2/25(水)『ビニールの城』本読みWS 第3回 その①
2026年2月25日 Posted in 中野WS『ビニールの城』
先週の土曜日に行った『ビニールの城』本読みWS 第3回でしたが、
レポートが遅くなっていました。
第3回目の絶大な進展は、なんといっても、まともに「朝顔」と「女」が会話
しはじめたことです。これまで、「女」はずっとカミヤ・バーのなかをウロウロする
ばかりでした。その態度はどうにも思わせぶりで、「朝顔」に対して、どうにか
気づいて欲しいと言わんばかりのアピールぶりだったのですが、ついに
自ら口を割って、自分がかつて、アパートの隣の部屋で暮らしていた女だと
明かしたのです。
そうすると、「朝顔」もさすがに旧知の仲だと知ったわけですから、
自らの内向性や奥手ぶりを一旦は傍に置いて、会話し始める。
その中から、「朝顔」と人形「夕顔」と「女」の、奇妙な共同生活が見えて
くるというところに、たのしさがありました。
一応、恋愛関係ではないので、馴れ初めというには可笑しいですが、
ことの始まりとしては、酔っ払った「朝顔」を「女」が介抱したというのが、
声をかけたスタートだったらしい。それまでは、隣の部屋から「朝顔」と
「夕顔」の会話が漏れ聞こえてくるので、てっきり二人が暮らしていると
思っていた「女」の誤解も解け、そこからは、お食事を差し入れてもらう仲に
なったが、「夕顔」と別れた「朝顔」はふいに姿を消してしまった、という
経過だということも見えてきました。
特におもしろいと思うのは、全編を通じて、とにかく「朝顔」が
酔っ払って酩酊していることで、闇の浅草、霧の浅草で、しかも
カミヤ・バーの電気ブランに劇全体が浸かってしまっている、
そのなかで人形「夕顔」とのやりとりや、不思議な「女」とのやりとりが
モヤモヤと生じてくる、そういう「朝顔」の世界が浮き上がってきました。
物語が動きはじめた。そういう実感のする回でした。
「女」とのやりとりの前に、「夕顔」の居場所を訪ねて、うらぶれた腹話術師たち、
その人形たちとする「朝顔」の会話も面白いので、それは明日に触れます。
↓「酔っ払い海老」っていう料理がありますね。活け海老を紹興酒に漬けて
グッタリさせてから加熱する中華料理です。『ビニールの城』は、浅草の
電気ブラン漬け、という感じがします。対人&対世界恐怖症の「朝顔」が
ベロベロだからです
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