7/14(月)『黄金バット-幻想教師出現-』本読みWS 第11回(最終回)
2025年7月14日 Posted in 中野WS『黄金バット-幻想教師出現-』
↑この本に引き続きお世話になります!
先々週、先週と『少女仮面』本読みWSで中断していた
『黄金バット-幻想教師出現』の最終回。
3週間ぶりですから、過去の内容を思い出しながら大団円に向かって
ラスト20ページを突き進みました。
ポイントは2点です。
・「ブドリ」と「ヤドカリ・ミサ」&「自閉症児たち」の対話とすれ違い
・「ブドリ」が幻想教師として再生するまで
まず、「ブドリ」の前に「ヤドカリ・ミサ」が現れます。
スパルタ教師「ヒサコ」に連れられていった自閉症の女の子で、
宮城に向かう電車から落ちて亡くなった「ヒサコ」とはぐれて依頼、
「ミサ」は歩いて東京に戻ってきたのです。(仙台-東京は約350km)
「ミサ」は、風鈴学級のクラスメイトである自閉症児たちとともに
「ヒサコ」の耳を差し出します。これが何を意図するのか。
・スパルタ教師「ヒサコ」に対する生徒たちからの復讐
・敬愛する「三上先生」の耳のかわりにこの「耳」を提供
などの説が考えられますが、「ミサ」と「自閉症児たち」の意図を
汲み取ることは難しく、「ブドリ」は図りかねます。
(私としては、残酷ながら、前者ではないかと考えています)
いずれにせよ「ブドリ」は自分が落ちこぼれ生徒であることを
アピールし、「ミサ」たちと打ち解けかけます。
が、そこへ飛び込んできた「ヤゴ」が「ブドリ」を「先生」と
呼んだことで、「ブドリ」がかつてスパルタ教師「アヤトリ先生」
だったことが「ミサ」たちにバレてしまい、自閉症児たちは去って
いきます。もう少しのところで心が通じかけていた「ブドリ」は
孤独に陥り、「ヤゴ」を使いに出して離れていく「自閉症児たち」を
引き止めようとします。「ブドリ」は「黄金バット」となって飛ぶ
姿を見せることで、「自閉症児たち」の心を掴もうとします。
が、長屋の2階から飛んだ先には、「鎌いたち」らによる罠が仕掛け
られていました。地面に置かれた「鎌」によって「ブドリ」は
耳を削がれ、頸動脈すら切ってしまいます。
傷ついた「ブドリ」を見届けて、「消しゴム売りたち」「見世物師」
「合羽屋&小夜子」「議員たち」は去っていきます。
残された「タキザワ」「ヤゴ」は、モグラ・タンクを呼び出し、
事切れていく「ブドリ」を地中深くに送り込みます。
それは何故か。
「ブドリ」は地中に進むことでシャレコウベになり、やがて
「黄金バット」になる。教師として復活することができるのです。
ラストシーン。
死んだはずの「ブドリ」が「黄金バット」として舞うのはそういう
経緯です。唐さんの筆致としてはかなり強引ですが、骸骨である
「黄金バット」になるために、「ブドリ」は死に、地中に潜るのです。
理想の「幻想教師」を目指す物語の完結です。
三幕ものの長丁場でしたが、ずっと読んで下さった皆さん、
ありがとうございました。
来週からは、姉妹作である『お化け煙突物語』を読みます。
『下谷万年町物語』をきっかけに自分のルーツを探っていこうと
する唐さんの試行錯誤を追究しましょう。次回は7/20(日)です。
トラックバック (0)
- トラックバックURL:
コメントする
(コメントを表示する際、コメントの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。その時はしばらくお待ちください。)