11/18(月)『少女都市からの呼び声』本読みWS 第5回
2024年11月18日 Posted in 中野WS『少女都市からの呼び声』
↑フランケが町の人々を連れて乗り込んでくると、舞台は華やぐ。
他方、フランケの孤独とか、雪子を失うかも知れない焦燥とか、
そういうものが見えにくいのが難点。面白いけど・・・
全6回の構想で進めていますから、大詰めが迫っています。
昨日は、雪子がフランケの静止を振り切り、兄・田口と引き換えに
現実の世界にやってくる場面をやりました。
兄が妹に、現実に立ち向かうための3本指を授ける場面が展開した後
田口がグラスを取り落として割ってしまったことにより雪子が
具合を悪くするアクシデントにも見舞われますが、さらに、
フランケもピストル片手に町の人々を引き連れ乗り込んできて
田口を糾弾、雪子に去られるくらいならと、悲嘆と絶望に暮れた
フランケは銃弾を放ちます。田口は身を挺して雪子をかばい、
自分と引き替えに雪子を現実世界に送り出します。
その際、現実世界を生きるよろこびを、秋から冬にかけて
旬を迎える魚・ワラサを例に挙げて語り、雪子がワラサを食べたいと
語るくだりは、唐十郎にしか書けない感動的なせりふの応酬と
なります。
昨日の後半では、現実の世界にいる有沢・ビンコ・看護婦らが
久々に登場し、病院の廊下に居残った有沢が、雪子に初対面する
場面に進みました。二人は初対面ではあるけれど、雪子はずっと
田口のお腹のなかにいたわけですし、有沢は親友のなかに田口とは
違う誰かがいることをずっと予感してきた、だから、雪子の訪れを
必然のようにして受け入れていきます。
実際、オルゴールの箱の中に入れられた髪の毛が雪子として
現れた時から、登場人物名もはっきりと「少女」から「雪子」
へと発展します。
有沢の手を取った時、雪子は自らの手に、フランケとともにいた
世界では欠落していた3本指のあることを確認します。
田口と交替し、雪子が現世を生きてゆく。どういうところで
昨晩は終了時間でした。来週の最終回では、忘却の世界に
雪子とフランケが封じられる、哀しいエンディングが待っています。
次回は、11/24(日)。
12月からは1985年9月に初演された『ご注意あそばせ』を取り上げます。
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