7/23(水)立ち稽古2日目〜5時間踊りっぱなし

2025年7月23日 Posted in 中野note
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↑お盆を持っているのが鍵山大和くんです(一番右)

今日も立ち稽古。
急な坂スタジオで第一場の真ん中を稽古しました。
ちょうど、喫茶〈肉体〉のボーイたちがタップダンスとともに
登場する場面からです。

最初は、タップもおぼつかないし、その場で組まれていく動きもあるし、
せりふだってあるわけですから、かなり混乱していました。
今回、新たに参加した鍵山大和くんと麻生金三くんのことです。
特に山の手事情社の鍵山くんはたいへんで、役の上でもボーイ主任の
米澤剛志にスパルタ稽古を受け、現実的にも消化しなければならない
ことが多すぎた。が、何度も何度も繰り返して、力技で押し上げて
いきます。

基本的にリアクションの役です。
月が太陽の光を受けて明るくなるように、
ボーイ主任にいろいろと働きかけを受けて(かなり暴力的ですが)、
それに影響されながらせりふを言うと役も鍵山くんもイキイキし
始めます。「受け」がきちんとできると面白く、そうでないと
なんだか一人芝居になって、面白くありません。
そして「受け」には、相手に対してアンテナを貼り続ける集中力が
必要なのです。それを5時間以上、過酷な稽古に、持ち前の
真面目さと明るさと爽やかさで臨み、その爽やかさがどこか変態的に
輝く鍵山くんを見て、ユニークなやつだ!お願いして良かった!
と思いました、不器用なところもあるけれど、役に合っています。

麻生金三くんも試行錯誤していましたが、
そこへ、去年から同じボーイ2を演じている谷洋介さんがスッと
演じ始めると、人格を破壊されて機械のようになってしまった人間の
哀れさとグロテクスな喜劇性が遥かに上だったので、また金三くんと
作戦を練りたいと思いました。

それにしても、ボーイたちはイジメの構造と結びついた昭和の笑いだと
つくづく思います。でも、本当は「昭和の笑い」というだけではなくて
人間の本性に結びついたイジワルな笑いなんだとも思います。

そこへ、貝と老婆、水道水飲み男もやってきました。
赤松怜音さんが椎野と貝を探り、三木美智代さんが津内口と老婆を
探っています。どう話しかけたらどんな反応をするのか、こちらも
見ながら、試しながらやっています。

フジタタイセイくんは稽古場の人気者であり、
佐藤拓之さんはベテランらしい知恵者として、男の内面を確かめながら、
ボーイ主任である米澤との、せりふだけではない所作の駆け引きを
探っています。

リアリズムをベースに、過剰にして戯画化する。
時には大いに過剰にし過ぎるくらいにして、熱血な劇になる。
という状態を目指していることが、稽古場にいてわかってきます。
こういう方向性だな、と稽古しながら初めての人たちともわかり合って、
真の座組になっていきます。

↓座って笑っているの金髪の女性が三木美智代さんです
後ろには出番を待って控えている佐藤拓之さんもいます
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