7/6(日)『少女仮面』ワークショップ 4日目
2025年7月 6日 Posted in 中野note
↑文章中の切り替わりに苦労する方には、立って、体を捌きながら
読んでもらいます。声の表情が変わるからです
まずは劇中歌の練習から。次に、全体の中から1場だけを通し読みして
それに修正を加えました。そうすることで、皆さんをチューニング
したいと考えたのです。全体を通じて基本となる声量やボルテージを
こちらで指定してから、休憩を挟んで、さらに全編を通すように
しました。
間には、唐さんも好きで『秘密の花園』に使ったブラームスの
弦楽六重奏1番、第2楽章について、皆さんと聴き比べを行いました。
パブロ・カザルスとアンナー・ビルスマの演奏の違い。
情熱的で主観を重んじるカザルスの演奏様式。
音程・音色・アンサンブルを重んじるビルスマ。
再現芸術にはどちらも必要だと思いますが、
「アングラ演劇」というイメージから情感強めにせりふを言われがちな
唐十郎のせりふを再構築するために、ビルスマ的なセンスが必要な方が
いると考えたからです。
そもそも、「俳優」は一義に感情表現をするものだ、という考え方を
更新したいとも考えました。こういうことは芸術観・演劇観・俳優観
に踏み込むことなので、これまで控えめにしてきましたが、お客様向けの
WSとはいえ、質を上げるために避けては通れないと思ったのです。
他にも、声はよく出るけれど、歌詞の内容を無視しているために
歌手としては最悪だと思う方の動画なんかも観てもらいました(笑)
「この人、声はよく出るけど、歌としては最悪だ。この歌詞の内容を
理解していたら、こんな表情で歌えるわけがない」という感じで。
結果、皆さんの通し読みは、これまでの『唐版 風の又三郎』2回より
格段にレベルが上がりました。声がよく出て、読み込んだ意味を発声
する際に表現できており、他人からせりふを受け取り、次の人に渡す
こともよく出来るようになってきました。
難点としては、下記2点。
・やはり3場の中盤で「春日野」と「貝」が延々話すところは難しい。
※プロだってまともにできないのです。
・次に、病気やご予定で欠席された方に、内容を伝えきれていない箇所
を伝えきれていないところで、どうしても空白地帯ができてしまう。
けれど、結果としては、過去2回の『唐版 風の又三郎』を受けて、
少しでも完成度を上げたい、『少女仮面』の内実を伝える通し読みで
あって欲しいという私の希望を、皆さんは叶えてくださいました。
参加の方々に週末2回を投じてもらうのはなかなか大変だったと
思いますが、どうもありがとうございました。今や『少女仮面』を
よく知る皆さんのおかげで、唐ゼミ⭐︎上演のハードルは上がり、
その厳しい目に応えることもまた、私たちの望むところと感じます。
休憩時間を和やかにお菓子や、宣伝へのご協力を頂いていることにも
感謝します。温かな応援団に支えられている実感です。
4日間、どうもありがとうございました!
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