3/20(祝水)大通り公園7日目〜『鐵假面』公演初日

2024年3月20日 Posted in 中野note
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↑唯一、撮影できた舞台写真

まだ強風が続いている。
夜のテントのなかで、なんという1日だったのだろうと思う。

今日は10:30の集合にして、これまで9時台でずっと集まってきた
メンバーを少しでも温存することを心がけた。
そして稽古。昨夜の寒さから、ゲネプロを受けた結果を修正することは
昨日のうちに修正することは叶わず、そのために2時間、稽古にかかる。
稽古が終わる13:30頃に、雨。

天気予報を見ていた私たちにこれは想定内。
テントのなかで雨を眺めがらお弁当を食べた。
ハイカロリーの中華弁当を馬車道の味雅につくってもらい、
バッチリと効いた旨味調味料に「芝居によく馴染む」などど笑い合った。
『鐵假面』では「味の素」という会社やキャラクター名が
重要な役割を果たす。雨はあがり、また太陽が出てきた。

↓すぐ隣の立体駐車場から撮影。この頃は良い陽気だった
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そこから先は順調に進行。
16:00を過ぎお客さんが集まる。我々もスタンバイ。
16:15開場。スイスイとあらかたのお客さんを入れたところで、
いきなり空が真っ黒になり、雷、雨、強風。

後から聞いたところでは、客席からは南の空に稲光が見えたそう。
私たちは必死で、ありえない角度でめくれあがったテントから
吹き込む雨の対策などして16:30を迎えた。

お客の爆笑のなかで開演。
初日から雨のなかで、役者たちを舞台に投入することになってしまった。
その後、10分程度で雨は止んだけど、私たちの劇は強風と寒さに
晒され続けて、笑いが起こる場内を見ながら、周辺にロープをかけたり、
飛んでいきそうなものを押さえたり、役者にタオルを届けたり、
酔っ払って喋りながらテントに近づく人たちの相手をしているうちに
終演してしまった。

終わってみれば、
テントから出てきたお客さんがとにかく元気で安心した。
この後に温かいものを飲み、温かいお風呂に入ってくれるよう
願うばかりだった。誰もが健康でこの後の数日を過ごしてもらえて
初めて、私たちの準備してきた『鐵假面』もやって良かったと思える。

そういうわけで、今日は特別すぎて、
お客さんと出演者、スタッフで何かに揉まれて体験を共有した日に
なってしまった。芝居の中身が問われるのは明日以降かな。

あと一つ。
昔から私たちの劇を見てくださっているお客さんに
「ロンドンの影響ですね。シェイクスピア」と言われ、自分でも
無自覚でその場では上手く反応できなかったけれど、
今回のオープンエアーはグローブ座の影響かも知れないと教えてもらった。

↓久々に見返したこの写真。が、役者は屋根付き、お客が屋外なので逆だった
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懐かしい『ヘンリー8世』。
あの芝居に出てきた黄金の巨大な男根。
観光客相手に大概はそこそこのエネルギーで演じ、ここぞという
見せ場ではいきなり大熱演して満足感を出すしたたかな役者たちを
思い出した。確かにあの感じを、自分は大好きだった。

テントに一人でいて、まだ風が強い。

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