11/18(金)あこがれのシャコンヌ

2021年11月18日 Posted in 中野note
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今日は音楽会に出かけました。
演奏家はヴァイオリン奏者のイザベル・ファウスト。
お目当ては、バッハの無伴奏パルティータ第2番。
いわゆる「シャコンヌ」が入った名曲です。

唐さんの台本には、時おりクラシック音楽の指定があります。
代表例は『秘密の花園(82)』のブラームス。
弦楽六重奏曲第1番の第2楽章がクライマックスで鳴り響きます。

他にも、ワーグナーの歌劇『ローエングリン』前奏曲。
『腰巻お仙 義理人情いろはにほへと篇』2幕の床屋で、
バックミュージックに指定されています。
下町の床屋に聖杯伝説にまつわる壮大な前奏曲!
これは完全に、唐さん一流のギャグとしての使われ方です。

などなど。

今夜、聴きに行ったバッハの「シャコンヌ」は、
『続ジョン・シルバー』の1幕1場に指定されています。
さおだけ屋をボーカルとする町内会メンバー有志の
グループサウンズ「ヤングホルモンズ」が結成されると、
舞台である高級喫茶店は下卑た宴会場と化してしまう。

これを嫌ったボーイ主任は、これみよがしにレコードを取り出し、
このバッハの「シャコンヌ」をかける。
これは実に、ギャグとシリアスがないまぜになった使われ方で、
バッハ=高級とするボーイ主任の安直さ、俗っぽさが、
どこか健気で、チャーミングですらあります。

これ以降、ヤングホルモンズとバッハの小競り合いは何度かに及ぶ。
場の最後に至ってこの対決が極まると、
「♪よいこらさあ」で有名な「ジョン・シルバーの歌』が乱入し、
先ほどまでの対決を粉砕してしまう。そういう趣向です。

ちなみに、私が『続ジョン・シルバー』使った演奏は、
旧東ドイツで活躍したカール・ズスケさんによるものです。
有名な演奏はいくつもありますが、大方がロマンティックすぎる。
禁欲的な演奏の方が役者とせりふを引き立つと考えました。
(立派な演奏をしたズスケさんには申し訳ありません!)

今日の演奏は繊細さと陰影の極み。
私にとって人生初の生シャコンヌは素晴らしい体験でしたが、
もちろんヤングホルモンズとの対決には極めて不向き、
『続ジョン・シルバー』には使えません!

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