3/6(日)『下谷万年町物語』本読みWS 第5回(中野)

2022年3月 6日 Posted in ワークショップ Posted in 唐十郎戯曲を読む『下谷万年町物語』

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↑劇団唐ゼミ☆『下谷万年町物語』(2010.11)より 撮影:伏見行介


『下谷万年町物語』第5回目のワークショップは2幕1場の後半を稽古。

ここは実にステキな場面で、主人公たち3人がお互いに励まし合い、

サフラン座として世の中に出ていこうとする場面です。


その先頭を走るのはお瓢。2幕序盤では落ち込んでいた彼女でしたが、

洋一・文ちゃんの励ましやオカマたちとの渡り合いの中ですっかり元気を

取り戻し、持ち前の押し出しの強さを発揮します。

そこに、洋一が隠し持っていたこの劇のキーアイテム

「警視総監の帽子」が加わり、さらに勢いづく。


洋一はこの帽子を武器に軽喜座と渡り合い、

この劇団が稽古中の『娼婦の森』を改定させることを思いつきます。

最近に起こった警視総監暴行事件をスキャンダラスに描くこの舞台に

本モノの帽子が加われば客が押し寄せるのは必定。


お瓢を主演女優、洋一を演出家(文ちゃんはまだ役割が決まらず)、

にした3人だけの新進劇団サフラン座がこうして軽喜座と渡り合おう、と。

しかし、言い出しっぺの洋一は生来の弱気を発揮してひよってしまう。


それをお瓢がいかに励まし、洋一が勇気を振り絞るのかというのが

今回のメインテーマでした。そして子どもながら文ちゃんも、

そこに自立した劇団員として並び立とうとしていきます。


白井の横やりをきっかけに押し寄せるオカマ軍団を間一髪でかわし、

高らかに劇団旗を掲げて万年町から飛び出してゆくサフラン座。

2幕2場。軽喜座への合同申し入れへと劇は進みます。


今回は、情けなさを吐露する洋一をお瓢が励ますプロセスを

しっかりと描き切るために、参加の皆さんに細かい要求を

しつこく出して応えてもらいました。完全に稽古です。


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