3/17(火)『ビニールの城』本読みWS 第6回 その①
2026年3月17日 Posted in 中野WS『ビニールの城』
↑2003年11月 唐組『泥人魚』公演より、水槽から出たばかりの唐さん。
思えば、2001年春の『闇の左手』から続いた水槽の活用は、1985年の
『ビニールの城』に萌芽があったのかも知れないと、今回の本読みWSで
気付かされました
2幕、浅草芸人のなかでも奇術師らしき「河合」と「引田」が水槽を引っ張って
くる場面から読みました。水槽の大きさは1.24m四方の立方体、とト書きに
詳しく書かれています。
そこに水を並々と注ぐと、1.5トン弱の水が入った水槽の出来上がり。
そのなかに人形が手錠をさせて沈められており、さながら水中脱出ショーと
いった光景です。人形ではありますが、ちょっと残酷な感じがします。
一方でご愛嬌に、水槽のなかで人形がクルッと反転する、
などと技術スタッフ泣かせのギャグまで書かれており、唐さんは他劇団に
台本を提供する気楽さからか、遊び心も忘れません。
この時点で、この仕掛けの標的は「朝顔」にロックオンされます。
物語が先に進み、クライマックスを迎えた時、主人公の「朝顔」が水槽に
沈んだ人形を助けられるかどうかが試される時がやってくるのは明白です。
が、昨日に読んだ箇所まででは、そこには至りません。
昨日は、「名なし丸」と「リカ」という二人のおもしろいキャラクターの会話が
ほとんどでした。
「名なし丸」。これは、ヒロイン「モモ」が化けた姿です。彼女は1幕で「夕一」
を振り、「朝顔」に振られた後に姿をくらまし、この「名なし丸」になって還って
きました。自分を呼ぶ呼び方、つまり一人称は「おいら」です。男っぽい。
これは、1982年12月に初演された『秘密の花園』のなかで、緑魔子さんが
演じ分けた二人の女性のうち、主人公の姉「もろは」の好演から生まれた
キャラクターでしょう。「もろは」の声の低音、啖呵の鋭さがカッコ良かった。
唐さんはそれをこの「名なし丸」に応用して、魔子さんの魅力をフル活用
しようとしたものと想像できます。
「リカ」。彼女は「モモ」の後輩です。「リカ」もまたビニ本の女であり、
しかも、私生活では問題が多い。ヒモの男と付き合い、どうやら子どもも
いたようです。しかし、なんらかの事情で子どもは幼い段階で亡くなって
しまった。(このあたり、『秘密の花園』にも、ヒロイン「いちよ」の後輩の
女が幼い子どもを亡くしたところを踏襲しています)
ヒモと別れる時には「モモ」に助けてもらったことも、二人の会話から
見えてきます。
彼女ら、「モモ」と「リカ」の会話とアクションは、クライマックスに至るための
前哨戦的な部分であり、特に「リカ」が身体を張って水槽に飛び込む部分が
魅力的です。
見方を変えれば、唐さんは緑魔子さんの他にも、劇団第七病棟の女優さんに
チャンスを与えたかったのでしょう。魔子さんを水槽に飛び込ませることは
憚られても、若手女優にとって、それは活躍のチャンスになる。
そういうシーンが展開したのですが、それは明日。
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