12/5(土)『ビニールの城』を読み終わる

2025年12月 5日 Posted in 中野note
昨日、『ビニールの城』を読み終わりました。
だから今朝はいきなり仕事をし、読書をして、落ち着いた気持ちで
1日を始めることができました。台本を読んでいると、何があっても
まず台本で、一定ページを進まなければ、どうにも落ち着きません。
そして、その後に始動、という感じで過ごすので、1日が盛り盛りに
なります。それにしても。

自分には、ナマの相手がどうしても嫌だという主人公の生理が
縁遠く感じますが、ヒロインの「ケモノ臭いのがいやなんでしょう」
という迫り方には、同じように恐怖を感じないではありません。
その辺り、女性と犬とを結びつける『盲導犬』が底流している
ように感じられます。唐さんは、魔子さんのなかにずっと
『盲導犬』の「銀杏」を見て、それを大切にしてきたのでしょう。

また、年内に『アリババ』を読んでみようと思います。
新宿梁山泊が上演した『アリババ』の映像が有料で公開されるよう
ですし、あの短編について、ちゃんと考えてみようと考えています。
前にWord打ちをしっぱなしにして、誤字脱字チェックも疎かにして
いたのをきちんと読み直してみるつもりです。

そういえば。
唐さんは、いつだったか、ついに三島由紀夫さんに自分の劇を観て
もらうことができなかったと、残念そうに語ってくれたことが
ありました。でも、澁澤龍彦さんは共通の知り合いだし、澁澤さんを
通じて、三島さんが『アリババ』というタイトルを気にしていたことは
聞き知っていたそうです。それだけに惜しまれるのでしょう。

また、別役実さんの『マッチ売りの少女』と『アリババ』とは同じ
1966年に発表された作品であり、両方とも、復讐するために子が親を
訪問するという点で共通しています。どちらが早く発表されたのだろう
と疑問に思っています。そういうことも調べてみたい。

年が明けたら、両方ともオンラインWSの俎上に上げようと考えて
います。

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