12/2(火)『盲導犬』本読みWS 第2回 その①

2025年12月 2日 Posted in 中野WS『盲導犬』
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↑2005年に新国立劇場で『盲導犬』を上演しました。その時のチラシです


昨晩は次の三つの場面を読みました。まずは整理していきます。


①「影破里夫」、「フーテン」を説得する。

「破里夫」が「フーテン」を説得します。

時に甘い言葉をささやき、時に腕力で。要するに飴と鞭です。

寄るべなく生きる「フーテン」に、「破里夫」は目標、すなわち

「星」を目指して生きる大切さを説きます。そうして、自らが

大切にする不服従の盲導犬「ファキイル」をともに探すよう

促します。

が、「フーテン」はなかなか感化されません。腕づくで言うことを

聞かせようとする「破里夫」から「フーテン」は逃げます。

「破里夫」は望みを託して叫び、劇中歌を歌います。


②「破里夫」、ロッカーに通う「女」に出会う

そこへ、ロッカーに通う「女」がやってきます。

彼女の名は「銀杏」。毎日、330番のロッカーに通う彼女は、

そこに自分の大切なものが仕舞われていると言います。

鍵はなく、それを爪でこじ開けようとしているために、

鍵穴は剥がれた爪で埋まり、その爪に火を灯すことで、

鍵穴を壊そうと試み続けているのだそうです。

「破里夫」はそんな「銀杏」に興味を持ちます。

「銀杏」は貞淑なる人妻のようでいて、どこか「破里夫」を

誘うような物腰でもあり、それが「破里夫」を魅了します。

「銀杏」によれば、このコインロッカーには自分のような女が

たくさん通い、それぞれの大切なものが、このロッカーに

封じられていると言います。


③「銀杏」とその夫、封印されたラブレター

次第に、「銀杏」が330番に通う理由が明らかにあります。

それは、彼女が大切にする、昔の恋人とのラブレターが

ここに封印されているからでした。恋人は「良い人」だった

と「銀杏」は言います。

「銀杏」の「夫」は商社員で、タイのバンコクに単身赴任して

いました。そして南に向かう朝、妻が元恋人と取り交わした

ラブレターを330(みさお)番に入れ、鍵を持っていってしまった

のです。以来、「銀杏」はその所有権を維持するために、毎日

100円を入れるためにここに通っています。それが、「夫」の

仕掛けた罰であり、貞操帯でもあるわけです。

ところが、「夫」はバンコクで亡くなってしまいました。

安キャバレーのダンサーに入れ上げていたところ、その女に

拳銃で撃たれたのです。逃げるところを後ろから頭を撃ち抜かれた

夫は死に、鍵は永遠に失われました。だからこそ、「銀杏」は

今もここに通い続けているわけです。

という、劇の背景が語られます。


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