7/28(月)『お化け煙突物語』本読みWS 第2回 その①

2025年7月28日 Posted in 中野WS『お化け煙突物語』
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↑参加の方から初演事の配役について問合せがありました。
これを載せます


昨日は『お化け煙突物語』2回目の本読みWSでした。
初回と変わらず、快調です。
内容が平易かつ軽快に進むので、いつもの1回につき20ページ
というペースを超えて、30ページずつ読み進めています。

物語の進行としては。

①相変わらず、「大塚の息子」が「妹・本間玲子」を口説いています。
その口説きから、「大塚の母」が戦後の闇市でお化け煙突周辺の
労働者たち相手にメチル・アルコールを商って皆さんを失明させた
こと、自らもメチルを嗜んだために便秘になって便通が無いために
入院していることがわかってきます。
メチルの影響からか、「母」は気がふれて煙突にのぼり、ワシの
鳴き声を上げたために「ワシ」とあだ名されるようになりました。
※これはおそらく、ギリシャ悲劇『トロイアの女』に出てくる
トロイア王妃「ヘカベ」の影響です。敗戦により夫と息子たちを
殺された「ヘカベ」は、捕虜としてギリシャへと進む船のマストに
のぼり、犬の鳴き声をあげて落下するというエピソードがあります。

さらに、盲人となった顧客たちが、「母」を恨んで病院周辺に
潜伏していることも分かってきます。後に登場する「蝉丸」
「とかげ丸」「蜂丸」らです。この3盲人は、病院の外から、
上層階にある「母」の病室めがけて石を投げ、窓を割ります。
大量に飛んでくる石を「大塚の息子」が受けながら「玲子」を
口説くシーンはかなり笑えますが、一方、盲人たちになぜそんな
狙い撃ちが出来るのか、どうやって「母」の病室の位置を把握し、
そこまでの投石コントロールを身につけたのか、謎です。

「大塚の息子」の「玲子」に対する口説きは続き、
それが彼の拾ったラブレターを根拠にしていることが分かってきます。
本当は「大塚」宛に書いたものでなく、「玲子」が別の男に向けて
書いたものをたまたま「大塚」が拾ったことが判明し、「大塚」は
自棄に暮れます。

と、そこへ、バイク乗り姿の人が現れます。
一見、男性に見えるこの人こそ、「玲子」の思い人であり、
実はこの劇のヒロインです。つまり、女性。名を「江ノ島カイ」と
言います。「カイ」は玉の井の娼婦に育てられ、その娼婦が愛着した
ベッドがこの鉄道病院にあると知ってここに来たのですが、
娼婦に育てられた経歴からついつい他人を魅了する癖があります。

その必殺の流し目により、「玲子」がメロメロになってしまうところが
ギャグとして演じられます。「カイ」が流し目すれば色目となり、
「玲子」は惚れ惚れと口を開ける、という設定です。
二人の間で右往左往する「大塚の息子」がギャグになっています。

・・・長くなったので、盲人たちの登場は、また明日。


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