7/26(月)ワークショップレポート(佐々木)

2021年7月26日 Posted in 唐十郎戯曲を読む『ガラスの少尉』

皆さんこんにちは。本日は『ガラスの少尉』最終回。


ミノミがガランスになったのか、

ガランスがミノミとして生きていたのか、

どちらかはわかりません。それがこの本の面白いところ。


蘇った少女ガランスはまたガラスへと戻っていく。

そこへ来た兵隊たちが持っている袋の中には生首。

隊長首が飛ぶ。


山形県川西町での地方公演の時の話

首が飛ぶ仕掛けを外でいじっていた時、

女子高生が走り出てきて号泣していたとか。

田舎の子は純朴で刺激が強すぎたかもと思った事を

このシーンを見ると思い出すそうです。


従業員の家に様子を見に行くと手首を切っている。

ガラス工場から東京に帰ってきたのです。


ミノミは眠くなり、眠ろうとした時

主任にガランスと呼ばれ、ガランスになっていく。


ジェラルミンの機体は天井をパックリ開き

後尾からゆっくりと宙に浮くと、

逆さまのかっこうで地獄に向って急降下する。

悲鳴は唄にとって代る。


ギヤマンの星をかざしてごらん

水道が滝になり

牛が一匹お寺の鐘によじのぼり

この岩からは血がほとばしる

蝮が馬とさかり

高いビルの上では

蛇が禿鷹をズタズタに引き裂く

氷の中に火が燃えて

太陽はカルメ焼となり

目には墜落するジェット

そしてこの木が歩き出す

ギヤマンの星をかざしてみたかい


命のないものが命を得て歩き出す。

中年男が振り向き美人を求めて

女の子を振り向かせようとするところから始まったが、

徐々に命の取っ替え引っ替えになってゆき、

最後は少女が追いかけるようになってゆく。

生きていると思った中年男が

ガラスの少尉になって死んでゆき、

少女ガランスが生きてゆく。

と、ぐるぐる回っている展開のお話でした。


88FE9C78-AF4A-4BFB-849D-5549B6D161B1.jpeg

(ギヤマン)


来月からは『続 ジョン・シルバー』です!

初回は『ジョン・シルバー』の解説を交えた導入編をお届けします。


トラックバックURL:

コメントする

(コメントを表示する際、コメントの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。その時はしばらくお待ちください。)