれました。
夏の仙台公演に新崎人生さんが現れたのに続き、ワダタワー大興奮。
小さいころ仰ぎ見ていたヒーローに「デカイねえ」と言われ、嬉しそうでした。
受付や楽屋も徐々に完成。
明日は17時からゲネプロやります。
『君の罠』第12回 新宿中央公園1日目
2015年11月10日 Posted in 26_君の罠
中野だ。
オレはいま新宿にいる。
いつもは終電を気にしながら過ごす新宿だが、束の間とはいえ、今夜から仮住まいすることになった。
つまり、今日から現場入り。
劇場も半ば完成したので、恒例の番も始まった。
そこで、今日からは毎日更新することにする。
その前に。
前回から昨日まで、横浜で過ごした日々をさらっておこう。
6日(金)買い出しや美術の追い込み。
稽古としては細かな修正に明け暮れる。
2幕終盤にアクションがあるが、まだまだ工夫の余地あり。
7日(土)望月六郎立会いのもと、最後の通し稽古。
やはり2幕終盤に課題が残る。
横浜駅まで作者を送りがてら、長崎ちゃんぽんの店で作戦会議。
妙案が浮かぶが、果たして残された日々でこれを完成させられるか。
8日(日)トラックに積み込み。
公演に必要な品物、一切合切を、4トントラック2台とハイエースに積み込む。
雨の中作業をして、これまでお世話になってきた稽古場の掃除もする。
いよいよ、明日から新宿での毎日がはじまる。
というわけで、今朝から新宿にやってきた。
普段はまったく真面目くんなのに、現場入りや地方公演への旅立ちなど、大事な日に限って熊野は遅刻する。
今日の朝も性懲りもなく寝坊して、やはり待たされる羽目になった。
「出鼻をくじきやがって」と内心思わずにいられないが、普段の彼の素行の良さに免じて、許してやることにした。
ただし、余裕を持った出発にしていたにも関わらず、予想外の渋滞もあって、到着は予定の時間を20分ほど回った。
熊野め!
搬入の鍵を開けてもらい、さあ、いよいよ現場に乗り込む。
劇場をつくるプロセスにいつもと変わった仕掛けや特別なところはない。
ただ、今回は準備期間がすごく短いので、元劇団員の土岐くん、安達くん、『木馬の鼻』のトラック公演に出演してくれた木下藤吉くんも参加してくれた。
久々のメンバーが加わって、層が厚い。
自分は挨拶まわりや打ち合わせで外にいることが多かったが、皆、嬉しそうだ。
公園の管理をされている方たちにも手厚い気遣いを頂いて、安全確保のためのカラーコーンなど、たくさん貸してもらって助かった。
21時まで12時間。
メインの躯体が建ち、舞台側を拡張したところで終了。
多くの人たちの力を借りて、まず予定通りに運んだ。
交代制の劇場番生活も、こうして始まることになった。
東口の繁華街と違い、新宿中央公園の夜は静か。
そうそう。
横浜に車で帰る部隊の出発間際におもしろいことがあった。
自転車に乗って出かけた禿がなかなか帰ってこないと思ったら、職質をかけられたらしい。
あんまり女性が職質されたのを聞いたことないが、これも新宿だからだろう。
おかげで横浜部隊はちょっと出発が押して、帰りは21時半過ぎ。
明日は劇場作りを完了して、内装を作り切る。
まだまだ切符あります!
『君の罠』第11回 10月30日(金)〜11月4日(水)
2015年11月 5日 Posted in 26_君の罠
中野です。
うかつにも、あっという間に1週間近く経ってしまいました。
先週末から現在にかけて、追い込みも追い込みで色々ありすぎて、あっという間に時間が過ぎていきました。
本番まであと7日!
しかし、いまだ舞台はカオス...。
現地入りを前にクリアせねばならない手続きの数々。
一方、稽古を見てもらった作者・望月六郎から日々送られてくる留守電のメールの指令。
膨大な残り作業に揉まれに揉まれ。
ついに自動的に身体が動いて仕事が進んで行くゾーン状態に突入。
幸い、陽気はいい。
みんな風邪からも復調した。
かつてなく不安な公演ではありますが、きっと一週間後には何とかなっているに違いない。
という不思議な楽観に包まれて生きています。
10月
30日(金)朝から舞台装置づくり。
夕方から稽古。細部の調節に腐心する日。
大学では秋の学園祭が始まり、一気に騒々しくなった。
しめた! これでオレたちがうるさくしていても目立つことはない。
31日(土)1日作業。昼から自分、椎野、禿、米沢、田中で宣伝活動に繰り出す。
中野の商店街で短編野外劇を見る。寒いのに、出演者はバスローブ一丁。
これだ! 寒いからこそ、オレたちももっと酷い目にあおうと決意を新たにする。
11月
1日(日)仮設劇場の中で、一日中かえし稽古。
長時間かけて、これまで作ってきた劇を本番仕様のスケールに調整。
大変な作業だが効果絶大。これをやると、一気におもしろくなる。
2日(月)朝から大雨、風強し。劇場が水没。
一日作業したかったが、復旧作業に追われる。
3日(火)望月六郎を前にした通し稽古。
勢いよく始まったが、後半で失速し、ボロボロになる。
望月さんは安心した様子でもあったが、次から次から改善案が浮かんで仕方ない様子。
打ち合わせの後、望月さんを駅まで送ってからも、修正稽古に追われた。
一日が終わって深夜にケータイを見たら、作者からの留守電が8件...。
4日(水)午前中からエンディングの調整をして、テントを片付ける。
ラストスパートを前に、修正点を洗い出すミーティングをして解散。
『君の罠』第10回 10月25日(日)〜29日(木)
2015年10月30日 Posted in 26_君の罠
中野です。
空気が乾燥しています。
テントが建ち、突貫で舞台装置を作り上げ、組み上げる日々。
演技も、音響を加え、どんどん完成に近づいている。
しかし、足元にからみつく、風邪。
パイオニアは、ドガドガからの使者・丸山でした。
丸山→椎野→禿→鷲見、渡辺(ボブジャック・シアター)、米沢→熊野、津内口
という具合でこれまで伝播してきました。
ここで止まるのか?
それとも、全体を飲み込んでしまうのか?
もちろん休みたいわけですが、そうもいかない作業と稽古ペース。
だましだましの日々を耐えて生きています。
お互いをいたわり合う日々、なかなか美しい関係です。
かくいう自分自身も、椎野・禿から伝染されました。
嫌な感じがあったのでさっさと病院に駆け込み、薬をもらいました。
これが強力で、かなり改善に向かっているのですが、どちらかというと副作用がキツい。
ぼんやりして、気を抜くと、すぐに頭が霞みがかってくる。
みんなも明らかに同じ。
それを振り払いながら、稽古や作業をする日々。
25日(日)リハーサル用テント設営の日。敷地が広いのと、平らなので作業は思っても見ないくらいスムーズだった。夕方からは、新人の米沢に稽古をつける。夜、思い立って、物語の舞台である銀座〜月島をもう一度見に行く。
26日(月)一日中、舞台づくり。ステージの概形が見えてきた。
27日(火)昨日と同様、一日作業。工程は進み、メインの装置である噴水や公衆トイレが見えてきた。舞台は数寄屋橋公園ですから。気になるキャストを、部分稽古もする。
28日(水)朝から作業。夕方から稽古。音響とのキッカケ合わせや、数パターン登場曲をキャストと選ぶのがこの日の愉しみ。これはウキウキする稽古。ハマると皆、盛り上がる。
29日(木)今回の話はエピローグ付きの2幕物なのだが、そのエピローグ手前までを仕上げにかかる。あと、しばらく寝かしておいた幕間芝居も。
稽古も作業も、あとちょっと、あとちょっと、となり、皆の士気は高い。
風邪の流行で体はついてきていないところもあるが、断じて士気は高い。
『君の罠』第9回 10月20日(火)〜24日(土)
中野です。
仕事が溜まってきた〜。
劇団メンバーの会話から決まってこんな一言が漏れるようになってきています。
宣伝もする。裏方もやる。衣装やメイクの見当をつけつつ物品確保。
そしてもちろん、役者として深めなければならないことたくさん。
本当に間に合うのか。
自分はいろいろと不安なせいか、朝早く起きてしまう。
しかし、今日は早朝から大学でのテント建て。
いよいよこれからは朝から晩までの舞台装置づくりや稽古の体制に入ります。
10月も残り少なくなり、あと2週間ちょっとで新宿に突入。
残り作業を数え上げればキリがないが、ひとつひとつやるしかねえ。
ここ最近の稽古で、後半2幕のクライマックス近くまでいきました。
公演の準備はともかくとして、劇本編のゴールは見えてきている。
望月さんは周到にひとりひとりのことを考えてくれていて、
さあそれぞれの散り際がはじまった、という感じです。
20日(火)
望月さんが講義のため来校。学生たちへの指導に熱が入り、予定より1時間遅れた19時から稽古を見てもらった。この日は2幕。特に良かったのは、野島健太郎さんに作曲してもらった劇中歌の歌い方についてアドバイスをもらったこと。椎野と熊野と丸山くんが方向性を指南してもらった。
21日(水)
皆がぼつぼつ、衣装を提案してくるようになる。また、2幕のクライマックスが迫り、稽古は賑やか。望月流オレオレ詐欺の場面に、可笑しいやら哀しいやら。
(クライマックスの演技をひねり出す丸山正吾)
22日(木)
稽古は休みなので、皆で都内にチラシを撒きに行く。衣装や小道具探しも、街に出たついでに行っている。お客さんの集まりがよくない。最大の懸案事項だ。
23日(金)
これまでの通し稽古。1幕全編と、2幕6割というところ。至らないところはたくさんあるが、まずまず流れている。休憩入れて2時間ちょっとの芝居になりそう。
24日(土)
リハーサル用テント建ての準備。搬入作業。舞台装置づくり。
去年の初夏以来、久々のテント建てなので、作業手順の確認を綿密に行った。
これから作業の数日。これまで酷使してきた皆の喉や休まるといいのだが。
(久しぶりにテントが収納されている倉庫に光が入る)
(昨年のノマド演劇で旅をともにした金畑里奈が応援に駆けつけてくれた)
(テントの建て位置をわりだすマーキング作業)
(ボルトの仕分けをする椎野裕美子。ラチェット握って誇らしげ。)
(おっと、これは25日のテント建て作業。日記の先取りですが...)
『君の罠』第8回 10月16日(金)〜19日(月)
2015年10月20日 Posted in 26_君の罠
中野です。
現在、20日(火)の朝。
今日は大学での講座のために、望月さんが横浜にやってきます。
前回の来校から2週間。
稽古の進行、お客さんの対応に関する事務的なことも含め、相談したいことが山ほどあります。
長い一日になりそう。
先週末から昨日にかけて。
2幕をコツコツと進めながら、1幕の改善箇所を手直しするという日々でした。
ここらで音響も入れはじめる。
他にも、今回は野島健太郎さんにお願いしている劇中歌の伴奏が出来上がってきたり、日曜日はチケット発売日ということで、対応していました。
案件が溜まってきて、頭の中が混乱し、体が重くなってくる時期です。
衣装はどうする?
小道具はどうする?
宣伝活動もやらねば。
公演までの期間は短く、やるべきことは限りない。
本番までの仕事量を考え、じっとりと汗をかく日々。
それでも、皆でひとつひとつクリアしていけば、
加速度的に残りの作業は減り、うなぎのぼりに完成に向かって行く。
はず。
はずだ!
16日(金)休み。何人かで、舞台装置を担当したオペラ『ラ・ボエーム』鑑賞
17日(土)朝10時から稽古。早く始めると落ち着いて手直しできる。終わったのは午後6時過ぎ。
(17日稽古前。かなり邪悪な物体が映り込んでいるようにみえるが、心優しい鷲見武)
18日(日)チケット発売日につき、午前中は制作対応と舞台美術づくり。
夕方17時から稽古。野島さんから伴奏が届き、椎野と熊野の劇中歌を皆で楽しみながら稽古。
(午前中は美術制作。お昼ごはんの至福のひととき、鷲見武)
(カメラを向けると大抵イイ顔をしてくれる。渡辺宏明。ミリ単位の細やかな仕事ぶり)
(夕方から稽古。鳳恵弥さんのストレッチ講座を受ける林麻子。)
(準ミスインターナショナルの称号とは格段のギャップがある、大胆かつ自在な演技が光る鳳恵弥氏)
(最近ボーイ感が抜けて、いい感じにかっこよくなってきた熊野晋也)
19日(月)夕方から稽古。2幕半ば過ぎ、盛り上がる集団シーンの稽古。たくさん出演するシーンは交通整理に膨大な時間がかかる。自分は22時前に宣伝活動に繰り出したが、居残り稽古で、一人泣いたらしい。
(とにかく集団シーンは楽しい。もっと大騒ぎしたいもの)
(それぞれが技を繰り出すシーン。作成中)
『君の罠』第7回 10月10日(土)〜15日(木)
中野です。
これを書いている今、雨が降っていてとても寒い。
公演を一月後に控えこの寒さ。
当日は曇りや雨だと大変なことになりそうです。
どうか晴れであれ。
そうだ!
ようやく公演場所が発表できる状態になりました。
ずばり、新宿中央公園です。
ここ5年ずっとお世話になってきた花やしきの駐車場に
新たな遊具「立体迷路」ができることになり、私たちは久びさに流浪の民となりました。
ホームグラウンドが定まらないというのは不安なもの。
ずっと庇護してくださった花やしきさんに感謝しつつ、
次なる公演場所探しに乗り出しました。
春に望月さんと都内を散策して、辿り着いた場所が新宿中央公園。
唐さんが公演を強行して機動隊に囲まれ、伝説となった場所。
(唐組 状況劇場全記録 PARCO出版より)
新宿区で育った望月さんにとっても、思い入れの深い公園。
使用の許可をもらうまでには紆余曲折あり、時間もかかりましたが、
多くの人の厚意を得て、晴れて公演できることになりました。
大江戸線の出口からすぐ。
新宿からは動く歩道で、ぜひ来てください。
もう一度。
公演場所は、新宿中央公園!
この数日は、1幕を終えた後の幕間や、2幕の冒頭にてこずっています。
1幕は数寄屋橋交差点が舞台でしたが、幕間に築地を通り、2幕では月島に至ります。
月島で繰り広げられる決闘!
望月さんの敷いてくれた展開、とっても面白いんだけれどなあ。
役者がもっと押し出して、笑いのセンス発揮しないと。
俳優の思い切りが悪いので、稽古を見ていて、歯ぎしりしてしまう。
この週末でぐっとおもしろくしてやろう。
今日は稽古なしなので、そのための作戦を練りつつ悶々としています。
10日(土)作業日 舞台装置作り
11日(日)1幕の修正と幕間、2幕の本読み
12日(月)休み。月島に取材に行ってもんじゃ焼きを食べた椎野が、値段の高さに怒って帰ってきた。
13日(火)よく一緒に仕事をしている舞台美術の車田さんの依頼で、団員何人かでオペラ『ラ・ボエーム』の仕込みをしに行く。我が劇団も、初めてオペラの美術を作るようになったのだ。
14日(水)1幕後半の修正と幕間の立ち稽古
15日(木)幕間と2幕の立ち稽古
(稽古前の合わせに白熱する禿恵、渡辺宏明)
(前回のガイアプロジェクトから参加している米澤剛志、田中郁未)
(今回すごい量の台詞をしゃべる丸山正吾と今回は津内口淑香も主役級の活躍ぶり!)
(鷲見武、鳳恵弥のペアが光る二幕。ご期待あれ)
(唐ゼミのビッグコンビワダタワーと八重柏泰士。心やさしい二人。)
10月18日はチケット発売日です。
2015年10月10日 Posted in 26_君の罠
椎野です。
最近、代表中野にばかりゼミログを更新してもらっていたら、
文章の達人と申しましょうか、鮮やかな活字が画面いっぱいに踊っていましたので、
文章苦手代表のわたくし椎野が、写真をUPさせていただきます。
(着々と腕を上げてる鷲見武の大きな背中)
(もう今では現場も仕切る熊野晋也。体つきも男前になった。)
(我がチームのキュートな癒しどころ林麻子a.k.a.笑い袋。彼女のまわりには笑いが絶えない。)
(カメラを向けてこんな表情をしてくれたのははじめて。悩殺。一発KO。今回客演の
(はにかみボーイ、重村大介。小動物のような愛らしさを合わせ持つ)
(紙ものの神こと禿恵。彼女の指先からチラシデザインがひねりだされる)
(オールラウンダー津内口a.k.a.万能たぬき。チケット製作中。なんでもこなす)
来週の日曜日にはチケット予約が開始されます。
ご予約お待ちもうしあげております。
<一口メモ>
「a.k.a.」とは...
「also known as」の略。
「別名」「〜として知られる」の意。「エーケーエー」と読む。
最近ラップにはまった椎野はラップ用語を使うようになりました。
ではまた。
『君の罠』第6回 10月5日(月)〜10月8日(木)
2015年10月10日 Posted in 26_君の罠
中野です。
1幕を越えて、いよいよ2幕に突入せんとしています。
すでにいちど終えた場面をさらに煮詰めながら、先に突き進む日々。
今週の前半は、このような感じでした。
5日(月)1幕通し稽古。修正作業。もう一度、1幕通し稽古。
6日(火)望月さんの前で1幕通し稽古。
7日(水)1幕の修正、2幕の本読み。
8日(木)稽古は休みで唐組観劇。
いうまでもなく、最も緊張感に満ちた日は火曜日でした。
この日から望月さんによる大学の講座がスタートしたので、その終わりを待って、これまで稽古した成果を観てもらったのです。
午前中にも一度通し稽古をして、最終確認。
夕方、講義終了後に教室になだれ込み、舞台装置に見立てたビールケースなどを持ち込んで、さあ、通し稽古。
せっかくなので、何人か望月さんの学生にも観てもらいました。
こういう経験は久しぶりです。
唐さんがまだ大学教授だったころ、わたしたちはいつも一週間の稽古の成果を見せるのが習慣でした。
時に、唐さんが何人か講義の学生を連れて総見することもあります。
そのあとはお酒を飲みながら、さっきまでの劇の良し悪しを話し合ったものです。
ああ、懐かしい感覚だ。
肝心の通し稽古は、できるところはできるように、まだできていないところはやっぱりできていないように進みました。
いまだ創作段階ですから、繊細なところは完成度が低く、人物同士のやりとりにおける機微を表現できていません。
ですが、とりあえずインテンポで淀みなく、ぐいぐいと進んでいけば話の輪郭が見えて来るには充分だろうから、細部はとりあえず我慢をして、今後の課題を見極める機会にしよう、そう思い、メモを取りながら見ます。
皆、望月さんに一定の成果をみせるのだと頑張った結果、とりあえずエネルギーと推進力はありました。
ただ一点、1幕中盤過ぎに出てくる入山だけは、明らかに一段声量が落ちます
それ以前に、体から発散するパワーが圧倒的に乏しい。
普段ボソボソ喋りで引っ込み思案な彼女は、人前に立った時に果たすべき立ち方や発声に、いまだ到達できずにいます。
すると、そこから劇のトーンが急激に沈んでしまって、これを回復するのに、なんとか会話のボリュームを無理やり浮上させようと丸山、椎野が躍起になっていました。
入山には今回、けっこう大きな役を任せています。
特に望月さんの思い入れが強いキャラクターでもある。
強烈なテコ入れが必要だと思いました。
終わったあとは、全体で、あるいは場所を中華料理屋に移してからは少人数で、これからどうしていくか望月さんを囲んで話をしました。
いくつかのアイディアが出て、それから、ちょっと1幕を刈り込もうということにもなりました。
そういうわけで、水曜日以降は、その後の対策を行って過ごしています。
1幕を振り返ったり、先を見通したり。
それにしても涼しくなってきました。
いつの間にか長袖になり、さらに気づけば何枚か着ている。
公演はこれから約一月後。
その時、どれだけ気温は下がっているのだろう。
16時開演が、どうか有効であってくれ。
『君の罠』第5回 10月2日(金)〜10月4日(日)
2015年10月 5日 Posted in 26_君の罠
中野です。
超特急の稽古の毎日です。
前回の本番から間がないので、今回は特に時間がなく、日々たくさんの量の場面をクリアしていかなければなりません。
立ち稽古が始まって一週間、今日は夕方から1幕の通し稽古。
明日、大学の映画ワークショップ講座で望月さんが登校するので、せっかくだから1幕を見せなければ、と急いで準備しているのです。
いつもの1.5倍の速さですが、これを後押ししているのが、望月さんの台本。
『君の罠』1幕は、登場人物がグループ単位で丸ごと入れ替わりながら展開するので、誰かが極端に出ずっぱりというわけではありません。
ゆえに、何箇所かで同時に自主稽古ができるわけです。
助かる。
強いて挙げるなら、熊野が出番多いけれど、まあ彼は、いつも出っぱなしですから大丈夫。
ここ3日の動きはこんな感じでした。
10月2日(金)大道具づくり
10月3日(土)事務作業と自主稽古
10月4日(日)1幕後半を稽古
そうそう。先週末から、重村がステキなお爺さんとやりとりしています。
今回、1幕後半に戦中戦後の風景を語る場面があり、ト書きに「疎開の歌がかかる。」という一節があります。
これには困った。
音響係をやっている重村は、調べても調べても音源がないこの「疎開の歌」について、ある新聞が2013年に取り上げたのを発見。
さっそく新聞社に連絡をとり、紙面で「疎開の歌」について語った男性の連絡先を教えてもらったのです。
相手はまさに戦争を体験されたご高齢の方でもあるし、重村の電話が不明瞭になってもいけないから、ファックスすることに。
ところが、こういうやりとりに不慣れな重村は、自分の文章に自信がない。
そこで、添削です。
いいか、あいさつはこう、つづいて要件をわかりやすく、公演のあまりに細かい情報より、いかに「疎開の歌」が必要か、文字は大きめで、とにかく丁寧に。
そんな感じで一晩かけて原稿を作り、ようやく翌日にファックス。
すると、数分後には電話に着信。
先方は重村の情熱に応えて、テープを送ってくれるのみならず、楽譜や歌詞や、歌のいわれまで指南してくれることになったのです。
まるで初めてのお遣い。
ファックスの前で、連絡が来たらすぐに折り返そうと待ち構えている重村は、いつにない緊張感がありました。
もうすぐ、件の音源テープが届きます。
『君の罠』第4回 9月29日(火)〜10月1日(木)
2015年10月 2日 Posted in 26_君の罠
中野です。
ついに10月に突入しました。
稽古も裏方の仕事も精一杯、大急ぎで進めているけれど、どうにも時間が足りない。
来月半ば、新宿での公演です。
新宿での公演は実に久しぶりで、劇場でなく屋外で小屋を建ててやります。
これは初めてのチャレンジ。
学生時代、初めて大学の外で公演したのは、かつて新宿2丁目にあった小劇場、いまはなきパンプルムスでした。
2003年の初夏のことです。
この劇場を選んだ理由は単純で、昔アートシアター新宿文化があったビルの近くだから。
きっと稽古の休憩や本番前に唐さんと喫茶店に行ったら、おもしろい話が聴けると期待して選びました。
あの頃、劇をやりに新宿に通っているだけで、とにかくウキウキしていました。
唐十郎の流れを組む者にとって、やはり新宿は特別な街なのです。
今回、はっきり言ってすごく、すっごく良い場所を用意しましたが、ちょっと手続きに時間がかかっていて、声を大にして言えるのはもうちょっと、もうちょっとだけ先です。
ただ、これだけは言える!
新宿西口の、某所。
日程は決まっていて、11月12日(木)〜16日(月)までやります。
開演は16時から。
冬に差し掛かるくらいの時期になってしまったので、昼の暖かさが残っているうちに、と考えました。
オレは仕事や学業をどうとでも予定組めるわ、という人。
ちょっと安いので平日に見に来てください。
終演してもまだ18時過ぎ。
時間はたっぷりあるので、ぜひとも新宿西口の飲み屋に寄って、いま観てきた『君の罠』について語り合って欲しい。
平日は働いているという人。
土日に来てください。
日曜に観に来ても、終演18時過ぎですから、翌日の仕事に備えるに充分な時間があります。
もちろん、仕事サボって平日に来てくれるのが、一番大歓迎。
劇の物語も、ゆとり世代の青年が仕事のミスから、外国人の詐欺集団につけ込まれて転落していくという話です。
ぜひ一緒にドロップアウトしてほしい。
ここ三日間の動きはこんな感じ。
9月29日(火)18〜24時 立ち稽古スタート 1幕序盤15ページ
9月30日(水)14〜18時 新宿区や、会場となる場所に行って打ち合わせ
10月1日(木)18〜24時 立ち稽古 1幕中盤30ページ
週末までに1幕を完成させようと、とにかく猛スピードでやっている。
時間がもったいないので休憩時間を最小限にして、深夜まで続く稽古。
終電が早い人から、抜けていくような稽古。
あくまで上に挙げたのは全体で動いている時間で、この前後にも、果てしなく個人で稽古。
立ち稽古に入ってここ三日間の稽古は、とにかく辛抱、辛抱。
この、立ち稽古に入りたて、というタイミングは、いつも役者にとって一番負担かかる時期。
科白を憶えて言いつつ、動きつつ、相手役を見つつ、観客も想像しつつ...。
やることがたくさんありすぎて、皆稽古しながらあえいでいる。
しかも今回は超特急で進めているので、分量が多い、とにかく多い。
だから、自分としては、落ち着いてやるのが一番、焦らず、よく考えながらやろうや、と声をかける。
科白も、意味をよく考えながら消化して言わないと、ただ喋っているだけになってしまい、あとから修正するのにかえって時間がかかる。
焦ると、よけい遠回りになっちゃうよ。
何度も言うけど、よく内容を理解して、それからそれを動きや科白に変えて...。
そう呼びかけて、うまくいっていない箇所でひとつひとつ立ち止まって、解消していこうじゃないか。
いまは辛抱。
辛抱の時期だ。
『君の罠』第3回 9月23日(祝水)〜28日(月)
2015年9月29日 Posted in 26_君の罠
中野です。
ここ一週間は作業と休みがあって比較的稽古日が少なかったのですが、いくらか前進したので進捗状況を。
週2の約束だったのにさっそく間が空いて、愕然としています。
どうか許されたし。
23日(祝水)望月六郎を囲んで本読み
なんといっても重要だったのがこの日。
作者を囲んで本読みをしたからです。
書き下ろしの台本をもとに現場を預かる自分にとって、目的は2つ。
1. 自分がした台本への編集を、望月さんに認めてもらうこと
2. 自分が組んだキャスティングを、認めてもらうこと
基本的に、作者が書いてくれた言葉をそのまま大切にするのが自分のやり方です。
ですが今回は、書き下ろされた時点で、時間的にどうにも長くなりそうだったこと、また、言葉がたくさん費やされることで、かえって科白や物語をわかりにくくしたり、おもしろみを損なっていると思われるところを、削らせてもらいました。
これが受け入れられるかどうか?
さらに、キャスティングについて、この時点で12名の役者で準備をしてきましたが、望月さんが想定していた配役のうち5役を、組み換えしました。
これは単純に、こちらの方がおもしろくなると踏んだからです。
それぞれの役者の特性を生かし、キャラクターが濃厚になる道を選びたい。
以上、望月さんの考えたルートを外れる提案をするに際して、かなり緊張しました。
なんだこれは!と怒り出されるかもしれない。
役者は役者で当然ドキドキしている。
さらに、どうも僕らの緊張の源である望月さんも、なんだか緊張していた。
作者は作者で、キャリアのある望月さんをして、自分の書いたものはいかがでしょうか? という感じだったそうです。
なんだが、緊張の相打ち、三すくみ。
1時間弱の本読みでしたが、結果的に、編集も配役も、どちらも認めてもらいました。
あとでキャスティングに不安があると指摘されましたが、これはこれからの自分の責任。
今後、役者とともに結果を出して、あれは杞憂だったと言わしめねばなりません。
本読みを終えた後は、全体の台本理解や、公演スケジュールなどについてのミーティング。
さらにその後も、望月さんに会うとわりあいインド料理屋に行くことが多いのですが、この日も馴染みの店で夕食をしながら事後の話し合い。
13時に始まって、ぜんぶ終わったのが20時。
この日は
大反省があって、まず集合時間の指定を前日に自分が曖昧に指示してしまったために、想定する11時集合に溢れた者が何人かいた。
それによって直前の指示やコンディション調整がイマイチという初歩的なミス。
あと、台本の理解度が圧倒的に足りない、行き渡っていない、これが特に重い。
ここから2日間休みだったけれど、この地力の無さは特に尾を引いた。
どうやって短い時間で、皆を引き上げるか...。
24日(木)25日(金)別の仕事のために休み
劇には関係ないが、25日に打ち合わせの予定をひとつ完全に忘れていて、泡を食った。
その時はなんとか遅れつつも取り返したが、オレはダメだ、とナーバスになる。
嗚呼、あの本読みの地力の無さがさらに尾を引いて、体を重くしている。
26日(土)作業の日
作業場の床面の払拭は、いまだひどいらしい。
これを直すのにこの日を費やす。
夕方、知り合いのギャラリーの撤去作業を手伝い、トルコ料理をご馳走になった。
本格的トルコ料理は初めて。
ケバブに噛り付きながら、尚も台本理解の浅さが燻り続ける。
翌日の本読みに闘志!
27日(日)再び本読み、と作業
中3日あったので、どうすれば短時間で皆に物語や科白の中身を浸透させることができるか、考え抜いてきた。
これが一番効率の良い方法だと考えて稽古を進行したが、朝から夕方まで8時間かかってしまった。
手応えはあったけれど。
結果、15時くらいからやるはずだった作業が大幅にズレ込む。
夜遅くまで頑張ってもらった。
28日(月)とどめの本読み
昨日のことである。
先週末の悶々、昨日の粘りのおかげで、とどめの本読みは結構良かった。
皆だんだん、言葉の表面でなく、中身を言いこなし始めた。
希望を持つことができた。
...かくも稽古の日々は安定しない。
ちょっとうまくいかないと気になって仕方がなくなる。
うまくいけば有頂天。
あんまり表には出さないけれどね。
ここまできたら、今後は科白を憶えて立ってやった方が良い。
というわけで本読みはこれでおしまい。
今日からは立ち稽古です。
『君の罠』第2回 9月12日(土)〜22日(祝火)
2015年9月22日 Posted in 26_君の罠
中野です。
前回は『君の罠』公演が決まった経緯をお話ししました。
去年の秋頃からのいきさつです。
現在は稽古が始まって、約10日が経ったところ。
そこで今回は、9月12日以来、公演準備が立ち上がってきた様子をお伝えします。
9月12日(土)〜22日(祝火)
9月12日(土)は公演準備初日。
まずは、朝から作業場の片付け。
夕方になると、皆で大きなテーブルを囲んで打ち合わせや、劇の中身の話。
実は初夏に一度、それまでに書き上がった『君の罠』台本を作者を囲んで読み合わせる機会があったのだが、その結果を受けて望月さんが書き直したものを、改めて配布したのがこの日。
望月さんは望月さんで、私たちが夏の東北ツアーを行っていた間、ご自身の劇団ドガドガプラスの公演をされていたので、9月1日にそちらが終わってから、急激に唐ゼミとの公演に頭の舵を切った状態。
お互い前作の疲れを引きずりながらも、切り替えて共同制作に向かっていこうと久々の打ち合わせをしたのが、大雨だった9日(水)。
そこから2日かけて唐ゼミ様式の台本に清書をして、皆に配った。
他にも、内容に関わる資料を印刷したものを渡す。
初見で読み合わせても実りが少ないので、とりあえず配役を伝えて、数日かけて読み込んでくるよう指示を出し、作品の内容に関わる詩、吉本隆明の詩『エリアンの手記の詩』を読解しながら声に出して詠んだ。
その若さゆえのセンチメント、自意識、青さを皆でツッコミながら詠んだ。
その後、飲み会。
唐ゼミは、自分がお酒を飲めないせいで、世の劇団より格段に飲み会が少ない。
けれども、この日は稽古初め。
やる時はやる。
13日(日)朝集合して昼過ぎまで
昨日から一晩しか経っていない。
まだ『君の罠』本読みには機が熟さないので、一旦、別の台本を本読みすることにする。
将来やるかもしれない唐さんの台本だ。
自分はこうしていつも、何週間かかけて予習した台本を皆に本読みしてもらっては、皆の感触を探っている。
おもしろかったので、今後、実際に上演する可能性あり。
その前後で、皆はプライベートな時間のすべてを使って、『君の罠』を読んでいた。
14日(月)夕方集合
いよいよこの日より、『君の罠』の本読みに入る。
まずは1幕の前半。
謎めいたスタートだが、先々の物語の展開、全体のあらましを確認しながら、今この瞬間にこの役が何をしようとしているのか、行動原理を確認しながら、科白や所作に当たっていく。
遅々とした作業は、煮詰まると大いに煮詰まる。
まるで時間が止まったよう。
どう困っているのか具体的な科白を書きたいが、それじゃネタバレだ。
この日記も難しい。
...。
これくらいはいいでしょう。
今回は、探偵役が出る。
唐組の90年代を観ながら、望月さんはずっと探偵が書きたかったのだそうだ。
望月流の可笑しな探偵を、禿がやることになった。
やはり衣装は白のスーツだろうか?
15日(火)は休み。
16日(水)17日(木)1幕の読み合わせ
行きつ戻りつしながら、細かくやる。
途中まで行くと、冒頭の方の科白の謎が解けたりする。
個人的に何土も読んでくるのだけれど、見逃していたのだ。
稽古で発見があると、嬉しくなる。
皆と台本を間において会話していると、閃きが引き出されたりする。
稽古の愉しみ!
この間、配役も調整する。
18日(金)休み。
19日(土)作業。
自分たちの作業場は半野外にあるが、木の床が雨や微生物の働きで定期的にに朽ちてしまう。
だからこの日は、床の張替え作業。
他にも、以前から頼まれていた知り合いのイベントの手伝いが、この日は2件。
20日(日)13時に銀座集合。
取材の日。
この日は、皆で劇の舞台となっている場所を巡り歩くことにした。
銀座の数寄屋橋交番裏に集まる。
思えば23歳の唐さんは、この場所での路頭劇により、初めてマスコミに載った。
大久保さんは真冬の池に入って凍死寸前だったという。
そんなことを考えながら皆が集まってくるのを待つ。
集合したら、移動したルートはこのような感じ。
数寄屋橋交差点→日比谷公園→晴海通りを下り→資生堂を見て→歌舞伎座→築地市場→本願寺(中も入る)→聖路加国際大学&病院(協会の中も見る)→勝鬨橋を渡り→月島→もんじゃ焼き屋で1時間→大江戸線に乗り→都庁前駅→新宿中央公園を見て→新宿駅。
新宿駅では、駅構内にある喫茶店ベルクで、親しくしている平早勉さんの偏執狂的な写真展が開催中。
皆で立ち寄ったらご本人がいて、記念撮影もする。
そして解散。
劇に出てくる土地や建物を見て歩くと、科白が実態をともなってくる。
こういう作業を皆でしていると、劇団のよろこびを感じる。
一方、この日、元状況劇場メンバーの安保由夫さんの訃報に接し、天を仰ぐ。
突然だった。
21日(祝月)夕方から本読み。
昼間、安保さんが荼毘に付されると聞いて、堪らずに足を運んだ。
公の会にするつもりはなかったようだけれど、同じ気持ちの人たちが集まっていた。
安保さんにこれまでのお礼を言って、手を合わせた。
火葬に入ったところで、いたたまれなくなって、その場を辞した。
流布するイメージと違い、状況劇場がとにかく稽古づけの毎日だったことを教えてくれたのも、安保さんだ。
そうだ、稽古しよう。
夕方に集合して、皆に安保さんのことを報告し、 黙祷。
それから合唱。
僕らが一番初めに安保さんにお世話になった『ユニコン物語』の『八房の唄』。
パソコンの中、大唐十郎展の時の安保さんは、僕らが生歌で追いかけるのを振り切るように、転調して最後を盛り上げていた。
稽古はいつも以上に熱が入る。
だいぶ台本が浸透してきて、自分たちの日常会話のトピックは、だんだんと登場人物の話題で占められるようになってきた。
22日(祝火)朝から昼過ぎまで本読み。
何人か昼過ぎに予定を抱えていたので、早朝から集まって稽古。
実は翌23日に望月さんが来て、これまでの経過を披露するのだ。
自然と盛り上がる。
と行きたいところだが。
熊野が大遅刻した。
斎藤が家に起こしに行ったらまだ寝ていた。
彼は普段から実に実直で真面目な男だ。
常習的なルーズさも一切ない。
が、時折、こうして大きな寝坊をやらかすのだ。
それも、現場入りの日とか、地方への移動の日とか、気合いのこもった日に限ってだ。
最近ずいぶんマッチョになってきたが、所詮はまだまだ男の子、ボーイのレベルだ。
早くガイになってもらわないと。
望月前夜(朝だけど)とあって、一同揃えば稽古は集中力十分。
あっと言う間に4時間以上が過ぎ、何人か次の予定に送り出したら、残ったメンバーでさらに自主稽古。
1日稽古できる充実感!
以上です。
...一気に11日分はかなり乱暴でしたね。
次回からはもっとコンパクト。
安心してください。
9月19日『君の罠』第1回 これまでのこと
2015年9月19日 Posted in 26_君の罠
中野です。
『青頭巾』横浜公演が終わって数日間、正直に言って、虚脱感と片付けの多さにくたびれきっていました。
次の公演に向かうための実務や大学の仕事、家の掃除も含め、やらなければならないことは山ほどある。
なにより、望月さんが懸命に新作を捻り出してきてくれているので、それに応えねばならない。
が、だるい、眠い、頭も痛い。
さらに、あの雨の多さ。
豪雨の被害のニュースが、さらに気分を暗くさせ......。
12日(土)に始まる稽古に向けて、早起きしては台本にしがみつきますが、顔を上げれば、生乾きの洗濯物が部屋の中にぶら下がっている姿に萎えつづける日々。
それが、9月7日(月)〜11日(金)でした。
......。
ところが。
人間とは不思議なもので。
一週間の稽古を経た9月18日(金)現在、すでに爽快です!
額に汗して本読みしながら、
オレたちって、つくづく劇作るのが好きなんだなあ。
そんな感じ。
そこで、次回公演に向けての日記を書き始めることにしました。
毎日というわけにはいきませんが、3日間も稽古すれば明確な進展があるので、これからは週2回の更新をお約束しましょう。
この公演が結実するまでのプロセスを、ぜひ愉しんでください。
改めて、
『君の罠』第1回 これまでのこと
初回として、今回の公演に至った経緯を書いてみます。
そもそものはじまりは、去年、望月さんから受けた提案でした。
一度、新作を一緒につくってみないか?
もともと、望月さんには唐組の紅テントで出会いました。
新宿の近くに生まれ育ち、中学のころから状況劇場を観ていたという早熟の望月さん。
唐さんとは前からの付き合いで、望月監督の映像に唐さんが出演されたこともあったそうです。
自分が望月さんと初めてお話ししたのは2006年の終わりか、2007年初めごろ。
あれは東中野。
唐さんがシナリオを書いて主演し、新宿梁山泊の金さんが監督した映画『ガラスの使徒』の試写会の帰り道でした。
金さんは金さんで良かったけれど、自分だったらタランティーノみたいに、もっとカルトムービーっぽく唐さんの世界を撮るなあ、と言っていた望月さん。
あ、それ観てみたい、と直感しました。
それで、当時唐ゼミがやっていた『鐡假面』公演にお誘いして、それが交流のはじまり。
以来、望月さんはずっと唐ゼミに熱い視線を向けてくれています。
横浜国大で映画の講座をお願いしたのもこの時期。
「望月六郎の熱血映画塾」と題したワークショップは現在も続いています。
2005年過ぎに、学生時代からの夢だったという劇団「ドガドガプラス」の活動にも乗り出していた望月さんは、時に唐ゼミの稽古や本番に来てはアドバイスをくれ、前に劇団員だった安達くんも、望月さんの舞台で主演の一人をやらせてもらいました。
お返しに、望月さんの映画のエキストラを私たちで務めたこともありますし、最近はドガドガの美術を、唐ゼミで担当させてもらっています。
そういった経緯を経ての、去年の夏、共同制作の打診でした。
その頃は、『木馬の鼻』のトラック公演ツアーを行っている時期。
公演自体はたのしく、ノっていましたが、個人的には諸事情あって、これからに強い不安を感じたり、劇団に新たな展開を渇望している時期でもありました。
だから望月さんの提案がうれしく、ありがたかった。
即座にOKしました。
望月さんの閃きで、タイトルもすぐに決まりました。
昭和の名作ドラマ『君の名は』をもじって、『きみのわな』でどうかな?
『君のわな』『きみの罠』『君の罠』......まあ、表記は今度考えよう。
「君」といえば、「あなた」だったり、「恋人」だったり、時に日本人にとっては「天皇」だったりする。
その「罠」とはなんなのか?
イマジネーションを呼ぶ良いタイトルだと思って、「きみのわな」「きみのわな」と何度も言ってみました。
それからは、定期的に構想を話し合ったり、インスピレーションが湧いた望月さんと長電話して盛り上がったり。
そうして、現在への稽古の日々へと繋がっています。
現在は第1幕を本読みしていますが、早くも劇の世界が自分たちのなかに切実に染み渡ってきた。
それが、冒頭に書いたここ数日の元気回復の原因です。
今日は稽古が休みなのですが、先程から望月さんの予想とは違う、それでいて面白いキャスティングを思いついて、ますます燃えてきました。
ああ、体が熱いぜ!
次に書く時は、先週末から始まった稽古の立ち上がりの様子を、レポートすることにします。