1/8(木)『下谷万年町物語』をいま読んでみると
2026年1月 8日 Posted in 中野note
週末に向けて『下谷万年町物語』を読んでいると、
過去に行った上演の様子が思い出されることがたくさんありますが、
一方で、あれは強烈に間違っていたなと反省しきりのシーンが
いくつもあります。
例えば、主人公の一人である「洋一」の登場シーン。
彼は劇団の小道具係としてつくったサフランの造花が風に飛んで
しまったのを追いかけながら登場します。
あのシーンを、自分は美しくしすぎたのではないか。
初登場なので、なんとなくキレイにまとめてしまった感があったの
ですが、「洋一」はあくまで、不本意な小道具係にくすぶり、
ブツブツ言っているうちに造花を飛ばしてしまったのです。
造花づくりに身が入っていなかったでしょうし、
そういう冴えない人間の常として、しくじった時にはみっともなく
あわてふためいたはずです。そうした鬱積があるからこそ、
サフラン座を立ち上げようというバネになる。
そのあたりを、自分は押さえていなかったのだと痛感しています。
ということは、この劇と自分との間にはまだまだ伸び代が
あるわけで、これが今度の3日間の、はたまた続きの二幕や三幕
に挑んでいく時の愉しみになるはずです。
特に当時は、稽古も三幕終盤になるとバテバテでしたから。
いまは休み休みしながら進めますので、体力と気力を終盤にも
注ぎたい。ある劇団が生まれてあっという間に消えていく。
身を切られるようなエピソードの細部を切実に描く上演を
構想しようと考えています。
↓小説版にもヒントがたくさん
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