6/25(水)思い出す『月の光』、新宿梁山泊の『愛の乞食』を観てきた
2025年6月25日 Posted in 中野note
↑少し宴会に呼ばれて、22:30頃に失礼しました。灯りの落ちた受付にも
熱演の余韻があります
相模原市民会館に二度目の訪問。
初めて訪れたのは二週間ほど前で、デジャブのような感覚を
覚えましたが、再訪してその正体がわかりました。
自分は確かに、ここに来たことがありました。
竹内銃一郎さんが作・演出し、佐野史郎さんが主演した舞台
『月の光』を自分はここで観たのです。確か、大学の一学年上の
先輩が竹内さんの劇作家養成講座に参加していて、その縁で誘って
もらった劇でした。空間が捩れていく不思議と透明感が印象的な
舞台でした。調べてみると、2000年4月17日の上演であり、
佐野さんの他に、岡本健一さん、藤谷美紀さん、小日向文世さん、
石川真希さんが出ていたことがわかって、豪華出演陣だったのを
今更ながら実感しました。
何より、まだ携帯電話を持つ前だった自分が、当時住んでいた
上星川からどうやって移動したかが謎で、それも不思議な感じが
しましたが、今朝は、自分は確かにここで劇を観たのだ、という
実感を得ました。
夜は、新宿梁山泊『アリババ/愛の乞食』若衆公演を観に花園神社に
行きました。本公演の休演日を使って若手をデビューさせようという
企画で、前回の『ジャガーの眼』の時にも行ったこの若衆公演を、
自分はとても優れた試みだと思いました。後進に唐さんの劇の
主演を張らせたいという金さんの後推しがみなぎった公演に応えて、
「後先を考えず、今しかない」という熱演を皆さんが見せていました。
『アリババ』は、同棲時代にあって堕ろした子供の不安に苛まれる
若い男女を描いています。『愛の乞食』は、戦前・戦中に冒険に
明け暮れた海賊たちの限界と無惨を目の当たりした保険会社の
サラリーマンが、アウトローに目覚める物語です。
金さんは朝鮮半島で生まれた名曲『鳳仙花』を両作品の随所に
ちりばめて、両作品の登場人物たちが抱える、居心地の悪さや、
焦りや、反骨の衝動を託していました。
『愛の乞食』のエンディングで、原作では、警察に無惨に倒される
はずの主人公「田口」が、この上演では見事に警察を圧倒します。
金さんの願いを見ましたし、観客が皆、客席からそういう田口を
応援する拍手を送りました。
本公演を、来週に観に行きます。
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