12/2(火)『盲導犬』本読みWS 第2回 その①
昨晩は次の三つの場面を読みました。まずは整理していきます。
①「影破里夫」、「フーテン」を説得する。
「破里夫」が「フーテン」を説得します。
時に甘い言葉をささやき、時に腕力で。要するに飴と鞭です。
寄るべなく生きる「フーテン」に、「破里夫」は目標、すなわち
「星」を目指して生きる大切さを説きます。そうして、自らが
大切にする不服従の盲導犬「ファキイル」をともに探すよう
促します。
が、「フーテン」はなかなか感化されません。腕づくで言うことを
聞かせようとする「破里夫」から「フーテン」は逃げます。
「破里夫」は望みを託して叫び、劇中歌を歌います。
②「破里夫」、ロッカーに通う「女」に出会う
そこへ、ロッカーに通う「女」がやってきます。
彼女の名は「銀杏」。毎日、330番のロッカーに通う彼女は、
そこに自分の大切なものが仕舞われていると言います。
鍵はなく、それを爪でこじ開けようとしているために、
鍵穴は剥がれた爪で埋まり、その爪に火を灯すことで、
鍵穴を壊そうと試み続けているのだそうです。
「破里夫」はそんな「銀杏」に興味を持ちます。
「銀杏」は貞淑なる人妻のようでいて、どこか「破里夫」を
誘うような物腰でもあり、それが「破里夫」を魅了します。
「銀杏」によれば、このコインロッカーには自分のような女が
たくさん通い、それぞれの大切なものが、このロッカーに
封じられていると言います。
③「銀杏」とその夫、封印されたラブレター
次第に、「銀杏」が330番に通う理由が明らかにあります。
それは、彼女が大切にする、昔の恋人とのラブレターが
ここに封印されているからでした。恋人は「良い人」だった
と「銀杏」は言います。
「銀杏」の「夫」は商社員で、タイのバンコクに単身赴任して
いました。そして南に向かう朝、妻が元恋人と取り交わした
ラブレターを330(みさお)番に入れ、鍵を持っていってしまった
のです。以来、「銀杏」はその所有権を維持するために、毎日
100円を入れるためにここに通っています。それが、「夫」の
仕掛けた罰であり、貞操帯でもあるわけです。
ところが、「夫」はバンコクで亡くなってしまいました。
安キャバレーのダンサーに入れ上げていたところ、その女に
拳銃で撃たれたのです。逃げるところを後ろから頭を撃ち抜かれた
夫は死に、鍵は永遠に失われました。だからこそ、「銀杏」は
今もここに通い続けているわけです。
という、劇の背景が語られます。
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